「キル・ビル Vol.2」(2004/アメリカ)


男の子の「お人形ごっこ」はいつだって過酷にして残酷、そしてハッピーエンド?! タラの繰り出す究極の遊びについて行けさえすれば楽しめる。いや、愛をもってついて行かなければならない!

真っ黄色のブルース・リー・スーツを身にまとったザ・ブライド(花嫁)ことユマ・サーマンが敵をバッタバッタと切り倒し、ルーシー・リューとのカタコト・ニホンゴ合戦で大笑いさせてくれたVol.1の続編・・・いや、もともとこれは一本の映画だったのだから、後編ということになる。(実際、Vol.1と2はいろんなところが呼応・対応しているのだ。例えば、手足の拘束状態で絶体絶命の危機からの脱出、母と娘、女同士の死闘、マスターによる特訓修行、etc.)





今回は、Vol.1のようなセンセーショナルなチャンバラ大立ち回りやカタコトやケレンミは姿を消し、台詞を聴かせる(効かせる)静かな炎燃え立つ映画になっている。西部劇の決闘とカンフー映画のアクションを散りばめてはあるものの、比重は明らかにユマとそれぞれの相手との台詞劇だ。モッタイつけた、そして、カッコつけたタラ(タランティーノ)お得意の台詞まわしは「パルプ・フィクション」や「ジャッキー・ブラウン」を思い出させる(ちなみに、Vol.2には、ちょい役でサミュエル・L・ジャクソンが登場)。特に、最後の仇にしてかつての愛人ビル(デヴィッド・キャラダイン)とのダイアローグ。タイトルになってるくせに、Vol.2で初めて顔を見せるこのミステリアスな男とのやり取り、師匠であり恋人であり宿敵でもあるビルとの駆け引きがなんとも秀逸。そして今回の見せ場もやはり女同士の戦い。なんたってあのアイパッチ女、エル・ドライバーことダリル・ハンナとの激闘は痛快きわまりない。オカマ的には一番楽しめるところだろう。

男の子の「お人形ごっこ」は、女の子のそれと違ってラジカルでアクション満載で過酷で残酷だ。そこのあなたも子供のころ遊んでいたハズ。妹のリカちゃんやバービーに超合金ロボの剣を持たせてチャンバラさせたり、ドロップキックや空手チョップで決闘させたり、ワイヤーアクションばりの空中戦をさせたり。。。(え?ドールハウスで着せ替えしてた?あ、失礼しました。御姐様でしたか。。)
クエンティン・タランティーノは、ユマ・サーマンというとっておきの「お人形」に日本刀を持たせ、長年のアイドルだった千葉真一やデヴィッド・キャラダインやゴードン・リューと共演させ、ルーシー・リューやダリル・ハンナというくせ者女優と死闘させ、大好きで大好きでしょうがないチャンバラや任侠映画やウエスタンやカンフーやコミックの世界で大暴れさせたかっただけ。ただそれだけの純粋で究極の「お人形ごっこ」がキル・ビルだ。

おっと、「ただそれだけ」ではなかった。それは「愛」であるよ。(タラのややマニアックだけど)映画への愛、(これまたマニアックだけど)大好きなヒーローやあこがれのスターたちへの愛、ユマ・サーマンというお人形への愛、母と子の愛、そしてビルとブライドの愛。さぁ、おれたちも愛を持ってこの映画を見ようじゃないか。オタクでアゴのシャクレた監督の独りよがりオマージュ映画だけでは片付けられないこの愛すべき映画を。
それから、映画を愛するなら、エンドクレジットは最後まで見るように!(途中で席立っちゃうアホちゃんは目ン球えぐっちゃうぞ!)最後まで見たご褒美に、しょーもないおまけショットが付いてるからね。

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Posted: 日 - 5 月 9, 2004 at 09:00 午後              


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