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ReaD -- 泉 富士夫
Eメール: fujioizumi@me.com

キーワード: 粉末回折、X線回折、中性子回折、リートベルト法、最大エントロピー法、MEM、電子密度、原子核密度、結晶構造、三次元可視化


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■ 2009年11月23日(月) マイナスをハイフンで代用している人の方が圧倒的に多いですが

「科学英語論文執筆の手引き」講習会では、WindowsとMac OS Xにおいてマイナス記号をキーボード入力する方法を教えるつもりでいたのですが、うっかり、すっとばしてしまいました(テキストには明記)。Windowsでは"2212"と入力した後(必要なら"2212"を選択し)Alt+X、Mac OS Xではoption+ハイフンです。Windowsの場合、やや面倒なので、クリップボード・ユーティリティに登録しておくといいでしょう。

■ 2009年11月24日(火) Readme_scpt.pdfをさらに微修正

Mac OS X用RIETAN-FP・VENUS配布ファイルを更新しました。Readme_scpt.pdfにおけるマクロ登録の部分(2.3.1)を修正しただけです。Finderですべての*.scptを選択し、まとめてスクリプトウィンドウ中にドラッグ&ドロップすると書き改めました。

■ 2009年11月25日(水) 今日もまた…

Windows用RIETAN-FP・VENUS配布ファイルを更新しました。Readme_macros.pdfを少しだけ修正しました。

RIETAN-FPを使ったにもかかわらずMater. Sci. Forumに掲載された論文を引用する人が未だに多いです。恐らく以前執筆した論文から引用文献をコピー&ペーストしているのでしょう。そういうケアレスミスを防ぐために、RIETAN-FP・VENUS配布ファイルのWebページの末尾にSolid State Phenom.の論文を引用するよう明記しました。

Precision T5400へのWindows 7の上書きインストールに伴い、CtrlキーとCaps Lockキーの入れ換えが無効になってしまいました。キーアサイン・ユーティリティの使い方を新たに覚えるのは面倒なので、レジストリエディタでCaps LockキーをCtrlキーに変更するという荒技を繰り出しました。Caps Lockは通知領域中の[CAPS]のクリックで代用します。これで十分ではないでしょうか。

■ 2009年11月26日(木) 20の電子顕微鏡関連プログラムからなるLiveCD

WTH Aachen大学(ドイツ)の電子顕微鏡施設が頒布しているelmiX 2009.1が約1ヶ月前にリリースされていたのに気づきました。唯一の国産ソフトウェアとしてVESTAが収録されています。

「唯一の国産ソフトウェア」という文言から、スーパーコンピューターの予算がカットされたのはとんでもない、という声が高いことを思い出しました。しかし、ソフト開発に携わる者としては、世界に通用する日本製科学技術ソフトウェアがほとんど見当たらないのに、特定のハードウェアと施設に湯水の如くお金をつぎ込み、世界一の地位を一時的に獲得することにどれだけの意義があるの、とツッコミを入れたくなります。そういうお寒い現実を誰も表だっては指摘せず、見て見ぬ振りをしているのはいただけません。

外国製のソフトウェアの使用法やノウハウを仲間内で共有し、手っ取り早く成果を挙げようって連中ばかり目に付きます。たとえば結晶学の分野では、タンパク質の構造解析がまさにそれに該当します(20年以上前から国産ソフトウェアは壊滅状態)。直接法やXAFSも同じようなもんでしょう。もういくらがんばっても追いつけそうもありません。

国家財政の危機のためにスーパーコンピューターの性能が世界のNo. 2やNo. 3に甘んじなければならないのだとしたら、独創的な高速アルゴリズムを考案し、ハードウェア+ソフトウェアの総合性能でNo. 1になればいい。それとも、傑出したソフトウェアの開発なんて到底無理だから、せめてハードウェアでは世界一の地位にのし上がりたい(一点豪華主義)ということなのでしょうか。それが本音だとしたら、借金まみれの家庭(国債および借入金債務=865兆円)の子供が高価なおもちゃを欲しいと駄々をこねているようなもの。別な方面に血税を振り向ける方がましです。

科学技術ソフトウェアの自主開発が重要だと息巻くそばから、配布開始直後のEXPO2009を嬉嬉としてダウンロードしている自分も情けない。しかし、まあ仕方ないです。直接空間法と逆空間法を兼ね備えた未知構造解析システムを自作できっこありませんから。私にとって放射光・パルス中性子粉末回折装置がどうのこうのなんてローカルな話題より、EXPO2009のリリースの方がはるかに重要かつ興味深いグローバル・ニュースなんです。IUCr2008におけるEXPO最新版に関する招待講演をGiacovazzo先生に依頼したのも、そのためでした。早速、明日使ってましょう。

■ 2009年11月27日(金) EXPO2009試用報告

Windows用EXPO2009をPrecision T5400にインストールし、硫酸バリウムの粉末X線回折データ(RIETAN-FP配付ファイルにおけるLe Bail解析例)を解析してみました。強度データファイルBaSO4.powの一行目を変更する必要がありましたが、入力ファイルBaSO4.expは無修正で使えました。重原子を含む単純な構造なので、難なく解析できるのは言うまでもありません。

次に、前座(EXPO2009)によるLe Bail解析後に出力されるextra.hklをBaSO4.ffiと改名し、このファイルに記録された|F|2を出発値とするLe Bail解析をRIETAN-FPで実行してみました。初回の解析(NCONST=1に設定)では尺度因子を精密化し、そうして収束させた尺度因子に固定して2回目の解析(NCONST=0に設定)を行います。いずれの計算でもCHGPCは1.0に固定します。Le Bail解析を2回繰り返すのは、EXPO2009とRIETAN-FPにおける尺度因子を共通とするためです。

EXPO2009とRIETAN-FPによる硫酸バリウムのLe Bail解析における信頼度の指標は次の通りでした:

ここで、RIETAN-FPの入力ファイル*.insを作成する初心者向きの方法について述べておきます。自分が使っている粉末回折装置で標準物質の強度データを測定し、それをRIETAN-FPでリートベルト法により解析し、最後にNUPDT = 1として*.ins中の可変パラメーターを更新しておきます。これで線源、光学系、プロファイル・パラメーターなどの初期値をカスタマイズしたひな形ファイルが出来上がります。VESTAのPreferencesでその*.insをTemplate (*.ins)に指定します。

個々の物質のリートベルト解析では、結晶データファイル(CIF形式を推奨)を読み込むか、Edit → Structureで結晶データを入力してから、File → Export DataにおいてRIETAN (*.ins)フォーマットで*.insを出力します。次にエディタで*.insを開き、必要に応じて種々のパラメーター、フラッグ(たとえば構造パラメーターのID(I))、設定を変更してから、RIETAN-FPを実行します。

EXPO2009、Superflip+EDMA、その他の未知構造解析システムが決定した構造モデルはCIF(*.cif)として出力できます。上記のように、それをVESTAで読み込んでRIETAN-FPの入力ファイル*.insをexportすれば、ただちにリートベルト解析に移れます。ただし、EXPOが出力するCIF中の空間群名では格子タイプ(P, I, Fなど)が小文字になっていたため、大文字に改める必要があります。さもないと、VESTAは空間群をP1とみなしてしまい、非対称単位内の原子しか表示してくれません。

■ 2009年11月28日(土) 双方向のファイル共有を実現

11月21日に記したSnow Leopard機とWindows 7機からのWindows XP機への接続がようやく可能になりました。Windows XP機の「共有ドキュメント」フォルダ、すなわちC:¥Documents and Settings¥All Users¥Documentsを介してファイル・フォルダをやり取りするようにしただけです。なぜか他のフォルダはブロックされてしまいます。

■ 2009年11月29日(日) Microsoftを儲けさせるのはしゃくですが

ノート型Windows 7機(11月22日参照)についてはあれこれ迷った末、MacBook Pro上でBoot Campを使おうと決意しました。なんといっても、無償ですからね。Windows 7 Professionalを発注しておき、Boot CampがWindows 7に正式対応するのを待ちます。