プリウスの走行中の発電効率
プリウスはガソリン車ですから、走行エネルギーはガソリンから得ます。ブレーキ時には回生発電をして、また足りないときにはエンジンの力を少しまわして発電しています。この蓄えておいた電気を、発進時や急加速時、あるいはエンジンの効率の悪いごく弱い加速時に使用します。エンジンの力で発電する時、発電の電流の大きさによってガソリンの消費量は異なります。例えば、同じ速度で走行しているとき、全く発電していない状態と、20 Aの発電を行っている状態では発電している方が多くガソリンを消費します。瞬間燃費計を見ているとその差がよくわかります。同じ速度で走っていても燃費計の指す燃料消費率が違う、というのは一見不思議ですが、後々使う電気を先に蓄えているか、または先に使った電気を後から補充している、要するに先取り、後取りということですね。
で、プリウス乗りが必ず通過する儀式として、燃費の良い走りを追求する、というものがあります(すでに悟りの心境の人には懐かしいことかも知れません)。特にぶち当たる壁として、プリウス特有のモーターオンリー走行(ステルスモード)が果たして燃費向上につながるか、という命題がありますね。
この問題を理論的に考えて、2つの可能性が示されています。
- モーター走行は燃費向上に役立たない
- モーター走行は燃費向上に役立つ
当たり前です。2つしかありません。強いて言えば1番は役立たないばかりか燃費が悪化する、という意見が大多数かも知れません。
1.モーター走行は無駄
一番始めに書いたように、プリウスの電気はガソリンのエネルギ−から作られます。ガソリンのエネルギーはエンジンで運動エネルギーに変換された後、モーター/発電機にて電気に変換され、続いてバッテリーに充電されます。使うときには逆にバッテリーから電気として取り出し、モーターにて運動エネルギーに変換されます。このエネルギーの変換部分で必ず無駄になる分が出てきます(熱エネルギーとして失われます)。これを考えるとエンジンで運動エネルギーを発生させたらすぐに使った方が無駄が無くてよい、という考え方です。
エネルギーの流れは1の方がいいということで、2のバッテリーへ迂回して流れると損失が大きい、だから通常はエンジンをできるだけかけた方が有利、ということです。
2.モーター走行は役立つ
しかし、プリウスに乗り始めて最初に感動するのはモーター走行でしょう。そうでなくても、単純に考えて、エンジン走行中に表示される瞬間の燃費を上回る平均燃費をたたき出すためには、エンジンをストップさせて走行するしか無い。実際にエンジン走行で燃費計を見ていると、どうしても数字が頭打ちになっていると思える(例えば瞬間28km/lが限界、とか)、だけどもっといい成績が出せるはずだ、という発想です。ガソリンを消費せずに距離を稼げば、「燃費=距離/ガソリン」の式の分子を大きくできます。そのためには、エンジンを切ってゆるゆると減速するか、モーターの力だけで加速、あるいは速度維持をするかです。ゆるゆる減速はモーター走行ではありませんので、本来は速度維持、あるいは加速だけが該当します。しかし、通常はあまりあり得ない走行法として加速、ゆるゆる減速を繰り返す走行法があります。大昔の自動車の運搬時(自走)にはこの走行法が用いられたと聞いたことがあります。これもおおまかには入れてもいいのでは、と私は思います。エンジンの間欠運転という観点から。
この説でいつもつっこまれるのは、使った電気を後から発電するには、それだけ余分にガソリンを食うから実は燃費向上に役立たない、という意見です。しかしエンジン走行では、平地あるいは少し下りの坂で定速走行するのに必要な、わずかなエネルギーを出すには無駄が多く、それならば電気だけで走った方がいいのではないか、使った分は後からエンジンを無駄の少ない適当な出力まで引き上げて、その時に少しだけ発電に分けてもらって回復すればいい、という考え方です。メリハリをつけてみよう、という感じでしょうか。
そこで、発電を行っていないときと、発電を行っているときで燃料消費率がどのくらい違うかをみながら、その発電した電気を後から走行に使うと実際の燃料消費率はどう変わるかを概算しようと試みました。かなりprimitiveなデータです。
別のページで計算したように、時速50 kmの定速走行に必要な電流は13.5 Aですので、これを基準にします。例としてEMVで16 km/lと表示されていて、13.5 Aを発電しながらエンジン走行で時速50kmで10分間走っている場合を考えましょう。10分間走行しながら発電して、次にエンジン停止して、モーター走行すると充電した電気で時速50kmで10分間走れます。すると、エンジンをかけて走っていた距離の2倍走る訳ですから、計算して32 km/lという数字がほんとうの燃料消費率になります。
ところが、実際にはそれだけ走れません。まず、もともとプリウスが消費するさまざまな電力、おそらくはほとんどが12 V系のアクセサリー類の電力消費(baseと仮に言います)を考慮していません。この電流は駆動バッテリーから1.5 Aくらい常に使用されているようです。バッテリーへの電流を測るときには常にこの分余分に発電していることを忘れてはいけません。また、モーター走行時にもこのbase電力が必要ですので、その分も要ります。すなわち前述の条件で言うところの13.5 + 1.5 + 1.5 で16.5 Aも充電してやっと、燃料消費率が2倍になります。ただし、計算上発電と同時に使用しているbase電力の1.5 Aは考慮しなくてもいいです。測定値はそれを引いた値が得られますので。ですから、13.5 + 1.5 =15 Aとしましょう。
次にバッテリーで一旦蓄えてから使うと熱で失われる分があります。出入りで効率を75%とすると、15 A / 75% = 20 Aという発電量が燃料消費率を倍にする数値、ということになります。はじめの計算の数値とはかなり異なります。この差が先ほどの1番の意見のキモのところです。
以上の計算式をまとめますと、
実際の燃料消費率 = EMV燃料消費率 + 発電電流 /(定速走行に必要な電流 + base電流)* 効率 * EMV燃料消費率
実際に平地で定速走行して電流値とEMVの表示燃料消費率を筆記で記録したデータで計算してみました。バッテリーでの損失を効率75%と50%の2通りで出してあります。
表 電流値とEMV表示の燃料消費率から計算した実燃費
時速 km/h | エンジン回転数 rpm | 発電量 A | EMV燃料消費率 km/l | 充放電効率75% 実燃費 km/l | 充放電効率50% 実燃費 km/l |
| 50 | 1350 | 21.3 | 15 | 29.9 | 24.9 |
| 50 | 1350 | 18 | 15 | 27.4 | 23.2 |
| 50 | 1210 | 6.3 | 25 | 31.0 | 29.0 |
| 50 | 1200 | 5 | 25 | 29.3 | 27.9 |
| 50 | 1200 | 3.2 | 25 | 27.1 | 26.4 |
| 50 | 1200 | 1.8 | 28 | 28.4 | 28.3 |
発電量はbase電流を足した値(測定値そのもの)です。
ちょっと見ればすぐにわかりますが、この数値から実燃費が一番良いところを探るには数値が大雑把すぎます。(ここまで熱心に読んで下さったのにすいません)。もう少しデータを蓄積してみます。とにかく充放電効率の数値が鍵となります。
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04.1.1 意味不明な部分(ほぼ全部)を書き直し
計算式に疑問がありましたら教えて下さい、自分でも微妙かなぁと思ってます。以前エンジンの間欠運転で時速50kmで36km/lが出たことがありますので、空気圧、天気、風速などを考慮して測定し直してみます。
付録 まだ吟味が必要な未確定なデータのグラフ



