Last Update : 2005.03.25

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アップル インイヤー式ヘッドフォンについて

[2004.11.14] ●2005.03.25 補足追加

Apple InEar Headphone (Apple Store ¥5,040→¥4,500 : 価格改定)

「あっぷる・いんいやー・へっどほん」と発音するらしい。

アップルの口上は以下のとおり。

◎iPod インイヤー式ヘッドフォンはクリアなサウンドと優れた遮音性で、心地の良いフィット感と高音質で伸びのある低音を再生します。3つのサイズのキャップが同梱されていますので、どなたの耳にもしっかり快適に装着することができます(iPod Photoにもご利用いただけます)。◎

実は、コイツが発売されてから速攻でとりよせてみたが結果は、残念ながら大失敗であった。この手の製品に対する、生来の「出たらポン、見たらチー」的な性格から、予想していたものとは違うモノであったりすることはよくあることだ。

製品が「アップル・ストア」より到着してすぐに試聴したが、目が(耳か?)テンになった。

そんな筈はあるまい。今日は自分の耳が本調子でないに違いない、と思いあらためて手の届く範囲にあったいろいろなイヤホン、ヘッドフォンの類いと交換しながら試聴を続けたが、3つのサイズのキャップのどれを装着しても結果は変わらなかった。音源には存在する筈の、低音が出ていない。

一般的に「高音質で伸びのある低音」と言う言葉から期待するのは、高音質で伸びのある低音であり、決して鼻をつまんでしゃべっているのを聞くような舞い上がった低音ではないはずだ。

う〜む、ボキャの少ない者が、音を言葉で表現するのはムズかしい。

この点オーディオ評論家の先生方や、ワインの評価をする方たち(←なんとお呼びして良いかわからない)は、尊敬に値するほど言葉巧みに我々庶民を惑わせてくれる。(ヤツらの言っていることが理解できればだが..。)

果実味、香味、色ともに素晴らしく、濃縮感に溢れ、それでいて絹のようになめらかなタンニンと非常に優雅で力強いアロマ芳香を備えた、時にはオー・ブリオンをも凌ぐこともある極上の逸品と言われているラ・ミッション・オーブリオン...

、てなことを言われても、それがどんな味なのかさっぱりわからん。

主たる要因は、日頃そのようなワインなんぞを飲んだことがないからである。コンビニでも売っている800円の「キヤンティ」を基準に言ってくれ、というのも無理があろう。

しかし、音楽ならいろいろなメディアを通して聞く機会は少なくない。加えて、いつも聞いている音源で試聴するんだから、あいまいにせよ基準はある。

中、高音ともに素晴らしく、解像感に溢れ、それでいて絹のようになめらかなストリングスと非常に優雅で力強い通奏低音を備えるサウンドは、時には「B&O A8」をも凌ぐこともある極上の逸品と言われている「Apple InEar Headphone」

、といえば単なるウソでしかない。

あわてて、「Discussion Boards」あたりで情報を漁ったが、まだ発売されて間もない製品のためそれほど参考になる話は無かった。

あまりにもショックが大きかったので「こりゃ返品だわ」と画策してみた。

その時のやり取り:

私 :あのお、「あっぷる・いんいやー・へっどほん」買ったんですけど..。
アプ:ありがとうございます。(←担当者は女性)

私 :おとわるいんです。
アプ:はあ?

私 :いや、これ、おとがよくないんです。
アプ:と、もうしますと?

私 :高音質で伸びのある低音を再生します、と書いてあったのに、高音質で伸びのある低音を再生しないんです。
アプ:製品に対してご満足頂けなかった、ということでしょうか?

私 :ごふまんですう。
アプ:誠に申し訳ありません、返品されますか?

私 :できますか? できたらそうしてください。(ラッキ〜♪)
アプ:わかりました...で、その商品は未開封でしょうか?

私 :へ?
アプ:いえ、商品が未開封でしたら、お買い上げ金額の全額をお返しできますけど..。

私 :未開封でも、音がわるいと言われることがあるんですか?(オレは手品師ぢゃないど)
アプ:わたくし商品の詳細については存じかねますが、開封後の返品には10%の手数料がかかります。

私 :しかたないですね。(ちぇっ、5百円ぐらいはしゃああんめえ)
アプ:わかりました、それでは、...(中略)...で、今お話した手順で送り返してください。

私 :というと、5千円の商品の返品には、あれやこれやで2千円ばかしかかるということですね?
アプ:そうです。

私 :わかりました。我慢して使います。(くそ〜)
アプ:アップル・ストアのご利用ありがとうございました。(ガチャ)

というわけで、「アップル・ストア」の規定により「返品の際にかかる送料(宅配便に限る)は、お客様負担」、「開封品は製品代金(消費税含む)の10%の手数料」という壁にブチあたり、玉砕した。

いま考えると、「私は器用なので、未開封です。」と、言いはってみるのも面白かったかもしれんなあ。

その後、1ヶ月ほどして「Discussion Boards」を覗いてみると、音質に対して不満を述べるカキコミも何件かあるようだ。中には、おまえの耳が悪いとか、装着の仕方が悪いの、問題は使い方に関してマニュアルがないのが悪いんだとか、説明ビデオがないと使えないヤツはひっこめとか、擁護派と反対派の間でケンカ状態だが、よくもまあここまで的を外した論議になるものだと感心する。

装着の仕方をいくら丁寧に書いても、分厚いマニュアルや説明ビデオにまではならない。

ほんの数行程度の文章と図表で済むし、たかがイヤフォンに使い方を理解する必要はあるまい。

また、左右のユニットにある「L, R」の刻印が小さすぎて見にくく、左右を間違いやすいという指摘がどこかのサイトに載っていたが、これもたいした問題ではあるまい。

左右なんざ気にせず装着して聴けばよい。何も違和感が無ければ、左右の違いがわからないか正しく装着されているかだ。もし、「あれ、おかしいなあ」と感じたら入れ替えてみれば良いし、それでも違和感があるなら、今日は耳の調子が悪いんだろう。それよりも鳴り方に対する不満の方がはるかに大きな問題だ。

この手の形状のタイプはツボにはまると低音が出るが、ウラを返せばツボにはまらないと絶対に低音が出ない。で、だいたい、ツボにはまることはめったに無い。たしかに両手で押さえていればユニットが耳道に接しているので直接振動が伝わるせいもあって、そこそこの低音は出る。しかしながら、押さえている間は共振のせいで抜けが悪く中域も濁りがちになる。だいたい、手がだるいし耳も痛くなる。

似たような形状では「SONY MDR-EX70S」またはそのシリーズがあるが、こちらはけっこういいかげんに耳に突っ込んでも、重低音らしきものは出る。(中域が弱く高域はウルさいのがいただけないが)

耳の形状は人それぞれだから不毛な論議になるし、あまり装着の仕方に工夫を凝らしても良い結果が得られるとは思えない。「Apple InEar Headphone」は形状だけでなくユニットの作りというか、音の出方のバランスに問題があると思う。

自分なりの使い方や工夫で音質が改善されれば、それはそれで楽しみの一つになるが、たかがイヤホン、何も考えずにただ装着するだけで、そこそこに良い音が出るほうが良い製品といえるだろう。

ようするに比較の問題であり、他社を含めたいろいろな製品と比較して「Apple InEar Headphone」は必ずしも良い製品とは言えないと思う。ましてや、「iPod」の付属品と比べても音質は改善されないから追加購入する意味はない。

ちなみに、二代目以降の「iPod」のオマケのイヤフォンの音質は劇的に改善され、「B&O A8」あたりと比べても中高域の解像感以外は遜色は無いと思う。あえて別売の商品を買うんだから、付属品よりは音質が改善されているものと期待するのは当然だろう。ましてや、うたい文句が「高音質で伸びのある低音」ならなおさらである。

ハッキリ言っておく、「iPod」でオーディオブックや聖書しか聞かない方、「高音質で伸びのある低音」を期待しない人以外は買ってはいけない。(キッパリ)

....ということで、ヒトツよろしく。m(_^_)m
Hexagon / Okayama, Japan
(2004年 11月某日)

2005.03.25:補足追加

世の中には、インイヤー型とは別にカナル型と呼ばれる「耳の穴にグリグリ突っ込んで装着するタイプ」というのもあるらしい。SHUREのEシリーズなどがこれに相当するらしいが、要するに完全な耳栓タイプである。耳栓なんだから外部の音をシャットアウトするところに装着のポイントがある。

それによると、右ユニットを装着する場合は左腕を頭の後ろに廻し、右耳の耳たぶを後ろに引っ張るようにしてグリグリ突っ込んで装着するらしい。左ユニット場合はその逆をやるわけだ。こりゃ儀式だな。

耳イテエし、毎度これをやらされるのもかなわんなあ、というのがやってみた感想である。

ま、この方法を「Apple InEar Headphone」に適用したからといって、音質が改善されるわけではない。

「SHURE E3c」などと違い、「Apple InEar Headphone」のゴムキャップはペコペコでいくらグリグリ突っ込んでも「ペコっポロっ」でおしまいである。

で、AssistOnのサイトにある、SHUREのEシリーズの装着法を参考に、なにが問題なのかをちと考えてみる。

通常の装着の仕方では、ケーブルは自然に下方向へ垂らすのが一般的で、耳に差し込むユニットもケーブルは真下に向くことになる。個人差はあるだろうが、この状態では私の耳の場合遮音性は高くない。試しに「E3c」の装着方法のようにケーブルを眼鏡のツルをかけるようにして、いったん耳の上をまわして装着してみた。

右耳の遮音性は上がったが、左がイマいちフィットしないので左だけ少々角度を変えてみる。だいたい左右のバランスがとれたところで、音を出してみた。

「おおっ〜、低音が出るぢゃないか!」

気を良くして、もう少し角度を微小に調整してみる。

「わを〜、やればできるぢゃ〜ん♪」

フュージョン系のアルバムではベーシストがやたらに前面に出過ぎて少々うっとしいが、以前よりははるかにマシになった。

しかし、難点もある。低域が強調されることにより中高域のヌケが悪くなり、ちとモソモソした音になってしまうんだな、コレが。加えてホンの少しでもケーブルやユニットに当たってしまうと遮音性が失われ、低音不足に陥ってしまう。

いろいろと角度をためした後、ユニットを見直すとあまりグリグリと耳穴に突っ込んだためにゴムキャップが回転して本来の位置から少々ずれてしまった。まてよ、最初からゴムキャップの角度をずらしておけば、従来どおりの装着法で問題ないのではないか?...と、思い実践してみた。

正解である。

低音不足の原因がその密着性/遮音性にあることは、以前から認識していたが問題は密着性/遮音性を阻害する要因がどこにあるか?である。私の耳の場合、通常の装着方ではいずれのサイズのゴムキャップでも耳の下方向あたりの密着性が悪いようだ。

ゴムキャップは交換できるので取り外してみた方はご存知だろうが、軽い力ではズレてしまわぬように、ユニット側には切り欠きがあって、ゴムキャップのでっぱり部分が食い込むような構造になっている。

これを、無視して自分の耳に合う角度まで回してしまうのだ。その構造上ゴムキャップの角度が変わっても、ドライバユニットと耳道の間の密着性には影響がない。

左右の耳が完全に対象な人間の方がたぶん少ないだろうし、ゴムキャップも律義に左右で同じ大きさを揃えて使用必要もあるまい。もともと、イコライザなどで低域不足を補っていた方は、オフ(ノーマル状態)で試聴することをお勧めする。

三種類付属しているゴムキャップをいろいろ交換して微調整してみれば、必ず自分の耳にフィットする組合せや角度が発見できるだろう。おためしあれ。

....ということで、ヒトツよろしく。m(_^_)m
Hexagon / Okayama, Japan
(2005年 3月某日)