<$BlogBannerImage$>

Today 7月19日 「海の日」


山本夏彦『「夏彦の写真コラム」傑作選②』の中に、「勝手にこさえた「海の日」」というコラムがある。
引用《七月二十日は「海の日」で、今年(平成八年)から国民の祝日になったとは初耳だった。聞けばたいていの人が知らない。国民の祝祭日には意味がなければならない。「海の日」や「みどりの日」には何の意味もない。正体不明のただの「お休み」である。...》

山本夏彦の趣旨は、休みばかり増やして「怠け者にするのはやさしいが、ひとたびなったらもとの働きものにはかえせませんぞ」ということにある。
「休み」を「怠ける」ととらえる山本は、労働者の疲労を知らない御仁だと思うが、それはおいておく。

皇国史観の山本夏彦が、本当に知らないとは思えないが、現在の祝祭日のほとんどは「皇室」がらみである。
「国民の祝祭日には意味が」ないどころか、大ありなのだ。(「みどりの日」など、そのままではないか。)
《「勤労感謝の日 」なんて誰が誰に感謝するのか誰にも分からない。》
またまた、トボケて。山本夏彦の大好きな戦前・戦中には「新嘗祭」って呼んでたのを、知らないはずはないでしょ?
「天皇が、新穀を天神地祇にすすめて感謝し、またみずからも新穀を食する神事の日」ですよ。

「海の日」の元になった「海の記念日」が作られたのは1941年。戦争の真っ只中である。
戦争の真っ只中にわざわざつくる「記念日」が、戦争と無関係なはずがない。
「明治9年に明治天皇が東北地方巡幸の帰途、灯台視察船「明治丸 」に乗って、横浜港に帰還した日」だという。
出た出た。またまた皇室がらみである。

この日を復活させようという運動が戦後続いていた。それが、ようやく2000年に実ったというわけだ。
「勝手にこさえた」のは確かに政府だし、休日が増えるのに反対する人が少ないことも事実だが、どんな日が祝祭日になっているか、山本夏彦はもう一度(と言っても、鬼籍に入られた今となっては難しいかもしれないが)正確な事実を根拠として書き直して欲しいものだ。

それとも、もう少し深読みすれば、山本夏彦はそれらをすべて承知の上で、「元通り、皇室の神事の日としてはっきりしろ」と、言ってるのかもしれない。


(復元された明治丸の、明治天皇が使った客室)

Posted: 月 - 7月 19, 2004 at 10:50 åflëO          


©