注意)バッテリーの改造は危険が伴いますので、バッテリーおよびその充電方法の知識を身に付けてから安全策を充分に取って、各自の自己責任で実行するのが常識となっています。くれぐれも火災に気を付けて下さい。

夏休みの工作

 やっちまいました。柏木さんのバッテリー取り替えをまねして私も実行してしまいました。その間2年以上じっくりとバッテリーの性質および充電方法の歴史をインターネットで勉強してきました。特にニッカド電池からニッケル水素に変えるためには両者の違いを理解していなければなりません。例えばこちらこちらでかなり詳しく解説されていますので参考にして下さい。

 で結論から言えば、柏木さんが成功しているのでたぶん大丈夫だ、ということでニッケル水素電池で行くことにしました。バッテリーを何にしようかと思案しておりましたが、最近吉野電装さんのページにあった、東芝製の12Vニッケル水素電池パックが大きさから言って大丈夫そうだったので注文してみました。実はその時点ではPB150のバッテリーパックを分解していなかったので内部の構造がどうなっているのか知らなかったのですが、結論から言ってOKでした。ちなみにこのページからリンクされている様々な改造事例は大変勉強になります。

 すでにPB150のバッテリーパックはダメになっていました。引っ越しやらで半年以上放置してあったのが原因だと思います。10回は充放電しましたが回復しません。持続時間は3分、ただし、Terminal Discharge modeで30分は持つのが悔しい...

 到着して心を決めるのに3日。いざバッテリー分解から開始しました。柏木さんやたくさんは上からくり抜いていますが、私は下からこじ開けました。

 

 失敗です。裏蓋はボロボロになってしまいました。シールが貼ってあるため、原型をかろうじて留めています。先人の教えには従いましょう。内部の元の電池はニッカドの5本x2の構成になっています。まさか並列につながっていたとは... 間に挟まっている黒い部品はTiの温度プロテクター 4MM75D-01 です。温度上昇および過電流に対して回路を遮断します。バイメタル方式で自然復帰するようです。保護機構はこれだけみたいです。電圧を測定してみると、セルの1つの電圧が他に較べやや低いことがわかりました。そのため充電時のバランスが取れなくなって駆動時間が減ったと思われます。

 さて、吉野電装さんから購入したパックを分解します。パックには分解するなと書いてあります。ここから先は自己責任で...(すでに踏み越えていまが)このパックには先ほどのThermal protectorの他に、2つ部品が付いています。何でしょう?とりあえずこれらを取り込んで5本構成で組み立ててみます。電池自体がくっついているので、剥がすと外被が破れます。熱に耐えるテープで絶縁しておきます。ちなみに作業中ちょっとだけショートさせてしまいましたが「バチッ」と威勢良い音と光がしました。まるで花火のようでした(危険)。

 

 間違えていました。保護機構だと思っていた一つの部品は違った様でした。これを取り外して2つの保護部品で再度組み立てて完成。ガムテープでグルグル巻にされている可哀想なバッテリーパック(not shown)。電圧をとりあえずチェックして、おもむろにPowerBookに差し込みます。メルトダウンだけは起こさないようにと祈りつつ...





7/29 現在監視付きで充電中 始めの仮充電後には立ち上げOKとりあえず30分持ってます。フル充電でどれだけ持つか?

 Apple のページによれば、元のパックは2500 mAhのようです。並列なら納得の数字です。3500 mAhに増えてどうなることでしょうか。

01.7.29初稿

<その後>

 11/10 3ヶ月そのまま充電状態で放置しておきました。そこでBatteryAmnesiaにて試してみました。



 始めの頃の電圧がすでに維持できなくなってきています。3回充放電してみましたがあまり成績は良く無いです。真夏の40℃以上の室温が一月ほど続いたのでその時に劣化したのかも知れません。今年の夏は電池駆動の壁掛け時計が高温のため止まってしまうほどの酷暑の名古屋だったので...。ニッケル水素はニッカド電池に較べ温度に敏感だと聞いていますので、充電時に高温になると良く無かったのでしょうか。ただ、まだ2.5時間はもちますのでバッテリ交換としては大成功!です。今のところ発熱や発火の気配もありません(あったら恐いけどネ)。
 ハイブリッドカーのプリウスにもニッケル水素電池が使用されていますが、プリウスでは充電量が普段60+-20%を維持しながら使用されています。満充電は基本的に行っていません。この中途半端な充電量により、大電流を取り出したり充電したり出来、また長寿命を保つことができるらしいです(車両寿命よりも持つと考えて良いらしい)。パソコンなどでは常に満充電状態からギリギリまで放電することを繰り返すため、放電回数300回とか数年しか持たない寿命と言うのはしかたないものみたいです。そうしたら、プリウスと同様に60%程度の充電量になるようにすれば、電池駆動時間は短くなるものの、寿命は延びるのかも。あまり持ち運ばないで使用するのなら、無停電電源装置としてならそれでいいような気もします。聞いた話によるとプリウスの電池開発をしたパナソニックでは、充電量を抑えたヒゲ剃りを市販するらしいとか。

<その後2>

 02/5/2 改造から9ヶ月、前回の放電から6ヶ月後にふたたび3回BatteryAmnesiaで調整してみました。また、バッテリ電圧を測定するための配線を外に引っ張るため一度パッケージを分解しました。



 やはり一度目は電圧が低めでしたが、その後2回繰り返すことにより前回の調整とほぼ同じくらいにまで回復しました。スリープまでの持続時間は2時間半(BatteryAmensiaではその後terminal discharge modeになる)、完全シャットダウンまでは3時間10分ほどでした。秋から春までの気候で余り暑さに晒されなかったのが良かった様です。

 また、今回放電中のバッテリ電圧を測定し、ディスプレイにBatteryAmnesiaが表示する電圧値と比較しました。すると、次のグラフのようになりました。


 PowerBook150はマザーボードはPowerBook Duoシリーズの設計を流用しているらしく、BatteryAmnesiaの表示が通常の電圧よりも2倍程度多かったのですが、ただ単純に2倍では無いことに(今さらながら)気づきました。もしかして同好会の過去ログにすでにあるかもしれません。黄色の線が単純に1/2にした時の値ですが、シャットダウン電圧の5.65 Vはほぼ1/2であるものの、高い方の値はかなりずれていました。恐らく、BatteryAmnesiaの中にPowerBook150専用ののデータが含まれていないか、PowerBook150の電圧監視ルーチンが他のPowerBookシリーズと違って特殊なのかもしれません。実測値から計算すると、PowerBook150では次のような電圧管理を行っていることになります。

 バッテリパック電圧 (V)1本当り(V)
満充電 7.40 1.48
強制スリープ 6.09 1.21
強制シャットダウン 5.60 1.12


 放電電圧に関しては、強制シャットダウンで1.12 Vですので、安全圏で放電を終了していることになります。市販のバッテリチャージャではもう少しがんばって放電可能の様です。
 放電後の充電は、まず、6.00 V の電圧をかけてバッテリの状態を調べます(5秒間)。その後急速充電モードに入る様です。6.3 Vから少しずつ電圧が上昇していることから、恐らく定電流で充電しているように見受けられます(実測してみたいところです)。1時間強かけて7.1 V 程度まで急速充電後、低電流での充電に切り替わる様です。満充電までの時間はほぼ20時間、その時の電圧は7.36~7.40 V(最大値)です。
 起動中の電圧は7.29 Vまで低下しますので、起動しながらの充電では満充電に到達しないことになります。また、ACアダプターADP-17AB(17W )の開放電圧は7.80 Vですので、7.40 Vまでというのは、単純にACアダプターの最大電圧に依存しているのかもしれません。もう少し容量の大きいアダプターを使用するともう少し電圧を上げることが出来る可能性はありますが、Appleでは使用するアダプタを厳密に決めていて、PB150とPB100では大容量のもの(>19 W)を使用するとロジックボードを破損するため使用を禁止しています。充電電圧とも関連あるのでしょうか。

<その後3> 04.5.26
 さらに2年経ち、その間半年に一度くらいは放電、充電x2を繰り返しています。ちょっと長く置きすぎて、電圧が4V程度(それも開放電圧)にまで落ち込んだときもありますが、普通に充電を繰り返したら治りました。そして2004年の夏に向けて再び活性化を行っておきました(真夏にやると充電温度が上がるので避けています)。いつものように充電は丸2日かけました。
 1回目 バックライト最小 (minimum backlight)


 2回目 バックライト最大 (maximum backlight)

 ほとんど劣化していません。2時間フルで使えるなんてすばらしい。使ってないから当然!なのですが、やはりACアダプター挿しっぱなしはよくないのかもしれません。そしていつものようにまた押し入れにしまっておきました。これでも災害時の明かりになりますし...

 <おまけ>
 流行のリチウムイオン充電池に換えることは可能か?
 リチウムイオン電池の満充電電圧は4.1 V(2本並列で8.2 V)、放電終了電圧は3.0 V(6.0 V)です。PowerBook150ではスリープへ移行する電圧が6.09 Vですので、通常使用であればリチウムイオン電池の使用電圧範囲内で納まりそうに見えます。リチウムイオンバッテリパックに付属の充電制御回路をそのまま使用すれば、比較的安全に行けそうな気もしました。ただし、どうがんばっても満充電には至らなく、容量の半分くらいしか充電できなさそうです。これでは全然実用的ではありません。充電電流も換装したバッテリに合った制御が必要ですし、スリープ後に忘れて放置すると過放電状態になりバッテリに大きなダメージを与える恐れもあります。それに付け加え常に破裂発火の危険に晒されながらの使用になりますので、素直に諦めました。


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