Pousada do Castelo 1952,85 |
05-04-2006更新 07-04-2006更新 |
![]() |
|
![]() |
|||
| 北側外観。円筒形と四角柱の塔が並んでいる。 | |||
文化財をホテルに転用したHistorical Pousadaの初期の例である。かつての官邸を利用している。 既存建物の外観を変えること無くホテルへの転用が行われた。既存の形に対して、的確に機能を配置している。 古風な内装は街や城の延長のように感じられ魅力的。だが、うまく空間をコントロールするルールが見られず、新しい機能、機器の導入にデザイン的に対応しきれていない点が惜しまれる。 この建物の歴史 1147-48年 テージョ川がレコンキスタの境界線だったこの頃、D. Afonso Henriquesがムーア人を破り、街を統治下に置いた。ムーア人が使っていた城、邸宅を転用した。*1,*2,*4 1209(*2)または10年(*3) 街が王妃に贈与された。 1282年 街が王妃の直轄地となった(-1883年まで)。*1、 1148-1383年 第一王朝期に城壁は徐々に拡張された。*2 13-14世紀 D. Dinis(1279-1325)は城壁によって街を囲んだ。*2 1375年 D. Fernando(1367-83)の時代に主塔(西の塔)が築かれた。建築家はJoão Domingues。*1,*2,*4 16世紀 D. ManuelⅠの時代に官邸が四角い中庭を囲んだ現在の形になった。*2 1755年 大地震による被害を受けた。*4 1930年代 城壁が修復された。*3 1950年 王宮が修復されPousadaに転用された。客室は6室だった。*2 1985年 塔の内部を客室に改修し、客室が9室に増えた。*2 参考文献 *1 THE FINEST CASTLES IN PORTUGAL,Júlio Gil+Augusto Cabrita,Verbo,1986 *2 CASTELOS E POUSADAS DE PORTUGAL, ENATUR, p30-46 *3 Instituto Português do Património Arquitectónicoのwebサイト,http://www.ippar.pt *4 Castelo dos Óbidos N.º 68-69,DGEMN,1952
既存建物 城と官邸は街の北端に位置する。円筒形と四角柱の塔が中庭を囲んだ建物の外周に配置されている。四角い中庭の東と北側にかつての官邸部分がある。中庭の西と南は塀と塔が建っている。官邸部分の壁は白く無理込められているが、その他は石積みの素地仕上げのままである。北側の棟にある中庭に面したマヌエル様式の窓が特徴的である。 Pousadaに転用される以前、官邸は廃墟というよりも遺跡であった。まず、城としての修復工事が行われた。これには外壁の修復・復元や、屋根の設置、木製床の復元が含まれる。Pousadaへと転用するための工事が行われる以前は、中はがらんどうであった。
改修後の状況 修復工事の後、Pousadaへと転用するための工事が行われた。この段階(1950)で、間仕切りや木製天井、階段、設備機器、家具が設置された*1。1985年には客室にバスルームが設けられ、さらに塔にも客室が作られた*2。 これらの内装は転用の際に新たに作ったものである*1が、一見すると復元したようにも見える(良い意味で)。よく見ると、レストラン以外では、窓枠や壁など建築的要素は簡素で、この古風な雰囲気は壁のタペストリーや絵画、机、椅子、棚といった小さな要素の集積で作られていることがわかる。これらは個々には空間のイメージを支配するほどの強い要素ではない。またそれらの配置に明確なルールが見て取れる訳でもない。このため、家具と同じくらいの大きさのエアコンやバスの陳腐なデザインが、部分的な物であるにも関わらず、空間の雰囲気を壊しているところがある。建築と家具や絵画が一体となって空間を作り出すルールが必要であったと考えられる。 ホテルとしての機能は既存の形を生かして適格に配置されている。東の棟の1階にはレセプション、ラウンジ、バー、2階には客室が配置された。北の棟の1階は客室、2階はレストランとなった。レセプション、ラウンジ、バー、レストランは中庭からアクセスしやすいところに配置され、客室は少し奥まって配置されている。中庭の階段を少し上ってアクセスするゴシック様式のアーチが入り口になった。ラウンジを通り、バーの奥の階段を上がるとレストランの前室である。レストランはマヌエル様式の窓のある部屋に配置された。前室から更に進むと客室エリアになる。塔の中に作られた客室へはこのエリアから一旦外に出て、塀の上を歩いてアプローチする。また、レストランへは中庭の階段から直接アクセスすることも出来る。 参考文献 *1 Castelo dos Óbidos N.º 68-69,DGEMN,1952 *2 CASTELOS E POUSADAS DE PORTUGAL, ENATUR, p30-46 |
|
![]() |
|
| 南側外観、街を囲む城壁と繋がっている | 入り口 | ||
![]() |
![]() |
||
| 中庭、マヌエル様式の窓が見える | 中庭、左上がレストラン、右下がレセプション | ||
![]() |
![]() |
||
| 塔内の客室には塀の上を歩いて行く | かつての見張り台にテーブルが置かれている | ||
![]() |
![]() |
||
| ラウンジ | レストラン | ||
|
|||
| レストラン/塔内の客室/塔内の客室、バスルームの箱が置かれた | |||
アクセス リスボンのSete Riosバスターミナルからバス利用。直通が無い場合はCaldas da Rainhaでバスを乗り換える。Óbidosのバス停からは旧市街を通って、徒歩15分くらい。 |
|||
| Copyright(C)2006-Hiroyuki Miyabe All rights reserved | アクセス情報はあくまで参考です。交通事情はよくかわるので、必ず事前に自分で調べてください。 | ||