虹がでたなら


今回は、虹はでなかったけど・・・

参議院議員選挙が終わった。

同性愛者(レズビアン)であることを公言して立候補した尾辻かな子さんは惜しくも当選しなかった。雷雨の後、虹は出なかった。

民主党比例区の公認候補35名中29番目の得票数(民主比例の獲得議席数は20)。予想ではギリギリ当選か・・・とも言われていたんだけど、思ったほど票が伸びず、結果「大きく届かなかった」といった感じだ。

落選自体は残念ではあるけれど、今回の選挙戦とそれにまつわるムーブメントには大きな意味があったと思う。

とにかく「同性愛者の若者がマジメに国会議員になろうとしている」というアピールは大きかったんじゃないだろうか。

選挙速報番組では、司会の紳助から「まだまだカミングアウトできないでいる多くの同性愛者達に勇気を与えてるんじゃいなですか」「私たちの側(ノンケ側)からはちょっとした偏見でも当事者にとっては生きるか死ぬかの問題になったりするんですよね」などの素晴らしい応援メッセージを引き出した。
その他、公示前、投票締切後もマスコミに色々と取り上げられた。

選挙や政治に疎かったゲイ・レズビアン達が頑張って応援に参加したり日記で取り上げたり実際に投票したりして気運を盛り上げた。ナマクラなおれですら日記に書いたりして、1人2人くらいは票を投じてくれることに繋がった。

誰かの日記のコメントで見たのだが、選挙事務所に取材に来ていたクルーが「いい候補者だよね」と本音で言ってくれたそうだ。

これらが全てを物語っていると思う。
「これで終わった」んじゃない「勝ち負け」だけじゃない、大きな動きがあったんだと。次に、そして新しい何かに、進むキッカケになるハズだと。




じゃ、なんで当選しなかったんだというと、色々な理由はあると思うが、ゲイ&レズビアン、その他セクシャル・マイノリティ以外の支持=ノンケ一般市民の支持が少なかったんじゃないかなと思う。

「同性愛を公言して選挙に臨む」。これは今回どうしても必要なことだったと思うんだが、売りが「それだけ」だと思われたんじゃないか。もちろんホントはそんなことはないのだが、「それだけじゃない」部分が1回目のチャレンジではうまく伝わらなかったのかもしれない。

ウチのカワイッチャンの彼氏くん(選挙権の無い人です)がウマイこと言ってた。
「せっかく(元大阪府議という実績やちゃんとした政策や素晴らしい人柄といった)美味しい出汁を持ってても、そこに(レズビアン、同性愛という)コチュ醤みたいなのを入れて辛くしてしまうと、辛いのが好きな人にはいいけど苦手な人には敬遠されるんじゃない?」
辛さだけが全面に出てしまって旨味が薄れてしまった。辛いだけじゃない、「辛くても旨い」を伝える必要があるのかも。


それと、「ゲイ&レズビアンだから(彼女に)投票する」人たちが居た一方、「ゲイ&レズビアンだからって投票するとは限らない、選挙に行くとは限らない」って人も多かったんだろうと思う。
「知ってて支持しない」。これはもっともな話で、ある程度しょうがないんだろうけど(「知ってて支持しない」の中には、さっき挙げた「辛さ」を敬遠した人もいるだろう。)、「知らなかった」「関心が湧かなかった」って人が結構いたのかもしれない。

世間一般、識者、政治家のオッサン達の中には「同性愛者の気概や支持っつってもこんな程度か」と思われたかもしれない。でも、これは始まったばかりじゃないか。これから益々チャレンジが続いていくんだと信じたい。


今回をキッカケにして、もし尾辻さんや他のゲイ&レズビアンの人たちがテレビやメディアで取り上げられたり自ら出演して有名人になっていったりすると、知名度も上がるし旨味の部分がちゃと時間かけて伝わって、もっと何か大きく変わっていくかも。



「事務所の手伝いしたワケでもないクセに、終わった後に外野で勝手なこと言いやがって」と思われるかも知れないが、外野だからこそのスナオな感想だと思ってどうかお許しいただきたい。



その他、選挙速報を見ていて感じたことなど

■日本の選挙って、どうしても「1に知名度、2に好印象、3、4が無くて5に政策」って感じだ。
いくら知名度があっても「こいつ変な人なんじゃない?」という人には投票しづらい。さくらパパや丸川元アナは「有名で変じゃない人」、ドクターやキショーは「有名だけど変な人」ってことなんだろう。

■東京選挙区で、おれが投票した川田龍平くんは当選だった。子供の頃に政府と企業と病院の金儲けの犠牲になった彼。最も政治の力の重要さを知っている人だと思う。頑張ってもらいたい。

■「民主党大勝、自民大敗北」って言ってるけど、国民がホントウに民主党支持に回ったかというとそうではなくて、「反自民」というに過ぎないんじゃないかと思う。

■安倍ちゃんはテレビの中継で次々とイジメられて今にも泣きそうな感じだった。それでも続投ってのがどうでるか?今後の成り行きが見ものだ。

■共産や社民はどっちにしても伸びなかったみたい。これはこれで心配。

■共産党の志井さんと自民党の世耕さんがなんだかカワイク見えた。




ま、何にしても、今回の参院選ほど「自分も関係している」と切実に感じ、実際にちょっとだけ行動し、結果をドキドキドキドキしながら見守った選挙は無かった。
こんなにも「この人に投票しよう」「この人に当選してもらいたい」と思った選挙は無かった。
これから、もっともっと当事者意識を持って選挙や政治にちょっとでも関係していかなきゃな、と思った次第である。



最後に、尾辻かな子さんはじめ、事務所のスタッフの皆さん、応援に参加した皆さん、ホントウにホントウにおつかれさまでした。

年寄りが泣いている
子どもたちがおびえてる
信じられるものがひとつふたつ
僕らを取り残しても 

虹がでたなら 君の家まで
七色のままで とどけよう


宮沢和史「虹がでたなら」





(追記)
mixiのおっつん応援コミュで、おれのマイミクの方がコメントしていたんですが、「尾辻かな子」が獲得した票は決して死票ではなく、民主党の獲得議席数にちゃんと貢献しています。
さくらパパをはじめ当選した議員の人たち、民主党の人たちはこの票の重みをちゃんと意識していってもらいたい。
彼女に票を投じた、少なからず居るLGBTの人々とストレートの人々の気持ちを。

Posted: 火 - 7 月 31, 2007 at 11:54 午後              


©