風景写真の定番―富士山を追う人々3

勘違いする写真家達

【エスカレートする写欲】
 富士山麓で実際にあった話では、写真を撮るために林道脇の木を(もちろん所有者に無断で)切ってしまったという事件があったそうだ。犯罪である。自由に車が乗り入れられたその林道はその後一般者乗り入れ禁止の処置がされた。当然であろう。

 箱根に庭園のツツジが有名なホテルがある。ここも富士山カメラマンが好んで撮影地とするところだ。僕は出向いたことがないのでよく知らないのだが、ここは庭だけへの入場にも入園料を取るらしい、もちろん営業時間は決まっている。
 園内には「三脚禁止」の札があり、営業時間外には「立ち入り禁止」の表示もなされるそうである。これはどう考えてもその場所の「権利者」から「カメラマン」に対して向けられている「嫌悪感溢れるメッセージ」である。しかし、それでも富士山カメラマンはそこに立ち入り、相変わらず三脚を立てているらしい
 これもまた聞きで申し訳ないが、そこに宿泊した方が、そのカメラマン達を見て「不快感」を感じたそうだ。高い金を払ったホテルの宿泊客に、金も払わず、無断で立ち入った者達が「不快感」を感じさせているのである。もちろんホテルにも被害を与えたことになる。撮りたいなら宿泊して許可を受けるなりなんなりするのが正しいアプローチなのではないかと思う。
 ホテルもそれほど嫌なら嫌で、不法侵入するカメラマンに対し徹底抗戦でもすればいいとも思うのだが、まあサービス業でもあるし、あまり無茶なことはできないのであろう。
 このあたり、実際その様子を観察したわけでもないのでよくわからない。聞いた話しを繋げて自分なりに勝手に理解して書いているので、理解が間違っていたら教えていただきたい。

 お花畑を散歩する観光客に対して「邪魔だ」と怒鳴る姿はよく見かける、挙句の果てに茶畑で仕事をしている農家の人に「どけ」という。やはり何か思い違いをしている人が多いようだ。

 富士山写真ではないが、確か学生時代カメラ屋の人に、あるお客さんの話を聞いたことがある。具合よく雪が積もった朝。まだ人が集まらない静けさのなかすばらしい景色に出会い十分撮影を満喫したその人は、撮影終了後、その綺麗に積もった雪を蹴散らかして帰ったそうである。同じ写真を他人が撮ることができないように。
 また、前景としてすばらしい枝ぶりの枝を、撮影終了後に折って帰ってしまったという話も聞いたことがある。開いた口が塞がらないというのか・・・なんというのか。

 上記のような行動をとるのは、中年以上のオヤジが多い。若い人がそのようなことをしているのはほとんど見ない。まさに「最近の中高年は」という感じである。最近増えているティーンエイジャーの凶悪犯罪の元凶のひとつは、無分別でわがままで自分勝手な「親世代である中高年」にもあるのかもしれないというのは考えすぎだろうか。

  僕も中年と呼ばれる年頃である。上記のような無分別なオヤジにだけは決してなるまいと思っている。(2000.5.28)

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