膨らむカタチ


茅場町「うちだ」 でグループ展です。
何ヵ月も前から、このテーマ「膨らむカタチ」を課題に、まるで夏休みの宿題のように(たまに思い出したように)取り組んだイバタです。
写真は、今回出品される弥生土器、月の表面の様な質感が艶めかしい。H40cm

 果たして、幾時代もの時空を経てもなお湿り気を帯びたもの、更に「うちだ」の目で選ばれたものと、同じ土俵に立たなければならないのです。
並ぶ前から、何にかしらの弱気の敗北感を持ってしまっている自分がいます。
今回に限らず、この自分は、何時でも自分の中に居座っていて、何かといえば頭をもたげてくるいつものやつなのですが。 
 さて、「膨らむカタチ」で最初にイメージしたのは、仕事場の粘土置き場に実生で発芽したドングリの種 でした。
水分をたっぷり含んで膨張して、機が熟したところで、まず大地に根を張るんです。
もっと以前、蒔いたドングリが発芽した時、感動して、墨絵風の絵を書いたことがあります。
思い余って紙に穴が開いてしまう程の原初的粗暴なエネルギー(種が?絵が?私が?)を帯びていました。
余談ですが、その粗暴な絵、最近うちだ経由で無事お嫁に行きました。
 ところで、「うちだ」店主は「膨らむカタチ」について、
「うちだWebサイト」 でこんな風に言ってます。
「私が蒐めた、紀元前2500年の中国の土器、弥生の壺から 現代のやきもの作家の作品まで十数点。点数は少ないが、 どれも静かな中に力を秘めたものばかり。
 3年前に出会った弥生の壺は、見たその瞬間に息を呑むほど、 不思議な美しさをもった造形でした。
 あたかも宇宙が、ビッグバーンによって膨張してゆくような、 内側にものすごいエネルギーを貯え、それが外に向かっているカタチ。
いったい誰が、どのような想いで、このようなものを作ってしまったのか。 驚き、感嘆して、しばらくするうちに、偶然にもいくつかのまた 異なる力を内包するものたちに出会い、「膨らむカタチ」という テーマを思い立ちました。と同時に、現代作家だったら どんなカタチを作るだろうか。
好きな作家たちにこのテーマをぶつけてみました。」

 宇宙が、ビッグバーンによって膨張してゆくような ・・・内側にものすごいエネルギーを貯え・・・
まさしく、種の内側に在るものそのものです。
いや、自分の細胞の中にも、どぶの中の微生物の中にも在るはずです。
そんなことを思ながら「フクラム種③P」を作ってみました。
 塊の粘土を触っていると、艶めかしさが直に脳味噌に伝わって来るような、ゾクゾクした感触が捨てがたい・・・だから粘土でものを作り続けてるんだろうかと、原点に近い場所を今更ながら再確認出来たのでした。
膨らむカタチ
2005年3月5日(土)⇨12日(土)
11:00〜18:00 会期中無休

うちだ
東京都中央区日本橋茅場町2-17-13
第2井上ビル305
Tel&Fax 03-3664-5434

Posted: 2005-02-26 at 20:20