DG ベムラー

今回のお題はベムラー。ウルトラマン第一話に登場、つまり栄えあるウルトラ怪獣「第一号」(まぁ、正確には先にウルトラQ連中がいますが・・・)。
なんですが。あまりメジャーじゃないですなぁ。色も造形も地味だったんですかねぇ。もっと色増やして、ついでに頭にアンテナでも生やせば目立ったはず・・・って、それは別物かw
しかしながらこいつ、よく見ると印象深い怪獣なんですよ。腕とか顔とか。でもいまいちマイナーなままですなぁ。

さて、今回のDGベムラー、最初に見た時、某ネクロマンサー渡部ちゃんと一緒でした。

私「・・・地味・・・」
渡部「分かって無いなぁ、そこがいいんじゃないか!」
私「こっちのバルタンに比べちゃうとさみしすぎだろ、それ・・・」
渡部「ベムラーに失礼な! よく見てから言いなさい」
手渡されてじっくり見ると・・・
私「うぉ、この造形、すごい! なにこの腹! すげぇ、とんでもない造り込み!」
渡部「だろ?」
私「でも塗りはさみしい」
渡部「うん・・・ 色味が全然足りてない・・・」
私「顔はいいけどね。目がくりっとしててかわいい」
渡部「でも、目の周囲がさみしいでしょ? ベムラーはロンパリじゃないと」
私「おぉ、それは同意」

ってことで、ベムラー・ロンパリ説確定w
その後で皮膚感を出すにはどうするか、どの色で塗るか等、力説してましたが。彼の意気込みはそのまま某誌の記事になだれ込んだようですな。まぁ、彼の塗り方は写真じゃイマイチ伝わりきらないんですけど。実物の展示もするそうなので、機会があればじっくり見てください。写真じゃ分からない微妙な色変化が肉眼でなら見えますから。その際には是非ルーペ持参でよろ。



目標:ウォッシュ&ドライブラシ


ってことで。今回はそのさみしい塗装を何とかしようというのがお題。
ブレンディングとスポッティングでのリアル化は
既に渡部ちゃんが模型誌で作例発表しちゃってるので、
ここでは手軽にワンランクアップ、ってのを。
ウォッシュでの影、ドライブラシでの明、
って表現です。
ドライブラシの基礎はレッドキングのページでよろしく。
ここではウォッシュの説明を主にしておきます。





ベムラーの色は?



ベムラーの体色は黄と茶。
ですが、青緑色という説が定着してました。
私自身も緑色という印象ありましたよ。
ま、あの頃うちのTVは白黒だったので、
怪獣の色は誌面の影響大きいんですよね。
当時は大抵緑で描いてましたから、ベムラー。

でも、本当は茶色で、撮影の時に
周囲の緑が反射してたとか、水面が反射してたとか、
諸説ありましたけど。

「深さを出すためにプールに顔料が流してあったわけですよ。
で、水から出現するシーンでそれがこびりつき、
緑に見えたらしいです。
なので着ぐるみ本来の色じゃないんですよ」
by バンダイベンダー

だそうで。多分これが正解っぽい。つまり・・・


もともとは茶色


顔料入りの水から、ざざ〜〜〜っと出現!


緑をかぶる事に



撮影用ライトで水が乾き、顔料が白けてこびりつく


青白いカビ状態


ということらしいです。

なので、茶でも緑でもOKっぽい。
要はどのシーンか、だと思うんですよね。
怪獣図鑑や宇宙重犯罪者一覧(笑)の写真って感じなら茶系のみ。
同じく、実在するとして塗装する時も茶系のみですね。
なにしろ、本物の水面には顔料混じってませんからw
一方、TV画面での登場シーン重視なら青緑多め。
さらにウルトラマンととっくみあいしてる時には少な目で、
代わりに土汚れを多く。

そんな感じだと思います。

で、茶色の、つまり普通のベムラーのVer.違いって感じで、
今回は水面から出たばかりの青緑Ver.で塗ってみます。




ウォッシュ

洗い流す=ウォッシュ


塗料を塗りながら、洗い流していく。なのでウォッシュ。
ウオッシングとはその技法での総称です。

薄く溶いた塗料だと、流れて自然に窪みに貯まるわけで。
それを利用して凹凸に陰影を加えるということ。
ちゃぷちゃぷに薄めた塗料を流す方法と、後でシンナー
(水性塗料なら水)で流しちゃう方法があります。

その用途はスケールやアイテムでいろいろですが。
大別するとこんな感じ。




ウォッシュによるスミ入れ


全体に暗部色をウォッシュ。その後でシンナーを付けた布や綿棒で凸部
についた暗部色をぬぐい取り、凹部のみに残す。
技法だけウォッシングで、目的はスミ入れということ。
メカ物に多用される。
簡単なので、ウォッシュの技法云々よりも、
塗るウォッシュ色で悩む人が多いだろう。



ウォッシュによる明暗表現


全体に暗部色をウォッシュしながら、凸部からはぬぐい去っていく。
塗りと洗い流しを同時に行う事が多い。
DGではウルトラマンやレッドキングに使用されているのがこれ。
凹凸感アップよりも、自然な陰影を目的とする、布や髪等に多用される。
また、ドライブラシ色と地色など、二色の境目を目立たなくさせるために
中間の色をウォッシュする等、トーンダウンにも使われる。
どの程度、元の地色を残すかで、トーンダウンの効果を調節するので、
簡単なようで奥が深い。



ウォッシュによるグレージング


グレージングとは濁りのないクリアー色を塗り重ね、深みを出す塗装方法。
繰り返し行うことで、色に深みが出ることから、
展示用の食品サンプル、リンゴの光沢感などでも使用されている。
半球体など、中央が出っ張り、周辺が窪んでいる形状だと
ウォッシュで濃淡を出すことが可能。
とにかく目立つため、特にファンタジーフィギュアの宝石や
竜の瞳などの表現に多用される。
図右の様に、反射表現を追加するとより効果的。
なお、グレーズとはグラス=ガラスの意。この場合クリアー色のこと。




ウォッシュによる重ね塗り


基本色自体を一段明るくしておき、全体にウォッシュを流し込む。
凸部だけぬぐい去る等は基本的にせず、流した陰影のまま残すことが多い。
陰を付けるというよりも、一色での明暗を出す効果。
例えば赤なら、黄+赤ウォッシュと、ピンク+赤ウオッシュでは、
同じウォッシュ色を使ってもかなり差が出る。
それを利用して布や顔などの陰影を調節する。
また、明るい銀を基本色とし、そこに黒鉄色を流すことで、
銃身や甲冑の「重い金属感」を出すなど、
ミニサイズフィギュアでは基本的な塗装方法。


重ねぬ塗りの例。これはラルパーサ社のローラナ(絶版)。
25ミリサイズなので、台座から剣先まで含めて約3センチ。
(ガシャポンよりかなり小さい)。
左が基本色だけ。右はウォッシュを行い、完成させたもの。

ウォッシュ色は模型用塗料ではなく、
ロットリングなどのカラーインクを使う人が多かったため、
インクウォッシュとも呼ばれる。
後に、メタルフィギュアジャンルではGW社がシタデルブランドで、
ウォッシュ専用塗料等も発売し、大々的にこの技法を宣伝したことから、
「シタデル塗り」とも呼ばれる。


と、まぁ、大まかにはこんな種別です。

さて、では実際にベムラーの色味を足していきましょう。





ウォッシュ開始


今回はウォッシュで暗部を、ドライブラシで明部を追加します。
ウオッシュだけだと全体が暗くなり、ドライブラシだけだと明るくなるので、
両方で大体同じトーンに戻ります。

使用色は基本的にウォッシュ=水性塗料、
ドライブラシ=エナメル塗料です。


使用色。スモーク(スモークグレー)多め。レッドブラウン少々、
そしてつや消し剤(フラットベース)を飽和寸前まで。
これでツヤの消えた、クリアー系のこげ茶完成。
これを全体に塗る・・・のではなく、影部分のみに塗っていきます。



まずは頭頂部に。
今回、ウォッシュは部分的に行っていきますが、
重力で垂れ下がって陰影がつくため、
まずは上からです。
二本とさかの根本など、暗くしたい部分を重点的に。
頭頂部一面、同様に暗くしちゃうと妙なことになりますよ。
眉毛というかとさかというか、
V字に伸びるひれの根本を主に。
根本を暗くするだけで、かなりひれの鋭利感出ます。
実物はもっとトゲトゲしてますからねぇ。



上半身のパーツまで塗れたところ。
塗料がまだ乾燥していないので、光っています。
背中の突起なども、根本だけ塗っています。

塗る時には立たせた状態で塗ってますが、時々影部分にも光を当てて、
ちゃんと塗料が乗っているか確認します。
もし溜まっちゃってるなら、すぐに吸い取らないといけませんし。



影色を流したことでかなり暗くなったのが分かるでしょうか?



頭頂部の形状が浮き上がって見えると思います。
この付近はそろそろ乾きだしていますね。お腹はまだまだです。
お腹や膝で白く光ってるのは塗料ではなく、商品のままの光沢。
この辺には凹ラインにしかウォッシュ入っていません。
ウォッシュによるスミ入れ状態です。



ウォッシュ終了。乾き待ちの図。
お腹や脚など、部分的にウォッシュしているのが分かりますか?
頭頂部のV字とさか、腹のたるみ部分はもちろんですが、
特に指の間(左手を比較してね)、胸の段差などは
重点的に暗くしてあるのが分かると思います。
流していない、つまり明るい部分はメーカー塗装の茶色のままです。



ウォッシュを入れた頭部のアップ。
鼻の穴、目の上など、重点的に流し込んであります。この辺は、目に塗料がつくとまずいので、
マスキングしておくか、スミ入れのつもりで流しましょう。
(マスキングについてはEVA委員長のページをどぞ)

ウォッシュ色の主成分はスモーク。クリアーの灰色です。
で、そのままだと影に光沢付いちゃうので、
つや消し剤(フラットベース)を入れてあるわけです。
これでウォッシュしたところ、つまり影がつや消しになります。
それだけでも効果はかなりあります。
まぁ、ウォッシュ塗料が乾いてから、全体につや消しスプレーかけちゃっても
いいのですけど、メーカー塗装の両生類感が気に入ったので、
全体のバーニッシュは避ける方向で。
完全なリペイントなら気にしないんですけど。

影部分が完全に乾いてから明部分に入ります。
なのでここでじっくり乾燥させましょう。足の裏とか、パーツの接合部などもね。





ドライブラシ開始


え〜、これから明部をドライブラシするわけですが。
まず最初の作業はなくってもいいです。
というか、これをするか否か、やるとしてもどの程度までかは
人によってかなり変わるからです。

というのも、まずやるのは「青緑塗り」。



ドライブラシ1:青緑


今回は緑Ver.ということで。
背中や肩を重点的に色を乗せることにしました。

色はエナメルのパークグリーンとスカイブルー。
両方とも、少しだけつや消し剤(フラットベース)を
自分で加えてある半光沢状態のを。
なので、買ってきた色のままなら、20%くらいつや消し剤を
入れましょう。


で、この二色を混ぜるんですが。
かき混ぜる程度で止めました。
ウルトラQのタイトルみたいな渦巻き状態。
どこを筆につけるかで、青味を強くしたり、緑味を強くしたりの
調整ができるからです。で、混ざった部分で中間を塗る、ってわけ。
私は戦車のウェザリングとかも、よくこのやり方してます。
土埃&砂埃とかね。



こんな感じで乗せていきます。
あくまでも部分的に。




繰り返しますが、青緑入れはやる必要はないので、
右の茶色のままでももちろんOK。
あなたのイメージ次第で。



ドライブラシ2:デザートイエロー


全体の明部にデザートイエローをドライブラシ。
ここ、何色使うかが悩むところで。
考えた結果、これに。

ただ、この色はかなり暗いです。
実はドライブラシも明暗二色行いますので。



ドライブラシは通常どおりに行います。
ただし、光の方向に注意して作業しましょう。
特にスーツのたるみ表現があるお腹。
ここ、全体の凸部をドライブラシしすぎると、
「菱形がプリントしてある平坦な布」
になっちゃいます;;



終わったら、次は明色。
これはツヤのある白に、暗色のつや消しデザートイエローを2:1くらいで。
この色はハイライトの中のハイライト、ハイエストにのみ、ちょこ〜〜〜〜と乗せます。

モールドの凸部全体に塗るのではなく、先端のみを。
さらに、連続してつなげずに、暗色(デザートイエローそのまま)と
交互になるように塗りました。

ただし、かなり黄色みの強い足の甲などは結構しっかりドライブラシしています。
ここだけはウロコのない皮膚感強いですねぇ、ベムラー。
同じく、爪もこの色が主。根本だけデザートイエローを残してます。


なお、この黄色の部分。
なんかDVDパッケとかよく見ると金色っぽいですね、実物。
おそらく着ぐるみ全体は金系で塗ってあり、その上に茶が乗っているようです。
で、撮影中にどんどん剥げていって、足や手、ウロコの先端などに
下地の金が出ている感じ。

ただ、これそのまま再現しますと、ガシャポンサイズだと派手になりすぎるような・・・。
なので今回はおとなしく、こういう塗りにしました。



口のウォッシュ処理


目は商品のまま。で、お口はメーカー塗装を生かす方法で。
レッドキングの時に書いた、レッドブラウンを流すやり方です。

まずメーカー塗装をしっかりと修正。赤と白、欠けてるところや、はみ出しを修正します。
そこは水性塗料か油性アクリルを使いましょう。


乾いたら、エナメルのレッドブラウンにつや消し剤を入れ、
シンナーでちゃぷちゃぷに薄めます。
で、それを赤部分全体に流します。
体色と赤との境目もこの茶でぼかす感じにするといいでしょう。
写真上がその状態。歯も塗っちゃいます。

乾燥する前に乾いた筆で歯についた茶をおとしていきます。
この時、歯の裏や根本に茶が残るように。
ついでに舌の凸部だけ茶をぬぐっておき、
周囲に茶を残しておきました。

乾いたらお好みで口内にクリアーを入れたり、肉食怪獣なら
クリアーレッドで血の表現もできます。
まぁ、普通はぬめぬめ感出すために、クリアー塗るだけですけどねw



頭部のアップ。





はい完成



ん〜、このベムラー、かなりダブるんですよね、フルコンプ狙うと。
なので、上半身水面から出てるとか、ウルトラマンとの対戦シーンとか、
いろいろ遊べます。
今度茶色いのも塗ってみるかなぁ。
その時のは基本色・黄色(ひょっとすると金色)を油性アクリルで。
茶をエナメルで塗ってからはがれ処理。
なんか、戦車の冬季迷彩(白く塗りたくるやつね)っぽくすると面白そう。




ちなみに。いつも思うんですけど。
ベムラー、顔といい退化したみたいな腕といい、足の甲といい・・・
なんかガラモン思い出す・・・。
特に後ろから見ると・・・。
この子、赤く塗って風船みたいにふくらませると、ガラモンwww


 バンダイベンダー事業部 ガシャポン・DGシリーズ
 DG ウルトラマン1使用
 2009年9月発売