青年時代(?)の貧乏キャンプ(1987年)
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●ずいぶんキャンプをしたもんだ
キャンプ歴自体はもうずいぶんと長い。学生時代に仲間と海に行くときはキャンプだった。もちろん,ホテル泊や旅館泊にくらべてお金がかからないから。そのうち鈴鹿サーキットなどにオートバイやF1のレースを見に行くようになって,キャンプ泊は定番のスタイルになった。とにかく大人数で,多いときは30人くらいになったろうか。
しかし,そのキャンプスタイルはとんでもなく貧乏くさいものだった。学生の頃のテントはどこからか借りてきたオレンジの三角テント。レジャーシートを地べたに敷いてそこが宴会場。調理器具は鉄板と固形燃料。明かりは懐中電灯。それに紙コップに紙皿,割り箸。まさにお花見と変わらない雰囲気。きょうびのファミリーキャンパーから見ればまるで乞食の集団だ。
しかし,閉店時間も終電もまわりのお客の迷惑も顧みずに大騒ぎができたのでそれで充分だった。いや,普通のお店では思う存分騒げないのでキャンプの夜が余計貴重だったのかも知れない。
まるでボートピープル(1989年)
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そんな集団だったから,キャンプ場は徹底的に敬遠した。隣のキャンプ客に迷惑をかけずにキャンプする自信はゼロ。だから出かけるのは,キャンプ場ではないが,キャンプしていてもとがめられない河原,海岸,湖岸,草原などでのゲリラキャンプ。厳密にいえばキャンプ禁止の所も多かったはずだ。まさにアウトローキャンプ集団だ。キャンプ場じゃないので,お風呂はもちろん,トイレもなし。用を足したくなったら,海や川に向けて立ちション。これもまた気持ちがいい。女性も同じ条件だったから,神経質な人には地獄だったろうと思う。(うちのかあさんは見事に順応した)
当時の愛車はGSX750S KATANA(1988年)
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我々の地べたキャンプにも暫時近代化の波が訪れた。まず,食器の充実。といっても紙コップ・紙皿が個人所有のアルミコップ・シェラカップになっていったって事なのだが。
ついでガスランタンなどの明かりが導入され,各自が折り畳みのアウトドアチェアを持参するようになったことで徐々に文化的になっていった。
思い起こしてみると,そもそも若い頃(!)は移動手段がバイクだった。オートバイの後ろに荷物をくくりつけてキャンプに行っていたのだ。ましてやウチは2人乗りなのでたいした荷物は載せられない。とにかく少ないアイテムでなんとか夜をしのごうという発想だった。
移動手段がバイクから車になり,大きめの荷物も携行可能となって,いろいろと荷物は増えていった。日中の日よけ,雨よけのため大型天幕(タープ)が導入されて宴会場の中心となり,少しずつだがファミリーキャンパーに近づいてきたと思う。
ただし,熱源は七輪。男のこだわり(?)というワケではないのだが,こじゃれたツインバーナーはいやなのだ。
ま,格子柄のテーブルクロスをかけたアウトドアテーブルに籐で編んだバスケットから食器を出してスープ&ステーキ……。のような気取ったスタイルが性に合わないってゆうか,ただ似合わないだけだが。
●キャンプスタイルの変遷
そうしているうちにも仲間内に子供が増え,なかなかアウトローなゲリラキャンプも難しくなった。そんなキャンプをするような場所はたいてい子供にとって危険な場所も多いし,トイレもないのはワイルド過ぎる。
管理されたキャンプ場では野性味がずいぶん薄れるが,まぁ,我々も若くない。以前のように明け方まで高歌放吟するような無駄な元気もない。ということで,近年ではキャンプ場でのキャンプが主流になってきた。やっと常識人になったというべきだろう。
同時に,子供が大きくなるにつれて,みんなの予定を合わせるのが難しくなってきた。習い事や学校・クラブやサークルの行事などでだれかの家に合わせるとこっちの家が予定がつかず,ってことが多くなった。みんなの予定を合わせてキャンプをセッティングするのに疲れ始めた頃「家族だけで行けばいいんじゃん」と気がついた。その昔仲間とスキーに行った先で家族だけで来ている5人家族を見て,「いつか俺もこんな風に家族だけでなんかしたいもんだなぁ」と思ったものだった。そんな憧れが3人もの子供を持つに至った原点でもあったのだ。親二人に子供が三人,家族だけとはいえ立派な陣容だ。
都内で唯一のオートキャンプ場,城南島海浜公園キャンプ場(東京都大田区)
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ためしに夏真っ盛りのある週末,家族だけで行ってみた。しかしこれが超大変。まず,車が1台なので荷物が乗り切らない。無理矢理積み込んでキャンプ地に着いて,タープを立てるのも火をおこすにも大人は二人。やることが多くて滝のような汗をかく。タープやクーラーボックスは大人数用でやたらデカ過ぎる。くたくたになって夜を過ごしたわけだが,結果としては,なかなか楽しかった。子供たちも総動員してテントやタープを張ったり,力を合わせて火をおこしたり,家族5人でテーブル囲んで食事しているとなんだかチームっていう気がしてくる。大人数だと大人は大人で酒飲み話に夢中になるし,子供も子供同士でつるんで遊び回るから家族単位の語らいみたいのはなくなっちゃうもんだ。なかなかいいじゃない,家族だけでもどんどん行こう!
で,装備を考え直した。家族単位でジャストサイズのタープ,クーラーボックス,コッヘルセットを導入。アウトドア用品店でもらったスノーピークというメーカーのカタログを見ていたら欲しいもの続出。グリル付きテーブル,調理台テーブル,焚き火台などを次々に導入し調味料類を入れるコンテナボックスなんかも新たに用意。
しかし道具のコンパクト化を図るつもりが逆にアイテムが増えて車の積載量を突破,しまいに車を買い替える羽目に。
D一家と行った,毛呂山町ゆずの里
オートキャンプ場(埼玉県入間郡)
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秋にマンション友達つながりのD一家と二家族でキャンプに行ったのも刺激になった。その一家もキャンプ好きで,オンシーズンには一回のキャンプで5連泊とかするという。今までのキャンプ経験で2連泊さえもまれだった我々は目が点になる思いだった。凄い・・・・気合いが違う。
確かにキャンプは設営と撤収が大変なので一泊で帰るのはもったいないし,辛い作業の終始だけで終わりかねない。余裕のあるキャンプは連泊が基本といってもいいのは確かなんだ。う〜む,一泊したくらいで,あぁ布団が恋しいとか思っていた自分が恥ずかしい! 激しく尊敬のまなざしでD一家を見つめる。
うむ,こうなったら我が家も連泊キャンプに挑戦あるのみ!
富士山が間近に美しい富士裾野ファミリーキャンプ場(静岡県裾野市)
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そんな勢いで11月,2連泊のキャンプに行ってみた。場所は富士裾野。しかし今年は寒波のやってくるのが早くてその夜は激寒。夜中に寒さで目が覚めた。テントの中ですら息が白い。考えてみたらシュラフも10年以上使ってる封筒型で,中綿も相当しょぼくなってる。「シュラフもリニューアルしなきゃダメだ。命に関わる! こんなところで死んでたまるか!!」
東京に戻るなり目を血走らせて秋冬対応のダウンシュラフを導入。
しかしこれが高価い! 間違いなく家の布団よりも高価だ。一年に一,二回しか使わないのに……。そうだ。キャンプ以外は自宅用として使っては・・・・? などと一瞬ケチくさいことを考えたが次に思った。
こうなったら冬もどんどんキャンプ行こう。シュラフの元をとるべしっ!
どうやったら元をとったことになるのか疑問が残るが,こんな顛末で我が家は「2003年から月一回はキャンプ!」を宣言するに至ったのだ。
●アウトドアがうちの別荘
道満グリーンパーク(埼玉県戸田市)
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確かにつらいことも多い。寒かったり雨が降ったり風が強かったり。寝付けない子供が夜じゅうぎゃあぎゃあ泣いたり。虫は出るわ便秘になるわ。実際,キャンプから帰ってくるとグッタリと疲れてるし,布団にもぐり込むと言いしれぬ幸せを感じる。あぁやっぱ布団はいいなぁ,なんて心の中で呟いてしまっている。でも,それは自然の中で感じる不便さに触れたから。キャンプで感じる快不快,ひっくるめてなんかいい。現地に着いて手際よく設営・食事の準備をすませる一連の作業はスポーツに近いものすら感じる。冬以外は大汗をかく作業だ。
発行元:小学館 1500円
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連泊キャンプの達人,D一家の話を聞いて,実にいろいろなオートキャンプ場があることに驚かされた。とても広大なキャンプ場,魅力的な露天風呂があるキャンプ場,各サイトに炊事場を備えているキャンプ場などもあるという。
ゲリラキャンプ上がりの我々は,そんな魅力的なキャンプ場がこの世にアッタノデスカ……と目からウロコが落ちる思いだった。聞いているうちに,確かにそんなキャンプ場なら何泊もしたくなる気がしてきた。
オートキャンプ場というと,険しい顔した管理人がいて,あれは禁止これは禁止! など色々オキテがあって,夜は隣のキャンプ客の大騒ぎにうんざりさせられて,おまけに翌日ぼやぼやしてるとデイキャンプ料金追加徴収! とか言われて「けっ,もう来るもんか!」と叫びつつ後にするっていうイメージが強かった。何かトラウマがあるのかも知れない。
でもそうでもないらしい。で,調べてみると確かにたくさんあるのだ,快適・素敵なキャンプ場が。
キャンプ場のガイド本も買ってしまった。ページをめくり,あぁ,ここも行きたいここにも行きたい。できればここには3連泊! なんて予定を立てたら2003年のカレンダーの連休がほとんど埋まってしまった。行きたくなったキャンプ場を制覇しようなんて思ったら,毎週キャンプに行かなくてはならないくらいだ。
別荘というものに興味がない。そんなものを所有していたら,しょっちゅうそこへ行かなくちゃってことになってしまう。
それよりも今週末は川沿いの静かな林,来月は湖畔の開けた草原,夏には海沿いのキャンプ場……と色々なところに行きたい。
また,キャンピングカーってのにも興味ない。確かに車内にはトイレ・シャワーがあってベッドで快適に寝られるだろうけど,自宅の離れを転がしていくみたいでつまらない。
出かけたキャンプサイトで即席の家を建てるって感じがいい。サイトの状況に合わせてリビングはここ,台所はここ,ゴミ箱はここに置くからなーっ! なんて叫びつつ即座にプランを立てて30分ほどで即席のマイホーム空間を構築する,というような。
ログキャビンやバンガローに泊まるのも同じ理由で気が進まない。
うちのマンションは狭い。
長女は一軒家に異常なほどの憧れを持っていて「いつ買ってくれるの〜?」と,ことあるごとににじり寄ってきて親を困らせる。
自宅は狭いが長女よ,そのかわり週末ごとに広い自然の空の下が我が家なのだよ,ワッハッハ! と胸を張って言い聞かせている。・・・・しかし,納得してくれた様子はまったくない。