「セキ★ララ」(2005/日本)「抜けるの」だけがAVじゃない。ツールとしてのアダルト、手段としてのドキュメントが描くのはそれぞれのアイデンティティ。そして家族。
普段滅多に立ち寄らない街:下北沢にて映画「セキ★ララ」
を見る。
在日三世のドキュメンタリー監督:松江哲明 さんの作品であることと、上映後に監督と伏見憲明 さんとのトークがあるというので行った。 ![]() 映画は、在日三世の女の子が子供時代、少女時代を過ごした土地を訪ねる前半と、中国人留学生の女の子と在日二世の中年が中華街を歩く後半とに分かれるが、どちらもセックスシーンがある。っていうか、元はAV(アダルト・ビデオ)として撮られた作品を再構成したものなのだ。前半の女の子はAVモデル志望、後半の中年男とはAV男優の花岡じった 氏である。 在日のドキュメントというと深刻なモノを想像してしまうが、これはなんたって準AV。しかし、Hシーンはむしろオマケといっても良いくらい(食事をしてるシーンと同じような感じ)で、肝心なのは各出演者へのインタビュー部分だ。 一匹狼で育ったという前半の女の子。最初のHシーンの時はちょっと猫被ってたとか言いながら、家族の話や、少女時代の話をする。実にイイ顔。 後半の二人もホントにイイ顔していて、ホモのおれが言うのもなんだけど女の子がかわいいのだった。これは監督の目線のせいなのかな。 在日とひとくちに言っても、もちろん色んな人が居るわけで、前半の女の子は特に意識はしていないけれど家族との繋がりや今も続いている在日の習慣を大事に思っている。花岡氏は逆で、民族学校を出ているにもかかわらず、今では日本人以上に日本が好きで、父親や自分の出自にはコンプレックスを抱いている。自分が日本人として生まれなかったことに苛立ちを感じるとまで言っていた。 共通して見えてくるのは「家族」というものだろうか。 後半の中国人の女の子も家族が自慢で大好きだと言っていたが、とても家族には見せられない「AV(出演)」というものを通して彼等のアイデンティティとその拠り所である「家族」ってものを見せようとする監督の視点はスゴイおもしろい。松江監督のデビュー作「あんにょんキムチ」は未見なのだが、これも本人の出自と家族を扱っているものだ。是非見てみたいと思った。 被差別側のマイノリティとしての在日朝鮮人・在日韓国人って、ゲイと凄く似ている部分がある。見た目では分からない場合が多いし、(非在日/ノンケである)世間一般人の身の回りに結構沢山居るわけだし、実態や実像はあまり知られておらずステレオタイプなイメージだけが広まっているし、コミュニティの中で固まろうとしがちだし・・・・。ただ、決定的に違うところがあるとすれば、この「家族」というものの存在だろうと思う。在日が在日たる所以はまさに「家族」というか祖先の存在であって、それ無しでの単発の「在日」というのはあり得ないのに対し、ゲイは多くの場合自分の「家族」には内緒にせざるをえない。一番身近な他人である「家族」が知ってくれているかいないかというのは結構大きな違いなのだ。 トークでは、伏見さんのキャラも相まって直球の面白いネタがいろいろ飛び出したが、「やっぱり在日だとかマイノリティだとか被差別だとかいうこういうヤヤコシイ話題には頭でっかちな上半身からの攻めよりも、柔らかくて温かい下半身からの攻めの方が良いんだろうと思う」って意見には大賛成。 エロの力は偉大なりね。 監督は、自ら「顔面登録」(外国人登録証が無くても顔見れば在日と分かる典型的な顔)と言うくらいの半島顔で、人なつこい表情ながら切れる頭と情熱を持った好青年でした。 「おれの彼氏も在日なんです。顔面登録とか祭祀(チェサ)とか普段の会話で聞いているので、映画にも出てきて親近感が湧きます」などとお話してサインをもらった。 映画の前半で、女の子の相手をするのは、在日になんの知識も先入観も無いという日本人の素人男優さんなんだけど、彼が初の「在日」との邂逅で「あ、なにも在日のこと知らなくてすんません」みたいなことを言う。日本人にありがちな、とりあえずの「すんません」。監督はこれをカメラに収められて「よっしゃー!」と思ったという。なんだかよく分からないマイノリティの人たちへの、マジョリティ側の反応なわけだが、この微妙さが分かるのはおれもゲイというマイノリティ側だからなのか。でも、「結局こう言っちゃうんだよな」というのも分かる。 このビミョーな感じが解ける日は来るのでしょうか。 「セキ★ララ」オフィシャル・サイト シネマ アートン 下北沢 韓朝中在日ドキュメント セキ★ララ 「セキ☆ララ」宣伝日記 - livedoor Blog(ブログ) CINEMA TOPICS ONLINE(山形ドキュメンタリー映画祭で上映された初のアダルト作品『セキ★ララ』松江哲明監督インタビュー) MovieWalker レポート 【東京シネマのぞき見隊】(80)“AV”+“ドキュメンタリー”+“在日”=映画「セキ★ララ」国際映画祭やミニシアターが賞賛した“必見AV”の魅力に迫る! MovieWalker レポート 【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(10) 「セキ★ララ」公開記念〜松江哲明監督インタビュー 日本の男は・・・“上手”なんだって! 『セキ★ララ』 瓶詰めの映画地獄 〜地獄が闘えと俺を呼ぶ〜/ウェブリブログ *S子の部屋: 『セキ☆ララ』公開に向けて 【読みもの】伏見憲明・公式サイト » 映画『セキ★ララ』●スタジオ・ポット/ポット出版 every japanese woman cooks her own curry(松江哲明ブログ) Posted: 火 - 6 月 6, 2006 at 01:48 午前 |
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