ペアレント・トレーニングの感想


 クリニックで行っている 第1回目シリーズ ペアレント・トレーニングに参加された親御さんから 感想をいただきました。
 
           ペアレント・トレーニングを受けて

 私たちがペアレント・トレーニングを受けたのは、2005年7月〜11月までの間でした。知名先生が電話でペア・トレの説明を次のようになされたと思います。

 ぺア・トレというと親業を訓練するようなイメージを持ってしまうかも知れませんが、そういう事ではなく、これまで親御さんがやってこられた子育ては、とても普通でどの家庭でも同じようになされていると思います。ただ、ADHDやLDのお子さんを持つと子育てがうまくいかないと思ったり、親御さん自身が私たちの子育てが悪かったのではないかという気持ちを持ってしまうので、そういう親御さんに今までとは違う子育ての方法を探って見ませんか?というお誘いでした。
 決して親を非難するとか子育てを一から教え直すということではなく親をサポートするという趣旨だったと思われます。

 ペア・トレは、だいたい2週間に1回のペースで行われていきました。
最初は、子どもの様子を話すこと(観察)から始まりました。
 その頃の私たちの家庭では毎日と言っていいほど怒鳴り声、泣き声が聞こえ、子どもが暴れてドアを強く叩く音や大きな足音で階段を上下し、家中が騒々しく落ち着かない雰囲気でした。
心が休まる場がないと夫は愚痴って子ども達が寝付いた頃に夫婦2人で話合ったり、時には子育てを巡って夫婦ゲンカをしたこともありました。
 また、私は子育てがうまくいかないことを職場で話すと「みんな同じよ。」と言われ、そのことが逆に私にとってプレッシャーになっていました。みんな同じようにできるはずなのに、なんで私にはできないのだろうと思ってしまったことがありました。職場の人は励ましていたはずなのに、私にはそんな余裕もなく疲れて?いたのかも知れません。

 そんな時にペア・トレの場で子どもの様子を話し又、他の家族の様子を聞くと次第に冷静に自分の置かれている状況を見極めることができ、子育ての大変さを共有することの大切さを実感しました。   
 一人で抱え込んでしまうと子育てが辛いと思ってしまいますが、みんな同じように頑張って子育てしている、自分だけがこんな思いをしているわけではないと思うとすごく気が楽になりました。
 ペア・トレは、子どもの行動を観察することが多かったと思います。子どもの行動を観察して良いところに注目し、褒めることを繰り返しやっていました。やはり最初の頃は自分の子供の悪い所にばかりに目がいってしまい、毎日の生活の中で良い所を探し褒めることは、結構無理していたような気がします。
 でも、知名先生が「下手な鉄砲も数うち当たる」といったように次第に褒める事にも上手になっていって「これだ」ということを褒めると子どもは、得意げな表情をする時には私も思わず嬉しくなりました。子どもにしてみるとやはり褒められて嬉しくない子はいないと思います。私の子どもも本来の自分の良さが現れて少しずつ自分から良いこと、褒められることをやるようになってきました。
 余談になりますが、子どもは学校での様子も(以前は、学校の出来事を聞いて私たちが叱ったことが多かったのであまり話そうとしませんでしたが)次第に良いことも悪いことも話してくれるようになりました。学校の先生とは、子どもについての情報は全て話して理解してもらうように努めて担任の先生とメールアドレスを交換して学校で何かあった場合にはすぐ連絡してもらえるようにしました。息子は担任の先生の事をあまりよく思っていなかった時期もあったのでその時は、私の携帯をのぞき見して担任の先生からメールがあることを快く思っていなかったこともあります。
 ペア・トレでいくつかの方法を学んで記憶に残っているのは、ブロークンレコード(壊れたレコードのように、繰り返し、ゆっくり、落ち着いた、低い声で)です。この方法で子どもに話しかけると意外とすんなり受け入れてくれますし、できれば普段からブロークンレコードで話かけるようにしたいなあと思います。また、時々家で困った時の場面をロールプレーで再現したことがありました。その役になりきって演じることは、とても恥ずかしかったのですが、演じることによって気づいたことや、こんなやり方や声かけ方があるのだと思いました。

 私たちはペア・トレで様々な子育ての方法を学びました。習ったことを全て生活の中で実践できなくてもこんな感じかなと思えたこと、余裕を持って子育てができるようになれたことは、私たちにとってはとても貴重なものでした。また、同じ悩みを共有した親同士と関わり合えたことは子育てをしていく上で、とても心強く思いました。
 今、私たちが子どものことを受け止め、私たちなりの子育てしていることは、決して無駄になることはないと思いますし、また知名先生や仲俣先生がおっしゃるように気軽に「何でも試してみたら」何か道が開けてくるかも知れません。もしかしたら、何でも試してやってみる!ことが最善の方法かも知れません。
 まだまだ、続く子育ての良策を示して下さったファミリー・メンタルクリニックの仲俣先生、知名先生をはじめ職員のみなさま、本当にありがとうございました。
 また、半年間一緒に泣き・笑い合いながらペア・トレを受講した皆様にも大変感謝しています。また、いつか機会を作って近況報告できる日を楽しみにして、つたない文ですがこれで終わります。
                       2006,1,23

全文そのままで掲載しています。
少し解説: CCQ(close calm quiet)とブロークン・レコードについて
CCQが基本です。その子に近づいて(close)、穏やかな低い声で(calm)、手短に(quiet) 同じ事を繰り返す(壊れたレコードのように繰り返す)。
例えば、ゲームをしている子に ハイ時間が来たね  と行った後、大声で風呂に入りなさい!!と怒鳴るのでなく、 近づいて耳元で 穏やかな声で、お風呂に入りなさい と指示します。
子どもは「ルセー」とか もう少し とか色々抵抗します(笑)
それでも同じように キレるのでなく近づいて耳元で 穏やかな声で、お風呂に入りなさい と指示します。 それをゆっくりと繰り返します。
子どもは いつの間にか指示に従います。

そのような子育ての技術を親御さんが集まり 涙あり笑いありのグループセッションが ペアレントトレーニングです。