虎は死して皮を残し、人は死して名を残す


結局誰もがアンハッピー

大阪教育大付属池田小学校事件。平和であるハズの小学校に刃物男が突然やってきて、子ども達を刺し殺しまわった。犯人は宅間守という40手前のおっさん。動機は色々あるだろうが、要は「エリートの卵たちを殺戮したかった」「逃げ足が遅く弱いから大量に殺せると思って小学生にした」「社会への復讐」「とっとと死刑になりたかった」などであるらしい。なんという子どもじみた。




「自分はこんなにもダメで不幸で、誰からもチヤホヤされるどころか忌み嫌われている。ホントはおれだって優秀なエリートになりたかったのに成功して名声を得るハズなのに、あんな金持ちのただのガキどもが安穏とエリートの道を歩もうとしている。むかつく、気に喰わん。こいつらを沢山斬り殺せば世間も騒ぐしおれの名も知れる。ついでに死刑になるやろうからさっぱりして丁度ええわ。」というところか。

結局、彼の望み通りになった。刑の確定から執行までは異例のスピードだった。被害者や遺族達はまったくもって報われないまま、空虚感だけが残り続ける。狂犬かライオンにでも襲われたと思うしかないか。まだその方がましだったかも。





この宅間という男、やったことは殺人モンスターやサイコ野郎級だが、それにしてはあまりにも幼稚(問題解決能力は小学三年生レベルだそうだ)で、あまりにも自分勝手(だいたい犯罪者などというのはみんな身勝手なもんだが)で、あまりにもヤケッパチな「最強の困ったちゃん」である。到底、「モンスター」や「サイコキラー」や「ザ・ワル」の称号は与えられない。さらに、こいつは決してキ●ガイではない。単に、極端なまでに性格が歪んだ「最凶の天の邪鬼」で、どうしようもない「ガキ」である。「ちっともびびっていない」と嘯く彼は、しかし誰よりもチンケな人間である。(なんたって赤子の手をひねるようなもんだったワケだから。)

自分が報われないのはみんな人のセイで、まわりが成功してハッピーなのは許せない。フラれた、仕事をクビになった、警察につかまた、など、世間の仕打ちとそれへの逆恨みが負の連鎖を産んだのだ。周りから疎外される→逆ギレしてアタる→ますます疎外&糾弾される→逆恨みで悪いことする・・・・なんとも哀れでアホな、しかし興味のつきない男。宅間くん。(学生時代には片思いの女の子にフラれた腹いせに彼女の弁当にザーメンをかけてやっただの、ソープ嬢とのセックスを録音して同僚に聞かせただの、別れた妻に1000回も迷惑電話しただのなかなか色話にもネタがつきない。)最悪の社会不適合者である。
こういうのに優秀で前途有望な我が子を奪われてしまった不条理を嘆き哀しみ怒りにくれていると、まさにこいつの思うツボだというのがまたシャクだ。

しかし、有る意味ちょっと彼に共感してしまうのはオカシイだろうか。
超過密大都市に暮らしていて、みんなが自分勝手さを増していっている現代では、例えば電車なんかに乗っていて「こいつら邪魔だなぁ。みんな機関銃で撃ち殺したらサッパリするかも。」みたいなクレイジーなことを考えないでもない。そういうことを考えてしまう人間は、おれ以外にも少なからずいるハズだ。ただ、それをしないでいるのは、「やったらその人や身内や友達がかわいそう」という情と、「そんなことしたら自分とその周りの人間の立場や名誉が損なわれる」という保身と、「そんな大それたことはできやしない」という臆病と、などのおかげだ。一番大きいのは「常識」や「道徳」や「倫理」と言った「マトモ」な気持ちを持っているからである。宅間くんにはそんなもんはなかった。失うものはない。迷惑をかけて困る身内もいない。むしろ身内には復讐したかったくらいだからなお都合が良い。


皮肉なことに、彼の名はほぼ永遠に語り継がれるだろう。ただし、当初彼が望んでいた「立派な人物」としてではなく、稀代のアホで幼稚な殺人鬼として人々の記憶に残るだろう。彼は「名を残したい」という欲望が人一倍強かったと思われるので、それはそれで本望だったかもしれない。

最後になるが、不謹慎ながら、彼の顔はちょっとだけイケる。(実際4回も結婚出来たわけだから、決してブ男ではないのだ。)

→宅間守資料
→校内児童殺傷事件
→はてなダイヤリー 宅間守
→宅間守はここにいる
→兵庫の野生児 宅間守

Posted: 金 - 9 月 17, 2004 at 01:25 午前              


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