Black Hills in Cold Winter
Devils Tower NM~Badlands NP~Mount Rushmore NM~Wind Cave NP~Custer SP
<2002年3月:極寒のブラックヒルズ ; デビルスタワー国有記念物〜バッドランズ国立公園〜
マウントラッシュモア国有記念物〜ウインドケーブ国立公園〜カスター州立公園>
旅行行程表<Itinerary>
・・・Part1からの続き
暫く砂利道を走った後の舗装道路はやはり軽快だった。片側2車線のSD-44の制限時速は65マイルだったが、更に早く感じられた。ラピッドシティに着く頃にはお昼もまわっており、どこかで昼食を食べようかとファーストフードを探し始めた。しかし、US16の標識に従いSD44からショートカットの近道を進むとダウンタウンを通る事無くラピッドシティを通過してしまった。この頃には4WDで走り続けた愛車ENVOYも給油が必要になりつつあった(この車の唯一の問題は燃費の悪さだった)。
US16に入ってしまうと、もう食事のチャンスは無くなってしまった。暫くすると左右の沿道に色々なアトラクションの紹介看板が立ち並び始めた。フライングT・・・、クリスタル・ケーブ、熊牧場、ゴーカート場、フリントストーン・・・、ビューティフル・ラッシュモア・ケーブ等など、腹も減り始め最悪この辺のB級アトラクションに立ち寄っても良いかなと思いつつ、そのほとんどが冬期は閉まっていた。
道はだんだん山に差し掛かり、登りのクネクネしたカーブが多くなってきた。不意に標識が現われUS16がUS16Aと二つに別れる事を示していた。これから向かうマウントラッシュモアへ行くには、その前のキーストーン(Keystone)の町へと続くUS16Aへと進む。この辺りは沿道の展開が激しかった。クネクネ道は下りへと変わり、しっかりと両手でハンドルを握り前方に注意して運転していると、渓谷の中の小さな町に出た。スピードを落とし、数件のモーテル、幾つかのアトラクションと工事中の何かを通過するとあっという間にキーストーンを抜けた。標識に従い、SD244へと入り、今度はまた上り道だ。緩いカーブの前方を見上げると不意に顔が現われた。「あった、あった!」と喜ぶ私の横で、キョロキョロしていた妻が一言「小さいね」と呟いた。マウントラッシュモアへ到着した。
マウントラッシュモア国有メモリアル(Mount
Rushmore National Memorial),SD
SD244の上り道のカーブを右に折れたところで駐車場入り口があった。他の国立公園と比べ、やけに近代的なゲートへ進入し、駐車料金の8ドル(ここはあくまで駐車料金の為、ナショナルパークパスは適用されない。その代わり、この駐車料金8ドルは1年間有効だ!)を支払い入場した。駐車場も立体で、今までに経験したどの国立公園とも違っていた。(簡単に言うと金がかかっている気がした。)駐車場を出る際にふとバックミラーの温度計を見るといつの間にか45°F(7℃)にも上がっていた。ラピッドシティから南下した為か、はたまた晴天の為か、とにかくこの旅でようやく氷点下を抜けた。時刻は1時を少しまわっていた。

駐車場を出て4つの顔に向かって近代的な建物を抜けて行く(駐車場の周りのいわゆる玄関にあたる部分は今だ工事中だった)。最初のゲートはメモリアルの管理事務所兼ビジターセンターで、反対側にはレストルーム(トイレ)があった。ここに設置された自動販売機はそのボディに4つの大統領の顔の写真が使われていた。次のゲートは両側にそれぞれレストランとショップがあった。そのまま真直ぐ進むと通路に沿って両側に柱が立ち並び、それぞれにアメリカ全51州の州旗が掲げられていた(右の写真)。
近付くに連れそのサイズが結構大きい事が分かり、遂に4人の大統領の顔(左の写真)の正面に位置する広場へと到達する。数組のアメリカ人に混じって正面から写真を撮るが、この時点では一つ気になる事が・・・。一番左は初代大統領ワシントン、一番右は奴隷解放宣言のリンカーン、確か合衆国憲法の作成に寄与した第3代大統領ジェファーソン(左から2番目)もいたっけ・・・もう1人は?
その疑問はエレベータで下った広場の下の展示コーナーで判明した。セオドア・ルーズベルトだ!(実はここまで来ても、ルーズベルトをニューディール政策のフランクリン・ルーズベルトと勘違いしていた。この間違いは後日パンフレットを良く読むまで続いた。)この展示コーナー(全体としては結構広い!)では、時計を見ながら「今始まったばかりだから」とビデオ上映ルームを勧めるカウンターのおじさんに言われるまま、4つの顔が出来るに至った経緯を紹介するビデオを観覧した。15分程だったが、結構分かりやすかった。観客は当初私達夫婦2人だけで、終わる頃にはもうひと組増えていた。ビデオを見て始めて、4つの顔の下の瓦礫の山が、岩肌を削った破片がそのまま残された事を知った。また、彫刻のほとんどはダイナマイトによる爆破で行われた事もその大変さを物語っていた。
その後は来た時には通過したレストランで遅めの昼食とした。Lunch Specialのスパゲッティは価格(5.99ドル!)の割にボリュームは多めで味はそんなに悪くなかった。(私の勝手な判断としては満足行くモノだった。)レストラン内も51州の州旗が掲げてあり、更に歴代大統領の顔写真が飾ってあった。(私が物心ついてから知っているのはカーター、レーガン、ブッシュ、クリントン、ブッシュJrくらいか・・・)昼食後、最後にショップに寄って帰途についた。駐車場に戻りほんのチョットの感慨深さを残し、次なる地へと出発した。(アメリカ人はやはり物凄く興奮するのだろうか?)
来た道をそのまま進む方向で、山の間のSD244を進んだ。程なくUS16(US385)へと出て、更に南下した。

US385を暫く行くと、今度はクレイジーホース・メモリアルに出くわす。(北から南下した場合は後ろを振りかえると山の斜面に刻まれた彫刻を発見出来る。)US385から外れ、山の彫刻へと続く道路の先にゲートがあり、入園料を支払う。この地のインディアンの英雄を記念して作り始めた山を削った彫刻をメインとするクレイジーホースは、プライヴェートのアトラクションであり正直言って割高だった。車1台当たり18ドルを徴集された。
クレイジーホースの山から少し離れた場所に結構大きいミュージアムがあり、オフシーズンのこの時期、客足はまばらでガランとしていた。一通りぐるっとまわって、料金が高めな理由が分かった気がした。比較的新しい建物群はインディアンに関する展示と、クレージーホースのミニチュア模型(左は1/34サイズで屋外に展示、右は1/300サイズで屋内展示、それぞれその奥に本物の山がある)があり、それ以外にはレストランや、土産物屋があった。展示物は正直言ってチョットイマイチだ。(数々のインディアン展示を見た経験から、ここのは全てがあまりに新しすぎる!)
メインの山の彫刻はいまだ未完成で、ミュージアム内の「顔が出来た記念(1998年)」の際の写真と比べても、その後の作業が進んでいるとは思えなかった。完成予想図はパンフレットにも描かれているのだが、果たしていつか完成するのだろうか・・・? ここは足早に立ち去った。(本当に完成したその時に是非また訪れたいモノである。)
再びUS385に戻り南下を続けた。翌日の返却を計算に入れ(ガソリン満タン返しの必要のないフューエルオプションにしていた為、極力空に近い状態で返却した方がお得だ)、カスター(Custer)の町で半分だけ給油を行い、この後の行き先を検討する。本来このカスターで宿泊する事を考えていたのだが、メインストリート(右の写真:ちょっと外れの方)と思われる通りは寂しく、モーテルがほとんど見当たらない為、さてどうしたものか・・・。結局、一旦カスター州立公園へ向かい、そこからウインドケーブ国立公園経由で南へ抜けホットスプリング(Hot
Spring)という町に宿泊する事にした。事前に日本で調べていたのでホットスプリングにはベストウエスタンがある事は分かっていたのだ。カスターからUS16Aを東に進み、カスター州立公園を目指した。
カスター州立公園(Custer
State park),SD
道はカーブの続く緩い坂道に差し掛かり、カスター州立公園に入った。日陰の多い道路は路肩に残る雪が多くなってきた。真直ぐUS16Aを進み、ビジターセンターに向かった。事前知識から多くの動物に出会えると思っていたのだが、その傾向が全く現われない。午後4時をまわって、車の通りの少ない公園内で、ようやくビジターセンター(Peter Norbeck Visitor Center)に到着した。静まり返ったセンターの駐車場に車を止め、建物に赴くとここは閉まっていた。動物は現われず、人も居ない、気温も下がってきた。ある意味途方に暮れつつも、ここまで来たのだから、何もなく帰る訳にも行かない。
ワイルドライフ・ループ道路(WILDLIFE
LOOP ROAD)
気を取り直し、ビジターセンターを出発し、公園地図を持つ妻のナビゲーションにより程近いWILDLIFE LOOP ROAD(全長18マイル)へと向かう事にした。ループ道路の入り口は無人でただ看板があり、「道路は6時で閉まる」事が記載されてあった。また、ここで入場料5ドル(車1台あたり)を支払った。西からの日射しが徐々に傾きを増し、静かな雪原を照らす光も弱くなってきた。
暫くは何もない雪原の中の1本道を何事もなく進んだ。しかし見渡す限りの雪原に残る何モノかの無数の足跡が、いずれ巡り会う野生動物の痕跡をハッキリと示しており、期待が高まる。最初の接触は緩い丘に差し掛かるカーブを登る時に不意に現われた。20メートル程さきの踏み荒らされたゴツゴツの雪面にプロングホーン(下、1番左の写真)が10頭程しゃがんでいた。すれ違う車もない道路上に車を止め、車内から姑く彼等の動きを見守った。(実際、ほとんど動きのない彼等を双眼鏡でジッと見つめると、何とか動きが確認できた。)




更に進むと、遠くのそこここにバッファローを望めるようになってきた。そして更にループ道路のすぐ路肩を歩く1頭(上、左から2番目の写真)に出くわした。車を真横につけると、一瞬バッファローがこちらを見つめ、また歩き出す。ほんの2・3メートル先から見つめられるとちょっとした恐怖感を覚える。(車内にいるとは言え、以前イエローストーンで見たバッファローへの警戒を呼び掛ける標識を思い出した。)その後もバッファローの群れ(上、右から2番目の写真)は幾度か見かけた。
バッドランズ同様、ここカスター州立公園にもプレーリードッグタウンがあったのだが、生憎ここでもプレーリードッグには出会う事が出来なかった。やはり雪で覆われたこの時期は地下に拡がる巣の中で静かにしているのだろうか。その代わりにウサギ(上、1番右の写真)を見つけた。何の種類か分からなかったが、ここに生息するのはかなり小型で、路肩にある巣穴の横にチョコンと座っていた。また、雪原の巣穴から出ているウサギも見かけた。(プレーリードッグよりウサギの方が、活発なのだろうか・・・)
その名の示すワイルドライフを堪能し、WILDLIFE LOOP ROADからSD87へと出た。ここから道路を南下した。
ウインドケーブ国立公園(Wind
Cave National Park),SD
カスター州立公園内のSD87を真直ぐ進むとそのままウインドケーブ国立公園に入った。公園ゲート(左の写真)には標識があるだけで、ただの境界線に過ぎなかった。ウインドケーブ(風の洞窟)とは言え、景色は今まで過ぎてきたカスター州立公園となんら変わりない。だいぶ陽が傾いた雪原の中の一本道を走り、道は再びUS385へとつながった。暫く行くとウインドケーブへと続く脇道が2度出てきたが、今日の所は宿を目指しホットスプリングの町へと真直ぐ進んだ。ウインドケーブ国立公園のエリアを抜けると陽の暮れた暗くなりかけの空の下ホットスプリングへと到着した。
町に到着したところで本日の宿を探す。US385は川に突き当たった場所でT字路となり、小さな町の中心部はこれを左折した先にあった。川沿いに進むと直ぐさま道路沿いにお店が立ち並び、ホテルのような大きな建物も幾つかあった。川の向こう岸にベストウエスタンを発見し、ここに宿泊する事に決めた。コンチネンタルブレックファースト付きで49ドルだった。(今回はシーズンオフである事もありどこもなかなか安めだ。)
チェックインの際お薦めのレストランを紹介してくれた。中華にメキシカン、それにファミリーレストランがあると言う。荷物を移動後、やや暗くなった町に繰り出し夕食を食べる場所を探した。本当に小さな町で紹介されたレストランは難無く見つかったが、激混み(メキシカン)かガラガラ(中華&ファミレス)の両極端で、どこもちょっと入る気になれなかった。仕方なく部屋に戻りピザハットのデリバリーを取る事にした。
例によって夕食後にいつの間にか寝てしまったのだが、深夜に目を覚まし一服しに外へと出るとこの町の名前の由来を発見した。モーテルの駐車場の先を流れる川からわずかに湯気が上がっている(右の写真)。日本で言う温泉とまではいかないが、確かにHot Springである。
Mar23
Sat. 3月23日(土)
7時半からの朝食に合わせ、身支度を整えた。相変わらず早朝に起きてしまう為、朝は時間がたっぷりある。今日は飛行機での移動がある為、スーツケースに詰める中身を整理する必要があった。朝食後8時過ぎにモーテルを出発した。実質的な最終日となるこの日、前日までの快晴は続かずどんよりとした曇りだったが、目的地は洞窟2つだし雪でも降らない限り良しとしよう。
ウインドケーブ国立公園(Wind
Cave National Park),SD
昨日通ってきたUS385をそのまま戻り、再びウインドケーブ国立公園へと入った。ビジターセンターの標識に従い車を進め、8:40頃到着した。

ビジターセンター(左の写真)前の駐車場に車を止め中に入り、カウンターで洞窟ツアーの時間を調べると、シーズンオフのこの時期最初のツアーは10:00からだった。まだ1時間以上もある! 暫く若い女性レンジャー(レンジャー成り立てのようで、一生懸命説明してくれた)にウインドケーブの説明を受け、ツアー開始時間を待つ事にした。
ビジターセンターには、ウインドケーブにまつわる結構沢山の展示があり、意外に時間はつぶせた。空き時間を利用して、説明されたナチュラル・エントランス(自然の入り口)を見に行くと、外でウサギを発見した(右の写真)。寒い中でジッと身動きもせずに座っていた。逆にこっちが寒くなってその場を後にした。ナチュラル・エントランスはビジターセンターから100メートル程の距離の場所にあり、思ったより小さくせいぜい直径30cm程だった。この穴の発見が後の洞窟探検の始まりなのだからなんとなく不思議だ。因に自然の洞窟入り口はここしかない。
センターに戻り洞窟ツアーの予約をした。通常数種類のツアーが組まれているのだが、オフシーズンの今回は「Garden of Eden Cave Tour(エデンの園ツアー)」(6ドル、150段)と呼ばれる1時間程度のツアーしか開催されていない。予約後チケットを受け取り、ブラブラしながら時間を潰していると、更なる訪問者がやってきて国立公園の紹介ビデオが上演された。15分程の映像は洞窟発見から探索の歴史の紹介と共に、地上に拡がるブラックヒルズの自然の景観を紹介していた。外の真っ白な景色とは違う美しい草原とそこに生息する野生動物が印象的だった。暖かくなったらまた是非来たいものだ。
エデンの園ツアー(Garden
of Eden Cave Tour)
10時に12・3名になった洞窟ツアー参加者は、最初に到着した時に話したレンジャーに引率されて出発した。参加メンバーは1組の家族連れ(赤ちゃんもいる!)と、私達を含むカップル数組、若者3人組、洞窟マニアのおじさんとガイドのレンジャー1人だ。センターの外(ナチュラルエントランスとは反対側)にあるエレベーターで洞窟に下りいよいよ洞窟内へと入る。洞窟内部の気温は1年を通しておよそ12℃と、外気温より暖かい!エレベータを出て直ぐに、まず大昔ここが海の中であった事を示す貝の化石を見た。

洞窟内は複雑に入り組んでいるらしく、ツアー用に足場を整えた通路だけでも何方向かへと繋がっていた。この複雑な内部ではガイド付きツアーでないと確かに迷子になってしまう。説明を受けながらのツアーはゆっくりと進み、少し開けた場所で、立ち止まった。この洞窟内ではちょっと珍しいクリスタルを見た後、ガイドレンジャーが洞窟探検者の大変さを物語り、辺りをうす暗く照らしていた照明を全て切って参加者に尋ねた。「何も見えないでしょ?この真っ暗やみの中を探検者は1人で進むのよ」確かに真っ暗だ。すると不意に1人の参加者(洞窟マニア)が応えた。「誰かのデジタルカメラのライトが光っているよ」これにはガイドが思わず「Oh,Men」とがっかりきていた。何を隠そう、私の持っていたデジカメの液晶画面が光っていたのだ。私も会話に参加し謝ると共に慌てて電源を落とした。因に不思議な事に最年少メンバーの赤ちゃんは多少グズリはしたが平然としていた。
更に洞窟を進み、少し天井の低い所でこのウインドケーブでしか見られないと言うBOX WORK(ボックスワーク:左右の写真)と呼ばれる不思議な造形を見た。段ボールの破片が複雑に組み合わさって箱状を形成しているようだ。この場所では同時に、188x年(具体的な年数は忘れた)に洞窟探検者が鉛筆で書き記した落書きが残っていた。乾燥し、湿度&温度が一定の洞窟内では保存状態が良くエンピツ書きですら残っているのだと言う。ツアー最後に地下水の流れる場所へと出た。ここは元々水は流れてはいなかったのだが、地表にビジターセンターを建ててから地下水が流れるようになったのだと言う。詳しい原因は不明で、また地下水が洞窟にどう影響するかはまだ分かっていないと言う事だが、自然を守る難しさを物語っていた。
1時間とは言え、あまり距離を歩かないままツアーは終わりを告げた。正直言うと物足りなさが残ったが、いつか暖かいシーズンに訪れてもっと時間の長いツアーに参加しようと思った。(他のツアーでは距離的には今回の2〜3倍はある)
SD385を北上し、昨日給油したカスター(Custer)の町を目指す。カスターからはUS16を西へ向かった。12時少し前にカスターの外れにあるピザハットで昼食をとった。(昨晩もピザだった事をすっかり忘れていた・・・)昼食後、カーブの多くなったUS16を更に進みカスターから20分程で2つ目の洞窟、ジュエルケーブに到着した。ここジュエルケーブもその前のウインドケーブも公園への入場料は取られなかった。せっかく買ったナショナルパークパスが全然活躍しない!
ジュエルケーブ国有記念物(Jewel
Cave National Monument),SD
ウインドケーブよりだいぶ大きい駐車場に車を止め、ビジターセンターへと入った。時刻は12:35だったが、次の洞窟ツアーは1時半だった。ここも季節外れと言う事で、幾つかある中のSCENIC
TOUR(8ドル、およそ1時間30分)だけが開催されていた。とりあえずチケットを購入しスタートまでのおよそ1時間を展示物を見て費やした。ここのセンター内はあまり広くなく、世界最長と言われる洞窟の地図(左の写真:オレンジのギザギザが洞窟を現わす。現在までの調査で140マイル=224km以上あると言う)や、洞窟探検の様子を示した写真等を見たが、時間を弄んでミニシアターのシートでしばし睡眠を取った。
うたた寝から覚めると結構な人だかりが出来ていて、いよいよツアーの開始だ。参加メンバーは20数名を数え、午前中にウインドケーブで会った洞窟マニアのおじさんもいた。(彼はここで5つか6つ目の洞窟訪問だと言っていた。因に私達はカールスバッドを合わせ3つ目だ。)センター内にあるエレベータを2回に分けて出発した。
シーニックツアー(Scenic
Tour)
ここでは熟練の女性レンジャーがガイドで、少し大目の参加者をがんがん引っ張って引率して行く。説明もハキハキと端切れ良く分かりやすかった。先ずは大きな部屋に到着し、早速洞窟の名前の由来であるジュエル・クリスタル(下、1番左&真ん中の写真)が洞窟内の壁全体を覆っているのを目の当たりにした。ここの洞窟は通路に縦の深さがあり、階段を下って奥へと進んだ。数十メートル進んでは停まり説明を受け、それを何度か繰り替えした。洞窟内の造形としてはジュエルが最も多いのだが、鍾乳洞(下、左から2番目の写真)やストロー(下、右から2番目の写真:いわゆるつらら)も見る事が出来た。この全てがカルサイト(Calcite=方解石)が長い年月をかけてつくり出した様々な形だと言う。また、ほんの少しだけだが、ウインドケーブの十八番のボックスワークも見られた。因にガイドがこのボックスワークをなんと呼ぶか質問した時、初めてみる参加者が「スパイダーケーブ」と当てずっぽうに答えていた。(こっちの方がネーミングとしては的を得ているかも知れない)因に正しい解答は例の洞窟マニアおじさんが答えた。

こちらの洞窟でも、「照明消し」があった。大き目の部屋に出たところで、洞窟探検者の孤独と苦労を説明した上で、照明を全て消して「本当の暗闇の恐怖」を実感するのだ。私も今度は抜かりなく、デジカメの電源を落とした。
1時間半を階段の登り下りに費やし、そこそこいい運動をしたところで、ツアーは終了した。歩いた距離が長い分だけいろんな所を見学でき、午前中の洞窟よりは満足感が大きかった。エレベーターでビジターセンターに戻った所で解散した。最後にガイドのレンジャーが、次は夏に別のツアーで逢いましょうと言って、但し夏は混むから予約が必要だと締めくくった。
3時過ぎに出発して、US385からUS16へ派生しひたすらラピッドシティの空港を目指した。途中ラピッドシティのダウンタウンで有名なアレックスジョンソンホテルを見つけた。ガイドブックで見かけたそのままで、1920年代に建てられたと言う割になかなか綺麗だった。16時半過ぎに空港に到着し、レンタカーを返して飛行機のチェックインをした。
デンバーへと向かう例の小型プロペラ機は定刻の17:25より20分程早く離陸し、機長はそのアナウンスの中で日暮れ前に到着する事を嬉しそうに告げていた。(きっと自分が早く帰りたかったのだろう) 眼下に拡がる真っ白な大地に別れを告げ、足早に過ぎ去った3日間を振り返っていた。
エピローグ<Epilogue>
心配された寒さは、天候にも恵まれ何とか克服できた。路面凍結がなかったのが何よりの幸いだった。「何もないただひたすら続く草原」と謳われた土地は、雪に覆われれば更に何もなさを際立たせていたが、その空虚さが日常生活の疲れをすっかり癒してくれた。また、この地方の厳しい冬の生活を垣間見る事が出来たのも貴重な体験だった。
今回は、全く宿を予約していなかったのだが、その分スケジュールがフレキシブルに変更でき、限られた日数の中で効率良く色々回れたと思う。(オフシーズンで宿がガラガラだった事は、確かにこれを行い易くはしたのだが・・・)
今度はやはり暖かい時期に美しい大草原とプレーリードッグを見に訪れたいと思う。その前にまず、次回は暖かい地方へ行こう。