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NHKのテロ報道


ロシア南部の北オセチア共和国で、始業式を狙った襲撃事件があり、今分かっているだけでも323人の死者、瓦礫の下には80人の死者がいると見られているし、重体の子どもが100人近くいるという。
この数字も、ロシア当局が情報操作している可能性が高いので、実際の数字とはかなり違っているのかもしれない。
いずれにしても、500人近い死者が出る可能性があるようだ。

伝えられる情報が信頼できないので、この事件そのものについてのコメントを今するつもりはない。
それよりも、異様に感じたのはNHKのニュースだった。

事件が起きた当日のNHKニュースをご覧になっただろうか。
定時のニュースで、他に伝えるニュースがないのかと思うほど、長時間、同じVTRを流し続けていた。
確かに大事件であるし、詳しく伝える必要のある出来事であるには違いないが、「北オセチア共和国」という名の国など一度も聞いたことがないほど遙か遠い国の出来事である。

地震で多くの犠牲者が出た遙か遠い国のようすを、定時ニュースでこんなに長々と同じVTRを垂れ流して報道したことが、これまであったのだろうか。
大規模な列車事故が起きて、数百人が犠牲になったというような遠い国の出来事は時々ニュースで入ってくるが、現場にカメラを入れて、中継もどきに映像を流し続けるような報道が、これまで一度でもあっただろうか。
日本人が巻き込まれている可能性のない海外の事件は、いつも通り一遍のニュースの一つとしてしか報道したことはない。

だが、今回は、これまでの海外のどの事件とも違っていた。
なぜか? テロ事件だから、に違いない。
半裸で逃げまどう子どもたち、倒れてて担架に乗せられる被害者、血塗れの服の女性...、事件の悲惨さ、酷たらしさを何度も何度も繰り返し、同じVTRを流し続けた。

今さら、と言われるかもしれないが、NHKの報道には「日本政府の政治的意図」が、ますます露骨に表れているのが最近の傾向だと思って見るようにしている。
この場合のメッセージは、「テロはこんなに怖いゾ」「テロリストは、こんなにもヒドイことを平気でやるんだゾ」「自分がこんな目に遭ったらと考えてみろ」「だから、テロとの戦いは必要なんだ」「ブッシュさんが言う通りだろ?」...こんなところだうか。

折しも、共和党大会が終わり、ブッシュが正式な大統領候補として決まり、「テロとの戦い」をブチ上げた受諾演説の直後という絶好のタイミングでもある。

報道機関が政権のお先棒を担ぎ、露払いとなって国民を誘導した苦い歴史を、日本もまた持っている。
報道機関は、武装集団が「どんな経路で侵入したか」というようなトリビアルな「事実」よりも、どんな政治的背景がこんな悲惨な事件を生みだしたのか、根本的な解決の方向がどうすれば見出せるのかといった、事件の「本質」に迫るような姿勢で報道しなければ、「客観的なふりをすれば誤魔化せる」と思い込んでいるうちに、報道機関としての命を絶たれることになるだろう。

Posted: 日 - 9月 5, 2004 at 11:41 åflëO          


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