ポンプの仕様とか

ポンプ式エスプレッソ・マシンの抽出圧力とかについて再び...

Regular ContentsのEspressoコーナ 内のIsomac Teaの記録 2003.7.20付けで書きましたが,理想的とされる8気圧, 30(または60)cc, 20秒の抽出を達成するには,コーヒー粉パックがそれ相応の流量抵抗を持つ必要があります.

それでは,コーヒー粉パックが理想的な流量抵抗を持っていれば,望みの圧力−流量の組で抽出ができるかというと,そうとはかぎりません.ポンプの圧力−流量特性が大いに関係します.家庭用のマシンはたいてい振動型のポンプで,縦軸に圧力,横軸に流量をとって関係をグラフ化すると右下がりの曲線になるのが普通です.そして,実際の抽出圧力と流量はこのポンプの性能曲線と,コーヒー粉のパックの圧力−流量曲線(近似的には右上がりの直線と考えられます)との交点として定まります.注意すべきは.いくらコーヒー粉の細かさとかタンピングの強さとかを工夫しても,ポンプの性能曲線上のある一点の圧力−流量の組しか実現できないことです.すなわち,性能曲線上に理想とされる圧力と流量の組が乗っていないとどうしようもないことになります.

性能曲線上に間違いなく理想点を乗せるには,ポンプを一定圧(例えば理想的な8気圧)または一定流量(60cc/20秒とか)に制御するのが簡単です.業務用マシンでは一定圧のポンプを使っています.しかし,家庭用のマシンの場合,このように制御されたポンプを使用しているモデルは無いと思います.

例外として,Pavoniのようなレバーマシンがあります.これは人間のレバー操作がポンプですから,一定圧力(力を一定にする)制御や,一定流量(速度を一定にする)制御が可能です.よって,コーヒー粉パックの抵抗値との組み合わせで,任意の圧力−流量の組を実現できるはずです(逆に言うと,とんでもない組も可能ということ...).これが,レバーマシンの醍醐味のひとつなのかもしれません.

さて,Isomac Teaに使われているのはイタリアULKA社のポンプらしいです.型番はわかりませんでしたが,いくつかの情報を総合すると,120V/60Hz用52Wでブロンズの出力パイプがついたEAX5だと予想されます.E5シリーズの性能曲線のグラフ がwebサイトにありました.電圧や周波数の仕様がいろいろあるE5シリーズのうち,このグラフはどのモデルのものなのかわかりませんし,グラフ中の3本のプロットの説明も見当たりません.ただ,それを100V/50Hzで使っているのでこのグラフよりは低めの性能になっているはずです.ま,実際に計ってみるのが一番いいのですが.

それでは.実際,60cc/20秒,8気圧は実現できるのでしょうか.60cc/20秒は,180cc/minですので,グラフを参照すると,おおよそ9〜12気圧と読めます.電源の問題でこれより低めにはなっているので,うまい具合に8気圧が中心になるかもしれないという感じです.なお,実際のマシンではリリーフバルブが接続されていて,約10気圧以上は上がらないようになっています.

グラフみて思うことは,ちょっと圧力が高すぎるのではないかということ.特にシングルショットの30ccを20秒で抽出しようとすると,流量は90cc/minなので13気圧前後になってしまいます(実際は10気圧でリリーフされる).この辺は,実際に使われているポンプが特別仕様になっている可能性もあるので,言い切れませんが.

こんど時間があったら,流量と圧力の関係を計ってみようかと思います.ま,あんまり数値にこだわっても意味が無い気もしますが.

Posted: Mon - November 3, 2003 at 01:04 PM              


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