『千年の京から「憲法九条」』(瀬戸内寂聴、鶴見俊輔、かもがわ出版) 


二人はもうすぐ83歳。 

「こんなに長生きするとは思ってもみませんでした。けれどものごころついてからいままでのなかで、日本は現在がいちばん悪いです」(p.22)という瀬戸内さんの発言を読み、やはりそうなのかという思いがする。戦争に反対するために二人で国会前で座り込む。「ふたりが座り込んで死んだら、これはもしかして革命が起こるかもしれない(笑)」(瀬戸内、p.116)。平成座り込み心中と、瀬戸内は笑うが、僕は笑えなかった。

 鶴見はプラトンを引きながらデモクラシーについて分析する(pp.29-33)。「デモクラシーがあって、国家の宣伝を真に受ける国民ができたときにファシズムが起こるんです」(p.32)。今、二度目のファシズムが起ころうとしている。ところが前のファシズムを知らない人が国会議員になっている。その時のことを知っている人はもはや多くない。戦争を知らない若者に、戦争の恐ろしさ、悲惨を伝えるのはむずかしい。「それでも、私たち戦争の生き残りの老人たちは、嫌われてもののしられても、戦争反対を、九条改制反対を言いつづけなければならない」(瀬戸内、あとがき、p.122)。「老人」に任せていいとは思わない。

千年の京から「憲法九条」?私たちの生きてきた時代
瀬戸内 寂聴 鶴見 俊輔
4876998728
 

Posted: 日 - 12月 4, 2005 at 03:05 午後          


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