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取材で東京海洋大学に行ってきました。写真は生協で売っていたロゴ入りTシャツです。そこでしか売っていないというところは価値がありますが、全く飾り気のないTシャツです。 東京海洋大学という名はあまり馴染みがないかもしれませんが、去年、東京水産大学と東京商船大学が統合して生まれ変わりました。ここんところ民営化が喧しいですが、これは国立学校設置法改正による国立大学の再編・統合の一環となるもので、文部科学省は、97あった国立大学を最終的に60程度にして、教育研究の活性化を図り、活力に富み国際競争力のある大学つくりを進めるというものです。お題目は立派ですが、簡単に言うと「もう国庫に頼らず、君たちは君たちで大学を経営してね。そのためにはくっつけられるものはくっつけちゃいましょうね」ということです。 確かに、国立大学の研究室などは国のお金ってことで、「僕たち失業の心配はないもんね」という風潮もありました。国立っていうだけで、あぐらをかいている部分は多々あったと思います。親方日の丸とはいえ営業努力をすることは大切です。自分たちの研究費は自分たちで稼ぐという姿勢は必要でしょう。しかしながら、なんでもかんでも統合すればいいってもんじゃありません。世間的には「商船」も「水産」も似たようなモンじゃん、名前が変わって学部が増えるだけだからイイじゃんと思うかもしれませんが、実は「商船」と「水産」は似て非なりですし、それぞれ専門大学の良さがあったと思うのです。 改革には痛みが伴うと我が国の首相はいいますが、消える痛みと消えない痛みがあるってもんです。まして準備期間も短く、改正法案が可決されるやいなや電光石火で統合してしまうあたり、ちょっとおかしいですね。ひとつの裁判が滅茶苦茶時間がかかる国なのに。 現に、統合による歪みは生まれています。優秀な教授を雇う金がなくなっていますし、旧水産大学のキャンパスに置いてある世界で2頭しかないセミクジラの骨格標本の維持も、ままならない状況に陥っています。「新しい船を動かすのは古い水夫ではないだろう」という吉田拓郎の歌がありましたが、古い水夫が新しい水夫に航海の術(すべ)を伝えないと、無駄な時間を費やしてしまうだけですし、テクノロジーは先達からの知恵の継承という側面もあります。───いやいや、だんだんとりとめがなくりました。要は、統合するなら統合するで、もうちょっとやり方を考えた方がいいんじゃないですかということです。あまりにコトを急いた象徴が、ただの白地にロゴをプリントしただけのTシャツだと思うわけです。(Tシャツをつくった人、ゴメンナサイ)
実は、一緒に行った私の相棒は東京水産大学出身です。彼は、グッズ好きなので、このTシャツを何枚か買いました。四年間、大学内の寮で過ごした彼にとって思い出のキャンパスだったわけですが、多分、このTシャツには何の思い入れもないでしょう。でも、名前が変わろうと自分の出身大学に変わりはないですから、Tシャツを買う気持ちは痛いほどわかります。 そこで、私の提案ですが、せめてTシャツのデザインは、もっと「海」をイメージした図柄にして、二つの大学の叡智が新しい大学を作るというテーマで、商船大学と水産大学の旧ロゴを配し、双方から矢印を引っ張り、海洋大学の新ロゴを指すようにしたらどうでしょう。ここまで書くと余計なお世話かもしれませんが。
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