| Architecture in Portugal ポルトガルの建築と街 | |||
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| 南側遠景 | |||
修道院を増築、改修してホテルに転用。Arraiolosの町外れに建っている。 既存と軒高を揃えることやボリューム配置を既存のシステムの延長で行うことで、現代(近代?)的な表現でありながら既存部に対して違和感のない増築を行っている点が特徴的である。
この建物の歴史 1527年8月14日、聖母被昇天祝日の前日、修道院の建設が始まる。創設者はJoãn Garcês。* 1547年、インドから戻ったFrancisco PereiraとIsabel夫人の献金により、この教会で最初のRetáburo(祭壇にある正面飾り)が完成。* 1598年、Retáburoに金泥塗りが施された。* 1575年、回廊部分竣工また、2つのドミトリーも完成。*1585年、聖歌隊席、オルガンが整えられ教会部分完成。* 1590年、ポーチ完成。* 1700年、リフォーム工事。Retáburoの彫刻、それにあわせた高座が据えられた。教会の壁面にアズレージョが施された。* 1834年、修道会の廃止に伴い、個人所有者に売却された。*2 1980年、政府による買収。*2 1990年、この建物をポウサーダとする改修・増築計画が始まる。*2 1995年、改修・増築工事完了。*2 参考文献 * Pousada N.ª Sra. da Assunção, ENATUR, 1996, p9-15 *2 De Conventos a Pousadas(872-1997), Fernando Rui de Alberto Rosado Correia, FA-Universidade Técnica de Lisboa, p162-180
既存部分 四角い中庭を囲んで、南側が教会、その他3方が個室の並ぶ修道院が配置されている。それぞれの部屋は回廊で結ばれている。北東側には厨房、食堂、南東側には農作業小屋が付加されていた*。 教会の入り口はマヌエル様式でオリジナルのままである。ポーチは16世紀中頃に工事が始まり1590年に完成した。外周に6つアーチが配され、リブ付きドーム天井に覆われている。壁には片岩のベンチが据えられ格子柄のアズレージョタイルが施されている。このポーチは鐘楼の1階にあり、この上階は聖歌隊席である。この鐘楼、四角い平面で各面2に二つ、計8つのアーチがある。最上部には円筒形の小丸屋根がのっている。 教会の内部は四角い平面で壁は18世紀のアズレージョに覆われている。身廊は3スパンからなる。南側の壁面にある告解聴聞席も同様にアズレージョに覆われ、大理石製の創設者の墓が安置されている。* この建物の最古の部分である祭壇部分2スパンからなり、頂部に円錐形を頂く円筒形の控え壁(控え柱と言った方がいいかもしれない)によって補強されている。天井はレンガ製のリブのついたドームである。 回廊は当初、単なる石積みで計画されていたが小修道院長Luís de Santa Mariaの指示により、大理石や御影石といった高貴な素材で装飾された*。平面は4角形で、各辺は控え柱で補強された3スパンからなる。天井はプラスターで装飾されたリブ付きドームとなっている。メイン階段の天井にはプラスター製装飾が残っている。また、回廊の中庭側の壁にはポーチと同じアズレージョが施された片岩製のベンチがある。 参考文献 *Pousada N.ª Sra. da Assunção, ENATUR, 1996, p9-15
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| 左、教会内部/中、中庭/右、回廊から2階へ上る階段 | |||
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駐車場からポーチ。鐘楼を見る |
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| ポーチ | 回廊、リブ付き天井が美しい | ||
増築・改修後の状況 既存と軒高を揃えることやボリューム配置を既存のシステムの延長で行うことで、現代(近代?)的な表現でありながら既存部に対して違和感のない増築を行っている点が特徴的である。 教会や鐘楼は修復され当初のままの機能となっている。回廊はガラスが嵌められ内部廊下となった。回廊周りの主階にある部屋はレセプション、待合室、ラウンジ、バーといったホテルの共用部分にあてられ、2階の緒室は客室となった。 建物東側の19世紀に建てられた農作業用の部屋は撤去され*、新たに増築がなされた。この増築部分は客室棟とテラスからなる。客室棟1階にはレストラン、厨房、客室、2階には客室、サービス室が納められている。テラスの下の地階はサービス関係の緒室となっている。 客室棟は軒高と色(真っ白)をあわせることで、既存部分と一体感を生み出し、程よい閉鎖性を持った新しい中庭を形成している。既存部分が縦長窓なのに対し、増築部分主階には横長の大きな開口が設けられ既存部分との差異が示されている。これにより、中庭は建物の積み重ねてきた時間が感じられる場所に仕上げられている。大開口越しには東側に広がるテラスと牧場がレストラン越しに見える。 大開口をくぐって東側に出るとプールとテラスがある。ここからは雄大なアレンテージョのランドスケープとアハイオロシュの街、城を見ることができる。テラスと客室棟(増築部分)は角度をつけて配置されている。この角度の焦点の先にランドマークである城が見えるので街とポウサーダの位置関係がより明快に理解できる。 客室棟の南側立面はスリットによって2つの面に分解され、二つの箱が並んだようになっている。このことにより、いくつかの箱がリズミカルにならんだ既存部分の立面に新築部分が違和感無くつながれ、新しく一体感のある全体を生み出している。その一方で、新しい中庭と同じように新築部の開口は横長窓が採用され、既存部分との見分けがつくようになっている。ここでも時間の積み重ねがうまく表現されている。 参考文献 * Pousada N.ª Sra. da Assunção, ENATUR, 1996, p18
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| 回廊、奥がポーチ | 回廊のガラスの納まり | ||
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既存棟と増築棟(客室)に囲まれた新しい中庭 |
レストラン越しにテラスと牧場が見える。 | ||
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| 客室棟が城に視線を導く | リズミカルに並んだ新旧の建物 | ||
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| テラスの向こうに牧場とオリーブ畑が広がる。 | |||
アクセス リスボンのSete RiosバスターミナルからArraiolosまで直通バスを利用。あるいはMontemor o Novoでバスを乗り換えて行くこともできる。バスターミナルから歩いて20〜30分くらい。タクシーだとÉvolaやMontemor o Novoから20分くらい |
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| 左、西側外観。右、客室のテラス | |||
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