「SAW(ソウ)」(2004/アメリカ)お化けや幽霊や悪魔やモンスター、それより本当に恐いのは「人間の仕業」。最初から最後まで息もつかせぬ緊張感でクギヅケにする映像とストーリーテリングに拍手。
いやはや、久しぶりにドキドキし、興奮した映画だった。
「セブン」 meets「CUBE」 と評されているというが、矛盾なく計算して組み立てられた脚本、謎解きのおもしろさを存分に味わせてくれるストリーテリング、そしてインパクトと極限の緊張感を生み出す映像と音楽、何処を取ってもその2作どちらをも凌ぐパワーと巧さを持った映画だった。もちろん映画的に未熟というか、品の無い感じの部分もあるが、それを補って余りある「凄味」がある。 ラストだって、「そう来たか!」って感じでヤラレタ。これは「セブン」や「ユージュアル・サスペクツ」 みたいな、「後味の悪い(消化不良の/作り手の自己満足的な)どんでん返し」とは違って、ある意味「爽快」ですらある結末だ。ラストシーンからエンドクレジットに重なるあたりはちょっと唸ってしまった。 ![]() 白く薄汚れたタイル張りのバスルーム。鎖に繋がれた2人の男。そして彼らの間には自殺死体。「なんでおれたちはココに居るのか?」「お互いは何者なのか?」「誰がおれたちをこんな目に?」「ここから助かる方法は?」やがてそれらの謎が、彼らの記憶の復元とともに一つ一つ繋がっていく。まるで「ジグソウ・パズル」のピースの様に。そしてパズルが全部組み合わさった時に顕れた「絵」とは??? それにしても、なんとも「不快」な映画だ。 まず最初の(そして全編にわたって重要な)舞台となる廃墟のバスルーム(っていうか薄汚い便所だろ)からしてuncomfortable。その他、犯人を象徴する腹話術の人形やアイテム、設定の数々、そしてなんと言ってもクライマックスの「あの選択」。徹底的に嫌悪感を催すように仕組まれている。 犯人の仕掛ける理不尽で無慈悲な「ゲーム」もとことん不快だ。しかし、実際「不道徳な人間にはバチが当たればいい」と普通の人だって日頃思うだろうことをただ極端にやっているだけだ。さらに、現実の世界で起きている「殺人」だってこんなことはザラである。(例えば、誘拐した男に時限爆弾を巻き付け銀行強盗させたっていうアメリカの事件や、「ゲームのはじまりです」と嘯いた酒鬼薔薇事件、こないだのイラクでの日本人人質斬首事件など。) 彼ら犯人は、被害者への恨みや憎さでもって「殺人」を行うのではない。単なる悪趣味であったり、面白半分・興味本位であったり、大国への挑戦・脅迫であったり、言うなれば「ゲーム」なのだ。そういう風にして、他人の生命や運命を手玉に取る、あたかも神のような位置に座して被害者を翻弄する、そんなことが平気で起こっている。やっぱり、本当に恐いのはお化けや幽霊や悪魔やモンスターではなく、人間、そして人間の仕業なんだと思う。 オーストラリア出身の20代半ばの青年、監督・原案のジェームズ・ワン+主演・脚本・原案のリー・ワネル。無名な2人の、まさに確信犯的な野心作にベテラン俳優たちが全面協力した快作(怪作)。「観客に徹底的に疲労困憊して劇場を後にしてもらいたいと思って作った」と臆面もなく答える2人。映画の将来も安泰(暗澹?)である。 →「ソウ」(オフィシャルサイト) http://sawmovie.jp/ →SAW(officcial site) http://sawmovie.com/ Posted: 月 - 11 月 1, 2004 at 11:13 午後 |
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