もっともっと愛を ─ 帰ってきた東郷健


東郷健さんのイベント「もっともっと愛を ─ 帰ってきた東郷健」に行ってきました。

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東郷健さんといえば、あのザーメン臭いハードコアゲイ雑誌「The GAY」や、雑民党とあのトンデモナイ政見放送などで知られる、まさに伝説のオカマ。戦後日本に咲いたアダバナ中の徒花である。
聴衆の前での久々の公開イベントということで、当日仕事中にmixiで開催の情報を知ったおれはイテモタッテモ居られず、仕事が終わるとともにイチモクサンに歌舞伎町のロフトプラスワンに向かったのでした。(情報くれたJunchan 。ホントにありがとう!)


生東郷健も初めて、ロフトプラスワンも初めてのおれ。
ドキドキとワクワクを胸にコマ劇場前の地下へと降りていくと、会場はもう既に8割方埋まっていてビックリ。 客層はというと、ゲイは殆ど居なくて、サブカル好き系の女や正体不明の男達が多かった。 この人たちって何目当てなんだろう?と思うと不思議。
会場で会ったじゅんちゃんと、ステージ手前ホントにカブリツキのテーブルに陣取り、じゅんちゃんの知り合いの方も一緒になって、開演を待つ。いつの間にか場内は満席。

遂に眼前に現れた御歳74歳の東郷さんはとっても若く見えた。The GAYの表紙も描いていた影絵作家:藤城清次(この人東郷さんの従兄弟らしい)の絵の入った白い着物を着て、独特の佇まいで話し出した。
まず第一部は、SM作家で健さんの大学の同期でもある団鬼六と、The GAYにコラムを書いていたりもした映画評論家の松田政男を招いてのトーク。




ゲイである健さんに何故妻子がいるのかとか、開演前に上映していた映画についての会場からの質問に答えたりとか、合計年齢210歳を越える3人の話はフラフラと足取りがおぼつかない感じだったが、健さんが時折キラッと輝く名言をさりげなく口にしてサスガにカッコヨカッタ。

第二部では、これまた伝説のレコード「薔薇門」 のナンバーを元にした、デリシャスウィートス、渚ようこ、掟ポルシェ、柳家小春の皆さんによるショウタイム。そして健さんの舞。





デリシャスウィートスのサイケでレトロでユルユルのショウがとってもよかった。



 



そしてさらにディープさを増した第三部。SMショウだというんで期待していたら、トンデモナイ内容でした。
白布を纏った「美少年」による「ハミング」という名の舞踏。大黒堂ミロさんの縛られショウ。山田参助センセイ のフンドシ歌謡SMショウ。そんで、謎のドM兄さんによる超ハードハプニング系本番ショウ。。。
特にオオトリのドM兄さんはキョーレツで、背中に刺さった吊り鉤で天上から吊されながら客席に飛び込まんばかりに大暴れしたり、本物のネズミを食いちぎって臓物出してみたり、もはや東郷健とは何の関係もないグロショウでした。最前列で見ていたので、ネズミや兄さんの血が服にかかりそうな勢い。「最後がコレかよ!」会場どん引き・・・みたいな。
その後東郷さんがステージに現れて、「多少見たくないようなもんも出てきましたけど、これもみなアリ」みたいなことを仰っていてサスガ!と。
ある意味、アングラとサブカルの殿堂:ロフトプラスワンの醍醐味だったのかも。


 
 


東郷健という人は至極孤高の存在である。
フェミニンでもマッチョでもない、「普通」の見た目と裏腹に、過激な言動や表現の数々。ギリギリでドロドロの半生。
政見放送で放送禁止用語を連発しNHKに音声をカットされたとか、天皇をおちょくったイラストの掲載で右翼に襲われたとか、猥褻関係で何十回も逮捕されたとか・・・・ホントに反体制・反逆・反骨の人。

70年代から今現在まで、彼ほど特異なゲイは居なかったのではないだろうか?なのに、世間一般では良くも悪くもゲイ・オカマの代名詞として認知されてしまい、ゲイの中でも健さんに対して否定的な人が少なくない。
しかし、この人ほど男性同性愛への愛にあふれ、自分への愛にあふれ、平和と自由とエロへの愛にあふれたゲイも居なかったんじゃないかと思う。テレビや映画などのメディアでカミングアウトするだけじゃなく、選挙にまでも出馬してNHKの政見放送で茶の間の度肝を抜いたのも、猥褻裁判で最高裁まで闘い抜いたのも、サブカル系の人たちに半ば笑われながら持て囃された「つぶしたれ」「好きなんや」のようなレコードを作り続けたのも、みんな愛あればこそ。

今、だんだんと右傾化してきた、弱者に冷たくなってきた、このご時世だからこそ、あの「おかまの政治演説」が心に響く。今こそこの日本には東郷健が必要なんじゃないんだろうか。

帰りがけ、健さんに握手していただいた。その手は74歳とは思えないほど力強く、温かかった。若いおれたちがヌクヌクとしていてはいけないなぁと思った。


  皆さんの「銃口」は勃っとりまっか?磨いとってか?突撃用意やで!!
  この、握り心地イイ「銃」が、資本家どもの錆び付いて勃たなくなった銃に代わるときがやってきたんや!
  オカマのアタシが先頭に立ったる!
  低賃金の、無名の、過重労働の、仲間はずれの皆さん。ズボンをおろして、「銃」を構えておくれ!
  ゲイ・リボリューションです。
  さぁ、突いておくれ!!
  
  東郷健「おかまの政治演説」より


それにしても、オナカイッパイ。コーフンの坩堝の4時間だった。 ごちそうさま。

東郷健 - Wikipedia
+Bar TowGo+ 東郷健に会える店。ゴールデン街花園五番街の1ショットバーです。

及川健二/『週刊金曜日』●「伝説のオカマ〜」は差別か
常識を越えて〈オカマの道、七〇年〉(東郷 健・著 他)○ポット出版●版元ドットコム
反骨の人、東郷健


[政見放送集・選挙関連]
雑民党 - Wikipedia
YouTube - 雑民党政見放送●東郷健tohgo ken
昭和58(1983)年 第13回参議院議員通常選挙 比例代表区・東京都選挙区 政見放送再録
平成4(1992)年 第16回参議院議員通常選挙 政見放送再録
平成5(1993)年 第40回衆議院議院総選挙  政見放送再録
平成7(1995)年 第17回参議院議員通常選挙 政見放送再録
1979年東京都知事選挙公報 東郷 健(雑民党)
1987年東京都知事選挙政見放送 東郷健(雑民党)
東京都知事選挙 政見放送再録


Posted: 土 - 9 月 30, 2006 at 12:39 午後              


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