「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」(2005/イギリス=アメリカ)


大長編&ハリウッドとのタッグで超パワーアップ。でもちょっと寂しくもあり・・・

粘土アニメの傑作「ウォレスとグルミット」、シリーズ最新作。今回は85分の長編、そして、あのDreamWorks とのタッグということで大幅にスケールアップ。見事オスカーも受賞してます。






チーズ大好きでノンビリマイペースの発明家ウォレスと、寡黙でトッテモ頼りになる愛すべきパートナー犬グルミットが繰り広げる息もつかせぬストーリー&細かすぎるくらいのコダワリは健在。
今回は、「巨大野菜コンテスト」に向けてセッセと巨大野菜を作る街の人々と彼らを脅かす野菜大好きなウサギちゃん達(こいつら揃いも揃ってブタ鼻でブサイクでカワイイです。そういえば前回はヒツジちゃんでしたね。)が登場。そしてある日現れた未知のモンスターウサギ男が大暴れ。コンテストを主催する街の令嬢とウォレスとのロマンス、そんでもってそれを邪魔するワルモノ求婚者とその愛犬も入り乱れてもうタイヘンです。ウォレスには過去最大のピンチも訪れるし!

「ザ・フライ」みたいなミュータントモンスターものの要素と、「キングコング」なんかのパロディもあるし、アチコチに遊び心が満載。あいかわらず無駄に凝った装置フル稼働のウォレスん家、ウサギ退治を請け負うべく立ち上げたW&Gの「アンチ・ペスト」社は「サンダーバード」ばりの出動シーンだし、犬同士の空中戦はあるし、笑いっぱなし&興奮しっぱなし!!

でも、こんなスケールアップしちゃってちょっと寂しくもあるんですよね。CGなんかも使ってるし(光の輪がグルグルしたり、ウサギたちがフワフワ飛んだりする程度だけど)、音楽もセットも超パワーアップしちゃってるし。アメリカナイズされちゃったのかなぁ・・・なんてね。
ウォレスとグルミットのささやかな生活から、ちょっとした事件へ発展していって、グルミットの活躍で無事解決・・・「ペンギンに気をつけろ」くらいがちょうど良かったのに。ま、贅沢な悩みってモンですね。





それにしても、健気で表情豊かなグルミットは可愛すぎ!
主人であるウォレスのためなら、巨大メスウサギのぬいぐるみだって操作するし、命がけで怪物の正体を突き止めるし、ワルモノと闘うし。子どもの様に可愛がって育ててた巨大瓜でさえも惜しげなく投げ出しちゃう。グルミットをそこまでさせるのはイッタイなんだろうね。
それに引き替えウォレスの方は、令嬢にちょっと惚れちゃったり、チーズの食べ過ぎでお腹出ちゃってたり、自分の発明にうぬぼれちゃっててそれが元で失敗するし、ダメッぷりが目立ちます。(でも、最後にはこれまた命がけでグルミットを助けるシーンあり。)






この二人(一人と一匹)の関係は、イギリス伝統のパートナーシップ(たとえばシャーロック・ホームズとワトソンみたいな)の形ですが、よく言われるようにゲイ的でもあります。グルミットは家事全般担当、編み物もするし、自分の趣味もしっかり持ってる。ウォレスは浮気性で脳天気。面倒な事はみーんなグルミットまかせ。でもいざとなると二人のチームワークはバツグンで、何も言わなくたって心が通じ合っている感じ。理想のパートナー像です。





そういえば、制作のアードマンはスタジオが火事で全焼しちゃうって事件 があって、いろいろ心配だったんだけど、この映画を観る限り「人類の宝」は大丈夫だったようですね。クレイアニメはご存じの通り、一コマ一コマを手で作って動かしていくというトテツモナク気が遠くなるような地道な作業を強いられるワケです。それが80分にもなったって言うこと自体大拍手。これからも大いに楽しませ&泣かせてほしいっすね。

追伸:日本語吹き替え版は、ウォレス役が欽ちゃんなのでガッカリすること必至。決して観ないように。


ウォレスとグルミット・オフィシャルサイト
映画「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」大ヒット上映中!
ウォレスとグルミット - Wikipedia
CINEMA TREASURE - ピックアップ『ウォレスとグルミット』

Aardman Animations Ltd
Wallace & Gromit Home - Aardman Animations

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Posted: 月 - 4 月 10, 2006 at 11:18 午後              


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