[2006.12.31]
9月に発表された「iPod with video (Late 2006)」では、転送可能な動画サイズが 640x480 に拡張されたことは以前にも書いたが、仕様が変更されたせいで従来の変換方法では転送できなくなってしまった。
それまでの機種(2005年発表のMA003J/A、MA002J/A、MA147J/A、および MA146J/A)では、圧縮コーデックが「H.264」 の場合、動画サイズが 320x240 の範囲内でベースラインプロフィール&データレート768Kbpsを守っていれば転送できた。
ところが、「iPod with video (Late 2006)」では動画サイズを動画サイズを 640x480 にするとベースラインプロフィールを選択しても転送できない。もちろんデータレートは 1500Kbps 以下に設定してもペケである。
従来は、「HandBrake (ver.0.71)」を使用してDVD から直接作成出来ていたわけだが、この方法では「iTunes」で「iPod で再生できない云々…」のエラーメッセージが表示されてしまうのである。
しかたなく、「iTunes」の「選択項目を iPod 用に変換」という機能を使うのだが、これがまた、しこたま待たされる。(要するに再変換=再圧縮?)をしておるようなのだが、いったい何が気に入らないのだろう?
[2007.05.01:修正] 「HandBrake (ver.0.81b1)」でおけ〜になったみたい。ただし、インターフェイスが若干変更されたので、使い勝手は多少異なる。ま、最終段階の「選択項目を iPod 用に変換」というプロセスが必要なくなるので、作業時間は大幅に短縮された。
ま、再変換といっても画質に関しては動画サイズが2倍になったおかげで以前よりは綺麗に見える。ただし、無駄にサイズを肥大化させないためには多少工夫も必要だ。
以前の仕様での制限であった横サイズが 320 ピクセルから 640 ピクセルに拡大されたのだが、少なくとも現行「iPod with video (Late 2006)」の液晶画面では横 320 ピクセル以上は表示できない。
だいたいにおいて、映画などの場合横長(ワイド)はあっても縦長は無い(たぶん)。以前は、このワイド画面が横 320 ピクセルの制限によって画質を著しくスポイルしていた。つまり、横 320 ピクセルに対してシネスコやレターボックスサイズの映像はクロッピングすることで、縦が 240 ピクセル以下になる。両サイドを切り落とした4:3の画面に収めると元画像を引き伸ばして表示することになり、見た目上ピントのあまい画像になってしまっていた。
※実際 iPod の液晶で見る限り、変換に時間のかかる「H.264」を使用するより横サイズの制限が緩い「ffmpeg」を使用して横サイズ可変&縦サイズ 240 ピクセルで作成された動画の方が、くっきり見える。
(元サイズ 720x400 → 変換後 432x240)
これを最大 640 ピクセルまで利用できるということは、縦をキッチリ 240 ピクセルに合わせることで表示上の劣化を最小に押さえることが出来るようになったわけである。
必然的に、作品によっては横サイズは 560 ピクセルだったり 432 ピクセルだったりするわけだが、これを無理に 640 ピクセルまで広げようとすると画質は向上しない上に、ファイルサイズは大きくなるだけである。おまけにワイド率が高ければ高いほど上下の黒幕が増えるだけで、メリットは何もない。(外部出力を使用せず、あくまでもiPod の内蔵液晶で見ることが前提だけどね)
以下に、DVD や QuickTime の映像を「iPod with video」に変換する手順をまとめてみたので、ご参考まで。
【DVD の場合】 手順は3ステップ

(1) HandBrake → (2) iTunes → (3) iPod with video
(1)まずは、チャプターの確認。本編以外のオマケなどが入っているディスクもあるので、時間やチャプター番号でリッピングしたい映像に間違いがないか確認。
(2)次に保存場所とファイル名を決める。間違っても焦ってコーデックを変更してはいけない。コーデックを決定してからファイル名を変更するとデフォルトコーデックに戻ってしまう。(バグかな?)
(3)コーデックを選択。画質やファイルサイズを考えると「H.264」が有利だが、時間はかかる。
(4)エンコーダを選択。「iPod の掟」は、ベースラインプロフィールだ。
(5)クオリティ項目ではアベレージビットレートで数値を入力。再変換されることを前提に、最終ビットレートである 1500kbps 以上を入力。ここでは、2000kbps を選択しているが、別に深い意味はない。
深い意味はないが、気休め程度の意味はある。というのも、最終処理で利用する「iTunes 7」では、元映像が 640 ピクセル以上のものは 640 ピクセルに縮小し、それ以下のものはそのピクセル数のままのファイルに変換される。
ところが、ビットレートに関してはレートの低い映像でも現行 iPod の仕様にあわせて概ね1500kbps に引き上げられてしまうようで、少なくとも「iTunes 7」上ではこのパラメータは変更できる仕様になっていない。(と、思う)
画像の再圧縮でも元画質が不十分な場合にはノイズとなって表出するが、これは動画像でも発生するようだ。ましてや、元ファイルより画質が低下しただけでなくサイズがデカくなったりするのはおもしろくない。
で、変換前の画質をより高品質に保つために最終ビットレートより高めに設定している訳である。 ただし、細かく検証したわけではないので、疑り深い人は自分で実験してみよう。
(6)2パスエンコーディングの選択。お急ぎの方はチェックしなくても良いが、(5)のビットレートが十分でなかったり、暗いシーンの多い映像によってはモザイク状のノイズが出る場合がある。時間はかかるが、2パスエンコーディングの方が画質的に有利な(様な気がする)ので、ヒマな人は2パスエンコーディングを選択すると良い。1パスと比較してファイルサイズも小さくなるようだ。
(7)「iPod」の小さな画面で字幕を読まされるのは、そろそろ老眼がきている世代にはちとキツい。洋画などの場合、自分の視力に絶対の自信を持っている人や、原語にこだわりたい人以外は吹替版が選択できるなら日本語を選択した方が良いだろう。(この例の場合は、吹替がないのでやむなく英語を選択している。)
(8)吹替え版を選択したら「なし」でも良いが、映画によっては「日本語吹替用字幕」というのもある。要するにシーンの変わり目や地理的または時間的状況などの説明が出るヤツだな。ただし、監督やらの解説が入っている場合もあるので、字幕については「DVD Player」であらかじめ確認しておこう。
(9)最終確認は、一番肝心な画像サイズである。HandBrake の設定2の図を参照。
元映像のサイズは「720x480」であるが、黒幕が自動でクロッピングされ「720x400」になっている。これを「iPod」の最適サイズである?x240に変更。縦横比の維持(Keep aspect ratio)をチェックしたまま、縦サイズの矢印をクリックして 240 ピクセルになるように調整。
インターレースの解除(Deinterlace Picuture)はどっちでも良いが、一応チェック。
(プログレッシブ化するので画質的には有利であるが、効果の方は確認できていない...けどぉデメリットはないしぃ、時間もそれほどちがわないしぃ、というレベルかな?)
クローズボタンをクリックして元の画面に戻ったら、リップ開始である。
ここで、リッピング中のデータが表示され、おおよその処理時間が表示される。おそらく大抵の人は、その時間を見て気が遠くなるだろうが何事も楽な方法はない。ちなみに(6)で2パスを選択した方は、表示されているのはあくまで1パス目の終了時間だから覚悟が必要だ。
元映像の一秒あたりのコマ数は24~30であるはずなので、「fps」で示される数値から予測できると思う。平均 30fps ならその映画の実時間くらい、60fps ならその半分ぐらいで処理は終わる。
「MacBook (2GHz/Intel Core Duo)」でだいたい50fps 前後、「MacBook Pro (2.33GHz/Intel Core 2 Duo)」で65fps 前後だったように記憶しているが、もし自分のマックの処理能力が 10fps 以下だったら、そろそろ新機種への移行を考えた方が良いかもしれない。
ちなみに、我が主力機である PowerBook G4/17 1.67GHz では平均がたったの7fps であったので、現在鋭意検討中であることは言うまでもない。え〜い、くそ〜 (#-_-)
(1)iTunes のプレイリストに変換された映像を登録。
(2)プレイリスト上で対象となるファイルのタグ情報(タイトルとかアートワークとか、iPod 上で選択するのに必要な情報、その他いろいろ)の入力。
(3)プレイリスト上でファイルを選択し、詳細メニューの「選択項目を iPod 用に変換」を選択。後はひたすら待つのみ。(どのぐらい時間がかかったか正確に測定していないが、とにかく死ぬほどかかったと思うので、ステップ1で平均 10fps 以下だった人や明日が早い人は、「iTunes」にまかせて寝てしまおう。朝までにはたぶん完了していると思う。ステップ1で寝てしまった人は、そろそろ起きて次のステップに...ね)
やっと、最終ステップにこぎつけたわけだ。iPod で選択するのが楽になるので、登録する最には iPod 側に映像用のプレイリストを作成しておくことを勧める。もし、この段階で転送エラーが表示されるようならば、残念ながら前のステップで設定を間違った可能性があるので、反省しながらもう一度見直そう。
【DVD 以外の映像ファイルの場合】
次に、対象となる映像が DVD ではなく QuickTime やその他のムービーの場合であるが、取りあえず「iTunes 7」に登録してみよう。
QuickTime(.mov or .mp4)の場合:iTunes(詳細メニューの選択項目を iPod 用に変換を使用)→ iPod with video
「iTunes 7」で再生が可能なら、試しにそのまま「iPod」に転送してみる。運が良ければ、変換しなくても転送可能( iPod でも再生可能)な映像かもしれない。
また運悪く、転送エラーが表示されても落胆することはない。前述のステップ2:iTunes 7(詳細メニューの選択項目を iPod 用に変換)を選択するだけだ。
問題は、「iTunes 7」や「QuickTime Player」で再生できない映像ファイルだ。
AVI, Divx, Xvid, 等、そのままでは、「QuickTime Player」で再生できないファイルは何とかして再生できるように工夫をして(?)から「QuickTime Pro Player」の書出し機能を使うか、「iTunes 7」に任せる。「iTunes 7」の場合は「QuickTime」が必ずしも "Pro" で有る必要はない。
何とかして、といってなんの説明も無いのもあんまりだから、一応可能性のあるソフトウェアを紹介しておく。
1.Perian (http://perian.org/)
2.A52Codec Development (http://trac.cod3r.com/a52codec/)
3.Flip 4 Mac (http://www.flip4mac.com/)
以上のものは、いずれもフリーウェアまたは機能を限定することで無料で使用できるものばかりである。
また、市販の製品では以下のものがある。
Toast 7 Titanium (http://www.roxio.jp/products/toast7/index.html)
Roxio Popcorn (http://www.roxio.jp/products/popcorn/index.html)
動作環境については、各サイトの情報を参考にしていただきたいが、中には Mac OS X (10.4.7) 以上を指定するものもあるようだ。ま、映像ファイルを何とかしてやろうなどと考えている人は、Mac OS および QuickTime については必ず最新バージョンにしておくことがお約束ね♪。
....ということで、ヒトツよろしく。m(_^_)m
Hexagon / Okayama, Japan
(2006年 12月某日)