Vitzのアーシングについての続編


電流測定の結果から私は自動車の電源はオルタネータだと言ってきた。従って上図はオルタネータを中心に回路が成り立っていると思ってください。
オルタネータからの電気(電流:赤矢印)は各負荷を通ったのち、自動車のシャーシ、いわゆるボディに流れ込む。このシャーシ部を一般的に自動車業界ではアースと呼んでいる。アースは流れ込んだ電流がそこであたかも消えるような扱いで表現されていることが多いが、これがそもそもスットコドッコイの考えで電流は消滅などせず、わけのわからない(色んな抵抗を含む線路)通り道を通ってやがてはオルタネータのマイナス極にたどりつくのである(リターン電流という)。(これを電気屋さんは閉回路と呼ぶ。すなわち回路が閉じていて電流が流れることを意味する。この閉回路のうち、どこか一ケ所でも線がつながっていなければ電流は流れない。これを回路が開いているという。)
さて、上図の説明の続き。すべての電気が流れる通り道(電線も含む)は抵抗で表した。青線はアーシングで追加した配線、青矢印はその電流方向を示した。そして42スケx1、8スケx8本を使用して結線した場所もイメージしやすいように描いてみた。電流値は前回測定値をそのまま使用した。
さて、前回(8)で電流の向きが逆だと考えていたのは実は点火プラグの高圧がアースに対してプラスだと思っていたからであって調査したら多くの車はマイナス電圧が与えられていることがわかった。従って電流の向きはオルタネータのマイナス極からエンジンヘッドへ向かっていて正しいのだ。
ところでアーシングに使用した電線の抵抗値は次ぎのようなものだ。
線材の抵抗値(銅線、長さ1mあたり)
8スケ電線=2.49mオーム
38スケ電線=0.52mオーム
42スケ電線=0.47mオーム
64スケ電線=0.31mオーム
(ミリは1/1000を表す。抵抗値計算で雰囲気温度は60度で計算している)
この中でもっとも抵抗値の高い電線は当然、その細さ(断面積)から言って8スケ電線になる。例えばこの8スケ、1mの電線に思い切って10A(アンペア)という電流が流れたとすると電線の両端の電位差はオームの法則により2.49mオームx10Aで24.9mVになる。24.9mV(ミリボルト)は0.025Vであるから自動車の電源電圧12Vに対しては0.208%でしかない。アーシングによりリターン回路の抵抗値を低くしたとしてもこのような電位差をはたして議論する意味があるのだろうか甚(はなはだ)疑問なのである。
参考までに
電線抵抗値の算出方法
電線(導体)の抵抗値(体積抵抗値)は次式で表される。
R= rr×(L/A) [オーム]
ここで
rr=抵抗率[Ωm](オームメートル)
L=導体長さ[m](メートル)
A=導体断面積[m^2](平方メートル)
抵抗率rrは、理科年表より
銀=1.62
銅=1.69
アルミニウム=2.62
タングステン=5.48
鉄=10
等を代入する。
-----------
なお、室温Taと材料の温度Tsの温度差がある時は、次式により補正する。
Rt=R{1+aa(Ts-Ta)}
aaは材料の20℃における温度係数。
このページへのお問い合わせや、感想は電子メールで受け付けています。
IsMySun宛メールはトップページから
IsMySun CopyRight(C)
作成日2002.05.10