Last Update : 2002.08.17

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JBL-Creature

[2002.08.07]

JBL-Creature Silver

ハーマンマルチメディアから JBL ブランドで発売されているスピーカシステム「JBL-Creature」である。外見は、その名が表わすとおり「不思議な生物」のようだ。

ま、見方によっては「ダースベイダーがタコの赤ちゃんと一緒に」といった風情でもあるが、「White」モデルなんぞは、元祖「スターウォーズ」に出てきた帝国軍の兵士がかぶっていたへるめっちにソックリだ。

いずれにしても、滑らかなラインで構成されたなかなかよいデザインだと思う。

カラーバリエーションは全部で3色あるが、国内の一般流通にのるのは「シルバー」のみらしい。US Apple のオンラインストアでは「White」モデルも扱いがあるので、いずれ日本のアップルストアでも手に入るようになるかもしれない。それまでは、「iMac や iBook なマックユーザ」たちは今しばらく我慢するしかない。

「Blue」もなかなか魅力的だが国内では販売の予定が無いそうだ。何でそうなるのかはよくわからんが、ユーザに選択肢を与えないやり方は毎度腹が立つものだ。出来れば黒とか赤とかオレンジとか、もっとカラーバリエーションがあればインテリアとしても面白いと思うが、色によっては不良在庫の山になるだろうなあ...(^_^;)。

Macintosh 用のスピーカには、同社の「iSub」や「SoundSticks」がお馴染であるが、「JBL-Creature」もそれらと同じドライバーユニットに「オデッセイ」を採用している。ただ、それらとは根本的に違うところは入力端子が「USB」ではなく、一般的なアナログのステレオミニジャックであるところだ。

「iSub」や「SoundSticks」も、その音質はさておきデザイン的には十分魅力があるのだが、マックにしか接続できないので、「iPod」などで単独で聞きたい場合には使えない。ましてや、「iSub」は「iMac」と一部の「PowerMac」専用であるのが、なかなか悩ましいところではある。

【追加/訂正:2002.08.17】

てなことを書いていたら、いつの間にか「iSub」はすべてのマックに対応していたらしい。対応といっても「音が出る」というレベルと「完全にコントロールができる」という2種類があるようだ。少なくとも「Mac OS 9.xx」では、まるで認識しない。(音も出ない)

1.「Mac OS X ver.10.1.5」:音は出るがコントロール不可。
(確認機種=PowerMac G4/AGP, PowerBook G4/DVI, iBook/600,eMac ... etc.)
2.「Mac OS X ver.10.2」:音も出るし、完全にコントロール可能。
(確認機種=iMac FlatPanel 17, PowerMac G4/AGP, PowerBook G4/DVI, iBook/600,eMac ... etc.)

「Mac OS X ver.10.2」のシステム環境設定にある「出力」タブを選択すると、「iSub の音量」という項目がふえてチャンと音量調節が出来るようになった。また、「iMac FlatPanel 17」では、「iSub」接続時に高域ユニットにたいしてローカットフィルターが働いていることも確認できた。

さ〜すがに、毛の生えたおーえすはちがうなあ...。(@o@)

ただし、問題が無いわけでもない。中高域用のスピーカをどうするかだ。もちろんアナログ出力に適当なモノをつないで使うという手もあるが、都合よく300Hz以下がスパッと減衰するようなスピーカがあればよいのだが...。

ちなみに、「BOSE MM-1」は「iSub」と、同時接続で鳴らせることは確認したけど、バランスが取れているかどうかはこれからもう少し実験してみないとわからない。「iSub 問題」は、また折りを見て検証してみようと思う。ψ(。。)

ひょっとして「Jaguar」から対応したところをみると、そのような製品が登場するかも知れんなあ。「USB 接続」でアナログ入力でも付いているといいなあ。あっそうか!いっそ、「USB 入出力」をもったプリメインアンプというのも面白いんだけどね。\(^o^)/

一般的なアナログインターフェイスをもったものには、「BOSE MM-1」があるが、色やデザインをある程度を重視する方には抵抗があるかもしれない。ま、デザインは好みの問題だが少なくとも「JBL-Creature」はシルバーなら「PowerBook Titanium」や「Quick Silver」に、ホワイトなら「iMac or iBook」にはマッチすると思う。

「BOSE MM-1」の美点の一つに2系統の入力とそのバランス調整機能があるが、残念ながら「JBL-Creature」は入力端子は1系統のみである。しかし、低音と高音が独立して調整できるボリュームと、右側のユニットにはタッチセンサーによるボリューム&ミューティング機能を持つなど凝った作りになっている。

「JBL-Creature」の基本的な仕様は以下のとおり。

製品名

JBL Creature Silver

希望小売価格

オープン(市場価格¥16,800)

販売元

丸紅インフォテック株式会社

付属品

電源アダプタ、セットアップガイド、
保証書

製品特長

斬新なデザインに大出力の32w
サブウーファー部にbass,trebleの調整
右サテライト部に音量調節ボタン

製品仕様

再生周波数帯域  :50hz〜20khz
入力インピーダンス:5kΩ
S/N比     :>80db
電源       :100v AC

サブウーファー部

ドライバー:4インチウーファー
出力   :24w @ 10% thd
サイズ:230(w)×230(h)×230(d)mm

サテライト部

ドライバー:各1基のオデッセイ
出力   :各 4w @ 10% thd
サイズ:75(w)×70(h)×75(d)mm

とりあえず、箱から出して「PowerBook G4」と「iPod」に 交互につないでみた。

電源アダプタは大きさの割に死ぬほど重たい。オーディオ機器の電源はかくあるべきといった風だがその形状や、電源ケーブルが入出力両側ともアダプタから生えている作りはもうちっとどうにかならんのかとも思う。

まずは、「iTunes 3」のイコライザを「Flat」に設定して鳴らしてみた。デフォルトの設定(Bass/Treble のボリュームは中間のクリック点)では、低音量は控えめで中高域に若干クセがある。少々線が細いのだ。

女性ヴォーカルのサ行が気になるので、Bass/Treble のボリュームをクリック点からBass=+15度/Treble=-15度 あたりに変えてみる。多少改善されるがまだ中高域の線の細さは変わらない。「BOSE MM-1」に比べるとヴォーカルやギターに力が足りない。やたらエコー成分ばかりが耳につくのでもう少しTreble のみ下げてみるが、あまり下げるとベースの輪郭までボケてしまうので、Bass/Treble のボリュームでの調整は早々に切り上げた。

「オデッセイ」そのものがCRT型の「iMac」に内蔵されているユニットと同様に口径が小く、「SoundSticks」の4個スタックをばらして一つにしたようなもんだから仕方がないが、「BOSE MM-1」のように潤いを持ったままパワー感(あくまでも感ね)が出せるセッティングをもう少し探ってみよう。

しかし、市販されている3Dシステムの高音用のユニットはどうしてこうも口径の小さいものが多いんだろう?もうすこし大きくてもバランスさせることは出来ると思うんだが..。

ま、その結論の一つが「SoundSticks」のような小口径ユニットのスタックという形なんだろうけど、あの高域用ユニットを鳴らすには「SoundSticks」の内蔵パワーアンプは力不足だろう。「iSub」と同様の低域ユニットをもちながら高域用にパワーを取られて「iSub」のような重低音も出ないし、中高域がウルサく鳴るだけだ。

「SoundSticks」の低域を殺して、「iSub」と組み合わせたら面白いんぢゃないかともおもうが、私にはそれを実験するだけの度胸も技量もないんで、だれかやってみませんか?m(_^_)m

【追加/訂正:2002.08.17】

こちらも、やってみたらちゃんとできてしまった。半田ゴテをもって「USB回路」に改造を加えてやろうかと思ったが、なんのことはない、「MacOS X」では同時につないでも認識するようだ。

この場合、「iSub」が優先されて「Soundsticks」の低音部は自動的にオフになっているようだ。もうすでに「iSub/Soundsticks」をバラした人がいたらゴメンナサイです。m(_^_)m

そういえば、「iMac Flatpanel」の付属スピーカもひどい。「iSub」と組み合わせないと音がどうのというレベルにはない。測定したわけではないけど、たぶん500Hzあたりに相当なディップがあるように思う。

ギターや弦楽器が全然前に出てこないし輪郭もモヤモヤして、その割にウルサイという厄介なものだ。聴感上フラットに感じるようにするには、かなり思い切ったイコライジングを必要とする。

市販されている「Apple Pro Speakers」に変えるだけでもかなり改善されるところをみると、どうもダンパーエッジの色が違うだけではない別物かもしれない。(‥?)

毎度のことで話が脱線したが、「JBL-Creature」である。

次に、Bass/Treble のボリュームをもとに戻して、「iTunes 3」のイコライザで調整してみる。

ちなみに、試聴には以下のようなアルバムを使用した。

Speaking of Now
Speaking of Now (2002)
Pat Metheny Group

Heartfelt
Heartfelt (2002)
Fourplay

The Grande Passion
The Grande Passion (2000)
Al Di Meola

João Voz E Violão
João Voz E Violão (1999)
João Gilberto

Timeless Tales
Timeless Tales (1998)
Joshua Redman

All for You
All for You (1996)
Diana Krall

Between the Lines
Between the Lines (1975)
Janis Ian

Now and Then
Now and Then (1973)
Carpenters

The Definitive Collection
The Definitive Collection (1999)
Tony Orlando & The Dawn

Ashkenazy MOZART18-20
Piano Concertos No.18 & 20 (1986)
Vladimir Ashkenazy
Philharmonia Orchestra

Jascha Heifetz
Tchaikovsky & Mendelssohn
Violin Concertos (1999)
Jascha Heifetz


これらのCDは「iTunes」でリッピングし、「PowerBook G4/800」のオーディオ出力ポートへ接続した。なお、「iTunes」の読み込み設定は、80kbps/160kbps/VBR(高)/通常のステレオという内容である。

「iTunes 3」のイコライザでまず最初にとりかかったのは、貧弱な中高域にいかにパワーを与えるかという課題である。

Speaking of Now : Pat Metheny Group」の3曲目の「Another Life」を肴にして調整を始める。単純に高域を絞っただけではモコモコするだけで、すっきりしない。

そこで、上は後回しにして [125/250Hz=+2]あたりで一発ピークを持たせてみる。Pat Metheny のギターがちょっとだけモリモリという感じになったが、シンバルがしつこいしピアノが薄い。今度は、[8KHz=-2] と高域にディップを作ってやる。かなり大ざっぱでムチャクチャ雑な調整ではあるが、ヴォーカル以外は何とかなりそうだ。6曲目の「On Her Way」では中域がちとウルサイ。

Heartfelt : Fourplay」に移る。

2曲目「That's The Time」ではエレピがきちゃない。4曲目「Rollin'」ベースやバスドラムがポコポコして聞きづらいし、歪みが目立つ。だめぢゃこれは。(+_+;)

[125/250Hz=+1] に変更しそのかわりに [1KHz/2KHz=-1] に落としてみる。歪みが消えて、すっきりした。よしよし、5曲目「Let's Make Love」のギターのアコースティックな響きとコーラスにもそれほど破綻が無い。(^O^)v

お次は「The Grande Passion : Al Di Meola」で、ギターとピアノそれにストリングスも加わる。

弦楽器の高域にキレが欲しいので、[8KHz=-1] に戻す。ついでに、[16KHz=+1] としてみたが、これは気分的な問題だな。[4KHz] あたりをあげれば輪郭ははっきりするが、いまいちくどいようにも思う。このへんは各人の聞く曲の傾向と好みにあわせて適当に変えればよいだろう。

João Voz E Violão :João Gilberto」の5曲目「Desafinado」は、かなりON MICでの録音と思われる。むさいオッサンに語りかけらるのは我慢できんという方は [64Hz=-1/125Hz=0] としたほうが良いかもしれないが、根本的な解決にはボリュームを絞るか、端からそんな曲は聴かないほうがよい。

人間、声は老けないというけど、若いころのジョアンとは大きな違いがあるように思う。悲しいことではあるが、みんな歳をとるんだからしかたない。録音は悪くても「Desafinado」は、「Getz/Gilberto(1963)」のほうが魅力的ではある。

日も暮れて「All for You : Diana Krall」では、ジャズヴォーカルで試聴を続ける。

8曲目「You're Looking at Me」、9曲目「I'm Thru with Love」あたりのポイントはギターとヴォーカルのバランス。ま、雰囲気が壊れなきゃ何でもいいんだけど、やたらにエコーが目立つと興醒めだから、[8KHz=-1] のままで [64Hz=+0.5/125Hz=+1] に変更。ん〜もうこの辺になるとあまりに微妙な違いになるんで、酔っぱらいにはどうでも良くなってくる。(‥?)

しかし、ためしにイコライザ=OFFにしてみればその違いは歴然。いままでの試行錯誤は、決して無駄ではなかったことがわかる。(わからなかった人は、悪いこといわないからもう寝なさい。)

Timeless Tales : Joshua Redman」では管楽器のサックスで確認する。

3曲目「Visions」では、いやが上にも夕暮れからアブナイ夜の雰囲気に突入する。ポイントは、テナーの低音部から高音部までに変なクセが出ないことと、ベースの旋律がボヤけてないことぐらいで、先程に比べてこれといった変更の必要は認められない。

おお、これは完ぺきなイコライジングぢゃないのか...と、自画自賛してみる。\(^o^)/

念のために確認の意味で、フラットに戻して「BOSE MM-1」でも聴いてみる。ピアノソロのパートでは若干負けるが、ベースとドラムの低音部での解像度ではサブウーファを持つ「JBL-Creature」の圧勝である。

「BOSE MM-1」にはイコライザの自動補正回路があって、ある程度のボリュームまではまことに上手い鳴らし方をする。あまりボリュームを上げると逆にこれが災いして、低域から破綻する。フュージョン系のバスドラやチョッパーベースがポコポコしてきたら、ちょっとボリュームを下げてやりましょうね。(^o^)

どうも「JBL-Creature」の弱点は中音部のリアリティにあると見た。こいつはやっかいぢゃ。いったい高音部と低音部がどの辺でネットワークしているのか詳細はわからんが、たぶんその境目辺りのつながりが鍵を握っていそうだな。

この辺で気分を変えて、70年代のポップスを聴いてみる。

で、「Between the Lines : Janis Ian」である。

ピアノをバックにバラードを歌ってもらう。11曲目「Lover's Lullaby」で冒頭のピアノだけの静かな始まりから、ドラムやブラスセクションが入ってくるサビの部分の高まりまでをフラットなイコライジングと比較する。ピアノのリアリティに関しては今まで手付かずであった [500Hz=+1] と、最初に下げた [1KHz=0] に戻してやれば、ある程度改善されるが多少弊害もある。

バックコーラス(たぶん本人の声のオーバーダビング)が目立ちすぎるので、 [500Hz=+0.5/1KHz=-0.5/16KHz=0] としてみた。

ふむふむ...なかなか、良くなってきたぢょ。
ここまでの中間結果をおさらいすると、以下のようになる。(。。;)


#Creature_00

次は同じ70年代のポップスでも、もう少し明るく懐かしめのものを。

Now and Then : Carpenters

6曲目「Yesterday Once More」から15曲目の最後まではメドレーになっているので曲間に切れ目があってはズッコケるので、ぜひ「iTunes 3」からの新機構である「CD トラックを結合」機能を使用してリッピングすることを勧める。

ただしすべてが1曲になってしまうのでライブラリの管理上問題がないでもない。加えて、いちど「MP3」に変換してからはできないので割と面倒なものである。将来のバージョンアップでは、「MP3」からの変換とデータ上は分離したファイルとして扱えるような機能を望みたい。

音は良くも悪くも70年代である。イコライジングは好みに応じて適当に変更すれば良いだろう。ポイントはあくまでもその当時聴いていた記憶の中にあるので、音質よりも雰囲気が優先されるから、これが決定版というものは無い。

参考までに私の記憶中にある「Karen Carpenter」は以下のようだった。


#Creature_Pops-1

もう少しヴォーカルに明確さを求めるなら、思い切って [4KHz=+1~2] としてみたらいかがであろうか?


#Creature_Pops-2

しかし、このままだと「The Definitive Collection : Tony Orlando & The Dawn」になると、ちとまずい。

2曲目「Knock Three Times」、10曲目「Tie a Yellow Ribbon Round the Old Oak Tree」では、歪みも目立つのでレコーディングの質があまり良くないものには、極端なイコライジングは禁物である。結果は「#Creature_00」のほうが良かった。

次に「Classic」から少々録音が古いものと、比較的新しいもので比較してみる。

Piano Concertos No.18 & 20 : Vladimir Ashkenazy - Philharmonia Orchestra(1986)
Tchaikovsky & Mendelssohn Violin Concertos : Heifetz(1999)

前者は、イコライジング無しと比較してみれば一目(一聴)瞭然である。フラットな状態がラヂオのように聞こえることから、「#Creature_00」の効果は絶大で、とりたてて大きな問題はない。(^o^)

4曲目「ピアノ協奏曲第20番ニ短調 (K.466) 第1楽章:アレグロ」、冒頭のフォルティッシモから2分25秒あたりのピアノが登場するところを、もう少しドラマチックにしようとすると、どうしても [500Hz/1KHz] あたりに手を付けたくなる。

しかし、5曲目「ピアノ協奏曲第20番ニ短調 (K.466) 第2楽章:ロマンツァ」では逆に絞りたくなるので、そのままで良いと思う。

要はバランスが肝心である。理想は、ひとつのイコライジングですべてを賄うポイントを見つけてやることだ。ψ(。。)

Tchaikovsky & Mendelssohn Violin Concertos : Heifetz」では、1曲目「ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35/第1楽章:アレグロ・モデラート」と4曲目「ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64/第1楽章:アレグロ・モルト・アパッショナート」で、どうしてもヴァイオリンの線の細さが目立つが [500Hz=+1] 程度にしておこう。

ここまで視聴してきて、「JBL-Creature」のだいたいの傾向は掴めたと思う。

簡単にいえば [125/250Hz] あたりに一つのピークと、 [2KHz][8HKz] に各々ディップを作ってやれば、あらゆるジャンルの曲に対応できそうである。中高域の線の細さはこのスピーカの個性のようなものだから、無理にそれを補正してやろうとするよりも、それを生かすようなイコライジングを作ってやるほうが、良い結果になると思う。


音楽や、楽器が作り出す音に絶対的に正しいモノがあると信じて、それを追い求めている人もいるようだが、そんなもん有りはしない。世の中にそのようなものは存在しないのである。(キッパリ)
あるのは、好きな音と嫌いな音だけ。それが正しいか正しくないかは、自分自身で決めれば良い。

ナマの音が絶対的な音源であると考える人もいるだろし、コンサートで聴いた音が基準なると考える人もいるだろう。アコースティックな楽器や、PAをいっさい使わない楽器なら通用しそうな論理であるが、ホールやコンサート会場の響きにまで言及すると、それも一つではなくなる。

また、電気楽器となると元の音がどんなものなのかは、演奏する側の問題としてはあっても、聴く側にはあまり関係ない。要するに演奏家がどういう音に聞かせたいか、その意図が正しく伝わるかどうかだけの問題であったりする。

もし、ナマで聴いた音でしかその意図が伝わらないんであれば、作曲家や作詞家の立場はない。小説家や文学家は大変なことになる。直筆でないと読者に意図が伝わらないということだからだ。

人間には、誰しも想像するという能力が備わっている。(ハズだ)

この想像力というものが結構やっかいなのもので、記憶と密接につながっている。経験とか体験は確かにその人の人生においては貴重なものなんだが、時が経つとこいつらは想像力によって結構歪曲されてしまう。

あの時は確かああだった、いあやこうだったにちげえねえ。
昔はよかった。あの日に帰りたい。
あの時の彼女はたいへん若く美しかった...。などなど。

ほんまにそおかあ?
そう思い込んでいるだけぢゃねえのかあ?

いやそんなことは無い、絶対に間違いは無い。(@o@)

と思ったら、いっぺん自分の卒業した小学校へでも行ってみるがいい。多分、記憶にある小学校よりかなり狭く、椅子や机は情けなくなるほど小さいはずだ。物の大きさなどは誰にとっても1メートルは1メートルであり、10センチは10センチである。

そんな絶対的なものである大小関係でさえ曖昧にしてしまう年月というものにとって、バキバキの主観が入り込むモノや人の美しさなんぞは、まあ〜ったく当てにならない。

当然、人の聴感なんぞはその時の健康状態や気分によって、大きく左右されるし、視覚だって当てにはならない。絵画でもそうだ。人生経験の浅い者や絵画に造詣の深くない者が、ピカソやマチスを見てもわかるわけが無い。

私もいまだにわからないが、「あれならオレにも描けるど」と思うこともある。たぶん、それはとんでもない思い上がりに違いない。

とりあえずあんなものは(失礼)、初見ではわかる必要はない、何かを感じればそれで良いものだと思う。その内に慣れてくれば、写真を見るよりは絵の方がより多くを伝えてくれると感じるはずだ。それが、逆に経験や体験から生まれてくる想像力だと思う。想像力と経験や体験はいつでもお互いに影響しあって、変化し変化させていくものなんだろう。

だから、オーディオは不毛である。どこにもさしたる基準は無いのに、ひとつのリファレンスを求めて彷徨い歩く行為にほかならない。ある一定のレベルに達しては一時的に満足してみても、次の指標を見つけてしまうとまた歩き出す、終わりの無い旅である...てな意味のことを、たしか「五味康祐」先生がの賜っておったように記憶するが、それも当てにはならない。ψ(。。)

ここまで、読まれた方にはまことにすまぬが、結局イコライザをどのようにいぢろうが所詮その音を、音楽を聴いてなにを感じるかが最も重要なことであり、その感動を伝える媒体であるオーディオ装置がどのような鳴り方をするかは、さしたる問題ではない、ということに気づかれたであろうか?(^_^;)

もちろん、私のように単純に音の出るキカイが好きな者にとっては、音響装置というものはまたとないオモチャである。しかし、それでも好きな音楽が無ければ、たいそうつまらないもので終わってしまうに違いない。

この程度のスピーカで百人近い楽隊の合奏や、圧倒的な物量と電気エネルギーを背景に作り出された、コンサートのライブ演奏をバランスよく鳴らそうということ自体が、暴挙に近いことであることを思い出そう。

ましてや「MP3」という圧縮音楽である。その目的は、もっと簡単に、もっと身近に、もっと多くの楽曲を聴くことが出来る環境を実現することだ。それと引き換えに、本来あったものを多少端折って作り出されたデータなんだから、足りないは当たり前だ。

足りないと思えばボリュームを上げるなり、耳掃除をするなりするしかない。そうしたのちに、それでも足りない部分は想像力で補うのだ。

そう、心の耳で聴けば聞こえないはずの音だって何とかなる。

想像に必要な基本要素としての音は全て「JBL-Creature」が用意してくれるから、あとは視聴する者のその音楽に対する経験と造詣の深さがモノをいう。

....ということで、ヒトツよろしく。m(_^_)m
Hexagon / Okayama, Japan
(2002年 8月某日)