アスカ 制服 その2

今回は前回に続いてエナメル塗料での筆塗りがお題。
シンナーでぬぐう。調色する。水性クリアーで色を留める。
こういった作業に慣れましょう。



目標:筆塗り実践


その1:シンナーでぬぐう


作業順番を考えると、肌 > ブラウス > ジャンパースカートと進めるといいのですが。
パーツを確認するとスカートの背面部。ここが造形的に塗りが一番簡単なので、
解説はここで行います。
色も暗い色を使うので、写真でよく見えますしね。
なので、今回の作業手順は普通とはかなり違ってますし、
途中写真も状況が一部ちぐはぐになってます。
説明を分かりやすくするためですのでご了承を。


塗料はミディアムブルーを選びました。
写真は凹部分に塗った状態です。
この色が影を示す、ダークェストになります。




ミディアムブルーを塗って乾かした状態。
見ますと、細線部分など、はみ出しがあるのが分かります。
洗って綺麗にした筆に、エナメルシンナーをつけて、
はみ出し部分を吹きとりましょう。



こういう場所では、シンナーをつけた筆を寝かした方が簡単です。
凸部、つまりスカート表面をガイドとして、その水平面をなでていく感じで。
こうすれば、線の中には毛が届かず、不要部分のみを落としやすいです。

なお、シンナーで不要部分を落とす作業は、
このパーツのように、凹凸の境目で練習するのが一番簡単です。



ぬぐいとる感じで、はみ出し部分を消していきます。
写真は凸部分に残った不要色をおとしきった状態。
シンナーは透明なので、写真で写りやすいように、一杯使いましたが、
実際には筆につけるエナメルシンナーはごく微量でいいです。
(この写真だとやりすぎて大げさになっちゃいました。
普通はこんなにびしょびしょになることはないです)



線部分が綺麗になったら完全に乾燥させます。乾いたら今度は凹内の調整です。
ここの布地はちょっと奥にあるだけなので、影色で塗りつぶすと大げさになっちゃいます。
ポーズ的にもお尻を付きだしているので、背面の方が明るいということもあり、
凹部もシンナーを付けた筆でそっとこすりおとします。
ただし、影の出来方を考えて、端っこには塗料が残るようにしましょう。



裾、写真では上端になりますが、ここもぬぐっておきます。
完全に影色を消すのではなく、「影色を薄める」感じで。
そのために、シンナー分は少な目にして、何度かに分けて調整しましょう。
シンナーをつけた筆と、何も付けていない、乾燥した筆の
二本で濃度を調整すると綺麗にできますが、
まずは一本で練習しましょう。

綿棒も基本工具

ここは練習も兼ねて筆でぬぐっていますが。実は線部分だけなら、
綿棒が一番簡単にぬぐい処理できます。
やり方は筆と同じ。で、両端使える綿棒だと、片側にシンナーをちょっとだけつけ、
もう一方は乾いたままにできるわけです。
両端を交互に使用することで筆二本使うのと同様に作業できるのですよ。



調整を終えた状態。
線にはみ出しがないか。
凹部の中央が明るく、両端が暗くなっているか。
よく見て修正しましょう。

で。
もしミスっていたら。
一回完全に乾燥させてから、エナメルシンナーをつけた筆で、
ミディアムブルーの塗料をしっかりと落としてしまいましょう。
プラモではこうはいきませんが、ガシャポンなら、
一から何度でもやり直せます。
このパーツを最初に選んだのは、形状といい、色といい、やり直すのが簡単だからです。
ここでやり直しの方法も覚えておきましょう。


やり直す場合

洗い落とした後も、シンナーが完全に乾くまで放置します。
少しでもシンナー分が表面に残っていると、筆との間で毛管現象をおこし、
不要なところにまで塗料が広がるからです。
また、シンナーが乾いた跡が、白っぽい境目に見えることがあります。
それはシンナー分が多すぎ、飽和したっこと。
その時にはあわてずに、ちょっとだけシンナーを吸わせたティッシュでぬぐいましょう。
適量なら、乾いた跡は残りませんから。

失敗をおそれず練習あるのみ!




その2:調色する


希望する色が塗料にあればいいのですけど。なかなかいい色合いの塗料がない場合。
混ぜて色を作りましょう。これを調色といいます。


肌で影になる部分の色を調色します。
フラットフレッシュ(肌色)に赤を微量。影の部分なのでフラットベース(つや消し剤)も。
金属のお皿は模型用の塗料皿。お皿ならなんでもいいのですけどね。
紙製のパレットなどもありますが。できればこういう小型のお皿の方が便利です。

混ぜ合わせてみたら、一回試しに塗ってみましょう。
腕の接合部など、後で見えなくなるところがいいですね。
赤が多すぎたり、足りなかったりすることもあるでしょう。
希望の色が出るまで混合比を替えてみましょう。


おKになったら、写真のように指の間、肩胛骨周り、耳の中等、
影になる部分に塗っていきます。左の写真がその状態。

スカート同様に、シンナーを含ませた筆で余分な場所から塗料を落とします。
左右の写真を比べれば、どこを落としたか分かるでしょう。

今回、足には影をつけないので、この3パーツを塗れば、もう調色した暗い肌色は不要です。
でも、万一の塗り直しに備えて、調合した色はしばらく保管しておきましょう。
大量に作ったのならビンに入れますが、少量なら塗料皿のまま保管します。
保管といっても、このフィギュアの塗装全部が終了するまであればいいのです。



まずシンナーを足し、乾きにくくしておきます。
スポイトで垂らし、表面がカバーできれば十分。

ラップでくるめば数日は持ちます。
小分けして保管できる小さな皿が便利です。

これでも乾いちゃったらシンナーで溶かして復帰させますが、その場合薄くなり過ぎちゃうかも。
しばらく放置してシンナー分を飛ばす必要が出てきます。
でも、これは結構大変。放置しすぎるとまたシンナーで溶かさねばならず、いたちごっこ・・・

なるべく短期間で作業を終えるように、手順を考えておくといいです。


調色のコツ

混合比を考える時、明暗を考慮しましょう。
もちろん暗い色の方が少量で影響力が大きいからですね。
少しでも黒っぽい色が入ると、がらり色合いが変わります。
そのため、一番明るい(薄い)色を主色とし、
そこに暗い(濃い)色を「少ないかな?」という量でちょとずつ入れて様子を見ましょう。
暗い色に明るい色を混ぜていくと、色が出来た時にはとんでもない大量になってますヨ;;

彩度に注意しましょう。
明るさとは別に、色に濁りがあるかどうかですね。
グレーが少しでも混ざると、もうビビッドな色は期待できません。
逆に言えば、グレーを混ぜることで渋めの色調にできます。
特にパステル調の色には濁りは禁物です。

三原色を常に頭に入れて調色しましょう。
黄、赤、青。これが全部混ざると濁った色になりやすいです。
たとえばオレンジ(黄+赤)に緑(黄+青)を混ぜた場合。
青が強い緑だと、暗系に傾くわけです。黄+赤+青と揃っちゃうからですね。
だったら、緑ではなく、最初っから少量の青、それも鮮やかな青を混ぜ、
濁りを確認しつつ調合しちゃえば入れすぎを押さえられます。
三原色を念頭に置き、入れる色を決めましょう。

特にアニメキャラの影色を作る場合、アニメの色を参考にしましょう。
白の影が青系なのか、灰色系なのか。場合によっては紫系かも。
TVのいわゆる動画よりも、アニメ雑誌の表紙など、
アップの詳細画をよく見ておきましょう。参考になります。

調合したら、できれば一回塗って乾燥させましょう。
乾燥後、色合いが異なる色があります。それを防ぐには
一回塗ってみて、乾燥後の色を見てみましょう。
特につや消し剤を混ぜて光沢を調整する場合、これは必須です。

つや消し剤は入れすぎに注意しましょう。
つやを消すということは簡単に言うと塗料に不純物を混ぜ、
塗装面に微妙な凹凸を付け、乱反射させて光沢を消しています。
これが多すぎると、飽和状態になり、時間が経ってから結晶化してしまいます。
ビンの注意書きをよく読んで調整しましょう。




その3:ぼかす


今度は髪の毛。
これは是非ぼかしを入れてみましょう。
基本的には「ぬぐいおとす」ですが、凹部のみに残したスカートと違い、
凸部にもぼかしながら残し、グラデーションを入れる方法です。


まず調色。今回はオレンジに少量のレッドブラウン、そしてつや消し剤です。
さらにぼかし塗りしやすくするために少量のシンナーも入れました。
オレンジは光沢色なので、つや消し剤は多めに入れてあるんですが、
シンナー入れた時、他色の上にオレンジがあふれ、少量に見えます;
30%くらいはつや消し剤入ってますよ、本当は。



スカートはくっきりとモールド(彫刻)が入っていたので、
完全乾燥させてからぬぐい処理をしました。
でも、髪の毛はモールド自体が薄く、微妙なので、やり方を変えましょう。

完全乾燥ではなく、塗ってまだ半乾きの状態で不要部分を落としています。
写真の様にまだ光沢が残っている時に、です。
つや消し剤が入っているので、乾くとつやが消えます。その前に処理しちゃいましょう。

完全に乾燥させていないのは、調色した茶色をぼかしながら広げるため。
スカートの時、凹部分をぼかしましたが、あれと同じ事を広範囲に行うためです。
完全にぬぐうのではなく、なじませる。
スカートよりは大変ですが、是非挑戦を。
これができれば、グラデーションが作れますから。

このパーツ形状なら拭うには筆より綿棒が便利。
シンナーをちょっとだけ吸わせた綿棒でそっとぬぐっていきましょう。

やってみて、もし失敗しちゃたら、シンナーで落とし、再挑戦しましょう。
このパーツも再挑戦しやすいので、練習台にお勧め!



こんな感じになりました。
茶を薄く伸ばしたので、髪の毛の下半分が「やわらか」に見えます。
まぁ写真じゃトーンが飛んでわかりずらいですが・・・

これが乾燥したら、ヘッドセットに黒線を入れましょう。
ガンダムマーカースミ入れペン・ブラックが簡単。
左のは入れた状態。右が商品のままですね。





その4:色を留める


シンナーでぬぐうのは便利ですが。致命的欠点も。
二色以上で塗装する場合、シンナーで前に塗った色まで落ちゃうんですね;;
そこで、一色塗りおえたら、一回色を固定しましょう。
それに便利なのは水性アクリル塗料のクリアー系。
エナメルシンナーは水性塗料を侵しません。
なので、水性塗料の皮膜で、先に塗った色を守れるのです。
前回も説明しましたが、無色透明なバリアーを作るって感じですね。


まずブラウス用に白の影になる色を用意します。

今回は制服の色味に合わせるべく、ライトブルーを白に混ぜました。



調色出来たら、影や境目に塗っていきます。
白の陰影は微妙なので、写真じゃわかりずらいですが・・・。




右の緑部分に塗ってます。



襟周りや袖の内側にも。

塗りおえたら、シンナーで不要部分をぬぐい、完全に乾燥させます。

で、乾いたら水性つや消しクリアーを白部分全体に塗り、色を固定しましょう。

ここはツヤのない部分なので、左のつや消しクリアーを塗りました。
これやっちゃうと、もう白部分の影はやりなおせません。
よし、OK、となるまで十分に確認しておきましょう。



次はジャンパースカート部分。
ここで一番問題なのは、上半身下端。塗装が回っていません。
しかも屈んだポーズなので、赤丸内の白がめっさ目立ちます。
これも影色でつぶしちゃいましょう。



赤矢印部分も塗りつぶしながら影色(今回はミディアムブルー)を入れます。
もちろんモールド(彫刻)にもしっかりと。
ブラウスとの段差で影になる周囲も塗りましょう。
乾いたら、赤矢印部分を消さないように注意しつつ、シンナーで不要部分をぬぐいます。




前面も同様に進めます。

この上にはもう塗装しないので、ジャンパースカート部分に水性クリアー系を塗る必要はないです。
ただし、全体に塗っておくと、色が馴染むという利点もあるので、
筆塗りになれたら試してみましょう。
あ、その場合、スカートにも塗らないと、ツヤが上半身・下半身で変わっちゃうので注意。



今度はスカートの前面です。
ここは「ぬぐう」「ぼかす」「色を留める」の三作業を全部使います。
まぁ、それで前面だけそのままだったわけですな。

まずはベルト周りを先に塗ってしまいましょう。
色は背面と同じミディアムブルーです。


ここはぼかして軽い陰影にしておきます。
乾いたら一回水性アクリルのつや消しクリアーで色を固定。
次の作業で使うシンナーで落ちないようにします。


背面同様、影部分にミディアムブルーを塗ります。
ただ、背面と違い、しわがあるのでそこにも入れていきます。
ポーズの都合、ここがかなり暗くなるので、しっかりと。
ついでにスカートの中もミディアムブルーで塗っておきましょう。


全体をぼかせばおK。
ここも塗り直ししやすいので、あれ?
と思ったらどんどんやり直しましょう。




その5:マスキング


不要部分をカバー(マスク)することで、必要部分にのみ、色をつけることですね。
詳細は中級編の「マスキング」をご覧ください。委員長のヤツね。

塗る場所はソックスの上端付近。アスカのにはここに赤線があります。
これはTV版でも「破」でもあるのですけど。
多分壁の向こう側で前からは見えないので、メーカー塗装、省略されちゃったのでしょう。
しかし、すっごく気になるので、赤線を塗りました。



直線構成なのでマスキングテープが一番!
まずは不要部分をカバーして、赤が乗る場所だけ覗くようにします。


エナメル塗りの基本、ちょんちょん乗せ。
塗料を少量ずつ定間隔で乗せておきます。
エナメルは乾燥が遅いので、こんな作業してても大丈夫。


平筆で、一気に塗ります。この時にちょん乗せした部分で塗料の補給をしながら、
いっぺんにつなげてしまいましょう。
この作業では、筆は寝かせた方がいいです。
おしつけすぎないように、ちょん乗せした塗料をのばす感じでつなげていきましょう。


はい、片足完成。それを真似てもう一方も塗ります・・・・
って、あれ? なんか靴の茶色、メーカー塗装はみ出してるな・・・


つや消し白で修正しておきました。
こういうのに気が付いたら、筆塗りで修正しておきましょう。
タッチアップといいますが、エアブラシ塗装でも必須の技術です。
ま、技術なんていうほどでもないほど簡単なので、
細かい筆塗りの練習のつもりでやっておきましょう。

留め金もメタリックグレイで塗っておきます。
さらに、靴底との境目、ここにも線を入れましょう。
ここはガンダムマーカースミ入れペン・ブラックで、おK。
左足がそこまで終わった状態の靴。右足の方はこれからですね。




その6:細部塗装


今度は顔に色を足しましょう。


まず白目の上部に灰色を塗ります。
ここでは明灰白色を使いました。
これくらいアップにしないと分かりませんが・・・
やっておくと、白目がおちつきます。



次に口の周囲。レッドブラウンにシンナーを足して、流れやすい状態にします。



口内の周囲に塗った状態です。口の右下、はみだしちゃってますね。
乾燥したら、このはみ出し部分をぬぐい、舌の中央の茶色を減らします。
この作業で、顔に立体感がかな〜り付ききまヨ。二つ上の写真と見比べると分ります。
簡単な作業なので、口を開いているフィギュアなら是非やっておきましょう。
その時には茶色、オレンジ、ピンク等、舌の色に合わせて塗ります。



ついでリボン。これは簡単にガンダムマーカースミ入れペンでできます。
ただ、これだとマーカーにツヤがあるので、消しておきましょう。




その7:ベース


あ〜すみません。今回のお題にそった方法がうまくみつからず・・・。
いつもならプラ板で組み直しちゃうんですけど。
それだとフルスクラッチってことになり、お題から大分離れちゃう。

結局、パソコンでシールを作り貼ることに。
ベースの各面をスキャナーでMacに取り込み、フォトショップで一枚にし、
接合面をごまかしてから、シール用紙に印刷、貼り付けました。

この時、壁の2パーツを瞬間接着剤でつなげるだけでなく、
2パーツの接合面を紙やすりでけずっておきましょう。
段差があると、紙をはったくらいでは段差消えませんから。

ついでに同じデータを切り取って、床も前面だけ作っておきました。
壁の背面もシールで塞いでしまうといいのですけど、
なんかこの「舞台裏感」がドリフっぽいので、ついそのままにw



はい、完成!




壁とっちゃうとこんなです。
スカート前面はこうしないと見えません;




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