ひとりぼっちはやめた


人間一人では生きられない、特に心が大変な時には。

aktaで毎月行われているお勉強イベント「ACADEMIA」 の第4回。「セックス依存傾向と関係した こころの病気について 〜「抑うつ」って結局なに?予防法とか処方箋は?〜 」。
今回は精神科医の林義拓さんをお呼びしての「こころの病気」特集。特に、うつ病、抑うつ状態についてのお話でした。

そもそも、抑うつ状態って何?っていう事の前に「うつ病」という病気の説明がありました。
代表的な3つの症状グループ

1:考え方・思考の症状
(悲観的思考や集中力・決断力の低下、「心理的な視野狭窄」)
2:気分・意欲の症状
(理由なく落ち込む、これまで楽しめたことが楽しめなくなる、体の動きが鈍くなる、突然死にたくなる)
3:不安や身体の症状
(頭痛、口が渇く、息苦しい、性機能の障害、不眠、食欲減退)

の中でも「心理的な視野狭窄」というのが結構重要だということ。このため、一つの事にとらわれてしまったり、気持ちの切り替えが出来なかったりして、症状がさらに悪くなる場合があるということでした。

ストレスが原因で体の症状が起こる「心身症」。例えばストレスが原因で胃に潰瘍ができるように、うつ病は「脳の心身症」だということ。そして、ダメージが「心」で留まっていればまだ良いが、それが「脳」の機能への障害・バランスの崩壊まで深まってしまった状態が「うつ病」なのだそうだ。つまり、こうなってしまうと原因のストレスなどを取り除いただけではダメで、薬による脳の修復が必要になるのだと。

抑うつ状態というのは、「脳」へのダメージに行く手前の「心」ダメージ止まりの状態なのだそうだ。そこんとこの見極めの為にも、そしてうつ病の早期発見早期治療のためにも、とりあえず精神科への受診が一番手っ取り早い方法であるということ。診察の際には悩み事やストレスの内容よりも、どんな症状でいつから続いているのかという経過の説明が大事なのだそう。
(なので、最初は「自分はゲイで・・・」みたいなことは別に話さなくても構わないし、もし言っても「あ、そうなの」くらいで気にしないドクターが多いそうです。)


といった所が前半のお話。
後半では、今回のメインテーマである「リスキーなSEXと抑うつ傾向の関係」という話になった。
これは前回のACADEMIA第3回で出てきた話題とも関連する。ゲイの人たちは、ノンケ社会で自分のセクシャリティを隠していなければいけないなどのストレスが継続してかかりやすく、抑うつ傾向もノンケに比べてちょっと高い。セックス依存になってしまう人も居るというものだ。

ゲイに限らず、社会的弱者やマイノリティには
「自信がない」「目標がない」「支えがない」
というマイナス要素を持つ人が多い。それは結構「辛い」ものであるから、一時的に回復させようという本人なりの「努力」の顕れとして、アルコール、ドラッグやギャンブルそしてセックスなどに依存しやすくなる。その結果、虚しさが募り抑うつ状態を悪化させるという「下向きのスパイラル」に陥りやすくなる・・・というわけだ。

抑うつ状態には根本的な治療や特効薬というのは実は無くて、これまでの生き方を振り返り、現実の環境や置かれている状況を変えていくことが大事。そして決定的な予防法というのも無い。一般的な健康維持や、目標もって頑張ることと自分の体と心への気遣いのバランスを保つことが大事なのだ。
できるだけ「うつ病」にまでならないようにし、早期発見や早期治療、もしなってしまっても再発をさせないように焦らずキッチリと治していくことが肝心だということだった。


「心の風邪」などと言われるうつ病。しかし、実際はもうちょっと重くて「骨折」くらいの感じだそうだ。初めてうつ病になった場合、5割は回復するが、3割は再発し、2割は治癒せずに2年以上と慢性化してしまう結構シビアな病気なのだという。そして、ぎっくり腰の様に、繰り返せば繰り返す程クセになり、治りも悪くひどくなっていく。
もし身近な誰かがうつ病や抑うつ状態になりかかっていると分かったなら、とりあえずじっくりと話を聞いた上で一緒に精神科へ行ってあげよう。繰り返すけど、何事も早めの手当が肝心。そして、その人がもし一度うつ病に罹っていて再発しているようなら、最初に起こった症状を覚えておいて、二週間以上続いていたら再発なのであらためて治療させよう。
うつ病の人に「頑張って」という励ましは禁物だというが、それは面倒な話を聞かされたりヤヤコシイ状況が及ぶのを「切り捨てるため」と思われるからだそうだ。本当に親身になってあげられる人なら、その責任を負う覚悟をした上で「頑張れ」と言うのはアリ。

精神科って敷居が高そうとか、おっかないとか、ちょっと不気味な印象があるけど、それこそ風邪で内科に行くように気軽に受診できるらしい。予約制で何週間も待たされるようなら、とりあえず手っ取り早く診てくれる病院を探そう。医者の当たりハズレはその他の科ほど大きくはないそうだ。とりあえず診断書を書いてもらって、仕事は思い切って休んでしまおう。ダメな医者というのは、最低限の見通しが無い人。聞かれても、具体的な見通しを答えられない人だそうだ。ただ長時間話を聞いてくれさえすればいいってもんじゃないらしい。


今回の話で何度も出てきて、そしてあらためて実感したのが、友達やパートナーなど自分以外の親身になってくれる誰かの存在の有り難さなのです。
うつ病や心のトラブル(それ以外の体の不調の時もそうだが)に見舞われた場合、病院を探して詳しい症状や経過の説明をし、頑張って治療し、リハビリし、社会復帰へのタイミングを見計らう・・・なんてことは、ただでさえシンドイのに自分ひとりで出来ないと思う。特にうつ病の場合は、思いこみやネガティブな思考、逆に「もう治ったから大丈夫」という考えを正して、アシストしてくれたり、導いてくれたりする人が必要だ。いざとなったら首に縄つけてでも精神科まで引っ張って行ってくれる誰か。
そういう心理的な意味の「居場所」たり得る人は沢山居た方がいい。一つしかないとそれにのめり込んでしまうのだそうだ。

自由気儘に生きている人。一人が気楽でいいやと思っている人。しかし、人間一人では生きられない、特に心が大変な時には。
友達や彼氏、またはゲイコミュニティや自助グループ、いろいろある。今のゲイコミュニティがそこまでの包容力をもっているかどうかという疑問も出たが、それは一人一人の今後の課題なのでしょう。


ひとりぼっちはやめた。いざとなったら一緒になって頑張ってくれる誰かを大事にしよう。お互いに。


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男心、鬱とゲイ

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精神科ってどんなとこ? 〜精神科 Q&A〜

Posted: 月 - 5 月 22, 2006 at 03:35 午前              


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