Last Update : 2002.08.11

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515の憂鬱


[2002.08.11]

「m515」は、2002年3月に米国で発売された「m505」の後継機種にあたる上位版である。

本国に遅れること4か月で、やっと日本語版の発売となった。いままでいったい何をしていたんだろうと思ったが、ま、待望の新製品ではあるので迷うことなく取り寄せてみた。

メーカのうたい文句は以下のとおりである。

m515

[2002.07.25] 公報発表
 パーム コンピューティング、m515 ハンドヘルド日本語版発売

〜さらに明るく鮮明になったディスプレイと、搭載メモリが2倍に拡張されたプロフェッショナルモデルを発表〜

以下、従来モデルからの変更点です。

1.更に見易くなったカラー液晶画面
2.メモリ搭載量の増加
3.グラフィティエリアの拡大
4.ジャストシステム社「ATOK for Palm」
  および松下電器産業社「楽ひら」をボーナスソフトウェアとして同梱

以上4点が、主な改良点である。

1.液晶画面:確かに明るくなった。明るさも3段階調整できる、といってもバックライトオフも含めて3段階だから実際は「明るい」と「暗い」だけね。

   でも以前の「暗い」と「見えない」に比べりゃだいぶましになった。

2.メモリ搭載量の増加: m505 の8MBから16MBに増設された。CPU のクロックがいっしょだから満タンに近くなったときの反応速度が不安ではあるが...。

ここまでは、まっとうなバージョンアップといえる。

ついでに、

4.ジャストシステム社「ATOK for Palm」... うんぬんはどうでもいい。そんなもんどうせ使わないが、ROMに焼き込まれていないことに感謝したい。

問題は、3.グラフィティエリアの拡大...だ。

先に米国で発表された資料および写真から間違い探しのように仔細に比較したが、外形サイズも変更していないし、英語版にはそのような記述はみられなかったので、どうやってエリア拡大を実現したのか初めは理解できなかった。

実機が届いてから、手元にある「m505」と比較して、やっとわかった。なんと、タップエリアのアイコンをすべて縮小して文字入力エリアをわずかに拡大しているのである。目がテンになった。

m515 vs 505
---------- m515 -------------- vs -------------- m505 ----------
画像クリックで拡大ね!

確かに、文字入力エリアは3ミリ程度広くはなっているが、縮小されたアイコンは均等割り付けがなされず、そのまま上詰めという手抜き処理である。冗談ではない、こんなずれた位置にアイコンを配置すれば手元をよく見ないと、正しい場所から微妙にずれた位置をタップしてしまうではないか。

アイコンのセンターを常にタップしているわけではないので、ただ単純に小さくなっただけなら誤差の範囲で許されるが、小さくなった上にそのセンター位置そのものがずれているのでは、どうしようもない。

ちなみに、本来「電卓」であるはずの位置には相変わらず「キーボード」が割り付けてある。

いったいローカライズしている連中は何を考えているんだ、余計なことをするな!

と、言いたい。

しかし、そのことは実は小さな問題であることが程なくわかった。

なんと、バックライト点灯時に、グラフィティエリアが光らない!のである。m505の数少ない美点の一つに、真っ暗なところでも入力しやすいようにグラフィティエリアが透過式になっているというのがあったが、前機種で実現していた機能をなんの案内もなく勝手に削除したのである。

これでは、詐欺であるとしか言い様がない。

それだけではない。明るく見やすくなったという触れ込みの液晶画面がくせ者で、横からの視認性が極端に悪くなっている。左右45度あたりからみると画面下から中央にかけて黒い影が横たわりまことに見にくい(醜い)。これはローカライズとは直接関係ないかもしれないが、確実なバージョンダウンと言える。

本来は、「従来モデルからの変更点です。」という説明の中にはっきりと、

3.アイコンを縮小することにより、グラフィティエリアを拡大しました。
加えて、
5.グラフィティエリアの透過照明は無くなりました。
6.左右からの視認性が若干落ちました。

ぐらいのことは明記して欲しいもんだ。

OS は「m505」 の4.0から4.1へと数字のみ上がっている。ところが、肝心の標準添付ソフトは全くバージョンが上がっていない。ほとんどが、4.0のままである。

くだらない、ボーナスソフトやキャンペーンを張る余裕があるならROM内の標準添付ソフトにいっそうの磨きをかけてバージョンアップする必要があるはずだ。

以前から、ことあるごとに訴えてきたが今こそ地ベタに足のついた堅実な製品開発が行われるべき時である。

最近は、ネット上でも「パームコンピューティング」の製品についての評価記事や情報が少ない。今回の製品発表も、主だったパーム関連サイトからはマイナーバージョンアップとしてさらりと紹介される程度である。

話題の主流は、某国内メーカがやたらにつくり散らかしては次々と発表する製品や発表予定製品の紹介に終始している。もうだれも、「m515」の機能なんぞに注目しているヤツはいない。(たぶん)

現在の「パームコンピューティング」は一時に比べるとシェアも減少傾向であることは周知の事実である。株価も低迷し、企業としての格付けも下落の一途をたどっていると聞く。

国内の「Palm プラットフォーム」を販売する某メーカに比べて、取り扱いモデルが地味なのはメーカの企業としてに性格上致し方のないことであり、良識と節度をもった商品展開であると考えていたが、このようにローカライザ(現地法人)が足を引っ張るようでは、将来に対する期待も萎んでしまうぞ!

....ということで、ヒトツよろしく。m(_^_)m
Hexagon / Okayama, Japan
(2002年 8月某日)