spanova《Fictional World Lullaby》


「この人生こそが唯一の旅」。スパノヴァ約1年半ぶりのアルバムはとっても心地よい未来音。鈴の音とブラス、そして密やかながら吟味された音達につつまれ歌われる極上のメロディ!

ケンとシンの兄弟ユニット「スパノヴァ」。一般にはあんまり知られてないようですが、ケミストリーをはじめ有名ミュージシャンへの楽曲提供や、玄人アーティストからの評価も高い「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と呼ぶにふさわしい存在。相模湖畔に自宅兼スタジオを建てちゃって、そこでコツコツ音作りをしている兄弟。まさに「職人」といった風情だが、作られる音楽は決して閉じこもったモノではなく、むしろ世界に向かって開け放たれたモノ。最近はエレクトロニカ、というか電子音響に傾いて居る感じだが、音の肌触りはいたって心地よい(快い)。スパノヴァは、非常にハイレベルのコードセンスとメロディ感覚、そして、音、響きへ高感度のこだわりを妥協無く持ってそれを育て続けている希有なミュージシャンだ。それは、彼らのリスペクトしているアーティスト達(スティービー・ワンダーやマイルス・デイヴィス、そして武満徹!等)の名前をみても分かる。



5枚目となるこのアルバム。聴いた印象は、「とても良い」!
前作「Beautiful Lifelines」がちょっとギザギザした音とノイジーなトラックが多かったのに比べて、非常に聴きやすく心地よくメロディアスで、デビュー時の「スパノヴァ」が成長して帰って来たって感じだ。
トロンボーンとフリューゲルホルンのエコーが気持ちいい「1:Fictionally」、アジアンなメロディとサンバ調のリズムが妙にマッチする「3:Furusato」、ゴングと鈴の音そしてギターが清らか且つ沈痛な「6:Hiroshima」、爽やかでクールなボーカルトラックが聴ける「7:Legacy」、スパノヴァらしいピアノとブラスのシンプルなメロディにセンス溢れるコードワークが沁みるタイトル曲「10:Fictional World Lullaby」、ヒップホップ的なボーカルと作曲の腕が光るニクイ展開がグーな「12:Noise」、そして、極上のメロディが「出会い」「別れ」という言葉と交わり泪もんの「ララバイ」を奏でるラストチューン「13:Good Morning」。聴き所満載で、いつまでもこの音楽に浸っていたいと思わせる心地よさだ。

この世界、この信じがたい世の中こそが「フィクション」?彼らの紡ぐ音楽こそが「リアル」?その間を揺れる一時に、緩やかに奏でられる無限の夢幻の「ララバイ」。
「この人生こそが唯一の旅」!その旅の途中、ふとココロとミミを潤す湧き水の様なアルバムに出会えた。

→spanova official site
→"Fictional World Lullaby"
→special 《Fictional World Lullaby》(spanova自身による各曲のコメント&視聴も)
→felicity

Posted: 火 - 3 月 9, 2004 at 01:29 午前              


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