ビョーク《Medúlla(メダラ)》歌うモノノケ姫(メラちゃんの事じゃないよ)、我らがおビョーク様の新譜です。なんかスゴイ・・・!
今回のアルバムのコンセプトは「声」!
楽器や電子音はホトンド使わずに、人間の声を思いっきりフィーチャーしたという異例の作りです。 ![]() 人間の声と一口に言っても、それはもう様々。クラシカルな発声や合唱の声、ジャズやロックのヴォーカルの声、イヌイットのノド歌やモンゴルのホーミーやブルガリアン・ヴォイスみたいなエスニックな声、リゲティやベリオやジョン・ケージみたいな現代音楽の声、キャシー・バーベリアンやメレディス・モンクみたいな声、ヒューマン・ビート・ボックス(口でドラムとかベースとかスクラッチとかやっちゃうやつ)の声、etc. これらを直に、または、電子的に弄くって「声」の海を作りだし、その海を泳ぎ回るおビョーク。 生身のものと作られたもの。これは例えば、テクノロジーのおかげで作られた半人(半獣)半機械のスペシャル・サイボーグな巨大猛獣を乗り回しているような感じだ。タイトルの「MEDULLA(メダラ)」は「脊髄」という意味らしい。うむ。なんか納得。 まぁ、のっけからビョークのヴォカリーズとイヌイットのノド歌とアカペラコーラスとヒューマン・ビート・ボックスがゆったりと絡んで異様な雰囲気だが、すぐに「あ、いつものビョークだ」と落ち着く。3曲目の「Where Is The Line」では、アルバム「Homogenic」の再現を思わせる凶暴で獰猛なビートとオスティナート気味のヴォーカルが炸裂する「ディエス・イレ(怒りの日)」の響き。続く4曲目「Vökuró」や12曲目「Mouth's Cradle」では、最近の荒んだ世の中を嘆き断罪するかのようなラクリモサやリベラメの響きだ。11曲目の「Ancestors」では、イヌイットのスロート・シンガーが獣(けだもの)のような息づかいを見せ、14曲目「Triumph Of A Heart」ではヒューマン・ビート・ボックスとヒューマン・トロンボーン(なんじゃそれ)が呼び交わし、軽やかかつ確実な勝利を夢見てアルバムを閉じる。 しかし、やっぱ白眉は9曲目「Oceania」だろう。アテネの開会式で、主役の選手団を覆い隠しながらウミヘビのようにのたくってこの曲を歌ったおビョーク様。海の泡の様に上昇下降をくりかえす女声合唱がなんとも心地よい ![]() ![]() ビョーク自身のボーカルも、より磨きがかかって、エモーショナルで、艶っぽく、しかも哀しく響く。子音の破裂音や巻き舌が、これまで以上に意味を持って聞こえてくるのだ。 でも全体的には前作(そして傑作!)「Vespertine」からの、さらにはそれ以前の流れを継承しているように聞こえる。このアルバムが突然「突飛な」世界に出てきちゃったワケではないのだ。 あと、ヒューマン・ビート・ボックスって、某CM で見てると、なんか唾が飛んで来そうでちょっと汚いと思うんだけど、こうやって聴くと独特の趣がある。楽器や電子の音より深みがあって弾力があるというか、やっぱり「生き物感」がある。 「声」だけで作られたアルバムって、特に目新しいものでもない(らしい)のだが、こと、おビョーク様の手にかかるとそれはそれは神々しいまでの音の伽藍となってリスナーの前に現出する曼荼羅になる。人の声というのはもっとも古く最も身近な「楽器」である。ここでは、現代の叡智を盛り込みながらも、生き物としての「人間の鳴き声(呼び交わす声)」を発しているように思う。 聞き込む程に鳥肌のたつ一枚。 →MEDULLA PLAYER(オフィシャルサイト内の特集コーナー) →お買い求めはamazonで 参加アーティストの一人:日本人ヒューマン・ビート・ボクサーDokaka。この人なんか面白い。 →Dokaka.com →彼のインタビュー よそ様のブログ →ただいまメダラ中です(「LOADED」) →メダラ(「妄想日和」) Posted: 火 - 9 月 7, 2004 at 01:53 午前 |
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