「ケス」(1969/イギリス)


出会いのすばらしさと、それによって何百倍もヒカリカガヤクことのできる人間への賛歌。おれの「心の映画」です!

1969年のイギリス映画ですが、日本では1995年になってようやっと公開された幻の名作。
(それにしてもなんちゅうナサケナイことじゃ!なんで、こんないい映画を30年近くもほっといたの?>日本)

家でも、学校でも、バイト先でも馬鹿にされ、虐げられているビリー。それでただの「かわいそうな子」かといえばそうではなくて、万引きや、口からデマカセはあたりまえの、シタタカなワルガキ。
そして家族や社会の環境のせいで、無気力、無関心。 クラスの不良グループにただついていくだけのコギタナイ少年。
そんな彼の救いであり、唯一信じられる相手。 それがハヤブサの「ケス」なのである。

「ケス」を馴らしていく過程。そのすばらしさ!
この映画を見て、湧いてくる涙はいったいなんの「涙」なのか?





========↓以下、少々ネタバレ↓========

作品のヤマは二回おとずれる。
1)主人公ビリーが教室で「ケス」のことを説明するシーン。
2)もう一つは、その授業の先生がビリーの家の納屋を訪ねるシーン
である。
普段の訓練の場所である野原の緑と、いつもはビリーの居場所であるはずもない教室の黒板の緑。

1)のシーンでは、カメラは教室から一歩も外へは出ない。普段からは想像も出来ないほど豊かに語り続けるビリー。そして、ボクらは他の生徒と一緒になってビリーの話に聞き入り、空に舞うケスの姿を頭に思い描くのである。

ひとりの人間のヒカリカガヤク瞬間!!

そして、2)のシーン。
「人間」の中でただひとりビリーに歩み寄るファーシング先生。二人が「ケス」を前に交すやり取り。

ファーシング:「(声をひそめて話すのは)尊敬のきもちがそうさせるんだ」
ビリー:「(ケスは)ペットじゃない。人に服従しないから、すばらしいんです」

ケン・ローチの目はそんな彼らを、ひたすら淡々と見つめる。

========↑以上、少々ネタバレ↑========



ただの動物映画じゃない。少年の成長物語でもない。
厳しい現実のなかで生きて行かなければならない、ボクたちみんなの中に、この愛すべきコギタナイ少年と、その憧れの象徴「ケス」は生き続ける。

出会いのすばらしさと、それによって何百倍もヒカリカガヤクことのできる人間への賛歌。

だから、一見悲劇的にみえるラストでは、もう涙を流してなんかいられないのだ。


→ケス - goo映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD29924/

→作品紹介:ケン・ローチ「ケス」(【Cheeky's Garden★英国党宣言】 +++クール・ブリタニア!+++)
http://britannia.cool.ne.jp/cinema/title/title-ke.html

→ケス(楽園計画)
http://www.din.or.jp/~felice/cinema/review/kes.html

→[all cinemas go forward to freedom!] ケス -- online KONGE JIHO
http://www.breast.co.jp/cgi-bin/soulflower/nakagawa/cinema/cineji.pl?phase=view&id=082_kes

Posted: 木 - 4 月 28, 2005 at 12:54 午前              


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