昭和三二・六・一 法一六一
施行 昭三二・一〇・一(附則)
改正 昭三七 法一四〇
法一六一
昭四五 法 一三
法 六一
法一四〇
昭四六 法 八八
昭四七 法 五二
法 八五
昭四八 法 七三
昭五三 法 八七
平 二 法 二六
平 五 法 九二
(目的)
第一条 この法律は、すぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もつて国民の保健、休養及び教化に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 自然公園 国立公園、国定公園及び都道府県立自然公園をいう。
二 国立公園 わが国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地(海中の景観地を含む。以下同じ。)であつて、環境庁長官が第十条第一項の規定により指定するものをいう。
三 国定公園 国立公園に準ずるすぐれた自然の風景地であつて、環境庁長官が第十項第二項の規定により指定するものをいう。
四 都道府県立自然公園 すぐれた自然の風景地であつて、都道府県が第四十一条の規定により指定するものをいう。
五 公園計画 国立公園又は国定公園の保護又は利用のための規制又は施設に関する計画をいう。
六 公園事業 公園計画に基いて執行する事業であつて、国立公園又は国定公園の保護又は利用のための施設で政令で定めるものに関するものをいう。
(国等の責務)
第二条の二 国、地方公共団体、事業者及び自然公園の利用者は、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第三条から第五条までに定める環境の保全についての基本理念にのつとり、すぐれた自然の風景地の保護とその適正な利用が図られるように、それぞれの立場において努めなければならない。
(財産権の尊重及び他の公益との調整)
第三条 この法律の適用に当つては、自然環境保全法第三条で定めるところによるほか、関係者の所有権、鉱業権その他の財産権を尊重するとともに、国土の開発その他の公益との調整に留意しなければならない。
第四条から第九条まで 削除
(指定)
第一〇条 国立公園は、環境庁長官が、自然環境保全審議会(以下「審議会」という。)の意見を聞き、区域を定めて指定する。
2 国定公園は、環境庁長官が、関係都道府県の申出により、審議会の意見を聞き、区域を定めて指定する。
3 環境庁長官は、国立公園又は国定公園を指定する場合には、その旨及びその区域を官報で公示しなければならない。
4 国立公園又は国定公園の指定は、前項の公示によつてその効力を生ずる。
(指定の解除及び区域の変更)
第一一条 環境庁長官は、国立公園の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、審議会の意見を聞かなければならない。
2 環境庁長官は、国定公園の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、関係都道府県及び審議会の意見を聞かなければならない。ただし、その区域を拡張するには、関係都道府県の申出によらなければならない。
3 前条第三項及び第四項の規定は、国立公園又は国定公園の指定の解除及びその区域の変更について準用する。
(公園計画及び公園事業の決定)
第一二条 国立公園に関する公園計画及び公園事業は、環境庁長官が、審議会の意見を聞いて決定する。
2 国定公園に関する公園計画のうち、保護のための規制に関する計画並びに利用のための施設に関する計画で集団施設地区及び政令で定める施設に関するものは、環境庁長官が、関係都道府県の申出により、審議会の意見を聞いて決定し、その他の計画は、都道府県知事が決定する。
3 国定公園に関する公園事業は、都道府県知事が決定する。
4 環境庁長官又は都道府県知事は、公園計画又は公園事業を決定したときは、その概要を公示しなければならない。
(公園計画及び公園事業の廃止及び変更)
第一三条 環境庁長官は、国立公園に関する公園計画及び公園事業を廃止し、又は変更しようとするときは、審議会の意見を聞かなければならない。
2 環境庁長官は、国定公園に関する公園計画を廃止し、又は変更しようとするときは、関係都道府県及び審議会の意見を聞かなければならない。ただし、その公園計画を追加するには、関係都道府県の申出によらなければならない。
3 前条第四項の規定は、公園計画及び公園事業の廃止及び変更について準用する。
(国立公園の公園事業の執行)
第一四条 国立公園に関する公園事業は、国が執行する。
2 地方公共団体及び政令で定めるその他の公共団体(以下「公共団体」という。)は、環境庁長官の承認を受けて、国立公園に関する公園事業の一部を執行することができる。
3 国及び公共団体以外の者は、環境庁長官の認可を受けて、国立公園に関する公園事業の一部を執行することができる。
(国定公園の公園事業の執行)
第一五条 国定公園に関する公園事業は、都道府県が執行する。ただし、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)その他他の法律の定めるところにより、国が道路に係る事業その他の事業を執行することを妨げない。
2 都道府県以外の公共団体は、都道府県知事の承認を受けて、国定公園に関する公園事業の一部を執行することができる。
3 国及び公共団体以外の者は、都道府県知事の認可を受けて、国定公園に関する公園事業の一部を執行することができる。
(承認又は認可による公園事業の執行)
第一六条 前二条の規定による承認及び認可の手続並びにその承認又は認可を受けて行う公園事業の執行に関して必要な事項は、政令で定める。
(清潔の保持)
第一六条の二 国又は地方公共団体は、国立公園又は国定公園内の道路、広場、キャンプ場、スキー場、水泳場その他の公共の場所について、必要があると認めるときは、当該公共の場所の管理者と協力して、その清潔を保持するものとする。
(特別地域)
第一七条 環境庁長官は、国立公園又は国定公園の風致を維持するため、公園計画に基づいて、その区域(海面を除く。)内に、特別地域を指定することができる。
2 第十条第三項及び第四項の規定は、特別地域の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。
3 特別地域(特別保護地区を除く。以下この条において同じ。)内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境庁長官の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、当該特別地域が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為(第四号の二に掲げる行為を除く。)若しくは第四号の二に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際既に着手していた同号に掲げる行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。
一 工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
二 木竹を伐採すること。
三 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
四 河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
四の二 環境庁長官が指定する湖沼又は湿原及びこれらの周辺一キロメートルの区域内において当該湖沼若しくは湿原又はこれらに流水が流入する水域若しくは水路に汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。
五 広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。
六 水面を埋め立て、又は干拓すること。
七 土地を開墾しその他土地の形状を変更すること。
八 高山植物その他これに類する植物で環境庁長官が指定するものを採取し、または損傷すること。
九 屋根、壁面、塀、橋、鉄塔、送水管その他これらに類するものの色彩を変更すること。
十 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち環境庁長官が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
4 特別地域が指定され、若しくはその区域が拡張された際当該特別地域内において前項各号に掲げる行為(同項第四号の二に掲げる行為を除く。)又は同項第四号の二に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際同号に規定する区域内において同号に掲げる行為に着手している者は、その指定又は区域の拡張の日から起算して三箇月以内に、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
5 特別地域内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
6 特別地域内において木竹を植栽し、又は家畜を放牧しようとする者は、あらかじめ、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
7 次の各号に掲げる行為については、前四項の規定は、適用しない。
一 公園事業の執行として行う行為
二 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、総理府令で定めるもの
(特別保護地区)
第一八条 環境庁長官は、国立公園又は国定公園の景観を維持するため、特に必要があるときは、公園計画に基いて、特別地域内に特別保護地区を指定することができる。
2 第十条第三項及び第四項の規定は、特別保護地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。
3 特別保護地区内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境庁長官の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、当該特別保護地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為(前条第三項第四号の二に掲げる行為を除く。)若しくは前条第三項第四号の二に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際既に着手していた同号に掲げる行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。
二 木竹を損傷すること。
二の二 木竹を植栽すること。
三 家畜を放牧すること。
四 屋外において物を集積し、又は貯蔵すること。
五 火入れ又はたき火をすること。
六 木竹以外の植物を採取し、若しくは損傷し、又は落葉若しくは落枝を採取すること。
七 動物を捕獲し、若しくは殺傷し、又は動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
八 道路及び広場以外の地域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
4 特別保護地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際当該特別保護地区内において前項各号に掲げる行為(前条第三項第四号の二に掲げる行為を除く。)又は前条第三項第四号の二に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際同号に規定する区域内において同号に掲げる行為に着手している者は、その指定又は区域の拡張の日から起算して三箇月以内に、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
5 特別保護地区内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
6 次の各号に掲げる行為については、前三項の規定は、適用しない。
一 公園事業の執行として行う行為
二 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、総理府令で定めるもの
(海中公園地区)
第一八条の二 環境庁長官は、国立公園又は国定公園の海中の景観を維持するため、公園計画に基づいて、その区域の海面内に海中公園地区を指定することができる。
2 第十条第三項及び第四項の規定は、海中公園地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。
3 海中公園地区内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境庁長官の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、当該海中公園地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為、非常災害のために必要な応急措置として行なう行為又は第一号、第四号及び第五号に掲げる行為で漁具の設置その他漁業を行うために必要とされるものは、この限りでない。
一 第十七条第三項第一号、第三号及び第五号に掲げる行為
二 熱帯魚、さんご、海そうその他これらに類する動植物で、国立公園又は国定公園ごとに環境庁長官が農林水産大臣の同意を得て指定するものを捕獲し、若しくは殺傷し、又は採捕し、若しくは損傷すること。
三 海面を埋め立て、又は干拓すること。
四 海底の形状を変更すること。
五 物を係留すること。
六 汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。
4 海中公園地区が指定され、又はその区域が拡張された際当該海中公園地区内において前項各号に掲げる行為に着手している者は、その指定又は区域の拡張の日から起算して三箇月以内に、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
5 海中公園地区内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
6 次の各号に掲げる行為については、前三項の規定は、適用しない。
一 公園事業の執行として行う行為
二 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であって、総理府令で定めるもの
(条件)
第一九条 第十七条第三項、第十八条第三項及び前条第三項の許可には、国立公園又は国定公園の風致又は景観を保護するために必要な限度において、条件を附することができる。
(普通地域)
第二〇条 国立公園又は国定公園の区域のうち特別地域及び海中公園地区に含まれない区域(以下「普通地域」という。)内において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、都道府県知事に対し、総理府令で定めるところにより、行為の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他総理府令で定める事項を届け出なければならない。ただし、第一号、第三号、第五号及び第七号に掲げる行為で海面内において漁具の設置その他漁業を行なうために必要とされるものをしようとする者は、この限りでない。
一 その規模が総理府令で定める基準をこえる工作物を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築後において、その規模が総理府令で定める基準をこえるものとなる場合における改築又は増築を含む。)。
二 特別地域内の河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
三 広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。
四 水面を埋め立て、又は干拓すること。
五 鉱物を掘取し、又は土石を採取すること(海面内においては、海中公園地区の周辺一キロメートルの当該海中公園地区に接続する海面内においてする場合に限る。)。
六 土地の形状を変更すること。
七 海底の形状を変更すること(海中公園地区の周辺一キロメートルの当該海中公園地区に接続する海面内においてする場合に限る。)。
2 環境庁長官は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風景を保護するために必要があると認めるときは、普通地域内において前項の規定により届出を要する行為をしようとする者又はした者に対して、その風景を保護するために必要な限度において、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
3 前項の処分は、第一項の届出をした者に対しては、その届出があつた日から起算して三十日以内に限り、することができる。
4 環境庁長官又は都道府県知事は、第一項の届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に第二項の処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、前項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第一項の届出をした者に対し、その旨及び期間を延長する理由を通知しなければならない。
5 第一項の届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。
6 環境庁長官は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風景の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。
7 次の各号に掲げる行為については、第一項及び第二項の規定は、適用しない。
一 公園事業の執行として行う行為
二 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、総理府令で定めるもの
三 国立公園、国定公園若しくは海中公園地区が指定され、又はその区域が拡張された際既に着手していた行為
四 非常災害のために必要な応急措置として行う行為
(原状回復命令等)
第二一条 環境庁長官は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の保護のために必要があると認めるときは、第十七条第三項、第十八条第三項若しくは第十八条の二第三項の規定、第十九条の規定により許可に附せられた条件又は前条第二項の規定による処分に違反した者に対して、その保護のために必要な限度において、原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代るべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
(報告の徴収及び立入検査)
第二二条 環境庁長官叉は都道府県知事は、国立公園または国定公園の保護のために必要があると認めるときは、第十七条第三項、第十八条第三項若しくは第十八条の二第三項の規定による許可を受けた者叉は第二十条第二項の規定により行為を制限され、若しくは必要な措置をとるべき旨を命ぜられたものに対して、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
2 環境庁長官又は都道府県知事は、第十七条第三項、第十八条第三項、第十八条の二第三項、第二十条第二項又は前条の規定による処分をするために必要があると認めるときは、その必要な限度において、当該職員をして、国立公園若しくは国定公園の区域内の土地若しくは建物内に立ち入らせ、又は第十七条第三項各号、第十八条の二第三項各号若しくは第二十条第一項各号に掲げる行為の実施状況を検査させ、又はこれらの行為の風景に及ぼす影響を調査させることができる。
3 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
4 第一項および第二項の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(集団施設地区)
第二三条 環境庁長官は、国立公園又は国定公園の利用のための施設を集団的に整備するため、公園計画に基いて、その区域内に集団施設地区を指定するものとする。
2 第十条第三項及び第四項の規定は、集団施設地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。
(利用のための規制)
第二四条 国立公園又は国定公園の特別地域、海中公園地区又は集団施設地区内においては、何人も、みだりに次の各号に掲げる行為をしてはならない。一 当該国立公園又は国定公園の利用者に著しく不快の念をおこさせるような方法で、ごみその他の汚物又は廃物を捨て、又は放置すること。二 著しく悪臭を発散させ、拡声機、ラジオ等により著しく騒音を発し、展望所、休憩所等をほしいままに占拠し、けんおの情を催させるような仕方で客引きし、その他当該国立公園又は国定公園の利用者に著しく迷惑をかけること。
2 国又は都道府県の当該職員は、特別地域、海中公園地区又は集団施設地区内において前項第二号に掲げる行為をしている者があるときは、その行為をやめるべきことを指示することができる。
3 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
(公園事業の執行に要する費用)
第二五条 公園事業の執行に要する費用は、その公園事業を執行するものの負担とする。
(国の補助)
第二六条 国は、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、公園事業を執行する都道府県に対して、その公園事業の執行に要する費用の一部を補助することができる。
(地方公共団体の負担)
第二七条 国が国立公園に関する公園事業を執行する場合において、当該公園事業の執行が特に地方公共団体を利するものであるときは、当該地方公共団体に、その受益の限度において、その執行に要する費用の一部を負担させることができる。
2 前項の規定により公園事業の執行に要する費用の一部を地方公共団体に負担させようとする場合においては、国は、当該地方公共団体の意見を聞かなければならない。
(受益者負担)
第二八条 国又は地方公共団体は、公園事業の執行により著しく利益を受けるものがある場合においては、その者に、その受益の限度において、その公共事業の執行に要する費用の一部を負担させることができる。
(原因者負担)
第二九条 国又は地方公共団体は、他の工事又は他の行為により公園事業の執行が必要となつた場合においては、その原因となつた工事又は行為について費用を負担する者に、その公園事業の執行が必要となつた限度において、その費用の全部又は一部を負担させることができる。
(負担金の徴収方法等)
第三〇条 前三条の規定による負担金の徴収方法その他負担金に関して必要な事項は、政令で定める。
(適用除外)
第三一条 この節の規定は、公園事業のうち、道路法による道路に係る事業及び他の法律にその執行に要する費用に関して別段の規定があるその他の事業については、適用しない。
(実地調査)
第三二条 環境庁長官又は都道府県知事は国立公園又は国定公園の指定、公園の決定又は公園事業の決定若しくは執行に関し、環境庁長官以外の国の機関は公園事業の執行に関し、実地調査のため必要があるときは、それぞれ当該職員をして、他人の土地に立ち入らせ、標識を設置させ、測量させ、又は実地調査の障害となる木竹若しくはかき、さく等を伐採させ、若しくは除去させることができる。ただし、道路法その他他の法律に実地調査に関する規定があるときは、当該規定の定めるところによる。
2 国の機関又は都道府県知事は、当該職員をして前項の規定による行為をさせようとするときは、あらかじめ、土地の所有者(所有者の住所が明らかでないときは、その占有者。この条において以下同じ。)及び占有者並びに木竹又はかき、さく等の所有者にその旨を通知し、意見書を提出する機会を与えなければならない。
3 第一項の職員は、日出前及び日没後においては、宅地又はかき、さく等で囲まれた土地に立ち入つてはならない。
4 第一項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
5 土地の所有者若しくは占有者又は木竹若しくはかき、さく等の所有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入又は標識の設置その他の行為を拒み、又は妨げてはならない。
第三三条 削除
(公害等調整委員会の裁定)
第三四条 第十七条第三項、第十八条第三項、第十八条の二第三項又は第二十条第二項の規定による環境庁長官又は都道府県知事の処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に裁定を申請することができる。この場合には、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。
2 行政不服審査法第十八条の規定は、前項の処分につき、処分庁が誤つて審査請求又は意義申立てをすることができる旨を教示した場合に準用する。
(損失の補償)
第三五条 国は、第十七条第三項、第十八条第三項もしくは第十八条の二第三項の許可を得ることができないため、第十九条の規定により許可に条件を附せられたため、又は第二十条第二項の規定による処分を受けたため損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。
2 前項の規定による補償を受けようとする者は、環境庁長官にこれを請求しなければならない。
3 環境庁長官は、前項の規定による請求を受けたときは、補償すべき金額を決定し、当該請求者にこれを通知しなければならない。
4 国は国立公園又は国定公園の指定、公園計画若しくは公園事業の決定又は国が行う公園事業の執行に関し、都道府県は都道府県が行う公園事業の執行に関し、第三十二条第一項の規定による当該職員の行為によつて損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。
5 第二項及び第三項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。この場合において、第二項及び第三項中「環境庁長官」とあるのは、「主務大臣又は都道府県知事」と読み替えるものとする。
(訴の提起)
第三六条 前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による決定に不服がある者は、その通知を受けた日から起算して三箇月以内に訴をもつて補償すべき金額の増額を請求することができる。
2 前項の訴えにおいては、国又は都道府県を被告とする。
(負担金の強制徴収)
第三七条 この法律の規定により国に納付すべき負担金を納付しない者があるときは、環境庁長官は、督促状によって納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
2 前項の場合においては、環境庁長官は、総理府令の定めるところにより、延滞金を徴収することができる。ただし、延滞金は、年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額をこえない範囲内で定めなければならない。
3 第一項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、環境庁長官は、国税滞納処分の例により前二項に規定する負担金及び延滞金を徴収することができる。この場合における負担金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
4 延滞金は、負担金に先だつものとする。
(権限の委任)
第三八条 この法律に定める環境庁長官の権限は、政令の定めると ころにより、その一部を都道府県知事に委任することができる。
(協議)
第三九条 環境庁長官は、国立公園又は国定公園の指定、その区域の拡張、公園計画の決定若しくは変更又は特別地域、特別保護地区若しくは海中公園地区の指定若しくはその区域の拡張をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
2 環境庁長官以外の国の機関は、第十四条第一項の規定により国立公園に関する公園事業を執行しようとするときは、環境庁長官に協議しなければならない。
3 国の機関は、第十五条第一項ただし書の規定により国定公園に関する公園事業を執行しようとするときは、都道府県知事に協議しなければならない。
(国に関する特例)
第四〇条 国の機関が行なう行為については、第十七条第三項、第十八条第三項又は第十八条の二第三項の規定による許可を受けることを要しない。この場合において当該国の機関は、その行為をしようとするときは、あらかじめ、国立公園にあつては環境庁長官に、国定公園にあっては都道府県知事に協議しなければならない。
2 国の機関は、第十七条第四項から第六項まで、第十八条第四項若しくは第五項、第十八条の二第四項若しくは第五項又は第二十条第一項の規定により届出を要する行為をしたとき、又はしようとするときは、これらの規定による届出の例により、都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
3 環境庁長官又は都道府県知事は、第二十条第一項の規定による届出の例による通知があつた場合において、当該公園の風景を保護するために必要があると認めるときは、当該国の機関に対し、風景の保護のためにとるべき措置について協議を求めることができる。
(原生自然環境保全地域との関係)
第四〇条の二 自然環境保全法第十四条第一項の規定により指定された原生自然環境保全地域の区域は、国立公園又は国定公園の区域に含まれないものとする。
(指定)
第四一条 都道府県は、条例の定めるところにより、区域を定めて 都道府県立自然公園を指定することができる。
(保護及び利用)
第四二条 都道府県は、都道府県立自然公園の風致を維持するため、条例の定めるところにより、その区域内に特別地域を指定し、かつ、特別地域内及び当該都道府県立自然公園の区域のうち特別地域に含まれない区域内における行為につき、それぞれ国立公園の特別地域又は普通地域内における行為に関する前章第四節の規定による規制の範囲内において、条例で必要な規制を定めることができる。
2 都道府県は、都道府県立自然公園の利用のための施設を集団的に整備するため、条例の定めるところにより、その区域内に集団施設地区を指定し、かつ、第二十四条の規定の例により、条例で、特別地域及び集団施設地区内における同条第一項各号に掲げる行為を禁止することができる。
(実地調査)
第四三条 都道府県は、条例で、都道府県立自然公園に関し実地調査のため必要がある場合に、都道府県知事が第三十二条の規定の例により当該職員をして他人の土地に立ち入らせ、又は同条第一項に規定する標識の設置その他の行為をさせることができる旨を定めることができる。
(損失の補償)
第四四条 都道府県は、第四十二条第一項の規定に基く条例の規定による処分又は前条の規定に基く条例の規定による当該職員の行為によって損失を受けたものに対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
(公害等調整委員会の裁定)
第四五条 第四十二条第一項の規定に基づく条例の規定による都道府県知事の処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に裁定を申請することができる。この場合には、第三十四条第一項後段及び第二項の規定を準用する。
(協議等)
第四六条 都道府県は、都道府県立自然公園の特別地域の指定又はその区域の拡張をしようとするときは、国の関係地方行政機関の長に協議しなければならない。
2 都道府県が第四十二条第一項の規定に基く条例で都道府県立自然公園の区域内における行為につき規制を定めた場合における国の機関が行う行為に関する特例については、第四十条の規定の例による。
(報告、助言又は勧告)
第四十七条 環境庁長官は、都道府県に対し、都道府県立自然公園に関し、必要な報告を求めることができる。
2 環境庁長官は、都道府県に対し、都道府県立自然公園の行政又は技術に関し、必要な助言又は勧告をすることができる。
(国立公園との関係)
第四八条 国立公園若しくは国定公園又は自然環境保全法第十四条第一項の規定により指定された原生自然環境保全地域の区域は、都道府県立自然公園の区域に含まれないものとする。
第四九条 第二十一条の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第五〇条 次の各号の一に該当する者は、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第十七条第三項、第十八条第三項又は第十八条の二第三項の規定に違反した者
二 第十九条の規定により許可に付せられた条件に違反した者
第五一条 第二十条第二項の規定による処分に違反した者は、三十 万円以下の罰金に処する。
第五二条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処 する。
一 第二十条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第二十条第五項の規定に違反した者
三 第二十二条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
四 第二十二条第二項の規定による立入検査又は立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者
五 国立公園又は国定公園の特別地域、海中公園地区又は集団施設地区内において、みだりに第二十四条第一項第一号に掲げる行為をした者
六 国立公園又は国定公園の特別地域、海中公園地区又は集団施設地区内において、第二十四条第二項の規定による当該職員の指示に従わないで、みだりに同条第一項第二号に掲げる行為をした者
七 第三十二条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入又は標識の設置その他の行為を拒み、又は妨げた者
第五三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前四条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。
第五四条 第四十二条又は第四十三条の規定に基く条例には、その条例に違反した者に対して、その違反行為の態様に応じ、それぞれ、前各条に定める処罰の程度を超えない限度において、刑を科する旨の規定を設けることができる。
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十二年十月一日から施行する。
(国立公園法の廃止)
2 国立公園法(昭和六年法律第三十六号)は、廃止する。
(経過規定)
3 この法律の施行の際現に国立公園法第一条の規定により指定されている国立公園又は同法第十一条ノ二第一項の規定により指定されている国立公園に準ずる区域は、それぞれ、この法律による国立公園又は国定公園とみなし、その区域は、それぞれ、この法律による国立公園又は国定公園の区域と見なす。
5 この法律の施行の際現に国立公園法第八条第一項の規定により指定されている特別地域又は同法第八条ノ二第一項の規定により指定されている特別保護地区は、それぞれ、この法律に基いて指定された国立公園の特別地域又は特別保護地区と見なす。
8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。