2008年12月30日 更新
I'm free to be whatever I
Whatever I choose
And I'll sing the blues if I want
何をしようと、俺の自由だ
やりたきゃブルースだって歌ってやる
『Whatever』 ノエル・ギャラガー
通信制高校の講師を前任者から引き継いで12年目になります。とにかくイギリス留学から帰ってきたばかりの私は、仕事をしないと食えないからと何の予備知識も無しにこの仕事を受けました。
通信制高校のシステムは、各科目ごと年に10回の授業と自習形式のスクーリング、およびレポート(美術の場合は制作課題)6通。当然、全日制の生徒と比べて非常に短い時間で学習が進められます。生徒は年齢層がさまざまで、諸事情で高校卒業を断念した生徒(経済的な理由や予期せぬ妊娠などもある)が年月を経て再チャレンジする人も多いし、最近の傾向としては不登校の生徒の受け皿の役割、いわば最後の砦という部分もあります。中にはいじめや家庭の事情で精神的に追いつめられている生徒も少なからずいるのが現状です。
「画面」というのは不思議なもので、良きにつけ悪しきにつけ、その人の抱えている「もの」が見えてしまいます。特に通信制のように「ひとりひとり」と作品のやりとりをしていると、いやでもその「もの」と向き合わざるをえません。ただ、その「もの」が「何」であるかをこちらから問うことはタブーで、そんなことをしたら相手は簡単に私たちのやりとりから逃げていってしまいます。生徒は自分に自信をなくしていたり、逆に自分のプライドを傷つけないために自己防衛的な独りよがりが強かったりもするのです。私ができることは、ただ生徒が画面の上に残した色や形を「美術の言葉」に直して返すこと、例えば「この赤い色は奇麗ですね」と書き付けることで、自分の行為自身に眼を向けさせることにすぎません。「この赤い色は奇麗なんだ」と感じることは彼らにとっては(もしかしたら「普通」の人にとっても?)想像以上にむずかしいことなのです。やりとりのチャンスはレポート6通分、つまり6回あります。慌てずに推移を見守っていくなかで、少しでも固くなった心を解きほぐすことができればと思っています。それが「美術」の仕事でもあると今では思っているのです。
| 課題集『高校美術1』 | 前期(pdf 827.2KB) | |
| 後期(pdf 881.9KB) | ||
| 課題集『高校美術2』 | 前期(pdf 556.1KB) | |
| 後期(pdf 737.3KB) | ||
| 課題集『絵画』 | 前期(pdf 3673.3KB) | |
| 後期(pdf 685.1KB) |
ダウンロードは自由ですが著作権にはご配慮ください。また、感想等をいただければ光栄です。