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BSE「全頭検査」とは何だったのか?


昨日のNHK『クローズアップ現代』は、BSE(狂牛病)を発見するための、「全頭検査」を止める方向に政府が方針を変えてきた問題についてだった。
「全頭検査」をしなくても大丈夫だからではなくて、若いウシは調べても確認できないから、つまり、危険度が減らないからだというのだ。

アメリカ産牛肉の輸入禁止に対して、アメリカ側からの強い圧力が働いていることは想像できる。
(アメリカで発生したヤコブ病をめぐる話題やアメリカ政府などの動向については、こちら に詳しいので省略する。)

日本が、アメリカに対して断固として譲らなかった「全頭検査」をしなくてもいいようにしようという根拠は、BSEに感染していても、検査で発見できるようになるまでには長い時間がかかるので、「若い」ウシの脳や脊髄を調べても、感染の有無は判断できない、ということらしい。

それなら、最初から「全頭検査」はただのポーズだった、ということになる。
「全頭検査」をしても、安全とは言えない、ということだ。

「若い」ウシ、というのも曖昧で、EUでは「生後24〜30ヶ月」を区切り目にしてるらしいが、日本で見つかった感染牛ではもっと「若い」ウシ(生後21ヶ月と23ヶ月)が確認されているので、少なくとも「生後20ヶ月」よりも遅くすることは難しいだろう。
アメリカなどはもっといい加減で、「生後何ヶ月」か確認させる法的な義務がないので、「若い」かどうかも判断できないらしい。

「全頭検査」をしない代わりに、「危険部位」(脳や脊髄)を今まで以上に「完全に」取り除くための行政指導をいくのだという。
しかし、全国各地の食肉処理場で、どんな方法でどこまで除去されているかはバラバラで、各地方自治体に任されていてるという結果も報道されていた。
(BSEによる大きな被害の出たスイスでは、事細かなマニュアルを政府が作製し、その通りに行われているかどうかを、政府が直接に処理場をチェックしているようすが報道されていた。)

田中宇さんの記事で紹介されているように、アメリカでは無論のこと、日本でも何年後か先にヤコブ病の患者が大量に発生することだろう。因果関係を証明することなど患者側にできるはずもないから、「BSEとは無関係」という御用医学者の診断で切り捨てられて終わりだ。
ある学者の試算をインターネットで読んだのだが(探してみたが見つけられなかった)、ヨーロッパでのヤコブ病の発生数と、BSEの感染が確認されたウシの数の比率を、アメリカのウシの数に機械的に当てはめて試算すると、とんでもない数の患者数が弾き出されるという。
アメリカが「全頭検査」を頑なに拒絶しているのは、実態が明らかになるとパニックが起きるからではないか、と書いていた。

この番組で改めてよく分かったことは、「全頭検査」はただの見せかけで、本当は「発見できない」こと、危険部位の除去は各自治体に任されていて国は何の責任も負うつもりがないこと、要するに、BSEに汚染された牛肉を食べて将来ヤコブ病になるかどうかを決めるのは、納税者たる国民の「自己責任」である、ということだった。

Posted: 水 - 8月 4, 2004 at 10:37 åflå„          


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