タコメータを使用してエンジン回転数のモニタを始めました
03.1.12更新
たます式タコメータを設置して1年余。途中から水温計付きにかえてかなり楽しみました。またつい最近FMC-2000という製品もつけてモニターしています。どうしても燃料噴射の配線ができません。せっかくたますさんが開発された画期的燃料噴射モニタが使えなく申し訳なく思っています。
下のデータはたますさんのページなどで収集されたデータを参照しながら自分で1年間観察して来た結果をまとめています。まだまだ足りないところが多いので今後も足してゆきます。
注)ここで取り上げた数値はほとんどマイナーチェンジ後のプリウスでの値です。初期型のデータは緑で示してあります。特性が違う様ですので参考になさる方は御注意下さい。
- エンジン始動・暖機 1,300 rpm (初期型1,250〜1,500 rpm)
動作:イグニションオン、起動、エンジン回転開始、0.5秒ほどでエンジンが回りはじめる。オン5秒後、続いて回転数を上げると同時に充電開始。
うちのMC(マイナーチェンジ後プリウス)では1,300 rpm前後です。基本的に充電量には関係なく一定です。気温が5℃を下回ると1,350 rpmくらいに上がることがあるようです。氷点下であまり経験できない愛知県ですので、もう少し見てみます。暖まってくると、60℃を超える辺りから回転数が下がってゆき、68℃で1,000 rpm、70℃で暖機終了、エンジン停止です。この値は始動後Pレンジのままでの状態です。
Pレンジ暖機中の充電は、冬の現在は1分〜4分です。バッテリーが十分ある時でも1分は充電します。もしかしたら電池の暖機もおこなっているかも知れません。
Dレンジに持ってゆくと40℃でアイドリングストップします。夏だと1分もかかりませんのでかなり有効ですが、冬は2〜3分は我慢です。充電量が少ないと車両が停止した時に充電を始めます。
暖房をかけているときは、ダイヤルを最低温度まで持って行かない限り、66℃に達するまで暖機を続けます。また、走行中も65℃に下がるとアイドリングストップを中止して水温を上げます。
冷房中は冷やす時にはエンジンは停止しません。間欠で動作します。
暖気中にPレンジでフットブレーキがかかっている状態でアクセルをいっぱいまで踏んでやると、瞬間的に2,300 rpmまで上昇したのち、ゆっくりと2,200 rpmまで戻り、その回転数を維持しました。その時、1,400~1,500 rpmを超えた辺りで充電をやめます。
エンジン始動直後に暖まっていない状態で発進すると、アクセルを踏んでもほとんどモーターの力を利用して加速をします。エンジン回転数は1,300 rpmを維持しています。恐らくエンジンに負荷を与えないようにモーターの力だけで走っているようです。アクセルの踏み込みが大きい時や時速が50kmくらいに達するとしょうがない風にエンジンがうなりながら回転数を上げていきます。エンジンの力が必要無くなればまた1,300 rpmまで戻り暖機運転状態になって、暖まるまでこのモードです。あまりいじめないようにしてはいますが。
- アイドリング最低回転数 1,000 rpm (1,000 rpm)
あまりこの回転数を長時間維持することはないようです。暖機だったり、発電状態だったり、エアコン稼動状態だ1,200〜1,300 rpmは回しているようです。1,000 rpmはほんとに何もしないアイドリングで、エンジン停止への単なる通過点という印象があります。また、エンジン停止させるときはたます式タコメータで1,000 rpmを切って、ちょっと間が空いてから停止しています。いきなり停止させているというよりは、スロットルを徐々に絞っていき回転数が1,000 rpmを切るとそれをセンサーが感知してエンジンを停止させる、みたいな印象です。
また、MCプリウスに特徴的なのか、うちのだけの動作なのかは知りませんが、初回水温が70℃を越えたところからアイドリングストップをしなくなります。これは、アクセルを離しても常に1,000 rpmを維持してエンジンが回り続ける現象で、水温が85℃に達するまでは止まりません。アイドリングストップを再開する条件がどうしても見つけられませんが、少なくとも車両を停止させると、5秒ほどでこのモードからは抜けられます。なぜこの状態になるのかは不明です。FMC-2000では、この時の燃料噴射はほぼ無いような数値が出てきますが、本当に燃料を使わずに回っているのかどうか、疑わしいです。1,000 rpmで時速3km/hで瞬間燃費が99.99km/hを越えてるなんてことがあるのでしょうか(笑)。やはりたます式で測るのがいいのかなあぁ...
- 走行中のエンジン回転数
アクセルの踏み具合で回転数が変化します(あたりまえ)。速度が上がる時には回転数が上がって行きます。モーターの加速力でエンジンの負荷が軽くなるせいだと思います。そのため、すぐに燃料噴射を調節して回転数を下げようとしているようです。逆にブレーキをかけると回転数が下がって行きます。同様にすぐに回転数を上げる方向で調整が入ります。
バッテリーの残量が半分の表示の時には、400 rpmほど高い回転数にするようです。75%表示になった瞬間に回転数が落ちます。
45 km/h走行時 〜3,000 rpm
70 km/h走行時 1,900〜3,400 rpm(加速、巡行時)、1,000~1,250 rpm(減速時:燃料噴射無?)
108 km/hまで加速時 最大4,500 rpm
どんなに踏み込んでも108 km/hになるまではエンジンは最高回転数にまで達しません(平地での場合)。
- エンジンブレーキ(Bレンジ) 30~45 km/h ?~1,900 rpm (MC型)
エンジンブレーキでは、アクセルを離すとエンジン回転数をかなり上げて減速します。音もすごいです。音の効果も狙っているとのことです。アクセルの踏み具合によりエンジン回転数も変わります。したがってエンジンブレーキの効きも変わります。FMC-2000では、エンジンブレーキ中の燃費はよくありません。ということは、エンジンブレーキでエンジンが回転している時には燃料を食っている、ということになります。これは私には衝撃的でした。この事実はもう少し検証する必要があります。Bレンジは、モーターによる回生ブレーキの効果を上げて燃費を良くする手段として知られています。事実NHW11型では、アクセルを少しずつ離してゆくとインバータ音が大きくなってゆき、ブレーキ効果も強くなります。しかし、エンジンを回転させるまでアクセルを離すと逆効果にもなりかねません。今はエンジンが回転しないぎりぎりのところでアクセルをほんの少し踏んでいる状態です。かなり無理な姿勢なので、Dレンジでアクセル全閉でゆっくりと回生させてスピードを落とした方がよさそうです。
と思って今日見てみたら、ガソリンを食わずに回っていました。あれれ、条件によってはガソリンを追加してるのかなあ。回転数が上がるまでは噴いているような気もするし、暖機中とその後で違うのかも。
エンジンブレーキはスピードが20 km/hに落ちるまで効き続けます。その後はエンジンが停止し通常の回生ブレーキ状態に戻ります。だいたい17km/hくらいがBレンジとDレンジの違いが見られなくなる境目のようです。また、25km/h以下では、アクセルを離してもエンジンはかからずにモーターによる強力な回生のみのブレーキになります。
- Dec 2, 01: 発進時アクセル全開 デジカムでモニターしてみた結果です。1コマごとに読み取りました。大きい数字で助かります。平地での結果です。(計算が微妙に違っていました。グラフでは発電機は200rpmほど小さくなっています。)

- Dec 24, 01: 55 km/hからのアクセル全開 デジカムでモニターしたデータを引き続き解析した結果です。同じく平地での結果です。

- Jan 6, 02: エンジンブレーキの回転数制御。データ取りました。
考察
- 発電機回転数の制限
MCプリウスですと、モーター単独の走行で69 km/hまで引っぱれます(初期型は49 km/hくらい?)。逆に、高速走行中にアクセルオフで66 km/hまで減速させるとそこでエンジンの回転を停止します。66 km/hに減速するまではエンジンを無理やり回転させている様です。
この理由ですが、フラッシュの遊星歯車シミュレーションで見てみると、エンジンを停止させて70 km/hだと発電機の回転数が逆回転方向で6,500 rpmを越えてしまいます。これを防ぐためにエンジンを回転させて発電機の回転数を減らしているのでは、と想像します。通常減速時には66 km/hでエンジンオフになり、その時発電機は6,300 rpmです。逆に、下り坂でアクセルオフでも加速する時、70 km/hでエンジンが回転を始めエンジンブレーキがかかります。その時の発電機回転数は6,500 rpmです。今のところ発電機の回転上限は6,500 rpm付近と見ています。
さて、70 km/h以上で減速時に燃料を吹かずにしてエンジンの回転をどう制御しているかと言うことですが、やはり発電機をモーターとして正方向へ回転させているのでは、と考えます。走行エネルギーによってエンジンを正回転させる力は確かにかかりますが、回転数を正確に制御することは出来ないと思うのです。発電機の回転力はモーターからの回生電力を使っているのでしょうか。この辺りもたますさんのページの過去ログで触れられていました。
また、もし発電機の回転数のリミットが正回転方向でも設定されているとすると、加速時のエンジン回転数にも制限が現れます。計算上次のようになるでしょう。
エンジン回転数上限 = (速度(km/h)× 94 +6,500)/3.6
表 発電機の回転数の制限が6,500 rpmと
仮定した場合のエンジン回転数の上限
スピード
(km/h) |
エンジン回転数
上限(rpm) |
| 0 |
1,800 |
| 25 |
2,450 |
| 50 |
3,100 |
| 75 |
3,750 |
| 84 |
4,000 |
| 100 |
4,400 |
| 103 |
4,500 |
01年12/2の実験でも、グラフでは一旦7,000 rpmまで発電機の回転数が上昇します。その後はエンジン回転数を上げないようにして、車速が上がってくると発電機回転数が6,500 rpm付近で落ち着いています。やはりプリウスとしては6,000〜6,500 rpm付近にとどめておきたい様です。
加速中にエンジン回転数に制限をかけられるのは、効率の良いエンジン回転数で加速できないし、効率が良くなくてもパワーが前回にできないので不利だと思います。しかしプリウスはその点、加速に必要なトルクをモーターから補うことができます。ハイブリッドの利点であると同時に、プリウスの遊星歯車機構の限界でもあるのではないでしょうか。エスティマでは機構を複雑にすることにより、この回転数の制限をゆるくしているように見えます。プリウスでは例えば、時速50 kmからの加速ではエンジン全開で走らせることは出来ません。
03.11付記 THSIIではこの発電機の制限が10,000rpmまで緩められてかなり加速が良くなっているようです。
停止中Pレンジでのアクセル全開実験ではエンジン回転数は最大2,300 rpmまで上昇した後2,200 rpmまで絞られました。それでもその時の発電機の回転数は最大8,000~7,700 rpmです。この時は発電はしていないものの、発電機にはあまりよくなさそうです。
- 発電機が逆転している状態(オーバートップギヤ)
例えば上に見てきたようなアクセル全開のシチュエーションは通常プリウス乗りには無縁なのですが、では燃費に一番良い走り方をしている時にはそれぞれの回転数はどうなっているのでしょうか。
60 km/h走行時にはエンジン回転数は1,250 rpm程度です。この時、発電機は-1,150 rpmで回転しており、発電する回転方向と明らかに逆転しています。この状態をどう説明するか、ペンギン丸さんとこの掲示板でも議論しましたが、やはり私の意見としてはこの時、電気を使用して発電機を逆回転させていると考えています。この時使用する電気はモーターを発電機として発生した回生電力ではないかと思います。回生電力と言うと誤解が生じますが、エンジンの力でモーターを回転させていると考え、エンジンに負荷をかけるべく発電機の役割をさせていると考えています。すなわち、駆動軸には走行抵抗とモーターの発電の抵抗の両方がかかっていて、エンジンはそれに打ち勝って回っているということです。そこで発電された電力は、充電に回されるものと発電機を逆転させるエネルギーとに振り分けられて、発電機が逆転することでかなりのオーバートップギヤの状態になってエンジン回転数を低く抑えることができている。発電機は逆転することでエンジンの回転を加速させる方向に力を加えており、(エンジン+発電機)=(走行抵抗+モーター発電抵抗)で釣り合う。この時、エネルギーモニタ上ではタイヤからのエネルギー流は表示されていませんが、エンジンがモーターを直接回して発電しているからだと考えると、それほどおかしな表示ではないと思います。
また、このエネルギーモニターでは発電機とモーターがいっしょくたに表示されています。これは、モーターも発電機もその時々でその役割を逆転させることがあるため、一つの装置として見る方が自然だからという取り方も出来ます。遊星歯車を無段階変速機として使用するためには発電機とモーターの間でエネルギーのやり取りが行われているはずで、その流れはドライバーにとって必要な情報では無いため表示されていないのではと思います。プリウスの開発の段階で、実はモーター無しで発電機だけでの制御が考えられていたらしいのですが、その名残りのモニター表示なのかもしれません。このモーター無しで発電機だけでの制御は難しかったようです。
ハイブリッドカー(プリウス)における遊星歯車機構の役割(PDF) 矢田恒二博士 の内容を読み返してみると、最近少しだけ理解出来るようになった気がする。
それでもまだわからないことが多すぎる。上の考察も間違っているかも。特に、オーバートップギヤの考察は3.2.2(c)エンジン駆動状態の内容と食い違っているため、やっぱり自信ありません。
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01.12.24 初稿
Jan. 13, 03
モニタ中の画面

妖しく光る