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アイアンマン・ジャパン初完走記

セッション会員・太田康子


 過去2年連続 IRONMAN JAPAN をDNS(出場辞退)。続いての済州(IRONMAN KOREA)はDNF(途中棄権)。今年からは忙しくなる事がわかっていたので、ひとつの区切りとして何としても去年はアイアンマンを完走したかった。
済州後はさすがに落ち込んだが、超前向きな人と一緒にいたことで、考え方も変わりつつあった。
が、どうしても頭と体は一緒には動かなかった。

 どうして?どうしよう・・・。そんな事を考え、答えを求めるべく、今年は初ロングを完走した宮古島大会にエントリー。まさか、またDNSになるとは・・・。「もうやめろってことかな」ちょっと弱気になった。でも今やめてはいけないような気がした。だから余計に苦しかった。
 応援で行った宮古島。山倉紀子プロや塩野絵美プロの走る姿を見て、どうしたいのか、自分に足りないものが何なのかがはっきりし、JAPANまでの約1ヵ月でできるだけのことをした。

 1週間前になって過労から体調を崩し、お医者さんにも止められたけど、何があってもスタートに立ちたかったので、誰が何を言っても聞くつもりはなかった。

6月15日(金曜日) 現地入りしてからも体に力が入らない。食欲も無く、カーボパーティーもパス。

6月16日(土曜日) 朝、Nちゃんと試泳に行くのに今回サポートに回った山倉紀子さんが送ってくれ、帰りにはコースの一部を走りながら、二人でコースの説明をしてくれた。こんなにしてもらっているんだから、完走して応えたいと思った。そうしたら急に体調が良くなってきた。午後、Uさん達と温泉に行きリフレッシュ。夕食も何とか全部食べられた。  

6月17日(日曜日) レース当日。 バスで会場に向かう。風もなく、暑くなりそうな気配(暑いの大好き!)。お天気も味方してくれそうに思えた。いつもなら、他の選手が強そうで不安になるが、今日の私にそんなことは関係ない。だって他人との勝負(ってレベルじゃないけど)ではなく、自分に負けないことが大事だったから。不安よりもやっとスタートできる喜びを感じ笑顔でいられた。  愛車の「TIMEくん」にスペシャルランチをセット。「今日も頑張ろうね」といよいよスタート地点へ。最後にもう一度自分に確認する。「今日出来ることをしっかりすること!絶対完走する!」  早くスタートしたくて、実力も考えずにかなり前の方に並んでしまった。途中、殴られ、ゴーグルに水が入ったけど、落ち着いて対応。予定より早くスイムアップ。

 バイクはきつかったけど、それ以上にアイアンマンできる嬉しさの方が上回っていた。こんなにきつい事が出来る程、健康でいられるってすごい事だと思った。  まず目指すのは107kmの関門。この関門を14時までに通過しないと先に進めない。「いくら何でもそれは大丈夫だよ」と言われてたが、済州での経験からいつ何が起っても不思議ではない気持ちがあったので、慎重になっていた。何とかパスし、ホッとする。が、途中で紀子さんからK子さんリタイヤを聞き、動揺しそうに。でも、今の私に出来ることは彼女の分もしっかり走ること!と気合を入れ直す。

 さすがにランのハーフを過ぎたあたりで、体調の悪さが内臓に出てきた。覚悟してたし、済州での失敗を繰り返さない為に対策を考えてきたので、余裕で対応できた。  そう、同じ失敗をしないよう、済州での反省点を友達に協力してもらいながら(感謝!)研究してきた。なので多少のトラブルには対応できる自信もあった(対応できる範囲内で良かった〜)。  35kmを過ぎ、あと7.2km。この距離は家からアクラブまでの距離。よくわかっている距離なので自信を持って走れた。 ゴール地点のお城に入ると、前方に友人がいた。抜くに抜けないし、先に行ってもらうと写真写り的にどうかな?と色々考え(予算の関係上写真は買わなかったけど)、一緒にゴール!

 井出さんや紀子さんが迎えてくれ、3年1ヵ月分の思いが一気に溢れた。こんなに嬉しいゴールは初めて! 頑張ってきて良かった・・・。もうただそれだけだった。終わったと言うよりもやっとスタートに立てたような気がした。 4種目目の焼肉やお刺身も美味しかった。K子さんと乾杯できなかった事だけが心残り。

6月18日(月曜日) レース翌日。大会スタッフの清本さんや井出さんが徹夜で作ってくれた完走証を受け取りに行く。改めて完走できた実感が湧いてくる。カテゴリー4の文字がちょっぴり誇らしい(参加人数少なくてラッキ〜)。Oさんに会う。もちろん彼はハワイゲット。「今日は一緒に表彰台♪」と浮かれている私にロールダウン会場に行けと言う。もちろん行くつもり。エイジでたった1枚の切符を手にする人の顔を見たかったのだ。まさか、その切符を私が手にする事になるとは・・・。  今回は何があっても自分に負けずにスタート・完走したかった。ただそれだけを考えてきた。なのにすごいおまけが付いてきてビックリだ。でもハワイへの切符を手にした時のMさんの言葉にこれまでの全てが報われたようで胸が熱くなり、神様がご褒美をくださったような気持ちになれた。  それからは会う人会う人におめでとうと言われ、メールや電話でもお祝いしてもらった。いつもは言う立場で逆だと何だか照れくさいけど、そんな人達がいることが何より嬉しい。

6月19日(火曜日) 飛行機が遅れ、出社時間も遅れた。「ただいまー」と顔を出すといつもと変わらない職場。上司に挨拶し結果報告。さらに10月に長期で休みたいと言うと「そりゃそうだ、行かなきゃいけない」とあっさり許可がおりた。部署の皆とJAPANのHPを見る。クォリファイリストに私の名前を発見。「ホントにあるっ!」一緒に喜んでくれて本当に嬉しかった。個人的な趣味で迷惑かけることも多いのに、一緒にこんなに喜んでくれる人達がいるって幸せなことだと思う。

 今回の結果は奇跡なのかもしれない。  だって私のハワイ行きなんて、誰も予想してなかったはず。でも医学や科学でも証明できないような事が起こる世の中、何が起こっても不思議ではない。「勝負に絶対はないよ。先に諦めた方が負けるんだ」っていつも言ってた人を思い出した。

<絶対はない。チャンスは誰にでも平等にある。やるかやらないかの違いがあるだけ>そんな事を学んだ気がする。

 この奇跡はこれまでの苦い経験と少〜しづつの積み重ね。それらをいつも支えてくれる人達の温かい気持ちが追い風になって起きたのだと思う。こうやって、少しづつでも続けてこられた環境があったからこその奇跡。これからも感謝の気持ちを忘れずに自分らしく頑張っていきたい。
セッションの山倉代表も言ってた「継続は力(運?)なり」で。
皆さま、本当にいつもありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。
「See you next year in Kona !」 去年、応援で行ったハワイで、憧れのナターシャ・バドマンと最後に交わした言葉。本当にまた会えるのかと思うとワクワクしてくる。ナターシャに教えてもらったアイアンマンで一番大切な事が心から理解できた事を早く報告したい。

 浮かれている私にある人からメールが届いた。「・・・このチャンスを生かせるように・・・」 そうだった。私はまだ切符を手にしただけで乗車するのは10月13日。このチャンスを生かすも殺すも自分次第。大切な事を見失わずに気を引き締めていきたい。


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