呪いの言葉 


 村上春樹の『東京奇譚集』に、父親の言葉が一種の強迫観念あるいは呪いとなって自分の人生につきまとっているという男性の話が出てくる。 

 そんなことが僕にもあることに思い当たる。きっといった本人は覚えていないのだ。それなのに僕が覚えているのは、僕がその言葉は自分にとって重要な意味があると思っているからであって、いった人には責任はない。

 この言葉は大抵前に進むことを引き留める働きを持っていることが多いように思う。君は論文はうまく書けないね、と大学院の頃、教授にいわれたことは、長くこだわっていた。書けるように研鑚を摘めばいいだけのことなのに。

 村上の小説に出てくる言葉というのは「男が一生に出会う中で、本当に意味を持つ女は三人しかない。それより多くもないし、少なくもない」というものである。考えこんでしまった。 

Posted: 水 - 9月 21, 2005 at 10:42 午前          


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