プリウスの走行抵抗と電流値


プリウスは電気だけで走行できるため、物理法則を意識して楽しむことができます。私の物理の知識は微妙なので(大学の物理の授業はいちおう可でしたが、高校は理科Iだけだったので...)間違いがあれば指摘いただければと思います。

走行抵抗

自動車が走行するときに受ける抵抗は主に、
  1. 摩擦:走行速度にほぼ関係なく一定値
  2. 空気抵抗:速度の二乗に比例する、風の抵抗も含む
  3. 勾配での抵抗(重力):勾配のきつさによる
です。プリウス新型車解説書(NHW11)には、丁寧にも走行抵抗のグラフが書かれていたので、それを読み取って近似式を作ってみました。
走行抵抗(N)=190+0.42*v(m/s)^2
グラフは下のようになります。


 この走行抵抗に打ち勝つ力を加えてやれば、プリウスは前進し、加速します。一定速度で巡航するためには、その速度の走行抵抗と同じ力を前向きに加えれば良い訳です。時速50kmでは271 Nです。

 271 N を発生させるためには、モータの出力をどれだけにすれば良いか、です。時速50 kmで271 Nですと、1秒間の仕事は、
1秒間の仕事= 力(271 N)* 1秒間に進む距離(50 / 3600 * 1000) m
計算すると3.76 kJ/sです。J/sは W(ワット)なので、モータは3.76 kWの出力を出せば良いです。3.76 kWは、電力だと 273 V * 13.8 A になります。実際にいくつかの速度で電流を確かめたところ、ほぼ同じような値が出ました。もちろんモータから熱になる損失がある訳ですが、誤差が大きすぎてそこまで測ることはできませんでした。グラフは次のようになります。


 さて、ある距離を移動するのに必要な電力量を計算すると、どれくらいの速度で進めば一番効率がよいかわかります。最初と最後の加速と減速はプリウスですと回生ブレーキがありますので、実際にはあり得ませんが効率100%とすれば無視できます。例えば、60 kmの距離を進むには時速60 kmでは1時間、時速30 kmでは2時間かかります。上の出力の値と時間を掛けます。計算すると、時速60 kmでは5.1 kWh、時速30 kmでは3.6 kWhでした。速く走れば走るほど空気抵抗からくる走行抵抗の分だけ損します。
 しかし、実際にはのろのろ走るのは現実的でないし、そもそも効率の良い燃費をたたき出せる速度はもっと速いところにあることはよく言われています。モーター走行に限って考えたとき、一つの要因として影響は小さいかもしれませんが、常に消費されている電流があります。これは、プリウスの電源が入ると必ず消費される電流がおよそ1.5~2 Aあって、補機バッテリへの充電やら電装品の消費分がコンバータを介して流れていきます。この分の消費電力量は時間が増えれば増える訳で、短時間で目的地に着ければそれだけ少なくて済みます。それを含めて60km離れた場所へ移動するのに必要な電力量を計算すると、次のようになりました。



時速30~50 km辺りがいい線かな、と思います。

 ちなみに、電力会社から家庭用の電気を使って走ったとすると、1 kWあたり25円で計算して、5 kWhで125円です。一方ガソリンでリッター30km走るとすると、2リットル必要で200円です。圧倒的に電気の方が安いです。ただし、税金のことを考えると...
 以上見てきたものは、すべてモーター走行での理論値です。実測でも電流の値はほぼ計算通りになりました。ただし、プリウスは電気だけで走る訳では決してありませんので、次はエンジンで走る場合(これが普通の状態)を見ていきたいです。いつになるのやら...

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03.11.9