浮世絵師
2008/03/31 05:38 格納先: 本
「オール讀物」4月号に、新たに発掘された藤沢周平の初期短編「浮世絵師」が掲載されています。藤沢周平は葛飾北斎をテーマに3編の作品を書いているわけですね。おそらくその訳は、北斎を描くことで、その中に自分の鬱屈を解き放つことができたから、なのでしょう。
解説で阿部達二さんも取り上げているけれど、第三章で北斎が最初の妻との日々を回想する下りは印象的です。想像でつくった文章ではない、藤沢周平その人の傷口から流れ出る血で書いたような一節なのです。
ところでこの短編は、最後、「長い孤独な戦いが終わったことには気づかなかった」で終わるのです。しかし〈終章の(嫁の千絵との)和解は安易のそしりをまぬがれない〉。若書きゆえ、でしょうか。阿部さんの、「文壇に打って出ようとする藤沢が、新鋭の目で見た大家の老残をではなく、追い上げられる大家の焦慮、不安を描いているのは奇妙」という指摘と合わせ、じっくりと検討してみたいところです。
解説で阿部達二さんも取り上げているけれど、第三章で北斎が最初の妻との日々を回想する下りは印象的です。想像でつくった文章ではない、藤沢周平その人の傷口から流れ出る血で書いたような一節なのです。
ところでこの短編は、最後、「長い孤独な戦いが終わったことには気づかなかった」で終わるのです。しかし〈終章の(嫁の千絵との)和解は安易のそしりをまぬがれない〉。若書きゆえ、でしょうか。阿部さんの、「文壇に打って出ようとする藤沢が、新鋭の目で見た大家の老残をではなく、追い上げられる大家の焦慮、不安を描いているのは奇妙」という指摘と合わせ、じっくりと検討してみたいところです。
めずらしや
2008/03/30 11:20 格納先: Personal
山風に掘りおこされし一輪草(高橋零)
松尾芭蕉が3日間逗留したという長山邸のあった通称「長山小路」を通ることは滅多にありません。なにせ「小路」です。車が行き交うような道路ではないのです。それでも十数年前でしたか、いささかの興味からわざわざこの小路に入り、「めずらしや山をいで羽の初なすび」の句碑に見入ったことがありました。
月に2回配布されるミニコミ紙「鶴岡タイムス」の第205号では、鶴岡市史編纂委員の本間勝喜さんが、芭蕉に宿を提供した長山重行について様々な資料を引き、詳しく解説されています。彼は江戸在勤中に芭蕉の指導を受け、その縁での芭蕉の宿泊だったようですね。
ぼくはけっこう、こういう地道な調査が好きです。芭蕉研究にはほとんど寄与するところがないのだとしても、そして長山の句が趣味の域をでずまたその生涯がごく平凡なものだったとしても、基礎資料をしっかりと調べ、文化の土台を踏み固めておくことは大切なことなのだと思うのです。
本間さんの郷土人物伝。続きを楽しみにしています。
松尾芭蕉が3日間逗留したという長山邸のあった通称「長山小路」を通ることは滅多にありません。なにせ「小路」です。車が行き交うような道路ではないのです。それでも十数年前でしたか、いささかの興味からわざわざこの小路に入り、「めずらしや山をいで羽の初なすび」の句碑に見入ったことがありました。
月に2回配布されるミニコミ紙「鶴岡タイムス」の第205号では、鶴岡市史編纂委員の本間勝喜さんが、芭蕉に宿を提供した長山重行について様々な資料を引き、詳しく解説されています。彼は江戸在勤中に芭蕉の指導を受け、その縁での芭蕉の宿泊だったようですね。
ぼくはけっこう、こういう地道な調査が好きです。芭蕉研究にはほとんど寄与するところがないのだとしても、そして長山の句が趣味の域をでずまたその生涯がごく平凡なものだったとしても、基礎資料をしっかりと調べ、文化の土台を踏み固めておくことは大切なことなのだと思うのです。
本間さんの郷土人物伝。続きを楽しみにしています。
Glenn Gould Plays Bach
2008/03/23 13:45 格納先:
音楽とか美術とか演劇
見つかるときはいろいろ見つかるもので……懐具合に関係なく。確かソニー音源だから出てないはずと思い込んでいたグールドが、あまり多くないとはいえ、iTSにもあるじゃないですか。「Glenn
Gould Plays Bach」。900円。ピアノ協奏曲第1番とゴールドベルグ変奏曲。
20年くらい前になるでしょうか。はじめてグールドを聴いたのは。クラシック全集(名曲集)に入っていたグールドのテープを耳にするなり呆然・唖然。「本物」を直感しました。最初の一音でわかるのです。独創的なのに正当。天才というのは、こういう人を言うのですね。うれしいダウンロードでした。
20年くらい前になるでしょうか。はじめてグールドを聴いたのは。クラシック全集(名曲集)に入っていたグールドのテープを耳にするなり呆然・唖然。「本物」を直感しました。最初の一音でわかるのです。独創的なのに正当。天才というのは、こういう人を言うのですね。うれしいダウンロードでした。
『赤毛のアン』への旅
2008/03/22 20:07 格納先: Personal

ありましたね。「3か月トピック英会話/『赤毛のアン』への旅」テキスト。村岡花子訳で育ったぼくには、松本侑子さん+松坂慶子さんのナビゲートに多少の違和感を持たないないわけではないけれど、原作に親しむせっかくのチャンスですから、時間を確保したいですね。読み直そうと思って鞄に入れた『評伝森鴎外』(山室静)を取り出し、かわりにこのNHKテキストを入れました。空き時間の楽しみになりそうです。
山下達郎
2008/03/20 19:29 格納先:
音楽とか美術とか演劇
びっくりしました。何気なくiTSをのぞいたら、山下達郎の新曲「ずっと一緒さ」が配信されているじゃないですか。今まで彼のアルバムはいっさい出てなかったのに。もちろんダウンロード。この調子で、他の曲、たとえば大好きな「クリスマス・イブ」なんかも配信してくれるとうれしいのだが。
もう一つ。なぜか今まで出ていなかった斉藤由貴の「卒業」もついに。これは名曲だと思うのです。彼女の声によく合うのです。getです。
もう一つ。なぜか今まで出ていなかった斉藤由貴の「卒業」もついに。これは名曲だと思うのです。彼女の声によく合うのです。getです。
過去のWeb日記を少々追加
2008/03/15 07:02 格納先: Personal
過去のWeb日記を少々追加しました。
今、「茨木のり子 六月の会」会報(第4号)の編集作業中です。今回も内容豊かで、2月におこなわれた「詩人茨木のり子さんを偲ぶ会」特集号のおもむき。良い原稿がそろいました。
出張の多い、時間的にも不規則な毎日が続いていて、どうも落ち着いて本が読めません。『哲学者ディオゲネス』は結局読み切れず、一旦返却します。いわゆる「通貨変造事件」を、きわめて限られた資料からミステリー事件の読み解きのようにあぶり出す手法は、ぼくのように予備知識のない素人には退屈。手に余る読み物でした。
今、「茨木のり子 六月の会」会報(第4号)の編集作業中です。今回も内容豊かで、2月におこなわれた「詩人茨木のり子さんを偲ぶ会」特集号のおもむき。良い原稿がそろいました。
出張の多い、時間的にも不規則な毎日が続いていて、どうも落ち着いて本が読めません。『哲学者ディオゲネス』は結局読み切れず、一旦返却します。いわゆる「通貨変造事件」を、きわめて限られた資料からミステリー事件の読み解きのようにあぶり出す手法は、ぼくのように予備知識のない素人には退屈。手に余る読み物でした。
Bento
2008/03/12 05:54 格納先: Apple
Bento。日本語の「弁当」のイメージからついたらしい、面白いネーミングのパーソナルデータベース。4800円と安かったので買ってしまいました。仕事でファイルメーカーは使っているけれども、歳とともに難しいこと、面倒なことはできない(したくない)ようになってきているので、特に個人の用途となればこの程度のカード型データベースは重宝します。
たとえばiWork(ワープロソフト+プレゼンテーションソフト+表計算ソフト)。はじめは戸惑ったけれど、慣れてくるとテンプレートをベースにして書類を作成するというスタイルは大変便利で効率的なんです。今では、仕事にしろ趣味にしろ、何かを作成するときは必ずテンプレート探しからはじめます。はじめから用意されているテンプレートを使うこともあるし、Webなどで探したり、市販のテンプレート集を使ったり。そしてもちろん、過去に自分でつくった書類を再利用することも多いのです。データも存分に使い回し。
Bentoも同じ使い方ができます。それどころか、そもそも最初から、標準添付のアドレスブックやiCal(カレンダーソフト)と連動したデータベースが用意されているのです。最新OSの機能と、いつの間にか溜まっていくデータを簡単に集約できるのが、Bentoのウリですね。まだ未熟なところもあるようだけど、役に立ちそうです。
たとえばiWork(ワープロソフト+プレゼンテーションソフト+表計算ソフト)。はじめは戸惑ったけれど、慣れてくるとテンプレートをベースにして書類を作成するというスタイルは大変便利で効率的なんです。今では、仕事にしろ趣味にしろ、何かを作成するときは必ずテンプレート探しからはじめます。はじめから用意されているテンプレートを使うこともあるし、Webなどで探したり、市販のテンプレート集を使ったり。そしてもちろん、過去に自分でつくった書類を再利用することも多いのです。データも存分に使い回し。
Bentoも同じ使い方ができます。それどころか、そもそも最初から、標準添付のアドレスブックやiCal(カレンダーソフト)と連動したデータベースが用意されているのです。最新OSの機能と、いつの間にか溜まっていくデータを簡単に集約できるのが、Bentoのウリですね。まだ未熟なところもあるようだけど、役に立ちそうです。
「声」欄に
2008/03/04 07:37 格納先: Personal
教師冥利に尽きる、とはこのことでしょう。昨日の朝日新聞「声」欄に、東京中野区の小学生(11歳)の投稿「学校の大黒柱校長先生に花」が。
校長と言えば、教育者というより管理者というイメージが強いのです。教育委員会には近いが、子供からは遠い存在。教育の素人が落下傘で舞い降りても通用し、評価される存在。しかし、この中野区の小学校の校長先生は違ったようです。「私をはじめ、一人ひとりの悩みをよく聞き、考え、解決して下さいました」。子供に、「オアシス」と感じさせるような学校を作り上げた先生です。
投稿した清水さんの文章もまた、端正で瑕疵のないすばらしいものでした。様々なメディアからエキセントリックな物言いが聞こえてくる昨今。しかし、日本の未来も捨てたものではありません。
校長と言えば、教育者というより管理者というイメージが強いのです。教育委員会には近いが、子供からは遠い存在。教育の素人が落下傘で舞い降りても通用し、評価される存在。しかし、この中野区の小学校の校長先生は違ったようです。「私をはじめ、一人ひとりの悩みをよく聞き、考え、解決して下さいました」。子供に、「オアシス」と感じさせるような学校を作り上げた先生です。
投稿した清水さんの文章もまた、端正で瑕疵のないすばらしいものでした。様々なメディアからエキセントリックな物言いが聞こえてくる昨今。しかし、日本の未来も捨てたものではありません。
お雛菓子
2008/03/02 14:58 格納先: Personal
「SPOON」というコジャレた雑誌があります。酒田市にある印刷屋さん、小松コーポレーションで発行している月刊誌ですが、広告収入で成り立っているようで、街のスーパーなどにも置かれ、無料でいただくことができます。
今月号の特集は「庄内のお雛さま拝見」。庄内地方では2月に入ると各所に「鶴岡雛物語」や「庄内ひな街道」などのポスターが貼られ、周遊バスなども運行されます。その昔、北前船などを通じて関西方面からかなりの数のおひな様が入ってきて、それらが今でも旧家などに残っているのですね。
そのおひな様と切っても切れないのがお雛菓子。期間限定のお菓子ですが、今年も木村屋さんの雛菓子を求め、贈答用としました。マスコミで紹介される機会が多くなったせいか、近年人気も高まってきているようで、以前より求めにくくなった(売り切れていることが多い)ような気がします。
どんなお菓子かって? こちらをご覧ください。
さて今日は久しぶりの日曜日。3回ほど日曜出勤が続き、疲れがたまってしまいました。お昼前に実家と図書館を廻った他は自宅でのんびりです。図書館では『哲学者ディオゲネス』(山川偉也著)を借り、自宅からはネットでショスタコービッチのシンフォニー第4番をダウンロード。両者ともかなり刺激的。
今月号の特集は「庄内のお雛さま拝見」。庄内地方では2月に入ると各所に「鶴岡雛物語」や「庄内ひな街道」などのポスターが貼られ、周遊バスなども運行されます。その昔、北前船などを通じて関西方面からかなりの数のおひな様が入ってきて、それらが今でも旧家などに残っているのですね。
そのおひな様と切っても切れないのがお雛菓子。期間限定のお菓子ですが、今年も木村屋さんの雛菓子を求め、贈答用としました。マスコミで紹介される機会が多くなったせいか、近年人気も高まってきているようで、以前より求めにくくなった(売り切れていることが多い)ような気がします。
どんなお菓子かって? こちらをご覧ください。
さて今日は久しぶりの日曜日。3回ほど日曜出勤が続き、疲れがたまってしまいました。お昼前に実家と図書館を廻った他は自宅でのんびりです。図書館では『哲学者ディオゲネス』(山川偉也著)を借り、自宅からはネットでショスタコービッチのシンフォニー第4番をダウンロード。両者ともかなり刺激的。