「女王の教室」


男前女優:天海祐希の当たり役、「悪魔のような鬼教師」阿久津真矢は女教師版ブラック・ジャックだ。(ネタバレありあり)




放映当時賛否両論を巻き起こした話題作「女王の教室」 2005年7月〜9月:日本テレビ)。とっても今さらなんだけど、やっと見ました。
結構オモシロイじゃないのこのドラマ。

冷酷非道で「悪魔のような鬼教師」と怖れられている女:阿久津真矢。子どもに対しても、大人に対しても、一切の妥協を排したクールな教育を徹底していく、その正体も過去も不明の謎の教師。

第一話の真矢登場までのシーン。「新任の阿久津先生ってどんな人かなぁ?」と期待&不安でイッパイの6年3組。その教室に向かって不気味に黒靴の音を響かせて歩いてくる人物。教室の扉が開くまで、その「女王」の貌や姿はハッキリ分からない。イイ演出じゃん。
そして初日から吹き荒れる信じられないような独裁政治。まずターゲットにされたのは、クラス一明るくて友たち思いな女の子:神田和美と、お調子者を絵に描いたような男の子:真鍋由介だった。

その後も、学力による階級制、授業中トイレにも行かせないという厳しいルール強制、出来の良くない子・悪いことをした子に徹底した懲罰を科し、CIAばりの情報収集で子どもたちの弱みを完全に手中にし、圧倒的な力で恐怖政治を続ける真矢。しかしこれに孤軍奮闘するのが先の神田と真鍋だった。最初完全にクラスから浮いてしまった二人だが、途中最大の試練を乗り越え自身も着実に強くなり、周りにも味方が増え、真矢に対抗していく。だが、実は真矢は全てお見通しで、子どもたちのためを考えて敢えて「厳しい教室」を作っていたことが分かる。
そればかりか、これから先の「格差社会」を見越して「このままのうのうと自分の楽にばかりしていては、政治家やエリートどもの思う壺なのよ」と諭してくれたりする。さらに、家族や友達との関係作り、親からの自立、厳しい社会を生き抜くための知恵、自ら考えて答えを導き出す術、知るということや自発的に勉強したいと思うことの大切さ、他人に迷惑をかけたり社会のルールを破ることの代償・・・など、人として大切なことを決然とした言葉で子どもたちに伝えるのであった。

まぁ、ベタな作りではあったけれども、正論や極論や理想論も多かったけど、現在教育現場が抱える諸問題について作り手なりに答えを出した意欲作だと思う。
(この辺は、漫画「ザ・ワールド・イズ・マイン」と通じるものがあるね。)

前半はあまりに非情なメカ教師ぶりに「これは、どっかの独裁国家みたいじゃん」と思ったけど、昔の小学校の担任ってクラスの中では絶対君主的な権力を持っていたし、子どもたちもだいたいセンセイに対しては忠実だった。多かれ少なかれこんな感じだったと思う。

ドラマとしては子どもたちのキャラもイイし、ストーリー的にもそれなりにうまくまとまっていたんじゃない?漫画や小説に原作を頼りまくっている最近のドラマにしては、オリジナルストーリーで成功した方なんじゃないだろうか。
っつって、内容は結構漫画的なんだけどね。例えば阿久津真矢は、黒くてミステリアスでキツクて非道いことする主人公が実はイイ人だったりする「ブラック・ジャック」と同じキャラ設定。

「いい加減目覚めなさい!」
「イメージできる?」

などなど「出るぞ、出るぞ、決めゼリフが・・・」とか言いながら、最後の卒業式後教室での「仰げば尊し」なんか泣けるじゃないの。
個人的には、馬場ちゃんと天童センセイが好きだな。人間的で。あ、もちろん真鍋由介もカワイカッタよ。

天童センセイが「私、友たちみたいな教師になります」って言って真矢に罵倒されるシーンがあるが、全くその通りだと思う。教師は友たちじみて子どもと馴れ合いになってはいけない。こんなことになるのが関の山だ。

教室という、授業という舞台では、教師の威厳と品格が保たれていなければならない。それをちょっとデフォルメした「男前」天海祐希のハマリ役だった。

そういえば、こないだとある場所で会ったSMの女王様が言ってたけど、「M男さんの中には、子どもの頃みた『ドロンジョ様』みたいな悪の女ボスみたいなのに虐められるのを夢見ているのが多い」んだって。阿久津真矢もそういう存在に近いのかもね。だから、エンディングで毎回楽しそうに踊ってるのとかはちょっとヤメたほうがファンタジーを壊さなくてイイと思う。



ちなみに、2回に渡るスペシャル版で、阿久津真矢がどうしてこんな「鬼教師」になったかが描かれる。(ちなみに2回とも問題生徒と二人きりで話していて同じ過ちをおかすのね。真矢、「いい加減目覚めたら?」)

彼女はとんでもない苦難の過去を背負っていた。そして誓う。「どんなことがあっても絶対に教師は辞めない」「子どもたちには徹底して厳しくする。その代わりに子どもたちを死んでも守り抜く」と。
イジメ、自殺、不登校、学級崩壊、体罰、不審者による犯罪、生徒による殺傷事件・・・。おれたちが小中学生だったころには考えられなかったような酷い問題が山積みの今の学校。そこで期待も批判も一身に浴びなければならない教師というのは残酷な職業だ。

様々な問題を解決するために教師ができることは?
体罰や懲罰、子どもをある程度脅したり徹底的に現実の厳しさを教える教育を自身の信念に基づいて進める阿久津真矢であるが、それを可能にしているのは、寝る間も惜しんで子どもたちや親たちを見守り、何かあれば直ぐに駆けつけ体を張ってフォローするという生身の人間にはある意味不可能なほどの裏の力があってこそなのだ。
そんなことが実際に出来る教師はいない。(逆に言うと、そうでも出来なければ体罰や突き放し教育はしちゃダメだってことなのかもね。)
ならばせめて何が出来るのか?

今の教育現場にやり場のないイライラを募らせている大人たちの一つの叫びがこのドラマにはあったと思う。


あ、余談だけど、阿久津真矢が徹底したMacユーザーだってのがイイね。クラスのダンス発表のために音楽流すのがiPodだよ!


女王の教室(日テレのオフィシャルサイト)

女王の教室 - Wikipedia
Amazon.co.jp: 女王の教室 DVD-BOX: DVD: 遊川和彦,天海祐希,羽田美智子,原沙知絵,尾美としのり,夏帆,半海一晃,泉谷しげる,内藤剛志,志田未来,松川尚瑠輝
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マチダタイムス | 阿久津真矢、ジャニ系少年を体育倉庫に連れ込む女教師〜女王の教室SP〜

Posted: 土 - 3 月 3, 2007 at 12:08 午前              


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