ここまで読んでくれた皆さんは、そうとう木製フィールドカメラに興味を示してきたのではないかと思います。では、どのようなカメラがオススメでしょうか? 極端な話をすると、どれでもあまり変わらないと言えます。それはどのカメラも撮影に必要な機能が備わっているからです。
しかし、私のイチオシは何と言っても小型軽量でレンズを入れたままでも畳むことができるハンザフィールド69です。これは単に自分が使っているからなのですが、バランスもよく本当によくできたカメラです。近江屋写真用品さんから発売されていたカメラなのですが、残念なことに現在は製造されていません。中古で探すことになると思います。
●ハンザフィールド69
このカメラはI型からIII型まで存在した。I型は6×9木製暗箱で最小の大きさで、畳んだときの大きさが132×116×67mmと、非常にコンパクト。カメラバックが固定の為、縦位置撮影ではカメラを90度回転させる必要がある。II型はカメラバック交換式に変更され、縦位置横位置切り替えが可能になったほか、4×5用のアダプターも用意されており、大判カメラとしても利用が可能だった。III型は蛇腹を改善し、47mm等の超広角レンズでのアオリが可能になっている。
なお、I型はレンズボードの大きさが60×70mm、II型、III型は62×72mmとちょっと特殊。現在、III型の物は若干在庫があるそうだが、II型、I型は絶望的。ただし、単なる板に穴が空いている物なので板金屋さんに注文すえば簡単に作ってくれる。
・アオリ機構
レンズ部:ライズ16ミリ
フォール12.5ミリ
シフト左右各13.8ミリ
スイング左右各10度
ティルト前9度後19度
バック部:スイング左右各5度
ティルト前随意/後19度
発売当時の価格:I型/89000円 II型/105000円 III型/115000円
●ナガオカ ウッディ69FI型
木製暗箱専門のカメラメーカー、長岡製作所の6×9タイプの組み立て暗箱。私はここの4×5タイプのカメラを使用しているが、作りもしっかりしていて扱いやすい。レンズボードは8×8cmのホースマンタイプの物が使用可能。なお、ノーマルで利用できるレンズは65mmクラスとなるが、注文生産の場合、あらかじめ伝えておけば、47mmから利用可能なように改造を行なってくれる。収納時のサイズは160×110×80mm。
・アオリ機構
レンズ部:ライズ35ミリ
フォール35ミリ
シフト---
スイング左右各10度
ティルト前後10度
バック部:スイング---
ティルト前20度/後10度
価格:98000円
●フォトックス オールムーブ6789
ユニークな6×9サイズの暗箱を販売しているフォトックス。なかでもこのオールムーブ6789は、若干大きめのサイズ(180×155×70mm)だが、アオリに関する可動部が多く、また、レンズボードも一般的なリンホフ・テヒニカボードが利用できるなど、汎用性も高い。また、このカメラは長岡が制作、販売はフォトックスとなっている。使用できるレンズは58ミリからとなっており、最長でテレタイプの400mmが利用できる。なお、フォトックスにはこれより小さなサイズで、専用レンズボード、アオリ機能が若干省略された6789や、テヒニカボードを使用し、47mmの利用も可能なワイド専用のワイドL6789等も販売されている。
・アオリ機構(オールムーブ6789)
レンズ部:ライズ35ミリ
フォール35ミリ
シフト左右各15ミリ
スイング左右各10度
ティルト前後20度
バック部:スイング左右12度
ティルト前20度/後10度
価格:169500円
なお、この他にもエボニー、タチハラ、ウィスタといった大型カメラメーカーがあり、これらは4×5以上の木製フィールドカメラを制作している。また、アオリ機構だが、よほど特殊な撮影を行なわないかぎりは上記の3機種で十分といえます。新品での入手のしやすさはナガオカかフォトックスでしょう。フォトックスの現物は新橋駅前のウツキカメラさんにあります。
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