「ヨコハマメリー」(2005/日本)街と人、それらを語る人々の顔。伝説の街娼メリーさんに会いたい。
街ゆく人達大勢が、カラスのワッペン付けた青い服
着て騒いでる。何があったというのだろうか?
ま、そんなこととは最も縁遠い映画「ヨコハマメリー」である。 ![]() 戦後の横浜。進駐軍がやってきて、混沌としたパワーに満ちていた港町。昭和から平成にかかるまでその街角に立つ一人の老娼婦がいた。腰の曲がったおばあさんで、顔は白塗り、ひらひらのドレス、街ゆく誰もが奇異なものを見る目で見遣る存在。本名も年齢も生い立ちも素性も不明。ある時は「皇后陛下」と揶揄して呼ばれ、ある時は「ホワイトお化け」と気持ち悪がられ、ある時は「きらきらさん」と畏敬の念を込めて呼ばれた人。山の手のお嬢様だとか、華族の末裔だとか、将校以上しか相手にしないパンパンだとか、実はチンコがついているオカマ娼婦だとか、梅毒で頭がおかしくなっただとか・・・・様々な噂とともに横浜の生ける伝説であった人物。それが「ハマのメリー」その人だった。 伊勢佐木町の松坂屋や雑居ビル、バーガーショップなどを根城にホームレス生活を送っていたメリーさんが忽然と姿を消したのが95年。横浜の人なら誰もが知っている彼女の「知られざる実像」を、様々な人々のインタビューで描く。既に伝説と化しているメリーさんの影を辿るこの映画は、彼女の孫ほどの歳である中村高寛監督のデビュー作である。 米兵、愚連隊、やくざ、そしてパンパンと呼ばれた娼婦達。昭和の横浜を舞台に活き活きと生きていた人たちのドラマ。(ちなみにパンパンには3種類あって、白人相手の「白パン」、黒人相手の「黒パン」、そして聾唖で口のきけない「おしパン」というのだそうだ。彼女らと米兵との間に望まれず生まれた無名の「混血児」たちが根岸の外人墓地には沢山埋められているそうだ。) それにしてもよくぞ、メリーさん、そして横浜にまつわる様々に「濃い」人々の率直で深い話をこんなにも引き出したもんだ。作り手の真摯さと愛情がとても息づく映画だった。 特に中心を成すのが、メリーさんを影ながら支え親しくしていたシャンソン歌手:永登元次郎 の存在。末期癌に冒されながらも歌うことを止めず、昔川崎の歓楽街で男娼をしていたという自分の人生とメリーさんを重ねながら語る一言一言がなんとも味わい深く感動的。 やがて私はこの世を去るだろう 永い歳月私は幸せに この旅路を今日まで生きてきた いつも私のやり方で 彼が歌う「マイウェイ」の歌詞は、自分、そしてメリーさんそのもの。普段なら気持ち悪くて聴けたモンじゃないこの歌が、凄く良かった。 (以下ネタバレ) 映画の最後、横浜から消えたと思われていたメリーさんが、郷里の老人ホームで元次郎さんの慰問の歌を聴くシーンがある。すっぴんの(あの白塗りではない、普通の化粧をした)メリーさん。いや、かつて「メリーさんだった人物」が、「マイウェイ」の一節一節に頷きながら聴き入っている。その顔の綺麗でカワイイこと!!泣いた。 彼女は何十年もの間、わざわざ奇異な「仮面」に身を包み、人々の目に自らを晒し、孤独とともに生きてきた。雑居ビルの廊下にパイプ椅子を並べて背中を丸めて眠るその姿が切なすぎる。それを成し得たのは彼女のプライドだろうか。決して自ら多くを語らなかった、弱音や情にまみれたセリフを吐かなかった彼女。なんだかとても愛おしく、カッコヨク見える。 数える程しか行ったことのない横浜なのに、何故かメリーさんを見たことがあるような気がする(ほぼ錯覚なんだろうけど)くらいだ。 どの街にも名物になる変わった人というのは居るもんだが、こんなにも風情があって孤高なカワイイ人はそうは居ないだろう。その妖精のような佇まいは、横浜の街がどう変わろうともずっとそこに漂いつづけている気がする。 街と人、人生と時。イイもんです。 ヨコハマメリー公式サイト 「ヨコハマメリー」ブログ - livedoor Blog(ブログ) http://with.cot.jp/merry/11-22.htm カナロコ ローカルニュース ☆「ハマのメリーさん」のドキュメンタリー映画を上映へ☆ メリーさんのドキュメンタリー映画、4月15日に封切決定 - ヨコハマ経済新聞 - 横浜都心臨海部のビジネス&カルチャーニュース CinemaScape/ヨコハマメリー(2005/日) OLD FASHION: 「ヨコハマメリー」 日々これこれ・・・☆ささやかでも毎日がHappy♪でありますように・・・☆ | ヨコハマメリー ペリーの鼻: 映画「ヨコハマメリー」 Posted: 水 - 6 月 14, 2006 at 02:17 午前 |
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