Sun - April 29, 2007「愛しのジャズメン」とか新刊や積読の消化など何冊かピックアップ
愛しのジャズメン
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小川隆夫(東京キララ社)
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医師であり,音楽評論家・プロデューサでもある著者による,インタビューやレコード製作にまつわるこぼれ話集です.本人も認めていますが,さまざまなトップミュージシャンとの思い出自慢で,ほんとうにうらやましい. ディープスロート 大統領を葬った男 / ボブ・ウッドワード(文芸春秋) 情報提供者の秘密は本人が死ぬまで明かさない.たとえ,同僚に小さなウソをついたとしても....ジャーナリストの命綱ともいえるこの信条をかたくなに守り通しているからこそ,ウッドワードは現在もなおスリリングな著作を発表し続けているのでしょう.そんな著者の心の葛藤が描かれています. 世界でもっとも美しい10の科学実験 / 青木 薫(日経BP社) 深く,効率的でかつ,決定的な「美しい」10つの実験.フーコーの振り子など. Tue - April 24, 2007デイヴィッド・ハルバースタムの訃報本当に惜しい人がまた亡くなりました.
交通事故に巻き込まれたとのこと.73歳でした.年内には朝鮮戦争に関する著作を発売する予定で,その取材先へ向かう途中だったようです.
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ノンフィクションの面白さを教えてくれた真のジャーナリストだっただけに,残念です. Wed - March 21, 2007ここ1,2ヶ月は内田先生の本にハマってますテレビには出ない神戸女学院大学の内田先生に注目しています.
先生はえらい
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内田樹(ちくまプリマー新書)
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中高生向けに「学ぶとは」を説いた本.大人が読んでも面白いです.本気で中高生に読んでもらおうと思ったかどうかは謎ですが,本当に多くの中高生が読んでくれて感化されてくれると助かります. 主題の「先生はえらい」がいつのまにかどこかに行ってしまってるような気がしますが,最後にちゃんちゃんと落としてくれます, 下流志向 / 内田樹(講談社) 狼少年のパラドックス / 内田樹(朝日新聞社) 前者はいつぞやかの講演会,後者は本人のブログを基にしたものです.両方とも妙に納得できて痛快なウチダ先生流の教育・社会論が楽しめます. 内田先生のブログはこちらです. Sun - March 12, 2006「攻撃計画」とかしばらく更新していませんでしたが,ここ数ヶ月かで積読状態を消化して面白かったのをタイトルだけ.
攻撃計画 /
ボブ・ウッドワード(日本経済新聞社)
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「ブッシュの戦争」の続編.大統領本人へのインタビューにも基づき,外野からの単なる批判本とは次元の違う内容です. 脳と仮想 / 茂木健一郎(新潮社) 動作の意味論 / 長崎浩(雲母書房) プリンストン高等研究所物語 / ジョン・L・カスティ(青土社) アインシュタイン,ゲーデル,ノイマン,オッペンハイマーという天才たちに役所(やくどころ)を与えて脚色を加えた半ノンフィクション. ニュートンの海 / ジェイムズ・グリック(NHK出版) 潮の満ち引きをも説明する万有引力の法則を打ち立てたニュートンは,生涯海を見たことが無いらしい. ケプラー予想 / ジョージ・G・スピーロ(新潮社) Sat - January 22, 2005ツール100話 ツール・ド・フランス100年の歴史 / 安家達也(未知谷)世界最大の自転車レース,1903年の第1回から2002年の第89回までのエピソード集です.
ツール開催のきっかけから連勝中のアームストロングまで,ツールにまつわる様々なエピソードや名選手を広く取り上げています.
Posted at 11:10 AM 続きを読む
歴史的なところで興味深かったのは,初期はレース中のタイヤ交換すら認められず,かつ修理もいっさい人の手を借りてはいけないという厳しさ.第11回大会では総合トップだったクリストフが折れたフロントフォークを村の鍛冶屋でレース中に(!)自分で修理し,なんとか復帰したものの,鍛冶屋の少年がふいごを操作してくれていたばっかりにペナルティタイムが課せられ(それでも!)7位になってしまったとか. 1回あたりのページ数が4ページ前後と,気軽に読めるのですがちょっと物足りない気がします.おなじ出版社から出ている「ツール・ド・フランス物語 / デイヴィッド・ウォルシュ」はイノー,キアプッチ,インデュラインといった名選手に加えドクターやジャーナリストといった関係者合わせて13人に絞ったインタビューに基づいたドキュメントで,こちらも面白いのでどうぞ. 一人の選手について書かれた本では同じく未知谷の「グレッグ・レモン / サミュエル・アプト」,「ミゲル・インデュライン / クリスティアン・ラホルド」,講談社から出ているアームストロングの自伝「ただマイヨ・ジョーヌのためだけでなく / ランス・アームストロング」を読みましたが,個人的にはアメリカ人初のツール優勝者のレモンの話がおすすめです.自転車王国のフランスでアメリカ人がいじめられるというのが痛快(?)であるのと,猟銃事故からの奇跡の復活,イノーとの確執など,話題が豊富です.アームストロングは癌を克服して現在も勝ち続けている超人ですが,勝ち気な印象がどうも....あと家族の大事さを力説しているのですが最近離婚してしまいました....それに対してインデュラインはあまりに謙遜で語らず,そのせいかクリスティアン・ラホルドの本はインデュラインの出身地スペイン・バスク地方のおとぎ話のようです.ちなみにバスク地方については「南蛮のみち I, II 街道をゆく22 / 司馬遼太郎(朝日文芸文庫)」が面白かったです. ツールといえば,かつてNHKが総集編を放映していた頃(1980年代後半),BGMにSteps Aheadのアルバム「Magnetic」が使われたことがあり,TrainsやAll the Tea in Chinaといった曲がアルプスの山並みを駆け抜ける自転車の隊列とやけにマッチしていたのが印象に残っています. Sun - January 16, 2005武井武と独創の群像 / 松尾博志 (工業調査会)フェライトの発明者,武井武博士の伝記です.
フェライトの発明は東工大が世界に誇る物の一つであり,TDKという会社の元の社名(東京電気化学工業)は加藤與五郎・武井武研究室のあった電気化学科に由来するものであるということは学生時代に聞いていたものの,それ以上の興味を持っていませんでした.
Posted at 10:15 PM 続きを読む
同じく松尾博志著による,八木アンテナの発明者の一人である八木秀次博士(東工大の学長も歴任)の伝記「電子立国日本を育てた男(文藝春秋)」が面白かったので,フェライトに関する本書も購入してありました.しかし尻込みするボリューム(2段組 約650ページ)のため,積読状態でした.で,読み始めてみたらやっぱり面白かったです. 武井武博士の伝記なのですが,加藤與五郎博士,東京電気化学工業の創設者である斎藤憲三氏(後に衆議院議員となり,松前重義博士らと原子力研究や科学技術庁の設立を実現した)を加えた3人を中心に語られます.当時にして「創造」ということを訴えていた加藤教授と,政治家の息子で数々の事業を失敗しながらも加藤と出会うことで東京電気化学工業なる会社をつくった斎藤氏の2人のほうが人物的には特異なキャラクターでエピソードも豊富です.それに対し主人公の武井武博士はその発言に私情をほとんど表さなかったようで,著者が当時の周辺事情や現存者へのインタビューから推察し埋め合わせていきます. 戦前に世界に先駆けてフェライトを発明し工業化したにもかかわらず,理論的解明は国内の物理学者の協力が得られない状況だったり,不運としか言いようがない理由で戦後教職追放され東工大を追われたこと.フィリップス社が日本で申請したフェライトの特許が認可されてしまい,それの無効審判請求が通る直前になって東京電気化学工業の経営上の判断から和解してしまったこと.さらには,フェライトの磁性に関する理論でネールが単独でノーベル賞を受賞したことなど.不遇とも言える現役時代を過ごすのですが,武井武博士はそれらを悔やむような発言を身内にさえほとんど漏らしていないとか.しかし,ただ黙っていたのではなく,フェライトに関する国際会議の開催に尽力することで世界中の研究者から「フェライトの父」として敬意を向けられる存在になる,慶応大学定年後から最期までを描く最終章が個人的には本書のハイライトです. 比較するべくもないですが,つい最近,サラリーマン時代の発明の対価をめぐる訴訟に和解したことで(和解なのに?)司法を口汚くののしった人(教授)をTVでみて強い違和感を持ちました. Fri - December 17, 2004「汐留川」とかここのところ読んでいた小説とか
アフターダーク
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村上春樹(講談社)
Posted at 01:30 AM 続きを読む
途中,台本のようなト書きが出てきたり,おやっと思う所もありますが,あくまで村上ワールド.ちょっと物足りないボリュームなのと,最近の彼の作品の主人公低年齢化(自分の高年齢化?)がつらくなってきました. 汐留川 / 杉山隆男(文藝春秋) うって変わって大人の短編小説集です.ノンフィクション作家の小説らしく,調査やインタビューに基づいていそうなリアルさがあります.ありそうな話の中でハッとさせられたり,印象深い作品ばかりです. その名にちなんで / ジュンパ・ラヒリ(新潮社) デビュー短編集がピューリツァー賞をはじめ文芸賞を総なめにしたインド系作家の2作目は長編です.アメリカに住む「ゴーゴリ」と名付けられたインド系2世の主人公を中心に,親子2世代の人生を緻密に丁寧に描きます.途中いろいろありますが,最終的にはすがすがしい気持ちで読み終えられました. Fri - December 3, 2004「原子爆弾の誕生」とかしばらく間があきましたが,読んでいた本のいくつかを.
原子爆弾の誕生(上・下)/
リチャード・ローズ(紀伊国屋書店)
Posted at 01:49 AM 続きを読む
19世紀末の原子物理学の黎明期からヒロシマ・ナガサキまで,ピューリッツアー賞受賞のドキュメンタリです.すでに廃版ですが,古書で手に入れました. 中性子による核分裂の連鎖反応というシラードの思いつきが本人の手を離れて最悪の結果になる過程を淡々と詳細に述べています.確かに分量も多いのですが,避けようもない悲劇的な結末がわかっているだけに,終盤は読み進むのに気力と時間を要しました.投下後の様子を蜂谷道彦の「ヒロシマ日記」を引用しながら語る最終章はローズ本人のやりきれない気持ちを吐露した言葉で結ばれています. コンピュータの発明/ 能澤 徹(テクノレヴュー社) コンピュータを発明したのはいつ誰なのかという基本的な問いに硬派に答えたという本です.これまでの書籍や通説・俗説の誤りの指摘から始まり,とにかく原著論文・オリジナル資料にこだわったコンピュータ史の解説だそうです.スコット・マッカートニー著の「エニアック」を『ノイマン,お前だけは許せない!』という帯のコピーにつられて買い,あわせて買った星野力著の「誰がどうやってコンピュータを創ったのか?」で納得していた私としては見逃せない本でした. 17世紀のパスカルの歯車式計算機からUNIVACの1950年代まで,コンピュータの仕組みの歴史をアーキテクチャやプログラムの方法まで深く調べ上げて比較しています.内容は明快なのですが,読んでみて気になったのは,写植,製版,図版,文章の酷さ.年号などは18xxと19xxを同じページで間違えているのは数えきれず,英数字を全角文字で書くのか半角文字で書くのかも統一されていません.まるでマイクロソフト・ワードを初めて使って書いた原稿のようです.文章も同じことの繰り返しが多く,最終章にいたっては章のタイトルが間違ってます.鼻息の荒い出だしだけにちょっとカッコ悪いです. Sun - May 30, 2004「明治天皇」とか積読処理と少し近刊もの
明治天皇(上下巻)
/ ドナルド・キーン
(新潮社)
Posted at 06:08 PM 続きを読む
買っておいて3年近く放置しておいたのをやっと読みきりました.大政奉還,開国,東京遷都,憲法発令,諸外国との連戦連勝と,日本が急速に近代化した時代,俄に国政の頂点に立たされた天皇がどのように考え役割を果たしたかを,「明治天皇記」を軸に,膨大な資料に基づいて詳細に説いています.倹約を掲げ皇居の新築もしばらく許さなかったり,日露戦争の間は自分の部屋に暖房を入れさせなかったなど数々のエピソードや,皇室の伝統行事に対するキーンの外国人らしい疑問,時には想像も交えて,謎多き君主の内面に迫ります. ヒルベルトの挑戦 / ジェレミー・J・グレイ (青土社) 1900年の国際数学者会議での講演でヒルベルトが示した23の問題が,20世紀の数学にどのような道筋を与えたのか,自身が数学者でもあるグレイが解説します.難解なところもありますが,読み飛ばしても奥深い数学の世界を垣間見た気分にはなれます. Mon - March 22, 2004ザ・フィフティーズ / デイヴィッド・ハルバースタム (新潮社) とか積読状態だったものをなんとか処理しています.
ザ・フィフティーズ
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デイヴィッド・ハルバースタム
(新潮社)
Posted at 02:15 AM 続きを読む
筆者にとって青春時代であったアメリカの50年代を政治,文化,経済などあらゆる局面から描いています.さまざまなトピックがつぎからつぎへと展開する様子はスリリングでドラマチックでもあります. 2段組450ページで上下刊と,けっこうなボリュームがありますが,20ページくらいのトピックの集合体なので,短い空き時間でも読みやすいです.そうでなくても一気に読んでしまえるくらいの面白さですが. で,トピックのなかのいくつかにつられて,映画DVDとして,マーロン・ブランド出演の「欲望という名の電車」,ロバートデニーロの「真実の瞬間」,ジーン・ハックマンの「ミシシッピー・バーニング」などを観てみたり,ロバート・レッドフォード監督の「クイズ・ショウ」を注文したりしてしまいました.あと,本ではリチャード・ローズの「原子爆弾の誕生(上・下)」(古本がみつかった),「原爆から水爆へ(上・下)」も注文.それから,フライアン・フリーマントルの「CIA」を読み返してみたり. ほんと,5年間も積んでおいて損した気分です. 宇宙ロケットの世紀 / 野田昌宏 (NTT出版) 空想の時代から現在まで,宇宙ロケットの開発の歴史とその裏側をわかりやすく語っています.ただし,さすがに1冊の本で間に合う内容であるわけもなく,「詳しくは・・・を」がいたるところにあって悔しいので,とりあえず最近新版が出た「新版 日本ロケット物語」を買ってみました. ライトの生涯 / オルギヴァンナ・L・ライト (彰国社) 建築家フランク・ロイド・ライトの言葉を集めた半自伝のようなものです.著者はライトの未亡人です.建築に対するライトの考え方がこれでもかと言うくらい繰り返し述べられていて,ちょっと辟易しますが,1933年にしてすでに当時の都市生活の破綻を予言し,都市と田舎の結合であるブロード・エーカー・シティなるものを提唱していたりして,その哲学にあらためて感嘆します.ただし,タリアセンの自宅の火事が使用人の放火によるものであり,多くの犠牲者まで出ていることや,当時しばらく国内では仕事がなく,帝国ホテルの仕事は渡りに船だったことなどについては記述がぽっかり空いています.ライトに関する書籍はいくらでもあるでしょうから,別書も参考にしましょう(巨匠 フランク・ロイド・ライト / デヴィッド・ラーキン他 (鹿島出版会) がカラー写真も交えていて楽しい). |
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