Gak Sato INFORMED CONSENT’ (TSPH 1900 CD/DLP) Temposphere

informed-consent(説明と同意)のこと。患者が自分の病気と医療行為について、知りたいことを知る権利があり、治療方法を自分で決める“決定する権利”を持つことをいう。

”説明・理解と同意”という意味合いで、コラボレートしたミュージシャン(もしくは楽器、録音した音等)に対し、音を持って相互理解を図るという意図でつけたタイトル。言わば私が医者、参加ミュージシャンが患者という立場で考えていたが、実はアルバム自体が医者で、リスナーが患者という構図が出来上がったようにも思う。

 まずゲストに基本となるパルス信号のようなリズムを何パターンか聞いてもらい、好みのリズムを選択してもらう。そのリズムトラックの上で自由に2,3テイク演奏してもらったものをエディットし、原曲のないリミックスのような作業で制作した。

 一人でやっている曲も、普段弾かない(弾けない)楽器や玩具を用い、手癖やジャンル感を出さないよう心がけた。

Free Energy

発明家ニコラ テスラへのオマージュ。

自然界にはまだ手つかずのエネルギーが無尽蔵にあるのではという刹那的な気持ちを込めて。

Repeating Same Mistakes

Clapsoy

この2曲は相棒のSteve Piccoloとの共作。オリジナルはイタリアのデザイン賞compasso d'oro(金のコンパス賞)50周年記念のDVDのサントラ用に作ったものをリアレンジしたもの。このDVDは1950年代から2000年までのデザイン史を10年単位で編集したもので音楽は各時代をテーマにしたものを制作した。

Repeating Same MistakesはこのDVDのオープニングテーマ用、Clapsoy(calypsoのアナグラム)は’60年代用に作ったもの。Jimi TenorとKid Locoのリミックスも発売予定。

4 Brainship

2004年から5年にかけて、Steve Piccolo,Luca Gemmaとのコラボレーションアルバム”Expedition”のツアーでゲスト参加したNYアヴァンギャルドシーンの重鎮ギターリストEliott Sharpに、3テイク全く違うタイプのギターを弾いてもらい発展させた曲。

Informed consent

スカパラのNargoの紹介で知り合ったTicaが参加。アルバム内一番最初に作ったのがこの曲。2004年の夏に日本で録音した。

Pistillo

イタリア語で雌蘂(めしべ)の意。

満足に弾けないギターを弾いたり叩いたりしたものを再構築したもの。

One good turn

京都のアコースティックデュオMama!Milkがヨーロッパツアーにやってきた時に録音した曲。

タイトルは”ねじとねじ回し”という本(原題がOne good turn)から取った。One good turn deserves anotherという諺があり、日本語で同意の諺は”情けは人のためならず”。

この諺の意味を完全に誤解していたが、情けは人のためならず、巡り巡って己のためという意味。

大雨の中の録音だったため雨音も一緒に録音。

8  Omniscape

普段、写真を撮る代わりにFlash Memoryレコーダーでフィールド録音をしている。そのアーカイヴの中から駅を中心に選び構築した曲。ミラノから始まり、東京、ロンドン等、地下鉄の扉が開くと、時間も空間も別な場所にいる。

Be quiet

いわゆる4つ打ちキックのようだが、2小節毎に16分音符一個分ずらすことで、独特のグルーヴが生じる。アフロキューバンのベースラインで良く聞かれる手法だが音楽的には全く別物である。ギターは前作にも参加のミラノのJazz Guitarist、 Roberto Cecchettoに依頼した。彼の弾いた即興のフレーズを、ヴィブラフォンの音色でユニゾンすることで、即興のメロディに秩序が生まれる。

10 29A

ピッチの狂ったToy Pianoから触発されて作った曲。

タイトルは”666”の16進法。ロシアの有名なコンピューターウィルス制作集団の名前でもある。

曲の途中でデジタルドロップが生じているが、これは全く意図しなかったものでこんな曲名をつけたせいでウィルスが進入したのかもしれない。

11 Voyage sur la Terre

アーティストGabriele di MatteoのDVD作品のサントラ用に作った曲をリアレンジしたもの。

S.Piccolo,Massimo Falasconeとやっているトリオcrowdofoneで演奏。

ジャック タチの”僕の伯父さんの休日”へのオマージュでもある。