「原子爆弾の誕生」とか

しばらく間があきましたが,読んでいた本のいくつかを.

原子爆弾の誕生(上・下)/ リチャード・ローズ(紀伊国屋書店)
19世紀末の原子物理学の黎明期からヒロシマ・ナガサキまで,ピューリッツアー賞受賞のドキュメンタリです.すでに廃版ですが,古書で手に入れました.
中性子による核分裂の連鎖反応というシラードの思いつきが本人の手を離れて最悪の結果になる過程を淡々と詳細に述べています.確かに分量も多いのですが,避けようもない悲劇的な結末がわかっているだけに,終盤は読み進むのに気力と時間を要しました.投下後の様子を蜂谷道彦の「ヒロシマ日記」を引用しながら語る最終章はローズ本人のやりきれない気持ちを吐露した言葉で結ばれています.

コンピュータの発明/ 能澤 徹(テクノレヴュー社)
コンピュータを発明したのはいつ誰なのかという基本的な問いに硬派に答えたという本です.これまでの書籍や通説・俗説の誤りの指摘から始まり,とにかく原著論文・オリジナル資料にこだわったコンピュータ史の解説だそうです.スコット・マッカートニー著の「エニアック」を『ノイマン,お前だけは許せない!』という帯のコピーにつられて買い,あわせて買った星野力著の「誰がどうやってコンピュータを創ったのか?」で納得していた私としては見逃せない本でした.
17世紀のパスカルの歯車式計算機からUNIVACの1950年代まで,コンピュータの仕組みの歴史をアーキテクチャやプログラムの方法まで深く調べ上げて比較しています.内容は明快なのですが,読んでみて気になったのは,写植,製版,図版,文章の酷さ.年号などは18xxと19xxを同じページで間違えているのは数えきれず,英数字を全角文字で書くのか半角文字で書くのかも統一されていません.まるでマイクロソフト・ワードを初めて使って書いた原稿のようです.文章も同じことの繰り返しが多く,最終章にいたっては章のタイトルが間違ってます.鼻息の荒い出だしだけにちょっとカッコ悪いです.

Posted: Fri - December 3, 2004 at 01:49 AM              


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