超低タールでもリスク変わらず
肺がん死亡率、普通たばこと同じ 米がん協会調査
低タールや超低タールのたばこの喫煙者が肺がんで死亡するリスクは、普通のたばこの喫煙者とほとんど変わらないことが、約22万人を対象とした米がん協会などの調査で分かった。タール含有量の少ないたばこに切り替えても、吸う本数が増えたり、煙を吸い込む量が多くなるためという。同様の研究成果はこれまでもあったが、長期・大規模な疫学調査の結果は初めて。論文は10日付の英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに発表される。
調査は米国内で行われ、1982年の時点で喫煙常習者だった30歳以上の男性約10万900人、女性約12万4300人が対象。6年後の88年までに肺がんで死亡した確率を、普通のたばこ(1本当たりのタール分15−21ミリグラム)の喫煙者を1として比較した。
その結果、低タールたばこ(同8−14ミリグラム)喫煙者の男性は1.02、女性は0.95、超低タールたばこ(同7ミリグラム以下)喫煙者の男性は1.17、女性は0.98となり、大差なかった。
一方、フィルターなしでタール分が22ミリグラム以上のたばこの喫煙者は、男性が1.44、女性が1.64と、リスクが明らかに上昇した。
ただ、低タールや超低タールのたばこ喫煙者の一部を92年に改めて調査したところ、普通のたばこの喫煙者に比べ、禁煙した割合が高かったという。(中日新聞 2004/01/09)子供がほしければ禁煙を=生殖機能に深刻な影響―英医師会
【ロンドン11日】英医師会は、喫煙はがんや心臓病の危険をもたらすだけでなく、生殖機能を損なう原因にもなり、喫煙女性の妊娠率は40%も低下するとの報告書をまとめた。
報告書は、30歳から50歳までの英国人男性12万人が喫煙のため、性的不能に陥っているとの推計を示した。また、約1200人の喫煙女性が毎年、子宮頸がんを患っているほか、喫煙と受動喫煙の影響で、年3000−5000人が流産していると指摘。妊娠中に喫煙した女性が未熟児を出産する確率は非喫煙者の3倍にも達し、流産や死産、奇形の危険性も高いと警告している。
医師会の1人は「男女ともいずれ子供がほしいと思うなら、たばこをしまうべきだ」と主張。さらに、「性生活を楽しみ続けたいと考えている男性は、たばこに火をつけることを忘れた方がよい。喫煙が男性の性的不能の主要な原因であるとの明確な証拠がある」と語った。
一方、子供への影響も深刻で、5歳未満の幼児1万7000人以上が毎年、受動喫煙のために入院しているという。
報告書は、(1)職場で受動喫煙の被害を受けないことを保証されない女性には、妊娠中、自宅で仕事をすることを認める(2)マスコミは喫煙をかっこいい行為と扱わない(3)公共の場所のうち、密閉されたところは禁煙とする−などの措置を求めている。〔AFP=時事〕(時事通信 2004/02/12)「減煙」でがん予防、期待薄
米ミネソタ大まとめ…「効果得るなら禁煙を」
たばこの本数を減らしても肺がんの危険が比例して減るわけではないことを、米ミネソタ大がんセンターの研究者がまとめ、米国立がんセンター誌に掲載された。効果的な肺がんの予防のためには、減煙ではなく、きっぱり禁煙するしかなさそうだ。
1日平均23.7本吸う喫煙者92人に対し、ニコチンパッチの助けを得て、たばこの本数を最初の2週間は25%、次の2週間で50%、それ以降は最低75%減らし、たばこに含まれる発がん物質特有の代謝物の尿中量を測定した。
喫煙本数が4週から12週にかけ55〜90%減った人では、代謝物は27〜51%減少。また、12週目で90%減った人でも46%の減少だった。
研究をまとめたスティーブン・ヘクト博士は、「たばこの本数を減らしても、喫煙者は、たばこの煙をより深く、長く吸い込むことになる。本数を減らしてもそれに見合った効果は得られない」と結論している。(読売新聞 2004/02/17)たばこ吸う人、ぼけやすい?=非喫煙者の5倍早く進行−欧州調査
65歳以上の喫煙者は、たばこを一度も吸ったことがない非喫煙者に比べ、認知機能の低下が平均5倍以上も早く進行することが、オランダ・エラスムス大学医療センターなどが欧州で行った大規模調査で分かった。研究成果は23日付の米神経学会誌ニューロロジーに発表された。(時事通信 2004/03/23)23億円賠償を差し戻し タバコ訴訟で加州高裁
【ロサンゼルス7日共同】喫煙のため肺がんで死亡したのはたばこ会社の責任だとして遺族が賠償を求めた訴訟で、カリフォルニア州のサンフランシスコ高裁は7日、約2200万ドル(約23億2000万円)の支払いを会社側に命じた州地裁の判決について「(評決では)陪審員が会社への免責措置について十分な情報を与えられていなかった」として差し戻した。
原告は肺がんで死亡したロサンゼルス近郊の女性=当時(40)=の夫らで、米フィリップ・モリスとRJレイノルズの2社を提訴、地裁は2000年3月、会社側の責任を認め賠償を命じた。
原告側弁護士によると、同州には健康被害に対するたばこ会社の責任を追及できないとする州法が1988年から98年の間存在した。しかし、地裁の陪審員らは評決に当たり、この法律について十分な説明を受けていなかったという。
会社免責の州法は、たばこによる健康被害は一般常識だとの主張に基づき制定されたが、その後たばこ会社が被害可能性の十分なデータを公開していないなどの指摘が出て、免責対象から除外された。(共同通信 2004/04/08)「ライト」は健康被害が軽いから? だまされたと訴訟
原告の喫煙家が勝てば賠償金3700億円の可能性も
【ニューヨーク8日共同】ロイター通信は8日、米ワシントン州の喫煙家2人が、「ライト」と名の付くたばこを販売し普通のたばこより健康被害が軽いと思わせたとして、米たばこ・食品大手アルトリア傘下のフィリップ・モリスUSAと、RJレイノルズの両社に対する損害賠償請求訴訟を米ワシントン州の裁判所に起こしたと伝えた。
同訴訟が集団訴訟に発展し、原告が勝訴した場合、両社は約35億ドル(約3700億円)の賠償金支払いを迫られる可能性がある。
イリノイ州であった同様の訴訟でフィリップ・モリスは昨年3月、101億ドルの損害賠償金支払いを命じられ、同社は控訴している。(共同通信 2004/04/09)子供時代に虐待された女性はスモーカーになる確率高くなる
【パリ14日】子供時代に肉体的、性的な虐待を受けた女性が将来スモーカーになる確率は、虐待されなかった女性より大幅に高くなるとの研究結果が14日発行の米国の専門誌「疫学・共同体保健ジャーナル」最新号に掲載された。同研究では労働者階級の家庭の貧困と宗教も虐待のリスク要因に含められている。
この傾向はハーバード大学が重症の鬱病と閉経に関して36歳から45歳までの女性722人を対象にした調査から判明した。これによれば、11歳になるまでに肉体的、性的虐待を被った女性が将来たばこを吸うようになる確率は他の女性の3.5倍高かった。研究に参加した科学者たちは、虐待された少女が中毒性のある、命にかかわる習慣に手を染める危険が高いことが明確に示されたと述べている。
同研究によると、調査対象者の4人に1人以上が子供時代に虐待を受けていた。大半は肉体的虐待で、3%は性的な虐待も受けていた。6人に1人の女性は子供の時に虐待の不安におびえながら生活したと報告している。〔AFP=時事〕(時事通信 2004/04/15)受動喫煙で動脈硬化の危険度アップ、免疫細胞増を確認
たばこの先端から立ち上る煙(副流煙)や喫煙者のはき出す煙を吸い込む受動喫煙で、血液中の免疫細胞の数が増えることを筑波大社会医学系の谷川武・助教授らが突き止め、14日発行の米国医師会誌に発表した。
リンパ球など免疫細胞は、ウイルスや細菌を殺したり、抗体を作ったりするが、増え過ぎると血管内の炎症を起こし、動脈硬化の危険が高まるとされている。
谷川助教授らは、電力事業所の男性従業員670人の血液中のリンパ球や白血球など免疫細胞の数を調べ、喫煙者(363人)、喫煙経験者(154人)、喫煙歴がなく家族や同僚にヘビースモーカーがいる受動喫煙者(118人)と、非受動喫煙者(35人)に分けて比較した。
その結果、リンパ球数は、非受動喫煙者と比べ、喫煙者が1.7倍、受動喫煙者が1.3倍だった。リンパ球の中で、血管内の炎症と深くかかわるとされる細胞(CD4)は、喫煙者が1.8倍、受動喫煙者が1.3倍で、白血球数は、喫煙者1.2倍、受動喫煙者1.1倍だった。(読売新聞 2004/04/15)たばこがなければ、毎年9万人がん患者減 厚労省研究班
たばこがなかったら、国内で毎年約48万人発生しているがん患者のうち、約9万人はがんにならずにすむはず。厚生労働省の研究班(班長・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部部長)が23日、喫煙とがんについての調査報告と試算結果を発表した。
研究班は、90年から約10年間、岩手、秋田、長野、沖縄など8県に住む40〜69歳の男女約9万人を対象に追跡調査した。
期間中にがんにかかったのは、約5000人。男性で最も多かったのは胃がん(がん患者のうち26.3%)で、次いで肺、結腸、肝臓が続いた。女性では乳がん(同17.7%)、胃、結腸、肺の順に多かった。
喫煙者のがんの発生率は、これまで吸ったことのない人に比べ、男性で1.6倍、女性では1.5倍。禁煙している人のがん発生率も、男性は非喫煙者に比べ1.4倍で、過去の喫煙の影響が見られた。
発生率は、1日の喫煙本数が多くなるほど高くなり、本数が少なくても長期間吸っていれば高くなった。
こうした発生率の差をもとに、日本全体でのがん発生率を計算したところ、男性ではがん全体の29%にあたる約8万人、女性ではがん全体の4%にあたる約8000人がたばこが原因でがんにかかったと推定された。
津金班長は「たばこが原因で死亡した例では肺がんが代表的だが、胃や結腸、肝臓などさまざまな臓器でがんのリスクを高めていることが裏付けられた。禁煙後、たばこの影響がなくなるのは10〜20年後。早めの禁煙を」と話している。(朝日新聞 2004/04/23)米たばこ訴訟が審理再開へ 巨額賠償金が焦点
【ニューヨーク12日共同】米フロリダ州の裁判所は12日、喫煙による健康被害を理由に米大手たばこ会社を相手取った損害賠償請求訴訟について、審理を下級審に差し戻した昨年5月の州控訴裁の決定を取り消し、今年10月に審理を再開すると発表した。
同訴訟では2000年にフロリダ州の巡回裁判所(1審)が、米たばこ最大手アルトリア(旧フィリップ・モリス)など5社に対し1450億ドル(約16兆4000億円))もの米国裁判史上最高額の懲罰的賠償金支払いを命じており、この賠償額の行方が焦点。審理再開の決定を受け、12日の米株式市場ではたばこ銘柄が大幅下落した。
同訴訟は、喫煙のため肺がんなどになったとしてフロリダ州の住民らが起こした。1審は原告側が求めた賠償額をほぼそのまま認める評決を下したが、03年には州の控訴裁が代表訴訟の手続きに問題があったとして、審理を差し戻していた。(共同通信 2004/05/13)受動喫煙で年間4000人が死亡=英医師会の調査
【ロンドン17日】英王立医師協会(RCP)の調査結果によると、英国では受動喫煙で死亡する人が年間4000人を超えており、このためパブ、レストラン、職場での禁煙が望ましいという。他人のタバコの煙を吸って死亡する人の大半は喫煙者の親族で、65歳以下については毎年3600人前後が肺がん、心臓疾患、卒中で死亡している。
またこの調査から、接客業界では年間少なくとも50人が受動喫煙で命を失っていることが判明した。これは、間接的な喫煙が原因で、毎週1人のバーテンダーかウエートレスかクラブ従業員が命を落としていることを意味している。これ以外にも700人が職場での受動喫煙で死亡している。
今回の研究で示された数字は前回調査の4倍に当たる。前回調査では、年間死亡者は1000人前後とされていた。
医師らは、この結果を驚くべきものとし、公共施設と職場を全面的に禁煙すれば、受動喫煙による死亡を防げると主張している。ブラックRCP会長は、「パブ、バー、レストラン、その他公の場所での受動喫煙は、従業員だけでなく国民すべての健康に大きな害を及ぼす」と指摘。「これらの場所で喫煙を禁止すれば、従業員や一般市民の健康が守られるだけでなく、英国内の30万人を超える人々の禁煙を促すことになる」と訴えた。〔AFP=時事〕(時事通信 2004/05/17)肝臓がん再発率、1日たばこ10本で2倍に
治療して肝臓がんの病巣が消えても、1日にたばこを10本以上吸う習慣があると、がん再発の危険性が約2倍に高まることが、北里大医学部の渋谷明隆講師の調査で分かった。
同大病院で1991―2002年に肝臓がん治療を受け、見かけ上がん病巣が消えた131人を追跡調査。再発した73人について、性別、年齢、治療法、生活習慣など様々な角度から分析し、再発を招いた原因を探った。
その結果、毎日10本以上の喫煙習慣がある人が肝臓がんを再発する確率は、そうでない人の1.8倍だった。最も強い関連があったのはC型肝炎ウイルス感染の有無で、感染者の再発率は非感染者の約3倍。肝臓に複数のがん病巣があった場合も、再発率は約2倍だった。それ以外に目立った差のある要因はなかった。
渋谷講師は「3つの再発要因のうち、喫煙だけは自分の努力で解決できる。肝臓がんの治療をした人は、禁煙した方がいい」と話している。(読売新聞 2004/05/17)タバコ訴訟取り下げ棄却 米連邦地裁
【ニューヨーク24日共同】喫煙に伴う健康被害で負担した2800億ドル(約31兆6400億円)に上る財政支出の返還を、米政府がたばこ各社に求めた損害賠償訴訟で、ワシントン連邦地裁は24日、たばこ各社が起こした訴訟取り下げ請求を棄却した。
地裁の決定を受け、米たばこ各社の株価は大きく下落した。
米政府は、喫煙が人体に有害で中毒性を持つことをたばこ会社は1950年代に知りながら、国民を欺いて違法な収益を得ているとして、99年9月にRJレイノルズなどたばこ会社や団体を提訴した。
たばこ各社は、議会がたばこ販売の慣行を改めさせる法律を制定していないにもかかわらず、政府が企業活動を規制する訴訟を起こすことは憲法違反として、提訴の取り下げを求めていた。
連邦地裁は、政府が医療費などの返還を求めることはできないとする一方で、国民を欺いたとして訴訟を起こすことは認められるとの判断を下した。(共同通信 2004/05/25)20年喫煙すれば膀胱がん危険が10倍に
20年間たばこを吸った人は、たばこを吸わない人に比べ膀胱がんにかかる危険が10倍高いという研究結果が出た。
延世(ヨンセ)大学・原州(ウォンジュ)病院の泌尿器科 ソン・ジェマン教授チームは1999年から2003年まで、膀胱がんの診断を受けた152人(平均年齢60歳)を対象に調査した結果、膀胱がん患者全体の約81%(128人)が10年以上の喫煙経歴があるか、現在も喫煙者だったと、25日明らかにした。
この研究結果は大韓泌尿器科学会誌の最新号に掲載された。(朝鮮日報 2004/05/25)日本たばこに米社助言か 英医学誌に報告掲載
【ワシントン28日共同】反たばこ勢力に対抗するため、日本たばこ産業(JT)が米たばこ最大手フィリップ・モリス(現アルトリア)の助言を1980年代から受けていたことや、前身の日本専売公社が論文のデータを操作していた疑惑を指摘する報告が、29日付の英医学誌ランセットに掲載される。
米スタンフォード大の研究者らが過去20年以上にわたるフィリップ・モリスの内部文書などを基にまとめた。
JT広報は「具体的な指摘についてはこれから確認するが、以前から法令に従い誠実な対応をしてきている」とコメントしている。
報告によると、両社の協力関係はJTが発足した80年代半ば以降から強まり、喫煙が健康に与える影響についてJTが見解を発表する際には「事前にフィリップ・モリスの承認を得ることが常態化していた」という。
また、旧専売公社中央研究所(横浜市)は84年、受動喫煙をめぐる英語の論文を専門誌に発表したが、今回見つかった「部外秘」扱いの論文のコピーには、表紙に空気中のニコチン濃度が高く出た2件の測定値を「cut(カット)しました」と書かれていた。報告は「意図的なデータ操作だ」と批判している。
米国のたばこ会社の内部文書はインターネットで検索でき、今回は米ペンシルベニア州立大大学院生の飯田香穂里さんが文書の特定を担当した。(共同通信 2004/05/28)たばこが引き起こす疾病を追加=白血病や白内障もー米軍医総監
【ワシントン27日】カルモナ米軍医総監(写真)は27日、たばこが引き起こす疾病について、40年ぶりに追加リストを公表した。
カルモナ総監は「われわれは既に喫煙が健康に悪いことを知っているが、今回のリポートはそれが一層悪いものであることを示している」とした上で、「この新しい情報によって人々が禁煙に踏み切る動機を強め、若者たちがたばこを吸い始めないよう説得できることを希望している」と述べた。
同総監のリポートは、白血病、白内障、肺炎および、結腸、子宮、腎臓、胃の各部のがんについて、たばこが引き起こす疾病のリストに加えた。
リポートはまた、米国では喫煙のために約44万人が毎年死亡しており、喫煙する男性は平均寿命を13.2年、女性は14.5年縮めているとしている。また、喫煙は毎年1570億ドル(約17兆3000億円)の経済的コストを生み出しており、そのうちわけは、医療コストが750億ドル、生産性の減少が820億ドルという。
リポートはこのほかにも、喫煙が骨を弱くし、糖尿病を悪化させ、手術後の細菌感染を増加させるほか、生殖能力も減少させるなどと指摘した。
さらに、「ライト」「ウルトラライト」などと銘打ったたばこについても「安全なたばこなど存在しない」と切り捨てている。〔AFP=時事〕(時事通信 2004/05/28)室内禁煙で、都市の空気まできれいに
レストランやバーでの喫煙を許している都市よりも、こうした公共施設の室内を全面禁煙にした都市では、空気が劇的に浄化されていることがわかった。ロスウエル・パーク・センター研究所(ニューヨーク州バファロー)から、発表された。
同研究所は、室内全面禁煙を実施している都市として、ニューヨーク、バッファロ−、ロサンゼルスを選び、レストラン、バーなどで部分的に喫煙を認めている都市として、ワシントンDC、ボルチモア、フィラデルフィア、ホボケンを選んで、室内82カ所の空気の汚染状況を調べた。
その結果、空気汚染の程度が全面禁煙の都市では、部分喫煙の都市よりも、何と82%もきれいだった、という。一番室内空気がきれいだった都市はニューヨークで、汚染物質の濃度が、1立方メートル当たり平均25マイクログラムだった。ついで、バッファロー、ロサンゼルスの順だった。
逆に、室内空気が最も汚染されていたのはワシントンDCで、1立方メ−トル当たり汚染物質の濃度は392マイクログラムあった。次いで、ボルチモア、フィラデルフィア、ホボケンの順だったが、その違いはレストランなどで吸っている喫煙者の数、換気扇の設置状況などによることがわかったという。(日経ヘルス 2004/05/28)喫煙の害ほぼ全臓器に 65歳以上でも禁煙に効果
【ワシントン30日共同】米政府は31日の世界禁煙デーを前に、喫煙の健康影響に関する報告書を発表。報告の責任者のカルモナ米医務総監は「喫煙の害は、ほぼすべての臓器に及ぶ」と明快に結論付けた。
報告書は、世界の主要論文の検討を基にまとめられた。肺がん以外にも腎臓がんや白内障など多くの疾患について、喫煙が原因であることが新たに分かってきたと指摘。また「65歳以上で禁煙しても、喫煙に関連した病気で死亡する危険を大幅に減らせる」として、年齢にかかわらず禁煙するよう訴えた。
報告書によると、喫煙との因果関係が最近判明したのは、腎臓がんと白内障に加え胃がん、膵臓(すいぞう)がん、子宮頚(けい)がん、急性骨髄性白血病、肺炎、腹部大動脈瘤(りゅう)、歯周炎の計9疾患。これまで関連が知られていたものと合わせ、喫煙が計36の疾患や異常の原因になっているとした。
一方、前立腺がんや勃起(ぼっき)不全などについては「喫煙との関連を指摘する研究があるが、現段階では因果関係があるとまでは言えない」としている。(共同通信 2004/05/30)たばこ:におい慣れても、非喫煙者はストレス残る
非喫煙者にたばこのにおいをかがせると、においに慣れた後も脳にはストレスがかかり続けることが、杏林大とP&G(神戸市東灘区)の共同研究で分かった。31日は世界禁煙デーだが、研究チームは「服に付いたたばこのにおいが、非喫煙者のストレスの原因になっている可能性もある」と指摘している。
実験は、たばこを吸わない19〜26歳の女性18人を対象にした。たばこの吸い殻1本を入れた試験管と、水を入れた無臭の試験管をそれぞれ30分間続けてかいでもらい、その間の脳波を測定した。
脳がリラックスした時によく出るアルファ波の量は、たばこの吸い殻をかいだ場合は時間の経過とともに減少、30分後に平均で約20%も減った。水の場合は約10%の減少にとどまっており、明らかな差が出た。
杏林大医学部の古賀良彦教授(精神生理学)は「人間のきゅう覚は、強いにおいでも、約10分たつと慣れて気にならなくなる。アルファ波の減少は、慣れた後も脳にストレスが残ることを示している」と話している。【永山悦子】(毎日新聞 2004/05/30)女性喫煙者の肺がん発病リスク、男性とほぼ同じ=専門家
【ワシントン1日ロイター】女性の喫煙者は肺がんにかかりやすいとの認識が一般化しているが、実際の発病リスクは男性とほぼ等しいことが、米国がん学会(ACS)のマイケル・トゥーン博士らの研究で明らかになった。
2日発行される学会誌によると、トゥーン博士とボストン市内の病院の研究者らは、男女8万5000人のデータを分析。喫煙レベルや喫煙歴が似通っている男女を比較した結果、女性の方が肺がんの発病リスクが極度に高いとは結論付けられないことが判明した。
ACSによると、米国内の肺がんによる死者は今年16万440人に上ると予想され、このうち87%はたばこが発病原因とみられている。
米国民の喫煙者比率は23%前後に過ぎず、性別で見ると男性の方が多いことから、男性の方が肺がんにかかりやすいと判断できる。
ただ、女性の喫煙者が増えたことから、女性の肺がん発病率が1960年代半ばから急上昇したのは事実という。(ロイター通信 2004/06/02)受験生にも禁煙のススメ 喫煙で合格率低下
名鉄病院医師らが調査
たばこを吸うと合格率が下がる−。名鉄病院(名古屋市西区)呼吸器科の磯村毅医師(40)と村手孝直医師(49)が、大手予備校の協力を得て、喫煙が受験生の勉強に与える影響を調査したところ、喫煙者の合格率が非喫煙者を大きく下回ることが明らかになった。名古屋市で5、6日開かれる日本呼吸器学会東海地方学会で発表する。
調査は名古屋市内の予備校の寮2カ所で、浪人中の大学受験生約100人を対象に一昨年度から2年かけて実施。寮の住み込み管理者が繰り返し受験生と面接する方法で、喫煙状況が把握できた59人について「喫煙者(11人)」「非喫煙者(40人)」と、寮生活中にたばこをやめた「禁煙成功者(8人)」に分けて大学受験の成績を調べた。
この結果、受験した延べ学校数に対し、合格した延べ学校数が占める割合は、非喫煙者が40.7%で最も高く、禁煙成功者が36.8%で続き、禁煙者は25.9%で最も低かった。
調査対象者の中で、喫煙を続けた11人のうち4人は志望校に合格せずに2浪。一方、禁煙に成功した8人は全員が受験結果に納得して進学したという。このうち1人は1日の勉強時間が喫煙時は約6時間だったのが、禁煙後は8−9時間に増えたという。
磯村医師は「非喫煙者や禁煙成功者の合格率が目立って高かった。喫煙が受験生の学業にも悪影響をもたらしている可能性がある」と分析している。(中日新聞 2004/06/04)たばこ宣伝を厳しく制限 若者対象と米NY地裁
【ニューヨーク17日共同】ニューヨーク連邦地裁は17日、米たばこ会社ブラウン・アンド・ウイリアムソン(B&W)が全米で展開中の広告活動を大幅に制限する決定を下した。広告活動が若者を対象にしており、米政府とたばこ各社が合意した取り決めに違反していると判断した。
B&Wは主力銘柄「クール」の販売促進のため、全米各地で音楽イベントを開いたり、特別なパッケージ商品を発売。若者向け雑誌で大々的に広告を掲載している。
地裁は、音楽イベントを生中継するインターネットのホームページの閉鎖や特別パッケージ製品の回収に加え、ニューヨーク州で行うイベントでのたばこの宣伝の制限などを命じた。
B&Wの宣伝活動については、ニューヨーク州の司法長官が、1998年に締結した取り決めに違反しているとして、販促活動の中止を求め提訴していた。たばこの健康被害をめぐる訴訟が相次いだことを受けて合意されたこの取り決めは、若者向け広告などを禁止している。(共同通信 2004/06/18)スモーカーは10年早く死ぬ=英の世界最長のたばこ害悪研究公表
【ロンドン22日】スモーカーはノンスモーカーに比べ確率的に10年若くして死亡するが、喫煙癖を早い時期に捨てれば若死にのリスクを大幅に減らすことが可能になる、との研究報告が22日英国で発表された。報告はたばこの害悪に関する研究として世界で最も長期にわたるもので、英国医学会ジャーナル(BMJ)最新号(26日発行)に掲載されるのに先立ちロンドンで公表された。
研究は1951年にオックスフォード大学のリチャード・ドール教授(現在90歳)が開始し、57、66、71、78、91年および2001年に英国の男性医師3万4439人を対象に行われた。これによると、喫煙を50歳でやめれば統計上の若死にのリスクは半減し、30歳でやめた人は若死にのリスクがほとんどなくなると指摘している。
ドール教授の研究はちょうど50年前に発表され、肺癌と喫煙の関係を明らかにした画期的研究として評価されている。ドール教授はこの業績によりナイトに叙せられた。10年以上にわたる医学リサーチは極めて価値が高いだけでなく、多大の費用がかかるため非常にまれだとされる。〔AFP=時事〕 (時事通信 2004/06/23)たばこ業界、間接喫煙の影響について消費者欺く=司法省が主張
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米司法省がたばこ業界を相手取り、2800億ドルの利益返済を求めている訴訟で、司法省は、2500ページを超える意見書を先週1日に裁判所に提出した。司法省はその中で、たばこ会社が詐欺行為によって新たな喫煙者を獲得し、間接喫煙の危険性について消費者を欺き、1998年の和解合意に違反したと主張した。
司法省は、たばこ会社による過去および現在の行いは、将来的にも違反行為が繰り返される可能性を示す、としている。この意見書は、ワシントン連邦地裁で9月13日に始まる審理で、政府側の弁論の青写真となる。
今回の意見書は、司法省が過去に提出した意見書で示した意見の一部を繰り返しているが、間接喫煙、「ライト」たばこ、「低タール」たばこの危険性について、たばこ会社が消費者を欺いたとの主張を強める内容となっている。また、先週後半に政府が提出した他の書類は、たばこ業界が漫画イメージなどを使い、たばこブランドを宣伝しようとすることにより、州政府との間で1998年に結ばれた和解合意に違反した可能性を指摘している。
司法省の意見書は、間接喫煙の危険性に対する懐疑的な意見を助長するといった「主要目標」のために、たばこ会社が「世界のすべての市場で科学者に金銭的に報われる機会を提供」しようとした、としている。公共の場で禁煙が広がるのを阻止することが目的だったという。
司法省はまた、たばこ会社が、「ライト」たばこ、「ウルトラライト」たばこなどが「喫煙をやめることの代替となると喫煙者に考えさせた」としている。
この訴訟は、クリントン前政権時代の1999年に起こされた。司法省は、たばこ大手が不正行為により、2800億ドルの利益をあげたとして、この返済を求めている。
訴えられているのは、アルトリア・グループ(NYSE:MO)傘下のフィリップ・モリスUSA、RJレイノルズ・タバコ・ホールディングス(NYSE:RJR)、ロウズ(NYSE:LTR)傘下のロリラード、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(AMEX:BTI)傘下のブラウン&ウィリアムソン、ベクター・グループ(NYSE:VGR)傘下のリゲット・グループ。(日本経済新聞 2004/07/06)タバコによる健康への悪影響が途上国で増加の見込み
2030年には、発展途上国を中心に、タバコが原因になる死者が1年間に700万人になる──こんな衝撃的なニュースをブリティシュ・メディカル・ジャーナルが報じた。
途上国では、医師らのヘルスプロフェッショナルも喫煙の害について認識がなく、タバコ産業のプロモーションもまだ盛んで、喫煙率が増える傾向にあるという。すでに、1995年の時点で、世界の喫煙者の82%が途上国の住人で、健康への悪影響が知られていないため、深刻さが増していると警鐘を鳴らしている。(日経ヘルス 2004/07/15)くも膜下出血のリスク、喫煙で約3倍増 厚労省研究班
たばこを吸う人は吸わない人に比べ、脳卒中の中でも、血管が破れるくも膜下出血の発症リスクが3倍程度高くなることが、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の調査で分かった。脳卒中全体でも喫煙者の方が発症率が高かった。
90年に生活習慣アンケートに答えた40〜59歳(当時)の男性約2万人、女性約2万2000人について、その後11年間を追跡した。
期間中、男性は702人、女性は447人が脳卒中を発症。そのうち男性73人、女性106人がくも膜下出血だった。喫煙との関係を調べると、たばこを吸う人は吸わない人に比べ、男性で3.6倍、女性では2.7倍なりやすかった。1日に吸う本数が19本以下でも20本以上とほぼ同様にリスクが高まっていた。
また、脳の血管が詰まって発症する脳梗塞(こうそく)などを合わせた脳卒中全体でみると、喫煙による発症リスクは、男性が1.3倍、女性が2倍で、女性の方が影響を受けやすい傾向がみられた。
研究をまとめた万波俊文・香川大助教授は「吸う本数を減らしても予防にはならない。きっぱりやめることが脳卒中を防ぐには大切だ」と話している。
たばこの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質は、血管の壁を傷つけて動脈硬化を促進したり血管を狭めたりする。脳内の血管もダメージを受け、脳卒中が引き起こされると考えられるという。(朝日新聞 2004/08/27)中高年男性のがん、3割は喫煙が原因?…厚労省調査
中高年男性のがんの3割は喫煙が原因となっている可能性の高いことが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模調査でわかった。
研究班は、1990年から93年に40―69歳だった男女9万2790人について、がんにかかったかどうかを喫煙習慣とともに約9年間にわたり追跡調査した。
調査が終わる2001年末までにがんになったのは約5000人。男性の52.2%、女性の5.6%が、調査終了時にたばこを吸っていた。
調査開始から継続してたばこを吸っていた人ががんになった割合は、吸わない人に比べ男性で1.64倍、女性は1.46倍に達した。調査終了時に禁煙していても、男性は吸わない人より1.47倍がんになりやすく、過去の喫煙の影響がぬぐいきれないこともわかった。これらの数字をもとに、喫煙が原因でがんになった人の割合を推定すると、男性は29%、女性では2.8%となった。
研究班は、「結果を日本人全体にあてはめると、喫煙習慣がなければ、9万人ががんにならないで済んだ可能性がある」と説明している。(読売新聞 2004/10/02)自殺者:ニコチン濃度高く 解剖例調査で判明
たばこを吸う習慣がある人のうち、自殺した人の血液中のニコチン濃度は、事故や病気で死亡した人に比べ約3.5倍も高いことが、高知大医学部の守屋文夫助教授(法中毒学)らによる司法解剖例の調査でわかった。自殺とニコチン濃度の関係を調べた研究は初めてという。守屋助教授は「たばこの本数が異常に増えれば、自殺に走るサインの可能性がある」と注意を呼びかけている。
高知大病院で02年10月〜03年12月に実施した司法解剖のうち、腐敗が進んでいない31例の遺体について、血中のニコチン濃度を調べた。
喫煙の習慣があったのは13人。このうち、自殺した8人(男性6人、女性2人)の濃度は血液1リットル当たり65.1〜205マイクログラム(マイクロは100万分の1)だったのに対し、その他の5人(男性4人、女性1人)は同4.4〜62.1マイクログラムで、顕著な差があった。平均値では約3.5倍も違った。ニコチンは肝臓で分解されるため、血中濃度をみれば死亡直前の喫煙状況がわかるという。
守屋助教授によると、ニコチンは精神を安定させる作用がある一方、吸い過ぎると、逆に気分が落ち込み、自殺の引き金になるとも考えられるという。うつの状態から逃れようとたばこを吸い過ぎ、自殺に走ったケースもあるとみられる。【根本毅】(毎日新聞 2004/10/17)たばこの害:よりリアルに EU、パッケージに警告写真──数カ国が来年導入予定
【ブリュッセル福原直樹】欧州連合(EU)は22日、「たばこの害」を警告するため作成した写真を公表し、加盟国がたばこの箱に添付するよう求めた。肺がんや咽頭(いんとう)がんの生々しい写真や、インポテンツを警告するものなど35枚。加盟国に添付義務はないが、来年にもアイルランドやベルギーなど数カ国が導入する予定。
EUは、各国で販売するたばこの箱に大きく「たばこは死や肺がんを招く」などの警告を記載することを義務付けている。だがこの効果が疑問視され始めたため、写真の添付を各国に求めることを決めた。
絵柄は、心臓手術のシーンや肺のX線写真でがんの危険性を訴える写真。また曲がったたばこや、ベッド上でそっぽを向く男女の写真でインポテンツ、子どものいない乳母車などで胎児などへの危険性も強調した、いずれもEU提供。(毎日新聞 2004/10/23)喫煙で歯周病の危険増大 歯科医学会が脱たばこ宣言
日本歯科医師会の会員らでつくる日本歯科医学会は15日までに、喫煙によって歯周病などの危険が高まる上、治療効果も大きく低下するとして、たばこ社会からの脱却を呼び掛ける「脱たばこ宣言」をまとめた。横浜市で29日から開く総会で公表する。
厚生労働省の統計によると、国内の2002年の喫煙率は約24%(男性は約43%)で減少傾向にあり、受動喫煙への対策を求めた健康増進法も昨年5月に施行された。しかし、同総会準備委員長の須田英明東京医科歯科大教授は「口腔(こうくう)保健や医療の面での取り組みは、まだ十分とは言えない」と宣言を出す理由を説明している。(共同通信 2004/11/15)喫煙で乳がん危険4倍に 閉経前の女性のみ影響
たばこを吸う閉経前の女性は、吸わない人に比べ乳がんの危険性が約4倍高いことが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の大規模疫学調査で分かった。国際対がん連合の専門誌に29日までに掲載された。
受動喫煙でも危険性は上がるが、閉経後の女性ではこうした関係はみられなかった。研究班は「たばこの影響は、乳がんとかかわりの深い女性ホルモンの分泌が活発な状況下で現れやすいのではないか」としている。
研究班は、40、50代の約2万人を10年間追跡。本人の喫煙や受動喫煙と、乳がん発症との関係を調べた。受動喫煙の有無は「喫煙者と10年以上一緒に住んだ」か「職場などで毎日1時間以上煙を吸う機会がある」場合で判断した。
調査開始時に閉経前だった女性の場合、喫煙しているか過去に喫煙していた人の乳がん発症の危険性は、喫煙、受動喫煙ともない人に比べ3.9倍。受動喫煙のみの人でも、危険性は2.6倍に達した。(共同通信 2004/11/29)受動喫煙で乳がんリスク2.6倍…厚労省調査
喫煙習慣がないのに職場や家庭などでたばこの煙を吸ってしまう女性は、そうでない非喫煙女性に比べて2.6倍も乳がんになりやすいことが、厚生労働省研究班(班長・津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模調査で分かった。
喫煙と乳がんの関係は、これまであまり明確でなかった。研究班は、1990年から10年間、岩手や長野など4県に住む40―50代の女性約2万人を対象に、生活習慣とがんなどの病気の関係を追跡調査した。
その結果、閉経前の女性の場合、喫煙者が乳がんになる割合は、非喫煙者の3.6倍もあった。非喫煙者でも受動喫煙があると、乳がん発症率が2.6倍になった。閉経前は乳がん発生にかかわりが深い女性ホルモンの働きが活発で、たばこの影響が出やすいと考えられるという。閉経後の女性では、喫煙による差はみられなかった。
研究班の花岡知之・国立がんセンター予防研究部室長は「喫煙や受動喫煙を避けることが、乳がん予防の一歩につながることを示す結果」と話している。(読売新聞 2004/12/04)喫煙は脳にも有害=認識機能がかなり低下―英科学誌
【パリ8日】喫煙は癌や心臓病、インポテンツなどの原因になるだけでなく脳にもダメージを与えるという調査結果が出た、と英科学週刊誌ニュー・サイエンティスト最新号が報じている。スコットランドの研究者たちが、1947年にIQテストを受けた当時11歳の465人を50年以上あとの2000年−02年に再び検査して分かった。
47年にIQテストを受けた人の半分がスモーカーになっていた。5種類の認識テストで調べたところ、たばこを吸う人は禁煙した人や一度も喫煙しなかった人に比べ成績がかなり悪かった。教育、職業、酒量などの社会的要因や健康上の要素を勘案した場合でも、喫煙は認識機能を1%弱低下させているようだという。
なぜ喫煙が認識能力に影響を与えるのかは明らかでないが、原因の1つとして、年齢が高くなると、遊離基(フリー・ラディカルズ)と呼ばれる原子に対して脳細胞が弱くなることが考えられる。遊離基はたばこの煙に含まれる化学物質によって放出される可能性があるという。
調査はアバディーン大学のローレンス・ホワリー氏の指導の下に実施された。〔AFP=時事〕(時事通信 2004/12/09)新幹線禁煙車、隣が喫煙車なら基準の3倍の「煙害」
JRの新幹線や特急の禁煙車でも、隣接の喫煙車が満席なら、〈煙害〉を免れないことが東京大大学院医学系研究科の中田ゆりさんと産業医科大の大和浩・助教授らの調査で分かった。
東海道・山陽新幹線の禁煙車では、煙の粉じん濃度の平均値が、厚生労働省の「喫煙室内の空気環境に関する基準」を超え、最大で約3倍になる時もあった。乗降時など扉が長く開いている時や車掌らの出入りで禁煙車にも煙が流入するらしい。中田さんは「列車などの移動空間の禁煙化は、世界では常識。全面禁煙にすべきだ」と注文している。
東海道と山陽の両区間にまたがって走る新幹線はすべて16両編成で、3、4、10、15、16号車の計5両が喫煙車。中田さんらは10月上旬、東京―新神戸間で、喫煙の4号車と禁煙の5号車の粉じん濃度をレーザー粉じん計で測った。
4号車はほぼ満席で、車内の平均濃度は1立方メートル当たり0.79ミリ・グラムで、法定基準(0.15ミリ・グラム)の5倍以上。隣の5号車も0.18ミリ・グラムで基準を上回り、瞬間値では0.42ミリ・グラムと基準の3倍近くになることもあった。
北陸地方を走る特急では、両隣の喫煙車の乗車率が4割程度でも、間にはさまれた禁煙車の濃度は0.22ミリ・グラムに達していた。
昨年施行された「健康増進法」は、多数の人が利用する施設の管理者に受動喫煙を防止する努力を義務づけている。中田さんは「受動喫煙が原因の死者は年間3万9000―1万9000人と推計される。即座の全面禁煙が困難なら、喫煙車を端に集めるか、換気力の強い喫煙室を設けるなどの工夫が必要だ」としている。
JR東海は「喫煙者、禁煙者の要望に応え、分煙としている。今後も双方のニーズに応えたい」、JR西日本は「問題意識はあり、できることはないか勉強中」としている。(読売新聞 2004/12/09)ブータン:世界初、たばこ販売全面禁止 密輸急増に懸念
【イスラマバード西尾英之】「全面禁煙国」を目指すヒマラヤのふもとの小国ブータンで17日から、たばこの販売が全面的に禁止された。公共の場所での喫煙禁止に踏み切る国は増えてきたが、国単位での販売禁止は世界初。しかし外国からの密輸急増を懸念する声も出ている。
AFP通信などによると、同国通産省はすべての商店やホテルなどにたばこの在庫の処分を命じており、17日以降、たばこを販売した店には最低1万ヌルタム(約2万4000円)の罰金が科せられる。個人が外国からたばこを持ち込むことは可能だが、100%と高率の関税をかけられる。
同国では宗教的、文化的に喫煙を「悪」とみなす考え方が強く、1616年の建国当時から仏教僧主導の「禁煙運動」が続いてきた。ティンレイ保健相は同通信に「我々は世界初の完全禁煙国になることを宣言している。たばこの健康被害をなくすために、世界の人々が我が国に続くことを望んでいる」と語った。
一方、ロイター通信は「そう簡単に禁煙できるものではない。愛煙家は今後、法外な価格でたばこを買わされることになる」との住民の嘆きの声を伝えている。(毎日新聞 2004/12/18)喫煙者:飲酒量増えるほどがん発生率高まる 厚労省研究班
たばこを吸う男性が毎日、日本酒換算で3合以上飲酒をすると、時々飲酒する場合に比べ何らかのがんになる危険性が2倍以上になることが、厚生労働省研究班(主任研究者、津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の大規模疫学調査で分かった。個別のがんの発生率を比較した調査はあったが、がん全体を比べたのは初めて。アルコールの分解酵素が、たばこに含まれる発がん物質を活性化している可能性があるという。
研究班は90〜01年にかけて全国9保健所管内の約7万3000人を追跡し、飲酒の頻度や酒量、喫煙の有無とがん発生との関係を調べた。
喫煙者の男性の場合、飲酒量が増えるほどがんの発生率も高くなった。1日2〜3合を毎日飲酒すると、がんの発生率は時々飲む人の1.9倍、毎日3合以上だと同2.3倍になった。
非喫煙者の場合、食道がんや肝臓がんなど飲酒との関連が強いものは酒量に応じて発生率は高まったが、がん全体の発生率は高くならなかった。
女性は毎日、飲酒する人が少なく、はっきりした傾向が出なかった。
研究班は「生活習慣病の予防も考慮すると、飲酒量は日本酒で1日1合(ビール大瓶1本、ワインでグラス2杯)程度に控えた方がいい」としている。【江口一】(毎日新聞 2004/12/25)喫煙で年間483万人死亡 米研究グループが調査
喫煙が原因で2000年の1年間に死亡したと考えられる30歳以上の人は、全世界で483万人に達し、死因の12%を占めるとの調査結果を、米ハーバード大のマジド・エザッチ博士らの研究グループが25日までにまとめた。
先進国と発展途上国の死者はほぼ同数だが、途上国ではアジアや西太平洋地域に集中。死因となったのはいずれも心臓血管系の病気が1位、途上国では慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)など呼吸器系疾患の割合が高い傾向が見られた。
喫煙による死亡数は従来約500万人とされてきたが、地域や死因別に詳細に推定したのは初めて。研究グループは「地域ごとの喫煙傾向の特徴も踏まえ、途上国などでの対策を強化しなければ、健康被害はさらに深刻になる」と警告している。
研究グループは、世界保健機関(WHO)が分けている世界6地域を、先進国と発展途上国、子供の死亡率などで、さらに計14ブロックに細分。喫煙と肺がんに関する研究データなどから、地域ごとに喫煙による死者数を推定した。
合計483万人の死者のうち、女性は2割。途上国では死者の集中地域があり、インドやバングラデシュなど7カ国のブロックと、中国やカンボジアなど22カ国のブロックで、死者がそれぞれ約80万人に達した。
先進国での死因は心臓血管の病気が一番多く約100万人。次いで肺がん(約50万人)、COPD(約30万人)の順だった。
一方、途上国のCOPDの比率は先進国の2倍以上で、他の呼吸器疾患も含め全体の4割を占めた。研究グループは、石炭や動植物由来の燃料で家の中の空気が汚れていると、たばこにより体への影響がより強められる可能性を指摘している。(共同通信 2004/12/25)受動喫煙で成績低下 読解や算数、米の研究
【ワシントン4日共同】受動喫煙の機会が多いと、子供の読解や算数の成績が悪いとの研究を、米シンシナティ子供病院(オハイオ州)のチームがまとめ、4日、米公衆衛生専門誌に発表した。
受動喫煙の子供の健康への害は知られているが、知的能力への影響ははっきりしていなかった。今回の研究で、子供がさらされるニコチンが低濃度でも危険なことも示され、たばこを吸う親に禁煙圧力が強まりそうだ。
研究は、過去に米政府が全米で実施した健康調査の被験者になった6−16歳の子供で、たばこを吸わない約4400人が対象。
ニコチンが分解されてできる「コチニン」という物質の血液中の量を測ったうえで読解、算数(数学)、論理的思考力、短期記憶力をテストした結果、人種や性差、経済状態などによる差を考慮しても、コチニン濃度が高いと読解、算数、論理的思考力の点数が低いことが判明。濃度が極めて低くても関連ははっきりしていた。(共同通信 2005/01/04)喫煙:本数が多いほど自殺の危険性大 厚労省研究班
中高年の男性喫煙者では、1日に吸うたばこの本数が多いほど自殺する危険性が高まるとの大規模疫学調査結果を厚生労働省研究班がまとめた。研究班は「たばこの本数の多い人の心の健康に注意を払う必要がある」と提言している。21日から大津市で開かれる日本疫学会で発表する。
研究班は90年と93年に岩手、長野、高知、長崎、沖縄など8県に住む40〜69歳の男性約4万5000人の生活習慣などを調べ、00年まで健康状態を追跡調査した。この間に自殺が確認された173人について、喫煙との関係を調べた。
調査開始時は、173人中108人が喫煙者だった。1日20本未満の喫煙者の自殺割合は非喫煙者と同程度だったが、1日30〜40本未満のグループは20本未満のグループに比べ1.4倍、40本以上のグループは同1.7倍高かった。吸い始めてからの年数による差は見られなかった。
高知大が昨年まとめた司法解剖例の調査でも、たばこを吸う習慣がある人では、自殺した人の血液中のニコチン濃度が事故や病気で死亡した人よりも高いとの結果が出ている。
分析を担当した国立がんセンター予防研究部の岩崎基研究員は「喫煙と自殺を結びつけるメカニズムはよく分かっていないが、ニコチン依存がうつ病の危険性を高めるという研究結果もある。禁煙によって危険性が下がるかどうかは今後の研究課題だ」と話している。【西川拓】(毎日新聞 2005/01/18)喫煙にパーキンソン病抑制の可能性―スウェーデン研究で判明
【ストックホルム22日】健康被害が強調される喫煙だが、最新のスウェーデンの研究によると、少なくともひとつの利点があるかもしれないことが判明した。難病のパーキンソン病の発症を抑えるという効能だ。神経学会の年報の電子版で明らかにされた。
同国の医療研究センター、カロリンスカの研究者らは、一方が喫煙、他方が禁煙の組み合わせの双子の医療・死亡記録を分析した。これまで多くの研究が、パーキンソン病へのタバコによる保護効果を示していた。しかし多くは、これは遺伝子が原因とみなしてきた。今回の研究では、異なるライフスタイルの双子を研究することによって、遺伝子の要素を排除することを目指した。
研究者らは、パーキンソン病と神経系の変性、アルコール・コーヒーの摂取、住居の条件には何も関連性がないと分析した。しかし喫煙者は、パーキンソン病の影響が少ないようで、喫煙の保護効能が確認されたという。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/01/23)禁煙で寿命は数年延びる=米加研究チーム
【ワシントン14日ロイター】米国とカナダの研究チームは14日、喫煙の習慣を止めれば、たとえ肺疾患を発症した後でも数年間寿命が延びると報告し、禁煙に遅すぎるということはほとんどないとの根拠が新たに示された。
調査では、禁煙プログラムを利用して禁煙に成功した中年のヘビースモーカーの死亡率が、通常のほぼ半分に低下していることが分かった。
ボルチモアにあるジョン・ホプキンス大学のロバート・ワイズ氏は文書で、「(喫煙が)健康に有害であることは大半の人が認識しているが、禁煙によって寿命にどれほどの好影響があるかは認識していないと思う」と語った。
調査では、ワイズ氏と10のクリニックが協力し、35―60歳で、肺疾患を持ちながらそれを病気と自覚していなかった人5887人を対象に実施した。(ロイター通信 2005/02/15)間接喫煙で子どものIQが下がる
子どもが家族の喫煙者のために間接喫煙によりタバコの煙を吸うと、IQ(知能指数)が下がる、という研究結果が、「米国立環境健康科学研究所」(National Institute of Environmental Health Sciences)の調査でわかった。
雑誌「環境健康展望」(Environmental Health Perspectives)1月号に掲載されたこの調査では、6歳から16歳までの米国の子ども4399人を調査の対象とした。研究者らは、まず子どもたちの血液中のコチニン(cotinine)の濃度を調べた。
コチニンは、ニコチンが分解されてできる物質で、その濃度が高いと血液中にニコチンが多くとりこまれたかがわかる。つまり、どれだけ間接喫煙を受けているかを知る生物学的マーカーとなる。
このコチニンの血中濃度と、先に調べてあったIQの成績とを突き合わせると、コチニンの値が高いと、それだけIQのスコアが低いという全般的な関係があることがわかった。(日経ヘルス 2005/02/15)禁煙2週間で血液さらさら 久留米大 血小板の機能改善
心筋梗塞(こうそく)や脳卒中の原因となる血栓の生成に大きくかかわる血小板の機能が、わずか2週間の禁煙で非喫煙者と同レベルまで改善されるとの研究結果を、久留米大医学部第三内科(福岡県久留米市)の森田博彦助手が発表した。
喫煙は、肥満や高脂血症などと同様、血栓や動脈硬化を引き起こす危険因子の1つだが、研究班の池田久雄助教授は「少なくともたばこがもたらす悪影響が、これほど短期間で改善されるのは予想外だ」と指摘している。研究論文は、米国心臓病学会誌「JACC」の最新号に掲載された。
研究は、20、30代の慢性的喫煙者男性27人を対象に実施。14人には4週間禁煙させ、残り13人には2週間の禁煙後、喫煙を再開させ、両グループ間で血小板の機能を示す指数などを比較した。
その結果、血液の固まりやすさを示す指数は禁煙前より半減。血栓の生成を抑制する機能の強さを示す指数は約3倍に増えたという。また、たばこの煙に含まれる活性酸素に起因する全身の酸化ストレスも、禁煙後2週間で改善されることが分かった。
しかし、喫煙を再開すれば、2週間で元の状態に戻るとの結果も出ており、池田助教授は「禁煙に踏み切るのに遅すぎることはないが、効果を期待するなら、きっぱりとやめるしかない」と話している。(西日本新聞 2005/03/17)妊娠中の酒・たばこは危険…赤ちゃん体重減に
妊娠中に母親がたばこをすったり、酒を飲んだりすると、赤ちゃんの出生体重が減少してしまうことが、国立健康・栄養研究所の滝本秀美・主任研究員らの分析で明らかになった。
出生体重が少ないと、乳児期の死亡率が高まるほか、成人後も生活習慣病になる危険が高まるとされており、研究者は「妊娠中の喫煙、飲酒は控えるべきだ」と訴えている。この成果は4月4日、京都市で開かれる日本産科婦人科学会で発表される。
研究チームは2000年に実施された国の乳幼児発育調査データをもとに、単胎(胎児1人)で順調に生まれた赤ちゃん9120人について調べた。
その結果、妊娠中の母親の喫煙率は10.0%、妊娠中に週3回以上酒を飲む習慣のある母親の割合は1.4%で、生まれた赤ちゃんの体重と対比させると、たばこが1日1本増えるごとに9.4グラム、飲酒習慣がある場合は70.5グラム減少する計算になった。
喫煙で血中の一酸化炭素濃度が上昇し、胎児に十分な酸素が運ばれなくなるのに加え、母体でビタミンCなどが消費され、栄養分が不足するためという。(読売新聞 2005/03/26)タバコを吸うと10年早く膵臓ガンになる
発病からの数年以内に多くの患者が命を落とす難病が膵臓ガンだ。
この膵臓ガンの発生を促し、ガン細胞の成長を早めるのが、喫煙であるという研究が、このほどシカゴで開かれた「米臨床腫瘍学会」(American Society of Clinical Oncology)で発表された。
ノースウエスタン大学(イリノイ州)のランドール・ブランド博士らの研究。1993年から2003年の間に、膵臓ガンの治療を受けた1万8346人の患者を調べた。調べた患者の発病年齢で最も多かったのは73歳だった。ところが、喫煙者だけについてだけ調べると、発病年齢は63歳で、10年も若かった。
以前は喫煙をしていたが、途中で禁煙したしたという人では、発病年齢が平均70歳だった。つまり、喫煙者と非喫煙者の中間だった。
このことから、研究者たちは、喫煙が膵臓ガンの発生を早めるだけでなく、ガンの進行を促していると結論づけた。(日経ヘルス 2005/04/18)大気汚染、心臓発作の引き金に=受動喫煙も―カロリンスカ研究所
【ストックホルム19日】スウェーデンのカロリンスカ研究所は、深刻な大気汚染に長期間さらされた場合、心臓発作を引き起こす危険が高いとする報告書をまとめた。報告書は、ストックホルムで22日に発表される。
調査を進めた同研究所のローセンルンド助教授は19日、「大気汚染の激しい地域に住んでいる人は、汚染が進んでいない地域の住民と比べ、心臓発作を起こす確率が50%も高いことを突き止めた」と語った。
ローセンルンド助教授は1992年から94年にかけ、全国規模の症例対照研究を実施。同助教授は「大気汚染の心臓発作への影響を調べるため、喫煙やダイエットといった要素も考慮した」と述べ、受動喫煙によっても心臓発作の危険性がはっきりと高まると結論付けた。ただ、職場や自宅で受動喫煙にさらされている人でも、環境を変えれば、6、7年で正常に戻るという。
一方、ローセンルンド助教授によると、97年にスウェーデン国民1万5000人を対象に行った調査の結果、空港近くに住む人は高血圧になりやすいことが判明した。同助教授は「空港近くに住むことと高血圧の間には密接な関係がある。アーランダ(ストックホルム空港)の近くに住んでいる人ほど、高血圧になりやすい」と語った。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/04/20)受動喫煙で賠償命令
イタリア教育省で働いていた元女性職員が7年にわたってオフィスで同僚らの吸うたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」の被害で肺がんにかかったとして、損害賠償を求めていた訴訟で、ローマの裁判所は10日、元女性職員への肉体的、精神的な被害を認めて、政府に対して40万ユーロ(約5500万円)を支払うよう命じる判決を言い渡した。
受動喫煙の被害に対する賠償額としてはイタリアでは過去最高で、政府の賠償責任が認められたのも初めてとみられる。元職員は2000年2月に交通事故で死亡しており、賠償金は遺族が受ける。(ローマ・ロイター)(中日新聞 2005/05/12)夫の喫煙でも妊娠率半減 カナダの研究者が発表
【ワシントン26日共同】体外で受精させた卵子を胎内に戻した妻が妊娠する確率は、妻本人や夫がたばこを吸っていると、夫婦そろって非喫煙者の場合の約半分に減ってしまう──。こんな調査結果をカナダ・マクマスター大の研究者が、26日発行の欧州の医学誌「ヒューマン・リプロダクション」に発表した。
間接喫煙の害が胎児に及ぶという報告はあったが、妊娠のしやすさにまで関係することを示したのは初めてという。体外受精による妊娠ではなく、自然の妊娠でも同じ結果なのかどうかを含めさらに確認が必要だが、研究者は「妊娠したいなら、たばこのない環境での生活が賢明」と話している。(共同通信 2005/05/27)たばこで老化 1日1箱40年で7.4年分
【ワシントン19日共同】喫煙者はたばこを吸わない人に比べ、細胞のDNAレベルでも老化が早い──。ロンドンのセントトーマス病院など英米チームがこんな研究結果を19日までにまとめ、英医学誌ランセットに発表した。
試算では、1日1箱を40年間吸い続けると、吸わない人に比べ細胞が7.4年分、余計に歳をとることになるという。
研究対象は18−72歳の女性1100人余り。白血球の核DNAにある「テロメア」と呼ばれる部分に着目した。テロメアは、ひも状になったDNAの両端でほつれを防ぐ「キャップ」役を果たしている。細胞分裂の度に少しずつ短くなり、若者より高齢者の方がこの部分が短いため、老化の1つの目安にもされている。
「喫煙者」「元喫煙者」「非喫煙者」の3グループでテロメアの長さを調べたところ、非喫煙者が最も長く、元喫煙者はやや短縮、喫煙者はさらに短かった。(共同通信 2005/06/20)親の喫煙・飲酒、子供に与える影響大=米研究
【シカゴ5日ロイター】親の喫煙・飲酒習慣の有無が2歳の子供にも影響することが、米研究者チームの5日の発表で明らかになった。
2―6歳の子供を対象とした実験で、お腹を空かした人形のために食料品を「買う」ように言われた場合、喫煙する親を持つ子供がたばこを選ぶ確率は非喫煙者の子供の4倍、ひと月に1回以上飲酒する親を持つ子供がワインやビールなどアルコール類を選ぶ確率は飲酒しない親を持つ子供の3倍に上った。
またPG―13(13歳未満は保護者の同伴を推奨)やR指定(17歳未満は成人の同伴が必要)の映画を見たことのある子供がワインやビールを選ぶ割合は、そうでない子供に比べ5倍だった。
ニューハンプシャー州ハノーバーにあるダートマス大学のマデリン・ダルトン氏は研究報告で、「子供の遊び方は、彼らがアルコール類やたばこのたしなみに非常に敏感なことを示しており、アルコールやたばこが社会環境でどのように用いられるかは子供の中にしっかりと根付いている」と述べた。
また、「6歳の子供が自分の好きなシリアルのブランドは分からないのに、たばこを買うときに銘柄を特定できるなど、たばこのブランドを非常に良く認識している子供も複数いた」と指摘した。(ロイター通信 2005/09/06)喫煙:5歳以上も肌が“老化” ポーラが女性30万人調査
たばこを吸う女性は吸わない女性に比べ、5歳以上も肌が“老化”している??ポーラ化粧品本舗(東京都品川区)が、20〜70代の約30万人の女性の肌状態と喫煙の関係を調べ、こんな結果が出た。喫煙が肌に及ぼす影響をこれほど大規模に調べた例は、世界でも少ない。喫煙は美肌を目指す人にとって、やはり大敵のようだ。
昨年6月〜今年5月、全国の訪問販売先や店頭などで、同意を得て皮膚表面の角質層を採取。同時に喫煙状況も尋ねた。喫煙者は全体の約23%で、20代が最も多かった。
同社によると、しみ、くすみなどの原因となる細胞中のメラニン量は加齢とともに増えるが、状態の良い肌は量が少なく、分布も均一。逆に色むらが目立ちくすんで見える肌はメラニン量が多いうえ、細胞によるバラつきも大きいという。
同社は採取した細胞中のメラニンを染色して300倍に拡大し、含有量を3段階で数値化。この結果を、喫煙者と非喫煙者に分けて年齢別に集計したところ、明確な差異が表れた。年齢別の平均メラニン量は、吸い始めて間もない20歳では大差ないが、以後は全年齢で喫煙者の方が1〜2割程度多く、ほぼ5歳上の非喫煙者のメラニン量に相当。吸わない人より「肌年齢」が5歳老けている状態だった。
更に、紫外線によく当たる生活をしているか否か、という条件を加えて分析すると「よく当たりたばこも吸う」人と「あまり当たらずたばこも吸わない」人の肌年齢の差は10歳以上に広がった。
原因について同社は「メラニンの生成や着色を抑えるビタミンCが、喫煙によって破壊されるためと考えられる」と分析。「肌の潤いを示す保水力も喫煙者の方が少なかった。一般に『喫煙は肌に悪い』と言われてきたことを、データで立証できたのではないか。肌の衰えが気になる喫煙者は、まずはたばこを控えた方が良い」と話している。【國保環】(毎日新聞 2005/09/14)タクシーの受動喫煙ご注意! 1時間は車内に煙充満
タクシーの中は受動喫煙の危険がいっぱい──。窓を閉め切ったタクシーで乗客1人がたばこを吸うと、車内の粉じん濃度が国の環境基準の12倍になり、1時間以上、元に戻らないことが、東大医学系研究科の中田ゆり客員研究員らの調査でわかった。
札幌市で開かれている日本公衆衛生学会で、きょう15日発表される。
調査では、タクシーの客席で喫煙し、車内の粉じん濃度を測定した。
後部座席の窓を5センチ開けて喫煙した場合でも、粉じん濃度は厚生労働省の基準値(1立方メートルあたり0.15ミリ・グラム)の9倍に上り、原状回復に30分以上かかった。喫煙者が2人なら基準値の24倍、3人なら32倍に上昇した。エアコンを使用して3人が喫煙した場合は50倍に達した。
少し窓を開けていても30分、窓を閉めていれば1時間以上、車内に粉じんが残ることから、中田研究員は「直前の乗客が喫煙者だった場合、受動喫煙になる恐れが強い。子供や妊婦など喫煙の害を受けやすい人も利用するだけに、全面禁煙にする必要があるのではないか」と話している。
国土交通省などによると、全国のタクシー約27万台のうち、禁煙車は2%の5300台余。(読売新聞 2005/09/15)喫煙者の危険性は8倍 慢性閉塞性肺疾患で長崎大など調査
たばこが主因とされ、初期症状に気付きにくい呼吸器の病気、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)は、非喫煙者に比べ喫煙者の危険性が約8倍高いとする調査結果を、千住秀明・長崎大医学部保健学科教授らがまとめた。
気汚染などの影響が少ない長崎県北部の田平町で住民約3100人を調べた結果分かった。
千住教授によると、1地域の住民を対象にした集中的な調査は初めて。デンマークで開かれる州呼吸器学会で20日に発表する。
千住教授らは2004年12月から05年5月にかけ、田平町の50代―70代の住民に健康状態のアンケートを実施。COPDが疑われる人にはさらに肺機能の検査を行った。有病率は全体で8.3%、喫煙者が12.6%、非喫煙者が1.8%。解析の結果、喫煙者の発病の危険性は非喫煙者の約8倍と計算された。
COPDはたばこなどの有害物質で気道の炎症が進むことで発症。悪化すると日常生活にも支障をきたすが、初期はせきやたんだけで病気と気付かない人が大半。治療を受けている患者は全体の10―20%とされる。
千住教授は「早期診断・治療が鍵となる病気なので、今回のような方法で患者のふるい分けをしていくことが重要だ」と話している(共同) (産経新聞 2005/09/18)1日1-4本のたばこでも心臓疾患、肺癌(がん)リスクは3倍
1日にわずか1〜4本の喫煙量でも、心臓疾患または肺癌(がん)による死亡リスクが3倍高くなることが、英国の医学誌「Tobacco Control」10月号掲載のノルウェーの研究で明らかにされた。
この研究は、1970年代半ばから2002年にかけて収集した男女約4万3,000例の健康および死亡に関するデータを分析したもの。対象者は、全例とも研究開始時に35〜49歳であった。非喫煙者と比較すると、1日あたり1〜4本のタバコを吸う喫煙者は、心臓疾患による死亡率が約3倍であった。
こうした「ライトスモーカー」の肺癌による死亡率は、非喫煙者と比較すると、男性が約3倍、女性が約5倍であることが判明。また、ライトスモーカーの方が非喫煙者よりも、全死因にみる死亡率が50%高いことがわかった。
米国癌協会(ACS)のタバコに関する国際計画部門部長のThomas J. Glynn氏は「公共の場や職場での喫煙の規制が広がっているため、多くの喫煙者が1日あたりの喫煙量を減量させている現状を踏まえると、1日あたりわずか1〜4本の喫煙量でも、心臓疾患や癌の発生率が有意に増大するとするこの知見は重要である」としている。
「喫煙量を減らせば、喫煙による健康に及ぼす危険性が大きく低下し、場合によってはその可能性が消えると思われることが多いが、実際はそうではない。今回の研究結果から、健康に安全な喫煙量というのはないとする重要なメッセージが示された」と同氏は述べている。(日本経済新聞/HealthDayNews 2005/09/22)野菜、果物をたっぷり食べれば肺ガンを予防できる
野菜、果物をたっぷり食べれば、肺ガンの予防に大いに役に立つことがわかった。テキサス大学MDアンダーソンガンセンターでの研究。「JAMA(米医師会報)」で報告された。
喫煙者、非喫煙者の双方で、有効であることがわかった。研究では、1674人の肺ガン患者と、性別、齢など同じような条件の1735人の健康な人たちを対象に、1人1人インタビュ−して、比較した。その結果、肺ガン患者は、健康な人より、野菜、果物の消費量がはるかに少ないことがわかった。逆にいうと、野菜や果物の消費量が多い人の方が肺ガンの発症率が低い傾向にある。
研究者らは、野菜、果物に含まれるホルモン様物質である「ファイトエストロゲン」が肺ガン予防に役に立っていると見ている。(日経ヘルス 2005/10/06)禁煙でなく、減煙でも肺ガンリスクは減る
完全な禁煙でなくても、タバコの本数を減らせば、肺ガンのリスクが減らせるのかどうかを調べた研究が、「JAMA(米医師会報)」9月28日号に掲載された。
研究では、1万9714人の成人を18年間追跡調査した。期間内に864人が肺ガンと診断された。これを詳しく分析すると、ヘビースモーカー(1日15本以上吸う人)が、半分以下に減らした場合、肺ガンになるリスクは、まったく喫煙本数を減らさなかった人と比べると27%減だった。
また、完全な禁煙に成功した人は、本数を減らさなかった人と比べると、肺ガンになるリスクは83%減少していた。
また、18年間の間に何度か禁煙をしたヘビースモーカーの場合は、肺がんになるリスクが、50%減だった。
完全な禁煙でなくても、ある程度喫煙本数を減らせば肺ガンリスクが減ると、研究者らは指摘している。 (日経ヘルス 2005/10/11)喫煙は病気、積極治療が必要・医学会が初の診療指針
たばこを吸うのは「ニコチン依存症と関連疾患からなる喫煙病」であり、患者(喫煙者)には「積極的禁煙治療を必要とする」──。日本循環器学会など9学会の合同研究班が18日までに、一般医師向けの初の診療指針「禁煙ガイドライン」を作った。
喫煙がさまざまな病気の原因になることは知られているが、喫煙率は成人男性で47%と先進国の中では高く、研究班長の藤原久義・岐阜大教授(循環器内科)によると「自分の意思で喫煙をやめられるのは5―10%程度」。このため「たばこを吸わない社会習慣の定着」には、喫煙自体を病気と位置付けた上で、すべての医師が患者の喫煙を把握し治療を勧めることが必要と判断した。
女性には美容にも悪影響と知らせるなど、患者に応じた治療方針を盛り込んだのが特徴だ。
指針は、禁煙に効く行動療法として「喫煙者に近づかない」「吸いたい衝動が収まるまで秒数を数える」などを挙げた。
また、禁煙の意思がある患者には、自分で禁煙計画を作らせ「節煙より早道」「開始直後は(たばこが吸いたくなる)アルコールを控える」とカウンセリングを実施。意思のない場合は、喫煙によって増加する有害な一酸化炭素の呼気中濃度を測って教え、動機付けに役立てる、とした。
薬物療法では、ガムやパッチを使うニコチン代替療法を推奨した。離脱症状が軽く成功率を高め、禁煙による体重増加を遅らせる効果もある。一方で、治療中の喫煙はニコチンの過剰摂取につながるなど注意も必要だ。
ニコチン依存に陥りやすい未成年には、頭ごなしの言い方を避け、喫煙が病気であることを理解させる。女性では、悪影響が胎児や卵巣機能だけでなく、しわ、口臭など美容にも及ぶことを知らせるなど、患者に応じた指導を強調している。
医師にも、日本の男性医師の喫煙率は20%強で、欧米の医師(男女)の5%前後に比べて高い、と自省を求めた。たばこの値上げや広告禁止など、社会環境の整備の必要性も指摘した。
指針は11月以降、循環器学会などのウェブサイトに掲載される。〔共同〕(日本経済新聞 2005/10/18)タクシー喫煙、粉じん基準の12倍 回復まで1時間以上
窓が閉まったタクシーの車内で乗客がたばこを吸うと、車内の浮遊粉じん濃度は国の基準の12倍に達し、元の状態に戻るまでに1時間以上かかることが、東京大大学院研究員らの調査でわかった。前に乗った乗客の喫煙によって、次に乗った乗客が受動喫煙する危険が大きいとしている。
調べたのは、東京大大学院医学系の中田ゆり・客員研究員と産業医科大(北九州市)の大和浩・助教授ら。昨年5月の数日間、東京都内を走行中のタクシーに乗って粉じん計で測定した。
窓を閉めたままで1人が喫煙した場合、1立方メートルあたりの浮遊粉じん濃度は厚生労働省の基準値(0.15ミリグラム)の12倍の1.80ミリグラムに達した。後部座席の窓を5センチ開けた場合でも、基準値の9倍の1.36ミリグラムあった。
さらに元の濃度ゼロの状態に戻るまでの時間を計ったところ、窓を閉めたままだと1時間以上、窓が5センチ開いている場合でも30分以上かかった。
03年5月施行の健康増進法は、多数が出入りする施設や鉄道、バス・タクシーなどの管理者に対し、受動喫煙の防止を義務づけたが、違反しても罰則はない。
中田さんは「タクシーの車内は狭いうえ、降雨や寒さ、エアコンなどのために窓を閉めることも多いので、汚染度は著しい。乗客だけでなく、運転手にとっても健康に悪影響で、タクシーの車内は全面的に禁煙にすべきだ」と指摘している。
国土交通省などによると、全国のタクシー約27万1000台のうち、「禁煙タクシー」は5364台(約2%)という。
東京都内では1225台という。(朝日新聞 2005/10/24)禁煙したくてもできない… 喫煙者7割「依存症」
喫煙者の7割が深刻なニコチン依存症に陥る一方、その6割が禁煙願望を持つことが19日、大阪府立健康科学センター(大阪市)の中村正和健康生活推進部長(予防医学)の調査で分かった。
中村部長は6月、喫煙者を対象に調査を実施、20−70代の1666人(男性872人、女性794人)の結果を分析した。
調査では「禁煙や本数減に失敗したことがあるか」「健康問題が起きると分かっていても吸うことがあったか」など10項目の質問を行い、5つ以上「はい」がある人を依存症と診断した。
調査の結果、男性は67.1%、女性は67.8%、全体では67.4%が依存症と判明。禁煙願望を持つのは、非依存症で36.8%に対し、依存症では62.1%となり、特に女性で70.3%と高い数字になった。
禁煙を試みた経験では、非依存症の42.2%に対し、依存症の人は70.6%に上り、禁煙したくてもできない依存症の深刻さが浮き彫りになった。
一方、過去1年間に病院で医師に禁煙を勧められたのは依存症の人で32.3%、非依存症の人で19.8%。具体的な禁煙方法を指導されたのは16.0%、9.4%にとどまった。
医師による禁煙治療をめぐっては、厚生労働省が平成18年度の診療報酬改定で医療保険の適用対象にする考えを示すなど、「医療行為」との考えが浸透しつつあるが、医療現場での定着までは遠いようだ。
一方、「値上げでたばこをやめるか」との質問には、全体の31.0%が「やめる」と回答。このうち70.2%は「500円以上ならやめる」と答えた。
中村部長は「たばこをやめるのは、同じく依存性があるヘロインやアルコールと同じくらい困難。日本は禁煙治療について、一刻も早く欧米並みに真剣に取り組む必要がある」と指摘する。<ニコチン依存症> たばこに含まれるニコチンが原因で起こる依存症。禁断症状としては注意散漫や昼間の眠気、手の震え、過剰な食欲増進などがある。自力で禁煙を試みた場合は、3分の2が3日以内に喫煙を再開するという統計もある。(産経新聞 2005/11/20)
「風味付きたばこ」に米公衆衛生研究者が苦言
米国では、普通の紙巻たばこに、果物の香りなどの風味をつけた「フレーバード・シガレット」(風味たばこ)が販売されて、次第に人気を増している。
この風味たばこに、ハーバード大学公衆衛生学部のカリー・カーペンタ−氏らが同大学雑誌「健康事情」(Health Affairs)に載せた論文で批判的な意見を発信した。論文では、「風味たばこば、たばこを吸った時の苦さや、たばこ独特の煙の味を隠して、口当たりを良くし、本来毒性の強いたばこを、だれでも受け入れやすくさせてい る。青少年が興味を持ちやすい点が心配だ」などと指摘した。
これに対して、米大手たばこ会社では、「若者向けの販路拡大ではない」と反論している。(日経ヘルス 2005/12/01)苦いチョコはスモーカーの心臓病予防に効果?
【ジュネーブ21日】ココア分が多くて苦いチョコレートはスモーカーの心臓病予防に役立つ可能性があるとの研究結果が英国の医学ジャーナル「ハート」(Heart)最新号に掲載された。スイスのチューリヒ大学病院の研究者たちがスモーカー20人を対象に実験を行ったところ、ココア含有量が75%と比較的高い黒い色のチョコレートを食べた人は血液循環がかなり改善した。
その効果は最高8時間持続し、健康に良い抗酸化物質の増加が見られた。また、有害な血液凝固を起こす物質が減少したという。スモーカーは動脈硬化と心臓血管障害のリスクが高いと見なされている。
一方、ココア含有量の低い白い色のチョコレートには同様の効果はなかった。しかし研究者たちはもっと研究が必要だと述べている。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/12/22)禁煙条例の効果てきめん──1年半で心臓発作3割減
米コロラド州の人口10万の都市で、バー、レストラン、その他の公共の場所での禁煙を定めた条例が施行されてから、わずか18カ月の間に、心臓発作の発生が、約3割減少したと、このほど開かれた米心臓学会で報告された。
地域社会ぐるみの禁煙効果が、短期間に顕著に現れた事例として、学会関係者も注目している。この町は、デンバーから110マイル南のプエブロで、2003年7月に禁煙条例が施行された。それまでの18カ月間には、心臓発作で入院した患者が399人いたが、禁煙条例後の18ヵ月間で心臓発作で入院した人は290人と27%減った。(日経ヘルス 2005/12/22)愛煙家の味方? トマトジュース
たばこを長年吸い続けた状態にしたマウスに、飲み水にトマトジュースを半分混ぜて与えると、肺胞が壊れて息切れが起きる肺気腫(しゅ)の発症を防ぐ効果があることを、順天堂大医学部とカゴメ総合研究所の共同研究チームが9日までに確認した。研究成果は米生理学会の専門誌に発表される。
トマトに含まれる赤い色素リコピンの抗酸化作用が原因と考えられ、研究チームは今後、肺気腫や慢性気管支炎の患者にも効果があるか調べる方針。
トマトの効能をめぐっては、米食品医薬品局(FDA)が昨年、男性の前立腺がんの発症率を低下させる効果があるとの表示を一部のトマト食品に認めている。
順天堂大の瀬山邦明講師らが、老化が非常に早い系統のマウスにたばこの煙を1日30分間、週5日で8週間吸わせると、肺気腫になった。次にトマトジュースを飲み水に半分混ぜて与えながら同じ実験をすると、肺の細胞死が減り、血管形成が促進されて、発症を完全に防げることを確認した。(東京新聞 2006/01/10)喫煙者の肺気腫予防に効果 トマトジュースで動物実験
カゴメは13日、カゴメ総合研究所(栃木県那須塩原市)と順天堂大医学部が、タバコの煙による肺気腫の予防にトマトジュースが有効であることを共同研究の動物実験で確認したと発表した。
実験は早く老化する性質を持つマウスに、1日30分間、週に5日間、8週間にわたりタバコの煙を吸わせ、その間、2倍に薄めたトマトジュースを与えたマウスと水道水を与えたマウス各6匹などを比較し、肺の構造や機能を調べた。
この結果、水道水を与えたマウスと比べ、トマトジュースを与えたマウスで肺気腫の発生が抑制された。
順天堂大の瀬山邦明講師は「ヒトでも同様の結果が得られるかが今後の課題」とコメントした。(共同通信 2006/01/13)「たばこは有毒な大気汚染物質」…米カリフォルニア州
【ロサンゼルス=古沢由紀子】米カリフォルニア州政府は26日、全米で初めて、たばこの煙を、自動車の排ガスに含まれる物質などと同列の「有毒な大気汚染物質」と位置づけ、健康被害を警告していくことを決めた。
同州はすでに、飲食店や公共施設内の喫煙を禁じているが、今後は一層厳しい措置がとられることも予想されている。
同州大気資源局によると、火を付けたたばこから出る煙は、ベンゼンやヒ素などの有害物質同様、「死や深刻な病気の原因になりうる大気中の有毒物質」と定義される。同州政府は昨秋、肺がんや胎児への影響などに加え、女性の乳がん増加と受動喫煙に関連があるとの報告をまとめている。
同局の公聴会に出席した禁煙推進団体は、子どもが乗っている自動車内の禁煙や、禁煙マンションの建設推進などを要望しており、各自治体で検討していくことになる。(読売新聞 2006/01/28)米喫煙肺がん死訴訟:たばこ会社に94億円の賠償命令──オレゴン州最高裁
【ロサンゼルス2日共同】米オレゴン州の男性が肺がんで死亡したのは喫煙の害を十分に知らされていなかったためだとして、遺族が米たばこ大手、フィリップ・モリスを相手に損害賠償を求めた訴訟で、同州最高裁判所は2日、会社側に総額約8000万ドル(約94億円)の支払いを命じた。
同訴訟では、州高裁が2004年に同額の賠償を会社に命じていた。会社側は「過度の賠償額だ」として上訴、いったんは連邦最高裁で争われたが、連邦最高裁は州最高裁に賠償額が適切かどうかの検討を求めた。
州最高裁は「喫煙の害を知りながら消費者に告知せず、たばこを販売した責任に照らし適当」と判断した。
原告によれば、男性は1997年に67歳で死亡するまで約40年間喫煙を続け「本当に危険なものをたばこ会社が販売するはずがない」と、1日平均3箱のたばこを吸っていた。(毎日新聞 2006/02/03)女性の半数「結婚は非喫煙者と」=健康気になる、口臭嫌−製薬会社、400人調査
禁煙治療への保険適用が4月から始まるなど慢性的な喫煙を病気と考える人が増える中、男性では4人に3人、女性では半数近くが結婚相手に非喫煙者を希望している実態が18日、製薬大手のファイザー(東京都渋谷区)の調査で分かった。
同社は今年1月、インターネットを使った調査で20〜30代男女の喫煙者200人、非喫煙者200人から回答を得た。
「喫煙する異性をどう思うか」との質問に対し、「好ましい」は男性2.0%、女性11.5%で、「好ましくない」は男性57.5%、女性32.0%。「結婚相手として選ぶなら」との問いには、男性73.5%、女性48.5%が「吸わない人」を選択した。
異性の喫煙で最も気になる点としては、全体の約4割が「健康への弊害」を挙げたほか、「口臭」が約2割、「髪や衣服へのにおい」と「歯の黄ばみ」がそれぞれ約1割だった。(時事通信 2006/02/18)間接喫煙の子どもは病原菌に感染しやすい
親やまわりの人がたばこを吸うことにより間接喫煙をしている子どもは、病原菌に感染しやすいことがわかった、と雑誌「臨床感染病」の2006年4月1日号で報じられた。
報告したのは、イスラエルのベングリオン大学のデービッド・グリーンバーグ博士(小児科学)ら。
研究者たちは、5歳以下の子ども200人を対象に、肺炎菌(Streptococcus pneumoniae)に感染しているかどうか、を調べた。その結果、間接喫煙の子どもでは、76%が肺炎菌に感染していた。たばこの煙を吸っていない子どもで感染していたのは60%だった。(日経ヘルス 2006/03/30)ニコチン摂取は抗肺がん化学療法薬の効果を妨害、米研究
【ワシントン2日ロイター】ニコチンの摂取が、がん細胞の治療に用いられる化学療法薬の効果の妨げになることが、2日発表された南フロリダ大学のがん研究チームの研究結果により明らかになった。
南フロリダ大学のH・リー・モフィット癌センターの研究チームは肺がんの腫瘍の細胞株に対するゲムシタビン、シスプラチン、タキソールの3種の化学療法薬の効果を測定。その際に平均的な喫煙者の血中ニコチン含有量と同レベルの少量のニコチンを加えたところ、がん細胞に対する薬の効果を妨げる反応が出たと学術誌「全米科学アカデミー紀要」および米国癌研究学会の会合で発表した。
研究チームは、「この結果は化学療法前に禁煙する患者に比べて、喫煙を続ける患者の生存率が低いという臨床研究と合致するもの」とし、また喫煙をやめたものの、ニコチンガムやパッチを使用し続けた場合は、化学療法薬の十分な効果が得られていない可能性があることを示唆した。(ロイター通信 2006/04/03)ニコチン、やはり肺がん増殖に関与? 治療薬の働き阻害
たばこに含まれるニコチンは肺がん治療に使われる抗がん剤の働きを妨げることを、米南フロリダ大の研究チームががん細胞の実験で明らかにした。ニコチン自体は発がん性がないとされるが、がんの増殖に関与しているらしい。米科学アカデミー紀要(電子版)に3日発表される。
研究チームは、肺がんの細胞にニコチンを加えたときの抗がん剤の効き目を、日本でも認可されている3種類の肺がん用抗がん剤(ゲムシタビン、シスプラチン、パクリタキセル)で調べた。その結果、ニコチンがあると、抗がん剤で死ぬがん細胞の数が明らかに減ることが分かった。
喫煙者の血中に含まれるような少量のニコチン量でも、これらの薬効を下げるとみられ、禁煙中でもニコチンパッチやニコチンガムを使うと、薬がうまく効かない恐れがある。
研究チームによると、ニコチンが加わると細胞内の2種類の遺伝子が活発に働くようになり、抗がん剤の作用を妨げると考えられる。これらの遺伝子の働きを抑制することで、ニコチンの作用も抑えられたという。(朝日新聞 2006/04/03)出産:喫煙習慣ある妊婦、低体重児リスク2.2倍──国立保健医療科学院が研究
喫煙習慣のある妊婦は喫煙しない妊婦に比べ、低体重児(2500グラム未満)が生まれるリスクが2.2倍になることが国立保健医療科学院の滝本秀美・母子保健室長らの研究で分かった。
妊婦の喫煙率は90年からの10年間で1.8倍になっており、特に20代の増加が著しい。
低体重児は糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなるという研究結果もあり、滝本さんは「妊婦の年齢や生活習慣に合わせた、きめ細かい個別指導が必要だ」と指摘している。
滝本さんらは、90年と00年に実施された厚生労働省の乳幼児発育調査などのデータを分析した。この調査では妊婦の喫煙習慣も聞いており、妊婦の喫煙率は90年の6.5%から00年には10.9%に増えていた。◇急増目立つ20代
年齢別では10代の喫煙率が最も高く、00年は31%だった。喫煙率が大幅に増えたのは20代で、20代前半は90年からの10年間で12%から21%に、20代後半では同5%から12%になっていた。一方、35歳以上は同7.4%から6.0%に減った。
喫煙者から低体重児が生まれた割合は90年、00年ともに11%で、出産までの週数や妊婦の年齢などで調整すると、喫煙者が低体重児を出産するリスクは非喫煙者の2.2倍になった。
出生児の平均体重は、妊婦が喫煙者の場合は90年が3095グラム、00年が3047グラムで、非喫煙者の3201グラム、3135グラムに比べ軽かった。
喫煙者、非喫煙者ともに出生児の平均体重が減少傾向にあるのは、やせた女性や高齢出産、多胎妊娠の増加が影響しているとみられる。【下桐実雅子】(毎日新聞 2006/04/03)心臓病発症率:たばこで3倍程度高く 厚労省研究班調査
たばこを吸う人は吸わない人に比べ、心筋梗塞(こうそく)などの心臓病にかかる率が3倍程度高いことが厚生労働省研究班(担当研究者・磯博康大阪大大学院教授=公衆衛生学)の大規模調査で分かった。心臓病で治療を受けている患者は全国で約107万人と推計されているが、調査結果を当てはめると、うち約31万人は喫煙しなければ発症しなかった計算になる。英国の循環器病予防専門誌4月号に、論文を発表した。
磯教授らは、全国の40〜59歳の男女計約4万1000人にたばこを吸う本数などを聞いた後、90〜01年にかけて平均11年間追跡し、心筋梗塞や心臓の異常による突然死などが起きたかどうかを調べた。その結果、男女計326人が心筋梗塞などを発症し、うち109人が死亡していた。◇2年以上禁煙の男性、非喫煙者と変わらず
喫煙との関係を調べると、喫煙男性の発症率は吸わない男性の約2.9倍、喫煙女性は吸わない女性の3.1倍だった。男性の発症率は喫煙本数とともに増え、1日14本以下は吸わない人の2.3倍だったが、15〜34本だと3.0倍、35本以上は3.1倍になった。
心筋梗塞などによる死亡者は、全国で男女とも年間約1万5000人。調査結果からは、うち男性6900人、女性1400人の計8300人の死者が、たばこの影響とみられた。
一方、禁煙から2年以上たつ男性の発症率は元々吸わない人と変わらなかった。肺がん予防では同様の効果が出るまで禁煙後10〜15年かかるが、心臓病予防の効果は早めに出た。女性は禁煙経験者が少なく分析が難しかったが、同様の効果が見込めるという。
磯教授は「たばこを吸うと、ニコチンの影響で血管が収縮し、血液もネバネバになって心臓の血管が詰まりやすくなる。禁煙するとこうした悪影響が消える」と予防効果の理由を説明している。【高木昭午】(毎日新聞 2006/04/11)喫煙者の脳卒中危険率1.8倍に
喫煙者は非喫煙者よりも脳卒中になる危険率が1.5−1.8倍高く、たばこをやめれば非喫煙者と同じ程度に脳卒中になる確率が下がることが県立保健大大学院の嵯峨井勝教授が行った調査で分かった。調査では、脳卒中と血圧の関連性が最も高いことも分かり、同教授は「脳卒中になる危険性がある人とその程度を把握できれば、効果的な予防ができる」と話している。
同教授は、黒石市と県総合健診センターの協力を得て、2600人の黒石市民の住民基本健診データを解析。日本人の3大死因の1つである脳卒中の危険度を計算できるコンピューターソフトに、年齢、性別、最高血圧、総コレステロール、HDL(善玉コレステロール)、喫煙の有無など9項目を入力し、今後10年間に脳卒中になる危険性を調べた。
その結果、最高血圧が高くなるにつれて、脳卒中の発生率が高まるとともに、同じ血圧ならば喫煙者が非喫煙者よりも脳卒中になる危険性が1.5−1.8倍高いことが分かった。また以前にたばこを吸っていた「過去喫煙者」は、非喫煙者と脳卒中リスクはほとんど変わらず、たばこをやめれば脳卒中になる確率は低くなることが分かった。(東奥日報 2006/05/05)吸わない人は歯が丈夫 たばことの関係を初調査
40歳以上の男性で喫煙しない人は、習慣的に喫煙している人と比べ、自分の歯が20本以上ある人の割合が高い−。厚生労働省が8日公表した国民健康・栄養調査では、喫煙習慣と歯の状況の関係を初めて調べた。
それによると、喫煙者の場合、歯が20本以上の人は40代で90.7%いるが、50代は71.5%と減少。70歳以上は22.2%しかいない。
一方、非喫煙者は40代92.6%、50代88.1%と減少幅が小さく、70歳以上も32.3%は歯が20本以上あった。
過去に喫煙習慣があったがやめた場合は、50代、60代、70歳以上の各年代とも、歯が20本以上ある人の割合が喫煙者より高く、非喫煙者より低かった。(共同通信 2006/05/08)赤ちゃんのアレルギー性鼻炎、親の喫煙でリスク3倍
【ワシントン=増満浩志】紫煙の漂う室内で育った赤ちゃんは、親がアレルギー体質だった場合、1歳までにアレルギー性鼻炎を発症する割合が3倍に増えることが、米シンシナティ大(オハイオ州)の研究で分かった。
同大のG・レマスターズ教授らが、欧州の専門誌「小児アレルギー・免疫学」電子版に17日発表した。
調査の対象としたのは、親がアレルギー体質の乳児633人。喫煙状況も含めて各家庭の室内環境などを調べ、1歳までに現れた呼吸器系症状との関連を分析した。
その結果、室内での1日の喫煙本数が20本以上という家庭の乳児は、家族が全くたばこを吸わない家庭の乳児に比べて鼻炎の発症が倍増、特にアレルギー性鼻炎の発症は3倍に上った。また、かびの繁殖が目立つ家では、かびが全く見られない家に比べ、アレルギー性鼻炎が3倍、鼻や耳の炎症を伴い、抗生物質の投与を受けるほどの風邪にかかる割合は5倍に達した。
なお、今回の調査では、兄や姉が多いほど、鼻炎の発症が減る傾向がみられたという。これまでも、細菌などに感染する機会が増えると、アレルギーを抑える免疫細胞が活発になるという説が唱えられてきたが、「兄や姉の効果を0歳児で確認したのは初めて」としている。(読売新聞 2006/05/18)路上は全面禁煙に=「発がん物質7メートル先まで」−学会が自治体に提言
屋外での受動喫煙を防ぐため、日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大教授)は31日の世界禁煙デーに合わせ、路上や公共施設の敷地内を全面禁煙にすべきだとの提言をまとめ、自治体などに送付した。「歩きたばこの禁止」が広がる一方で、屋外に灰皿を設置する動きもあるのを問題視。「煙やにおいは7メートル届く。直径14メートル以上の空間を確保できなければ灰皿を置くべきではない」としている。
送付先は、東京都中央区長や佐賀県知事、静岡市長ら。銀座歩行者天国を抱える中央区など「受動喫煙の問題がある所」からピックアップした。
提言で同学会は、屋外の受動喫煙に関する米国の専門家の論文を引用。たばこのにおいや発がん物質は無風の条件下、1人の喫煙者の周囲7メートルまで到達し、4メートル以内では目の痛みやせきなど急性の健康被害が起きるレベルに達すると指摘した。(時事通信 2006/05/31)喫煙者:やはり「死亡率高い」北海道の医師分析
高血圧、高血糖、高コレステロールより、死につながりやすいのはたばこで、受動喫煙でもアスベストやディーゼル排ガスを上回る被害が出ている──。北海道・深川市立病院の松崎道幸医師(呼吸器内科)が、6日までの世界禁煙週間に東京都内で開かれている日本呼吸器学会で、こう訴える。国内外の各種調査を分析した結果で「禁煙こそが最も重要な病気予防策だ」という。
松崎医師は、茨城県などが実施した調査に着目した。40歳から79歳までの健診受診者約9万8000人を、93年から03年まで追跡し、検査値や生活習慣と死因を調べた結果、喫煙者の死亡率は、吸わない人に比べて男性で1.6倍、女性で1.9倍だった。これに対し、高血圧や高血糖患者の死亡率は、正常な人と比べてそれぞれ、1.3倍から1.5倍だった。肥満や高コレステロールでは、死亡率は正常な人と変わらなかった。
特に「現役世代」ともいえる64歳以下の男性では、喫煙者の死亡率は吸わない人の2.1倍に達した。松崎医師は「男性全体の死亡の24%は禁煙していれば防げたと考えられる。たばこが男性の早死にの最大の原因だ」と指摘する。
一方、喫煙者と同居し受動喫煙を受ける人の年間死亡率は、受けない人に比べ、1.15から1.34倍に高まるとの調査結果が、ニュージーランドと香港で出ている。松崎医師によると、日本に当てはめると、10万人あたり170人から300人程度が、毎年、受動喫煙の影響で死亡することになるという。
これに比べ、アスベスト(石綿)にさらされる職場で働いた人では、死亡増は年間10万人あたり約100人、東京都心でディーゼル排ガスを吸って暮らす人は同約6人と推定されるという。
松崎医師は「血圧や血糖が高いと健診で“要治療”とされるが、もっと死亡率が高い喫煙は放置されている。健診で喫煙の有無を調べて、禁煙を強く勧めるシステムが必要だ」と話している。【高木昭午】(毎日新聞 2006/06/02)顔にしわの多い喫煙者は肺疾患の可能性が高い
【パリ13日】英国の研究機関によると、中年の喫煙者で顔にしわの多い人は、しわの少ない人よりも5倍、慢性の肺疾患にかかっている可能性が高いことが分かった。
喫煙は、肺気腫や気管支炎といった慢性閉塞性肺疾患(COPD)の原因となるだけでなく、「肌年齢」にも悪影響を与えることは良く知られている。そこで、研究者たちは顔のしわの程度が、COPDの指標になるかどうかを調べようとした。
現在喫煙しているか、または過去に喫煙したことのある149人の中年の人たちを対象に調査した。このうち、68人はCOPDの患者。全員が肺活量の検査を受け、また全員の顔のしわが測定された。調査対象者のうち、80%の人にはしわがまったくないか、少ししかなかったが、残りの20%の人には多くのしわが見られた。
これらの調査データを、年齢、喫煙の年数などの要因を勘案して分析した結果、しわの多いグループはそうでないグループより5倍、COPDにかかる率が高いことが分かったという。
研究責任者は、この結果は、医師がCOPDを診察する際の1つの迅速な判断要因になり得るとしている。〔AFP=時事〕(時事通信 2006/06/14)たばこ:副煙流の吸入 短時間でも危険 米保健福祉省
【ワシントン和田浩明】米保健福祉省は27日、同国の間接喫煙の健康被害に関する報告書を発表した。たばこの副煙流の吸入によって非喫煙者が心臓疾患やがんにかかる危険性は20〜30%高まり、乳幼児突然死症候群(SIDS)や子供の呼吸器疾患などの原因になると指摘。被害リスクをなくすには、禁煙の完全な実施しかないと強調している。報告書をまとめたカルモナ医務総監は「2〜3分の間接喫煙でも心血管や呼吸器に悪影響を与える」と会見で危険性を訴えた。
同報告書によると、全人口の約4割にあたる約1億2600万人の非喫煙者が間接喫煙を強いられ、3〜11歳の子供では2200万人に及んでいる。一方、非喫煙者のうち間接喫煙をしたと確認できた人の割合は、88〜91年の約88%から01〜02年の約43%に半減。喫煙人口も過去40年間で21%に低下した。
米環境保護当局の推定では、間接喫煙が原因とされる肺がんの死者は年間3400人、心疾患の死者は2万7000〜6万9600人。18カ月未満の乳幼児では、毎年最大30万人がたばこの煙で気管支炎や肺炎にかかっているという。喫煙が原因とされる死者数は年間44万人で全死亡数の2割になっている。(毎日新聞 2006/06/28)喫煙で性機能低下のリスク大=男性8400人調査−豪州
たばこを吸う男性は非喫煙者よりも性機能低下のリスクが高いことが、1日までのオーストラリア保健当局の大規模疫学調査で分かった。1日に吸う本数が多いほど顕著だった。たばこ規制に関する国際専門誌に発表した。(時事通信 2006/07/01)たばこ健康被害、1450億ドル支払い命令棄却・フロリダ州最高裁
【ニューヨーク=鈴木哲也】フロリダ州最高裁は6日、喫煙者が米大手たばこ会社5社に健康被害を巡る損害賠償を求めていた集団訴訟で、総額1450億ドルに上る賠償金支払い命令を却下した同州高裁の判断を支持する決定を下した。集団訴訟としての適格性に欠け、巨額の賠償命令は「行き過ぎだ」と判断した。他のたばこ訴訟にも影響が出そうだ。
同訴訟では同州地裁が2000年、フィリップ・モリスUSA(旧フィリップ・モリス)やRJレイノルズなど大手5社に対し米懲罰的賠償を含む賠償金の支払いを命じた。フロリダ州内の喫煙被害者全体を原告とみなす集団訴訟と認定し、賠償金が膨れあがった。だが控訴審は03年に一審命令を棄却。同最高裁がこの判断を支持した。
同最高裁は「法律が扱う問題としては懲罰的な賠償金支払い命令は行き過ぎだと結論づけた」としている。集団訴訟の認定については「たばこの被害者はそれぞれ固有の事情があり、集団訴訟としてまとめるのは無理がある」という控訴審の判断を踏襲した。(日本経済新聞 2006/07/07)喫煙で今世紀10億人死亡も 国際対がん連合まとめ
【ワシントン11日共同】喫煙を減らす強力な対策が導入されなければ、21世紀のたばこによる死者数は世界で約10億人に上り、20世紀の10倍に膨らむ恐れがあるとの推計を、世界各国の対がん協会や学会、病院、研究所などでつくる民間組織「国際対がん連合」などがまとめ、ワシントンで開催中の同連合の会議で10日発表した。
中国をはじめとする喫煙率が高い発展途上国での人口増が主な原因。発表は、成人のたばこ消費を半減できれば今後50年間に約3億人の「不必要な死亡」を防げるとして、各国政府に早急な取り組みを求めている。
世界の喫煙人口は現在、男性約10億人、女性約2億5000万人の計約12億5000万人。平均喫煙率は男性の場合、先進国が35%、途上国は50%で途上国が多いが、女性は先進国が22%と途上国の9%を上回っている。
現在の傾向が変わらないと、2005年に年約500万人だった喫煙による死者は20年に年1000万人に倍増、その後も増え続ける。(共同通信 2006/07/11)たばこの毒、細胞内ではダイオキシン並み 山梨大研究
たばこを吸うと、猛毒ダイオキシンが大量に体内に入った時と同じ反応が細胞内で起こる──。こんな報告を、山梨大医学工学総合研究部の北村正敬教授(分子情報伝達学)らが、米学術誌「キャンサー・リサーチ」15日号に発表する。
ダイオキシンはヒトの体内に入ると、細胞にある受容体(カギ穴)にカギが入るように結びついて細胞を活性化させ、毒性を発揮する。国は健康に影響しない1日の摂取量を、体重1キロ当たり4ピコグラム(ピコは1兆分の1)と示している。
北村さんらは、たばこの煙とこのダイオキシンの受容体とのかかわりに着目。市販されているたばこ1本分の煙を溶かした液体を使い、マウスの細胞の反応を調べた。国の基準の164〜656倍のダイオキシンが受容体に結びついた状態にあたる活性がみられ、タール量が多いと活性も高くなる傾向が出た。
さらに、受容体に結合すると血中に特殊な酵素が出るように遺伝子を操作したマウスに、たばこの煙を吸わせると、24時間後に酵素の量が約5倍に増えた。
北村さんは「たばことかかわっていると見られる発がんや妊娠異常などはダイオキシンの健康被害と似ており、同じメカニズムが関与している可能性がある」と話す。<受容体> 細胞や細胞膜に存在し、ホルモンや化学物質などと結合して細胞内に反応を起こすたんぱく質。ダイオキシンはAh受容体(芳香族炭化水素受容体)と結合し、毒性を発揮する。(朝日新聞 2006/07/13)
たばこ:1本でダイオキシン摂取基準200倍相当の物質も
たばこの煙に含まれる物質が、細胞内でダイオキシンと似た働きをし、1本分の煙が、1日の摂取基準を約200倍上回るダイオキシンに相当することを、山梨大大学院生の河西あゆみさんや、北村正敬教授(分子情報伝達学)らが突き止めた。米国のがん専門誌「キャンサーリサーチ」に論文が掲載された。
ダイオキシン類は、細胞内の「ダイオキシン受容体」と結合し、活性化させて毒性を発揮する。たばこの煙は微量のダイオキシンを含むと分かっていたが、他に約5000種類の化学物質も含むため、総合的にどれだけ同受容体を活性化するかは不明だった。
研究チームは市販のさまざまなたばこ1本分の主流煙を、溶液に溶かして抽出液を作った。一方で、同受容体が活性化すると特殊なたんぱく質を分泌する細胞を、遺伝子操作で作成。この細胞に抽出液を加え、活性化の程度を調べた。
タール10ミリグラムを含む平均的なたばこの場合、活性化の程度は、ダイオキシン3万9300ピコグラム(ピコは1兆分の1)が受容体と結びついたのに相当した。体重60キロの人なら、国が定めるダイオキシンの1日耐容摂取量(体重1キロ当たり4ピコグラム)の164倍に当たる。タールの多いたばこでは200倍以上に達した。
さらに、同受容体の活性化で特殊なたんぱく質を作るマウスを作成。主流煙を直接吸わせる実験や、周囲に流して受動喫煙と同じ状態にする実験をした。いずれもマウスの血中でたんぱく質が増え活性化が確認された。
北村教授は「受容体は今回、主にダイオキシン以外の物質で活性化したとみられ、大量のダイオキシンを浴びたのと同じ害が出るわけではない。だが、遺伝子操作でこの受容体を常に活性化させたマウスは、がんや免疫異常を起こす。喫煙者も同様の心配がある。喫煙させたマウスでは、活性化が4日続いた」と警告している。【大場あい】(毎日新聞 2006/08/05)米地裁がたばこ訴訟でメーカーに違法判決
【ワシントン17日ロイター】米ワシントン連邦地裁のケスラー判事は17日、米司法省が1999年に大手たばこメーカーを相手取って起こした民事訴訟で、たばこメーカーは長年にわたり喫煙の有害性を隠すことで法律に違反したと判断する一方、米政府が求めていた禁煙キャンペーンへの巨額の資金拠出については、メーカーに強制することはできないとして請求を退けた。
同判事は1653ページに及ぶ長文の判決書の中で「喫煙は疾病、苦痛、死の原因になる。この事実を内部で認識していたにもかかわらず、被告は喫煙の危険を何十年にもわたって公には否定、歪曲し、極小化してきた」と指摘した。ただ同時に、2005年のコロンビア特別区巡回裁判所の控訴審判例があるため、メーカー側に巨額の費用を伴う是正措置を命じることはできないと述べた。
同判事はメーカーに対して、喫煙の健康への影響と中毒性に関する文言を修正してパッケージやウェブサイト、大手新聞紙面などに掲載するよう求めるとともに、「低タール」や「ライト」などの表現の使用を禁じた。
訴えられていたのは米アルトリア・グループ<MO.N>と傘下のフィリップ・モリスUSA、ロウズ<LTR.N>のロリラード・タバコ部門(トラッキングストック名はカロライナ・グループ<CG.N>)、ベクター・グループ<VGR.N>傘下のリゲット・グループ、レイノルズ・アメリカン<RAI.N>のRJレイノルズ・タバコ部門とブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)<BATS.L>のブリティッシュ・アメリカン・タバコ・インベストメンツ部門。(ロイター通信 2006/08/18)たばこ9社の不正認める 米連邦地裁判決
米司法省が大手たばこ会社9社を相手取り、健康被害の情報を意図的に隠したり操作したりして消費者を欺いたとして、反たばこキャンペーンに計140億ドル(約1兆6000億円)の拠出を求めた訴訟で、ワシントンの連邦地裁は17日、たばこ各社側の不正を認める判決を言い渡した。
しかし、法的救済としての金銭的な支払いは認めず、正確な健康被害について新聞広告を出すことと、10年間にわたり各社のウェブサイトに同様の記述を掲げることを求めるにとどめた。
ロイター通信などが伝えた。地裁判事は「たばこが病気、苦痛、死を招くことを社内で認めながら、被告は公的にはこれを否定、ゆがめ、何十年もの間、健康の危険を最小限にみせた」と認定した。研究結果を隠し、書類を破棄し、ニコチン値を操作したとも述べた。
反たばこキャンペーンなどへの資金拠出を認めなかったことについて、市民団体などは「たばこ会社にとっては大勝利でもある」と批判した。(朝日新聞 2006/08/18)米国産たばこ、ニコチン増量 禁煙防ぐ目的?
【ワシントン=松川貴】米マサチューセッツ州公衆衛生局の調査で、米国産たばこに含まれているニコチン量が1998年に比べ、2004年には平均16.6%増加、とりわけ若者に人気のブランドで増えていることが分かった。ニコチンはたばこ中毒の原因で、たばこ離れを防ぐために、意図的に増量したとの見方も出ている。31日付ワシントン・ポスト紙などが伝えた。
現在、米国で販売されているフィリップ・モリス、RJレイノルズ(RJR)、ロリラードの3社のたばこ116種類のニコチン含有量と体内吸入量を98年調査のデータと比較。その結果、92種類でニコチン量が増加、12種類で減少、12種類は変化がなかった。全種類平均では1本当たりの含有量で16.6%の伸び。吸入量でみると9.9%増加した。
吸入量が多かったのはロリラードの「Newport」やRJRの「Camel(キャメル)」。増加率が高かったのはRJRの「Doral」や「KOOL(クール)」だった。米国の代表的たばこ「マルボロ」も吸入量が増えていた。マルボロ、Newport、キャメルは若者が好むブランド。
同衛生局のフォガーティ副局長は「ニコチン吸入量の増加は禁煙を難しくするだろう」と警告。「たばこから子供を守る運動」のマシュー・マイアーズ会長は「一貫してニコチン量が増えており、意図的に巧妙にやっていると結論せざるを得ない」とたばこ会社の狙いを同紙で批判した。(中日新聞 2006/09/01)30分以内で…ただちに表れるニコチンの禁断症状 米研究者調査
喫煙者のたばこの禁断症状は、最後の喫煙から早くも30分以内に表れることが、フロリダ州タンパにあるがん研究センターで、たばこと禁煙プログラムの研究をしているトーマス・ブランドンさんらの調査で分かった。
ブランドンさんらは1日1箱のたばこを吸う50人を対象に、半数は自由に喫煙してもらい、半数はたばこを控えてもらって、集中力を要する仕事を続けさせた。そして、30分ごとに禁断症状の有無をチェックした。
その結果、たばこなしの人は、30分以内に仕事の能率が落ち、一服をほしがり始めた。また、1時間以内に怒りを示し、ニコチンの禁断症状の1つである心拍数の低下も確認された。たばこなしの人はさらに、3時間以内に不安や悲しみを示し始めたという。
禁断症状がこれほど早く訪れることを示した調査結果はこれが初めて、と専門家は指摘している。
ブランドンさんは「喫煙者は1時間で平静を失うことがあるということだ」と述べ、禁煙を勧めている。(USA TODAY)(産経新聞 2006/09/04)「COPD」の主因・ビタミンC不足と喫煙!
東京都老人総合研究所と順天堂大学医学部の研究チームは、高齢者に多い肺の病気、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症の主因がビタミンC不足であることを突き止めた。喫煙によって症状が加速することも証明した。患者数が急増しているCOPDの治療薬の開発や予防法を探る成果として注目を集めそうだ。
老人研の石神昭人主任研究員と順天堂大の瀬山邦明助教授のチームは、「SMP30」というビタミンCを合成するたんぱく質を作れないよう遺伝子操作したマウスに、タバコを吸わせた。このマウスの肺を解剖して調べたところ、タバコを吸わせないマウスに比べ3倍早い2ヶ月でCOPDになることが分かった。
ビタミンCに不足が老化を加速させることが分かってきた。今回のビタミンCを作らないマウスでも早期に肺胞が大きくなるという老化現象を確認した。さらに喫煙させることで、肺胞の破壊が起こり、一気にCOPDに進行するという。これまでビタミンCや喫煙と、COPD発症の因果関係は科学的に解明されていなかった。石神主任研究員は「ビタミンCの摂取や喫煙がCOPDの予防につながる可能性が高い」と話す。
COPDは別名「タバコ病」といわれ、高齢者に多い。初期は息苦しさが目立つだけだが、進行すると呼吸困難になって死に至る。世界では死因の第4位と高く、日本の患者数は21万人程度という。日本では近年40歳ぐらいから発症するケースが増えており、潜在的な患者数は500万人を超えると考えられている。一連の成果は米国胸部疾患学会詩に掲載された。(日経産業新聞 2006/09/14)肺がん、家族も高リスク 遺伝や喫煙など影響か
両親、きょうだいが肺がんにかかったことがある人は、そうでない人に比べ肺がんになる危険性が約2倍との調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が10日発表した。
遺伝的要因に加え、喫煙や食事など共通の生活習慣が背景にあるとみられる。研究班は「お茶の間での受動喫煙も一因ではないか」として、家族に患者がいる人は検診を受けるよう勧めている。
研究班は、長崎県など9地域の約10万人を1990年から最大14年間追跡。期間中に肺がんを発症した791人を調べたところ、両親や兄弟、姉妹に肺がん患者がいる人は、いない人より1.95倍、肺がんを発症しやすい傾向がみられた。
男女別では男性1.69倍、女性2.65倍と、女性の方がより影響が強かった。がんの種類別では、喫煙との関連が深い扁平上皮がんが起こりやすくなっていた。(共同通信 2006/10/10)禁煙法で間接喫煙の害が減少=スコットランド
【ワシントン10日】英国のスコットランドでは、今年3月に公共の場での喫煙が全面的に禁止されたが、その後の調査で、同措置実施後、バーのウエーターやバーテンダーの健康状態が非常に改善されていることが分かった。
スコットランドのテーサイドで、たばこを吸わないウエーターやバーテンダー105人を対象に行われた調査で、のどや肺の症状に顕著な改善が見られた。禁煙が実施される1カ月前の検査時には、105人のうち、79.2%が呼吸器や目などの不快な症状を示していたが、禁煙実施1カ月後の検査では、同様の症状を示す人は53.2%に、同2カ月後には46.8%に減少した。
この調査結果は、米医師会ジャーナルの10月11日号に発表されるが、間接喫煙が健康にとって深刻な脅威であることを証明している。
欧州では、アイルランドが2004年に公共の場での全面禁煙を実施し、その後、同様の措置がスコットランド、イタリア、マルタ、スウェーデンで実施された。来年には、フランス、イングランドやウェールズ、北アイルランドなどでも公共の場での喫煙が禁止される。〔AFP=時事〕(時事通信 2006/10/11)車中での喫煙は窓を開けても有害
ドライブ中に窓を開けていても、受動喫煙による害を完全に避けることはできないことが明らかにされ、米医学誌「American Journal of Preventive Medicine」11月号に掲載された。そのレベルは、小児や高齢者のような感受性の高い人に有害であると米国環境保護庁(EPA)が定めた基準値を超えているという。
米ハーバード大学(マサチューセッツ州)公衆衛生学部のVaughan Rees氏らによる今回の研究では、車中のチャイルドシートに汚染監視装置を設置し、ボランティアの喫煙者が1時間の距離を運転した。計45回の走行のうち、一部では窓をすべて全開にし、残りは運転席側の窓を2インチ(約5センチ)のみ開け、ほかの窓は閉めたままにした。
汚染監視装置により、「PM2.5(大気中の粒子状物質で直径が2.5μm以下のもの)」の濃度を測定。EPAによる大気質指標(AQI)によれば、1立方メートル当たり40μgを超えるPM2.5に24時間曝露すると、小児、高齢者および特定の医学的条件にある人の健康にリスクが生じるという。250μgを超えると誰にとっても有害である。
結果は、車窓を全開にした場合、車内のPM2.5レベルは平均51μgで、運転席の窓のみわずかに開けた場合は272μgであった。一般道を時速40マイル(約64km)で走った場合、車内の空気には大きな流動がみられるものの、煙は残り続け、受動喫煙を完全に避けるには十分とはいえないとRees氏は述べている。米国の一部の州では、小児を受動喫煙から保護するため、乗用車内での喫煙を禁じている。(日本経済新聞/HealthDayNews 2006/10/19)歯周病のリスク、喫煙で増加 6000人調査
たばこを吸う人は吸わない人に比べて歯周病にかかっている人が多く、失った歯の本数も多いことが6000人分のデータを分析した厚生労働省研究班の調査で分かった。喫煙が歯の健康に影響することはこれまでも指摘されてきたが、国内の大規模な実態調査で裏付けられたことになる。25日から富山市で始まる日本公衆衛生学会で発表する。
担当したのは福岡歯科大の埴岡(はにおか)隆教授(口腔(こうくう)保健学)ら。99年に国が実施した歯科疾患実態調査と、喫煙習慣も尋ねる国民栄養調査でともに調査対象となった全国6805人分のデータを結びつけて分析した。
成人の歯32本のうち、残っている歯の平均本数は、20〜39歳の男性では非喫煙者が27.4本だったのに対し、喫煙者は27.1本。60歳以上の男性は18.5本に対し14.1本。性別、年齢を問わず、喫煙者のほうが少なかった。
歯を1本以上失っている人の割合は20〜39歳男性で非喫煙者22%、喫煙者39%。同女性でそれぞれ29%、43%。歯磨きの頻度、肥満、飲酒状況、ビタミン摂取量などほかの要素を差し引いても、歯を失う危険度は、喫煙者は非喫煙者より男性で2.2倍、女性で1.7倍に及んだ。
40歳以上で歯が19本以下の人も同様で、喫煙本数が多く、喫煙年数が長い人ほど歯が少ない傾向もみられた。40歳以上で歯周病がある人の割合も、喫煙者は1.4倍だった。
14歳以下の子どもへの影響も調べた。喫煙者のいる家庭では、いない家庭に比べて未処置の虫歯がある割合が1.3倍だった。
喫煙は歯と骨をくっつけている歯根膜の細胞を傷めるほか、唾液(だえき)の分泌を減らし、虫歯の原因菌への抵抗力も弱めるという。
埴岡さんは「毎日口で吸っているのだから影響が出るのは当たり前なのに、気付いていない人が多い。口の中を注意して見てみてほしい」と話している。(朝日新聞 2006/10/23)がん死の原因、男性たばこ4割 厚労省
がんで死亡した男性の約4割、女性の5%が、たばこが原因と考えられるとする推計を厚生労働省の研究班(主任研究者=祖父江友孝・国立がんセンターがん情報・統計部長)がまとめた。年間約8万人がたばこでがん死したことになる。
研究班は、国内で83年から03年に実施された3つの10万人規模の調査データについて詳しく調べた。対象は調査開始時40〜79歳の男性13万9974人、女性15万6796人の計29万6770人。
調査開始時の喫煙経験率(たばこを吸っている人と過去に吸っていたがやめた人の割合)は、男性79.5%、女性10.5%。平均9.6年追跡した結果、がんで死亡したのは男性6503人(うち喫煙経験者5668人)、女性3474人(同499人)。年齢を調整して解析した結果、喫煙経験がある人は、ない人に比べ、男性で1.79倍、女性で1.57倍、死亡率が高かった。
食事や運動など喫煙以外のリスクが同じと仮定すると、がんで死亡した男性の38.6%、女性の5.2%がたばこが原因となった。人口動態統計にあてはめると、年間に男性約7万4000人、女性約7000人がたばこが原因でがん死した計算になる。
男性では、吸ったことがない人に比べ、調査開始時に喫煙していた人の死亡率は1.97倍、過去に吸っていたがやめた人は1.5倍で、禁煙の効果もうかがえた。(朝日新聞 2006/11/14)ベランダでも防げない受動喫煙
台所の換気扇の下やベランダに出てたばこを吸っても、家庭内での受動喫煙は防げないとの調査結果を、東大大学院医学系研究科(国際地域保健学)の中田ゆりさんがまとめ、日本公衆衛生学会で発表した。
一般的なマンションで、喫煙者がいない家庭といる家庭での空気中の粉じん濃度を測定した。
喫煙者がいない家庭では、1立方メートル当たり0.03ミリ・グラム以下。一方、台所の換気扇の下でたばこを吸った場合、換気扇では排気しきれないたばこの煙が、仕切りのない隣接のリビングに流れ込み、同0.1ミリ・グラムを超える粉じんが測定された。
ベランダで喫煙した場合は、窓を開けた状態では風向きによって煙がリビングに逆流したほか、約1.5メートル離れた隣家のベランダでも同0.08ミリ・グラムの粉じん濃度が測定された。
中田さんは、「子どもや家族を受動喫煙から守るためには、ベランダを含め禁煙にすべきだ」と話している。(読売新聞 2006/11/17)たばこも酒も習慣、食道がんリスク10倍 東北大調査
喫煙するのに加えてほぼ毎日飲酒する男性は、どちらの習慣もない人たちと比べて食道がんになるリスクが9〜11倍あることが、宮城県の約2万7000人を対象にした東北大の石川敦庸(あつのぶ)医師(公衆衛生学)らの調査でわかった。たばこの関与が特に大きく、患者の約7割は喫煙しなければ、がんにかかるのを避けられた計算になるという。
84年に約9000人、90年に約1万8000人のいずれも40歳以上の男性に食生活などを尋ね、それぞれ9年間と7年7カ月間追跡したところ、78人が食道がんになっていた。
そこで喫煙や飲酒、緑茶を飲む習慣が食道がんのリスクとどうかかわるかを調べた。たばこを吸う人のリスクは吸わない人と比べて5倍、ほぼ毎日飲酒する人のリスクはほとんど飲まない人と比べて2.7倍あった。
緑茶を1日5杯以上飲む人は飲まない人と比べて1.7倍リスクがあった。理由ははっきりしないが、研究チームは「緑茶を熱い状態で飲む人が多かったのかも知れない」と推測する。熱い飲食物は、食道がんの危険を高めるとされている。
こうした個別の解析とは別に、「たばこを吸わず、お酒も緑茶もほとんど飲まない」人たちのリスクを1として計算すると、喫煙と飲酒の習慣がある人ではリスクが9.2、さらに1日3杯以上の緑茶を飲む習慣も加わると11.1になった。
食道がんと診断されるのは年に1万5000人ほどとされ、8割以上を男性が占める。今回の調査をまとめた栗山進一・東北大助教授は「食道がんは生活習慣で予防できる代表的ながん。禁煙が何より大事で、酒を飲みながらのたばこは最悪です」としている。(朝日新聞 2006/11/19)ポロニウムはまずい?=たばこ被害の広告自粛−英保健省
【ロンドン11日時事】英保健省などは11日までに、たばこの健康被害を訴えるため企画していた公共広告の放送を見合わせることを決定した。元ロシア情報機関員アレクサンドル・リトビネンコ氏の死因とみられる放射性物質ポロニウムについて言及されていることから、「不適切」(同省)と判断した。
広告は、ジャーナリストが喫煙者にインタビューする形で、たばこにはポロニウムを含めさまざまな毒素が含まれている事実を伝える内容。保健省と民間団体「キャンサー・リサーチ」が共同で作成し、テレビやラジオのコマーシャル枠で放送される予定だった。
しかし、リトビネンコ氏の事件で市民の間に不安が広がっており、検討の結果、5種類ある広告のうちポロニウムを扱った2種類の放映が延期されることになった。(時事通信 2006/12/12)ref. Puffing On Polonium
(New York Times 2006/12/01)米のがん死者、2年連続減少 禁煙や治療向上で
【ワシントン17日共同】米国のがんによる死者数が、2004年には前年より約3000人少なく、2年連続で減少したことが全米がん協会の最新の統計で17日分かった。
同協会は「一時的な減少ではなく、傾向としてはっきり表れた。喫煙者の減少と治療の向上が主な要因だ」としている。日本では、がんによる死者は増加し続けている。
統計によると、03年は前年より369人、04年は03年より3014人減少した。米国では1990年代から多くのがんで死亡率が低下しているが、人口増加や高齢者の増加をも上回って、がん死者数自体がついに減った形だ。
部位別では、死者数の多い肺、乳房、前立腺、大腸のいずれのがんでも減っているが、特に大腸がんでの減少が著しく、女性の肺がんだけが増えているのが特徴。
同協会によると、がん死者の減少は、大人の喫煙率が1965年の42%から2005年の21%に半減するなど、禁煙の効果が大きい。また、全がんの平均の5年生存率は1975〜77年の50%から96〜2002年の66%に上がるなど、治療成績の向上も寄与している。(共同通信 2007/01/18)たばこ会社が警告なしにニコチン量を増大
米国のたばこ会社が、1998年から2005年の間に、たばこに含まれる依存性物質であるニコチンの濃度をさまざまな方法を用いて11%増大させていたことが判明した。たばこ会社は、ニコチン濃度を高めただけでなく、1本あたりの吸入回数が多くなるようたばこの設計を変更していたという。
米ハーバード大学(マサチューセッツ州)公衆衛生学部(HSPH)の研究グループが、マサチューセッツ州で販売された大手ブランドのたばこを分析した結果、この7年間で、1本あたりの煙中ニコチン量が毎年平均1.6%増大していることがわかった。この増量は大手メーカー4社のいずれにも認められ、ライト、ウルトラライトなどの全種類にわたっていた。
研究チームリーダーの1人でHSPH副学部長のHoward Koh氏は「紙巻たばこは、たばこ蔓(まん)延を永続させるように精密に調整された薬物送達装置」と呼ぶ。各製品に関する正確な情報は謎に包まれており、一般には知らされていない。今、たばこ業界に対してニコチンや製品設計に関する情報の開示を求める政策的措置を取ることにより、次の世代を依存症から守ることができるかもしれないとKoh氏は述べる。
今回の知見から、たばこ業界が1998年に州検事総長との和解契約を結んだ後、喫煙者を依存症に陥らせようとする姿勢に変化はあったのかどうか、という重大な疑問が浮かび上がると、同じく研究チームリーダーの1人であるGregory Connolly氏は述べている。「われわれの分析によれば、和解成立後、各社は消費者に警告することなくたばこに含まれるニコチンを何年にもわたり少しずつ増やしてきたことになる。検事総長による綿密な調査が急がれる」とConnolly氏は指摘する。
Connolly氏によると、マサチューセッツ州選出のエドワード・ケネディ上院議員(民主党)は、この不正行為に対処し、たばこ業界に対して他の薬物製造業と同じ規則を課す連邦法案を提出しているという。(日本経済新聞/HealthDay News 2007/01/18)フランス:禁煙、まず公共施設から カフェなどは猶予
【パリ福井聡】「紫煙とカフェ」の文化で知られるフランスで1日、職場、学校、病院、店舗など公共の施設での喫煙が禁止となった。カフェ、バー、レストランなどは「喫煙大国」への配慮から11カ月の猶予期間が与えられ、全面禁煙は08年1月1日からとなる。
フランスは伝統的に喫煙に寛容で、91年の分煙法制定後もカフェやレストランでの分煙はあいまいだった。しかしアイルランド、スコットランド、北アイルランド、イタリアが相次いで公共施設を禁煙とする法律を施行したため、欧州の流れに沿うことになった。
AFP通信によると、違反者には罰金68ユーロ(約1万円)、施設の責任者には同135ユーロ(同2万円)が科せられる。「密閉された喫煙室」を設ける店舗では喫煙できるが、可能な店舗は全体の3%に過ぎないとみられる。
ベルトラン保健相は、「これを機に、現在は年間70万人が禁煙しているのを倍増させたい」と訴えた。
たばこ愛好家連盟のモンレドン事務局長は「法で断罪され、路上に放り出された気分だ」と反発し、店主に店内を禁煙にするか喫煙を認めるかの選択権を与えるよう訴えた。(毎日新聞 2007/02/02)肺がん発症女性の2割は非喫煙者、受動喫煙が原因か?
ワシントン──肺がんを発症した女性のうち、約20%が「一度も喫煙歴がない」ことが明らかになった。米スタンフォード大学のヘザー・ウェイクリー医学博士らが9日付の米臨床腫瘍学会誌に発表した。同博士は、周囲の人が吸うたばこの煙による「受動喫煙」がな原因ではないかと指摘している。
ウェイクリー博士らは、米国とスウェーデンの、40─79歳の肺がん患者100万人以上について、生活様式や他の疾患などについて、1970年代初めまでさかのぼって調査した。
その結果、一度も喫煙したのことがない人の肺がん発症率は、女性10万人あたり年間14.4─20.8%に達した。また、男性の場合は10万人あたり4.8─13.7%と、女性に比べて低かった。
喫煙者の場合、発症率は男女とも10─30倍に跳ね上がっている。
米国がん協会によれば、すべての肺がん患者のうち非喫煙者は、推定10─15%だという。
ウェイクリー博士は、肺がん患者のうち非喫煙者は女性で約20%、男性で8%に達するとして、原因は受動喫煙の可能性が非常に高いとしている。
男女差が大きいのは、男性の方が喫煙率が高く、全体的に非喫煙者の割合が低くなることや、たばこを吸わなくても周囲の男性が喫煙者である場合が多く、受動喫煙を強いられている女性が多いためではないかとしている。
米国がん協会は、2007年に肺がんを発症する米国人は21万3000人で、16万人が死亡すると予測している。(CNN 2007/02/12)JTが禁煙反対の組織票 神奈川県の条例賛否アンケート
神奈川県が公共の場を全面禁煙にする条例をめざし、 喫煙規制の賛否をインターネットのアンケートで問うた。この調査に、日本たばこ産業(JT、東京都港区)が、 社員を動員して投票に加わらせたことがわかった。アンケートは締め切り間際に「条例化反対」が多数になった。JTは 「回答に協力するよう依頼した」と認めている。
JT本社の広報は「強制ではなく、個人としてアンケートに協力するように依頼した。 社として分煙を主張しており、全面禁煙には異論がある」と話している。
県はホームページで、1月26日までアンケートをした。受動喫煙を防ぐため、 公共的な場所での喫煙規制の賛否や、どこを規制したらよいかなど9項目を聞いた。
このうち、JTが社員に投票を頼んだのは「条例で特定の公共の場所の喫煙を規制すること」 についての賛否。県健康増進課によると、 アンケートを始めた昨年12月27日から1月中旬まで条例化賛成が大幅に上回っていたが、その後に反対が急に伸びた。 締め切り2日前に逆転し、結果は回答4047人のうち、反対1985人、賛成1738人になった。残りは「その他」 「わからない」だった。
JTによると、1月上旬から何回か、東京都と埼玉、 千葉両県内の計4支店と横浜支店に協力を働きかけた。
松沢成文知事は14日の記者会見で「少し組織的な動きがあったかもしれない。システムの改良が必要だ」 と話した。条例化の是非をめぐっては、市町村やたばこ業界の意見も踏まえて判断することにしていて、 アンケートもその1つだった。
神奈川県のインターネット上のアンケートは、メールアドレスや年代、 県内に住んでいる人か県外かなどを登録すれば、だれでも参加できる。(朝日新聞 2007/02/15)たばこ嫌いの子、増加 「吸いたい」6年で半減
「たばこを吸いたいと思ったことがある」子どもはこの6年間でほぼ半減し、「将来吸わないと思う」割合も大幅に増加したことが文部科学省が小中高校生を対象に実施した喫煙・飲酒意識調査で13日、分かった。
子どもの“たばこ嫌い”が強まっている傾向を示すデータで、文科省は「健康増進法施行や禁煙範囲の拡大など、たばこをめぐる状況が一変したことの影響とみられる」としている。
調査は昨年2月に実施、全国の小中高計約750校、6万7435人(小学校は高学年のみ)から回答を得た。前回調査は2000年。
「吸いたいと思ったことがある」小6男子は8%(前回15%)、中3男子13%(同28%)、高3男子26%(同44%)だった。「将来吸わないと思う」との回答は全学年で増え、中3男子で73%(同57%)、高3男子では67%(同53%)。
「喫煙は大いに有害」との回答も全学年で増え、小6、中3、高3女子では94%(同86─92%)に達した。
一方、飲酒については「飲みたいと思ったことがある」との回答は小6女子が34%で横ばい、高3女子が67%(同80%)など、中高生は前回に比べ割合が低下する傾向がみられた。(共同通信 2007/03/13)米国:たばこ「ライト」「マイルド」は国外でも使用禁止
【ワシントン和田浩明】ワシントンの米連邦地裁は16日、米たばこ各社が「ライト」など喫煙による健康被害の印象を弱める言葉を広告やパッケージに使用することを禁じた昨夏の同地裁の命令は、米国外での広告活動にも適用されるとの決定を示した。今後、日本などでの販売に影響が出る可能性もある。
同地裁は昨年8月、米国内での広告で「ライト」「低タール」「マイルド」などの表現を禁止する判決を出した。これに対し、被告のフィリップ・モリス社などは、判決の効力が米国内に限定されることを明確化するよう求めていた。
16日の決定でグラディス・ケスラー判事は「(問題の広告表現で)米国民に重大な影響が出ている以上、海外での活動も規制対象になる」との判断を示し、規制を米国内に限定すれば「欺まん的で誤解を招くメッセージを世界中に許すことになる」と指摘した。
フィリップ・モリス社は同地裁の決定を「法に反する」と批判、連邦高裁で控訴手続きを進める意向を示した。(毎日新聞 2007/03/17)がん:喫煙者の半数が危機感 検査受診は18%
喫煙者の約半数は肺がんへの危機感を持ちながら、早期発見につながりやすいCT(コンピューター断層撮影)検査を受けたことのある人は2割に満たないことが、製薬会社「ジョンソン・エンド・ジョンソン」の調査で分かった。
今年1月、30〜60代の男女計1000人を対象に、インターネットで肺がんに関する意識調査を実施。回答者のうち喫煙者(251人)の51%(128人)は「自分もいつか肺がんになるかもしれない」と認識し、1日の喫煙本数が多い人ほど発症を心配する傾向があった。
一方、胸部X線よりも小さながんを発見できる「肺がんCT検診」を知っている喫煙者のうち受けたことがあるのは18.6%で、危機感が受診につながっていない傾向が浮かんだ。【大場あい】(毎日新聞 2007/03/19)ADHD発症児の母、喫煙率一般の2倍
落ち着きがないなどの症状が表れるADHD(注意欠陥・多動性障害)の子どもの場合、母親の喫煙率が同年代の女性の2倍程度高いことが、大阪府の小児科医の調査でわかった。
母親の喫煙とADHD発症との関係を示す研究は、これまで海外ではあるが、日本では初めてという。
ADHDは、生まれつきの脳の機能異常による発達障害とされ、集中力がない、衝動的な行動をするなどが特徴。治療経験の豊富な大阪府寝屋川市の小児科医院の安原昭博院長が、小児患者の母親167人に喫煙歴などをアンケートした。
その結果、喫煙経験は47%にあり、妊娠時にも35%が喫煙していた。特に出産時の年齢が20〜24歳の母親では、喫煙率が88%にのぼった。
一般の出生児を対象にした厚生労働省調査では、母親の喫煙率は17%、うち20〜24歳は35%で、ADHD児の母親は2倍程度高い。安原院長は「ADHDには遺伝的要因もあるが、母親の喫煙も関係があると考えられる。妊娠が分かってから禁煙したのでは遅い可能性がある」と話す。京都市で21日開かれる子どもの防煙研究会で発表する。(読売新聞 2007/04/20)たばこ訴訟で政権介入 米紙報道
【ワシントン22日共同】米紙ワシントン・ポストは22日、米政府がたばこ各社を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、ブッシュ大統領が任命した司法省幹部が2005年、たばこ企業追及の手を緩めるよう同省の原告団に介入したと報じた。当時の原告団リーダーが同紙に明らかにした。
司法省は喫煙に伴う健康被害で政府が負担した医療保険費の返済を求めて1999年にたばこ各社を提訴。同紙によると、訴訟が大詰めを迎えた05年、ブッシュ政権が任命した司法省幹部3人が原告団に、たばこ各社のトップの解任を求めないことや1300億ドル(約15兆3000億円)から100億ドルへの請求額減額などを指示した。
ブッシュ政権は財界寄りとして知られるが、たばこ企業支援の目的での政治介入の意図は否定している。(共同通信 2007/04/23)禁煙、50代からでも効果 肺がん死亡率43〜64%減
50代でたばこをやめれば吸い続けるより43〜64%も肺がん死亡率が減少、60代でも19〜57%減る──。こんな推計結果を厚生労働省の研究班(主任研究者=祖父江友孝・国立がんセンターがん情報・統計部長)がまとめた。研究班は「禁煙は早い方がいいが、遅くても効果がある。あきらめて吸い続けるのは最悪の選択肢」と言っている。
研究班は、国内で83年から03年に実施された3つの10万人規模の疫学調査のデータから、18〜22歳の時に喫煙を始めた喫煙者・禁煙者と、非喫煙者の男性計11万2人(調査時40〜79歳)分を分析。平均追跡期間は8.5年で968人が肺がんで死亡していた。喫煙者と非喫煙者は年代別に、禁煙者についてはさらに禁煙時の年代別にも分けて肺がんの死亡率を計算して比べた。
その結果、50代で禁煙した人は吸い続けた人に比べ、60代で43%、70代で56%、80代で64%も肺がん死亡率が減る計算になった。60代で禁煙した場合もそれぞれ19%、40%、57%減った。
肺がん死亡率は、禁煙後の年数が増えるほど減る。喫煙者のリスクは非喫煙者の4.71倍。これが禁煙後10〜15年で半分程度に減り、非喫煙者と同じレベルに近づくには15年以上必要だった。(朝日新聞 2007/05/09)受動喫煙、多動性障害の一因か 兵庫の医師らラット実験
受動喫煙した子ラットは多動になるなど、脳神経の発達に影響することが、幸生リハビリテーション病院(兵庫県加古川市)の鬼頭昭三医師らの研究でわかった。受動喫煙が発達障害の1つである注意欠陥・多動性障害(ADHD)のリスクの一因になる可能性を示唆するもので、16日から名古屋市で始まる日本神経学会で発表される。
実験では、妊娠直後から出産前日までの母ラットに約3週間、出生直後の子ラットに4週間、それぞれ毎日2時間、たばこの副流煙を吸入させ、受動喫煙させた。
母の胎内で受動喫煙した子ラットも、出生直後の子ラットも、受動喫煙していない子ラットに比べ、行動時間や行動距離が約1.5倍と多動になった。エサの場所の認知度を測るテストでは、吸っていないラットに比べ失敗が約1.5倍多かった。
脳の生化学実験では、脳内物質ドーパミンの受容体が増えるなど神経発達に偏りがみられた。ADHDの一因としてドーパミンの不具合が指摘されている。鬼頭医師は「人間と同一視できるかは検証が必要だが、受動喫煙が環境要因の1つになりうる」としている。
欧米では、妊婦が直接喫煙した場合に、ADHDの子が生まれる確率が高いことを示唆する疫学調査がある。北海道大院の田中康雄教授は「ADHDの行動が起きる過程は複雑でリスクも1つではないが、実験は、妊婦が直接喫煙するだけでなく受動喫煙した場合も、子にとって危険因子になる恐れを指摘している」と話している。(朝日新聞 2007/05/15)たばこを吸う母、半数近く「妊娠中も喫煙」
たばこを吸う女性は妊娠しても、半数近くが喫煙している──。31日の世界禁煙デーを前に、製薬会社・ファイザーが乳幼児がいる喫煙者の両親を対象に受動喫煙について調査したところ、こんな実態が判明した。子どもが車に同乗していても、構わずたばこを吸う父母も半数を超えた。
調査はインターネットを通じ、就学前の子どもを持つ父と母300人ずつの計600人から回答を得た。
母親300人のうち、過去に禁煙したことがないのは48人。残る252人に「妊娠した際、禁煙に挑戦したか」と聞いたところ、「挑戦したが、途中で挫折した」「吸う本数を減らした」がそれぞれ42人、「特にしなかった」も4人いた。45%にあたる計136人が妊娠中にたばこを吸っていたことになる。
車に乗る際に喫煙する父親は172人、母親は126人だったが、子どもが同乗しても喫煙するのは父親の86人(50%)に対し、母親は87人(69%)と逆転した。子どもと飲食店に行った際、禁煙席を選ぶのも父親の44%に対し、母親は39%と低かった。
喫煙が乳幼児に与える影響について詳しい東京都町田保健所の斎藤麗子所長(小児科)は、「妊娠時の喫煙は、おなかの中で虐待しているようなもの。流産や早産の危険性を高め、生まれる子供の脳や体に障害が出る場合もある。もっと真剣に考え、禁煙してほしい」と話している。(朝日新聞 2007/05/22)禁煙方法、治療より「気合と我慢」6割 製薬会社調査
ニコチンパッチなどを使って治療するより、我慢や気合で乗り切ろうとする禁煙方法がいまだに主流であることが、製薬大手ノバルティス ファーマの調べで分かった。
この1年間に禁煙を考えた喫煙者3889人(うち禁煙挑戦者は2724人)に聞いたところ、禁煙方法は「ニコチンガムをかむ」の14%、「ニコチンパッチをはる」の6%に対し、「気合と我慢」(58%)や「水を飲んだり普通のガムをかんだりして気をまぎらわす」(42%)が、はるかに多かった。
禁煙できないのはニコチン依存症という病気だということを、「よく知っている」は13%で、「まったく知らなかった」が41%だった。「ニコチン依存症は治療で解決できることを、もっとPRしていきたい」と同社。(朝日新聞 2007/05/27)受動喫煙で年間10万人死亡=5億人以上が被害−中国
【北京30日時事】喫煙人口が世界最多の3億5000万人に上る中国で、受動喫煙による被害が広がり、年間10万人以上が死亡していることが、衛生省の「喫煙抑制報告」で30日までに明らかになった。同省は「受動喫煙の危害が深刻に受け止められていない現実に対し、科学的証拠を列挙した」とし、被害拡大に警鐘を鳴らすとともに、公共の場所などでの禁煙立法の必要性を訴えている。
同報告によると、受動喫煙の被害者は5億4000万人で、うち15歳以下が1億8000万人。受動喫煙が原因の肺がんや心臓病などによる死者は年間10万人以上と推定されるという。(時事通信 2007/05/30)WHO:飲食店も、職場も…屋内全面禁煙を勧告 各国に法制化求める
【ジュネーブ29日共同】世界保健機関(WHO)は29日、受動喫煙の害を防ぐため、飲食店を含む公共施設と職場を屋内全面禁煙にするよう勧告した。WHOは今年の世界禁煙デー(31日)で受動喫煙の危険性をアピールする。
勧告は、分煙や換気によって受動喫煙の害を減らすことはできないと指摘。各国政府が公共の場での屋内全面禁煙を法制化し、順守を徹底させるよう求めている。
家庭での禁煙にまでは踏み込んでいないが、職場での禁煙が法制化されれば喫煙者、非喫煙者ともに自発的に家庭でも禁煙にしようとする可能性が高まるだろうと予測している。
WHOのマーガレット・チャン事務局長は「受動喫煙には安全基準などない。既に多くの国が行動を起こしており、世界中の国が屋内全面禁煙に踏み切るように求めたい」と述べた。
WHOの推計によると、世界で年間20万人が職場での受動喫煙で死亡している。またWHOと米疾病対策センター(CDC)が世界132カ国の13歳から15歳までの子供を対象に99年から05年にかけて実施した共同調査によると、子供たちの55.8%が受動喫煙を経験していた。(毎日新聞 2007/05/30)40歳で吸う男性、余命3.5年短い 世界禁煙デー
31日は世界禁煙デー。喫煙習慣が、平均余命や乳幼児の突然死にも影響するといった研究報告が相次いでいる。
厚生労働省研究班(主任研究者=上島弘嗣・滋賀医科大教授)の調査で、40歳時点での平均余命が、たばこを吸う男性は吸わない男性より3年半短かったことがわかった。余命への影響が確認されたのは国内で初めてだという。
80年に全国の保健所で健診を受けた男女約1万人を、99年まで追跡調査した。80年の調査で、男性の喫煙率は62.9%、女性は8.8%。当時の調査時に、たばこを吸わないと答えた40歳男性の平均余命は42.1年、吸う男性は38.6年だった。当時、1日2パック以上吸っていた男性に限ると、38.1年とさらに短かった。一方、調査時点でたばこをやめたと答えた男性は40.4年で、喫煙者より長かった。
女性は、たばこを吸わない女性の平均余命が45.6年に対し、吸う女性は43.4年と、やはり短い傾向がみられた。
喫煙者が80年以降に禁煙したかどうかまでは調べていないため、影響が明確でない面もあるが、同医科大の村上義孝・特任講師は「吸い続けた人に限って解析できれば、吸わない人との差はさらに広がったはず」とみている。(朝日新聞 2007/05/31)両親の禁煙、乳児突然死を大幅減
両親の禁煙で、毎年少なくとも120人の赤ちゃんを救えます──。愛知県瀬戸市にある青山病院の小児科部長中川恒夫さん(54)が、こんな試算を発表して禁煙の重要性を訴えている。乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性を大幅に減らせるからというのだ。31日は世界禁煙デー。
SIDSは、元気な赤ちゃんが眠っている間に急死する症状。原因は特定されていないが、睡眠中に息苦しくなると自然に呼吸しようとする「覚醒(かくせい)反応」が、うつぶせ寝や受動喫煙などによって妨げられるからではないか、との説もある。
実際、うつぶせ寝や両親ら養育者の喫煙、人工乳保育などが発症の危険性を高めることが分かっている。
80年代には2000人に1人だった発症率は、うつぶせ寝が減ったことなどから年々減少している。それでも国内では毎年約200人の赤ちゃんが死亡。厚生労働省の統計では、国内では1歳未満の乳児の死因で3番目に多く、4000〜5000人に1人の割合に相当する。
中川さんは、世界保健機関(WHO)の調査に参加したニュージーランドの研究者によるデータをもとに、たばこを吸うのが(1)母親だけ(2)父親だけ(3)両親ともに──の3通りの例でSIDS危険度を算出。それぞれ、どちらも吸わない場合の4倍、1.5倍、10倍に高くなると明らかにした。
さらに男女の喫煙率を加味して試算した結果、年間約120人の赤ちゃんが親の喫煙を原因とするSIDSで死亡する計算になったという。
中川さんは「うつぶせ寝を避けることが広く知られた今、SIDSの最大のリスクはたばこ。禁煙の動きがさらに広がってほしい」と話す。
東京女子医大の仁志田博司教授(新生児医学)は「計算上の話だが、妊娠中の喫煙1本でも赤ちゃんに影響が及ぶことは明らかになっている。大人がたばこをやめることで救える赤ちゃんがいると認識してもらえるデータになるのでは」と話している。(朝日新聞 2007/05/31)喫煙は精子を損傷、子孫のDNAに悪影響も=カナダ研究
【ワシントン2日ロイター】喫煙によって精子が損傷を受ける可能性があり、遺伝子を通じて子供へも悪影響があるという研究結果が報告された。カナダ保健省の研究者が今週発行の学術誌「Cancer Research」で発表した。
マウスを使って実験を行った同研究によると、たばこの煙が精子の細胞のDNAに変異を起こすことが分かったという。こういった突然変異は、遺伝情報に永久的な変化をもたらすとされている。
同研究の責任者で、保健省の環境職業毒性学担当のキャロル・ヨーク氏は、「これらの変異が遺伝したら、子孫の遺伝的構成物の中に不可逆変化として存続します」と指摘。「母親の喫煙が胎児に悪影響することは周知のことですが、父親による喫煙の方も、それが母親と出会う前であれ、子供に悪影響を与える可能性が示されました」と述べた。(ロイター通信 2007/06/03)米最高裁がフィリップ・モリスに不利な判断、たばこ訴訟扱わず
米連邦最高裁判所は11日、米アルトリア傘下の米国内たばこ事業フィリップ・モリスUSAがアーカンソー州の裁判所に起こされた集団訴訟を最高裁での審議に移すことを求めていた件で、「連邦レベルで審議するための論拠が弱い」として却下する判断を示した。
同訴訟は、「マルボロ・ライト」などの商品で米政府から認可を得るためタールやニコチン含有量を偽ったとして、複数の消費者が起こしていた。企業に対する集団訴訟では、州レベルよりも最高裁の判決が企業側に有利な場合が多いという。(米州総局)(日本経済新聞 2007/06/12)受動喫煙:認知症の発症リスク高まる 血管に影響
他人が吸ったたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」が長期間に及ぶと、認知症の恐れが高まるとの分析を、米カリフォルニア大が公表した。たばこを吸う人は認知症リスクが高まるとの研究はあるが、受動喫煙と認知症の関係に注目した本格調査は初めてという。同大は「受動喫煙が血管に影響を与え、発症のリスクを高めているのではないか」と推測している。【田中泰義】認知症の主な原因には、脳こうそくなどの血管障害とアルツハイマー病がある。
たばこが中枢神経系に与える影響を探る目的で調査を実施。研究に協力する65歳以上の市民3602人のうち、過去に喫煙歴や心血管疾患がない985人(66〜92歳)を6年間、追跡した。
このうち、受動喫煙があった人は495人で、その期間が30年以上だと、認知症の発症率が約1.3倍になることが分かった。30年未満の人では、受動喫煙の影響を受けなかった人と発症率の差はほとんどなかった。
また、30年以上の受動喫煙者のうち、脳に血液を供給する頸(けい)動脈の狭さくが見つかった人では、認知症を発症する率が約2.4倍とさらに高かった。30年未満の受動喫煙者でも約1.3倍だった。喫煙は動脈硬化の危険因子とされ、狭さくもその一種。(毎日新聞 2007/06/26)英、7月1日から全面禁煙に=パブやレストランもダメ
【ロンドン30日時事】英イングランドで7月1日から禁煙法が施行され、公共の場での喫煙が全面的に禁止される。スコットランドや北アイルランドでは先行して禁煙化が実施されており、これにより英全土が「禁煙地帯」となる。
規制対象は、店舗やオフィスのほか、パブ(大衆酒場)やレストランなども含まれる。屋外や個人の自宅は対象外。個人の違反者には最大50ポンド(約1万2400円)、企業や施設管理者には同2500ポンド(約62万円)の罰金が科される。(時事通信 2007/06/30)公共の場所での喫煙を禁止=ケニアの首都ナイロビ
【ナイロビ11日AFP=時事】ケニアの首都ナイロビでは11日から、公共の場所での喫煙が禁止され、レストラン、バー、オフィス、公共の建物、市場、モール、劇場などではたばこが吸えなくなった。違反者には最高3000ケニア・シリング(45ドル)の罰金もしくは6カ月の禁固刑が科される。ナイロビ当局は禁煙の徹底に乗り出した。
ワティカ・ナイロビ市長はバーやレストランのオーナーに対し、11日からの禁煙施行に伴い、喫煙区域を設けるよう促した。同市長は記者団に対し、「われわれはすばやく禁煙を施行する。市の職員が市内各地に印をつけるので、愛煙家には喫煙区域を提供できるだろう」と語った。ケニアではすでにナクル、モンバサで禁煙が実施されている。
ケニア最高裁は昨年、タバコ栽培者が起こした訴訟の結果が出ていないとして、ケニア政府が導入しようとした全国規模の禁煙に待ったをかけていた。政府の統計によると、喫煙による年間の税収は約50億ケニア・シリング(7460万ドル)だが、病気、障害、死亡など喫煙によるコストはその5倍になっている。
ケニアは部分的禁煙を導入した国としては、アフリカではタンザニア次いで2番目。タンザニアは2003年に公共の場所での喫煙を禁止している。〔AFP=時事〕(時事通信 2007/07/11)たばこで余命3.5年短縮 男性、40歳時点で
1万人の追跡調査で推計 厚労省研究班
たばこを吸っている男性の40歳時点の平均余命は、吸わない男性より3.5年短い−。厚生労働省研究班(主任研究者・上島弘嗣滋賀医大教授)が24日までに、30歳以上の男女約1万人を対象とした追跡調査を基に、こんな推計をまとめた。
1日2箱以上吸う男性の余命は、1箱未満よりも0.9年短く、ヘビースモーカーほど短命の傾向がうかがえるという。
喫煙が健康に悪影響を及ぼすことは広く知られているが、たばこの影響を余命で示したのは国内初の試みという。
推計の根拠としたのは、1980年に全国300カ所の保健所で健康診断を受けた30歳以上の男女のうち、計9625人(男性4237人、女性5388人)に対する追跡調査。このうち99年までに死亡した約2000人の喫煙の有無や、年齢別の死亡率などを基に全調査対象者の平均余命をはじき出した。
それによると、健診時にたばこを吸っていた男性は2666人(喫煙率・約63%)で、40歳の平均余命は38.6年。残る男性のうち、もともと吸っていなかった777人については42.1年で3.5年長かった。
以前は吸っていたが健診時に禁煙していた794人の余命は40.4年。
男性喫煙者のうち1日の本数が「1箱未満」の40歳の平均余命は39.0年、1−2箱は38.8年、2箱以上は38.1年と、本数が多いほど余命が短くなる傾向がうかがえた。
女性の喫煙率は約9%で、喫煙者(476人)の40歳の平均余命は43.4年、非喫煙者(4793人)は45.6年と、2.2年の差があった。
研究班の村上義孝滋賀医大特任講師は「男性の場合、喫煙が平均余命に影響していることは明らかといえる。女性も同様な傾向がみられたが、調査開始時点での喫煙率が低く明言はできない」としている。<喫煙の影響> たばこに含まれるニコチンなどが健康に与える影響については多くの研究が行われ、喫煙者はがん、心臓病、脳卒中、肺気腫、ぜんそく、歯周病などの罹患(りかん)率が高いことが知られている。厚生労働省によると、喫煙男性は、非喫煙者と比べて肺がんによる死亡率は約4.5倍、食道がんによる死亡率は約2.2倍。2005年の喫煙率は男性39.3%、女性11.3%。男性は年々減少傾向で初めて4割を下回ったが先進国の中では高い。女性は20代(18.9%)、30代(19.4%)でほかの世代より高くなっている。(共同通信 2007/07/24)
認知症になる可能性、喫煙で高まる傾向=蘭研究
【ワシントン2日ロイター】喫煙する人は、たばこをやめた人や喫煙経験のない人と比べてアルツハイマー病などの認知症を発症しやすいことが、オランダの研究チームの調査で分かった。2日発行の神経学の専門誌で発表した。
オランダのロッテルダムにあるエラスムス・メディカル・センターのモニーク・ブレテラー博士が率いる研究チームは、55歳以上の約7000人を対象に、1人当たり平均で7年間に及ぶ調査を行った。
この調査では期間中に706人が認知症を発症。対象者のうち喫煙者は、たばこを吸わない人と比べて認知症になる確率が50%高いことが分かった。
認知症の危険因子としては、「APOE4」または「アポリポタンパク質E4」と呼ばれる遺伝子が知られている。この遺伝子を持つ人に対しては喫煙がアルツハイマー病を発症する危険性に影響を与えることはないが、この遺伝子を持っていない人の場合、喫煙により同病気を発症する危険性が70%高くなるという。
ブレテラー博士によると、喫煙で小さな発作が引き起こされ、それにより脳がダメージを受けて認知症を誘発する可能性があるという。(ロイター通信 2007/09/03)心臓発作の入院、1年間で17%減=禁煙の成果か−英スコットランド
【ロンドン10日時事】英スコットランドで、公共の場での全面禁煙が施行されてから最初の1年間で心臓発作のため入院する人が17%も減少したことがこのほど、スコットランド自治政府の調査によって明らかになった。
全面禁煙は2006年3月に実施された。自治政府が10日発表したところによると、全面禁煙が導入される前の10年間は、心臓発作で入院する患者の数が年平均3%のペースで減少していたが、導入後の1年間でその比率は一気に17%に上昇したという。調査はスコットランドの9病院を対象に行われた。
この調査結果について、スコットランド医療当局の研究者は「禁煙導入が大きな成果をもたらした。喫煙者だけでなく、受動喫煙を強いられてきた人の健康状態が改善した」と分析している。(時事通信 2007/09/11)アパート室内まで禁煙に=違反者に退去要請も−米で条例案
【シリコンバレー3日時事】米カリフォルニア州のベルモント市議会はこのほど、アパート室内での喫煙を禁じる条例案を暫定可決した。同州は、職場や飲食店内での禁煙法を1990年代に施行した禁煙先進地だが、個人の室内まで踏み込んだ禁煙令はさすがに異例だ。
非喫煙者の受動喫煙防止を徹底するため、条例案には、アパート室内で喫煙した者への罰金適用が盛り込まれた。喫煙をやめず近隣住民から苦情が出た場合には退去を要請する可能性も規定され、正式承認されれば「全米で最も厳格な禁煙法」(サンノゼ・マーキュリー紙)とみられる。(時事通信 2007/10/04)「母親喫煙」子供への影響、父親の場合の4.5倍に
母親が喫煙する家庭の子は、父親が吸う場合に比べ、体に入ったニコチンの分解物質(コチニン)の値が約4.5倍となることが、埼玉県熊谷市の小学4年生約1000人の調査で明らかになった。
生活習慣病の予兆がある子は、受動喫煙しやすい家庭環境が多いことも判明。同市は小学4年生の希望者を対象に、全国でも珍しい「受動喫煙検診」を行うことを決めた。
研究を行ったのは市内の開業医、井埜利博・群馬パース大客員教授ら。2002年からの5年間で、両親が調査に同意した熊谷市の小学4年生計1048人を対象に、尿に含まれるコチニン濃度を調べたほか、両親の喫煙習慣、喫煙場所などをアンケートで尋ねた。(読売新聞 2007/10/09)スモーカー、一段と肩身狭く=アパート室内も禁煙−米加州
【シリコンバレー11日時事】世界的な禁煙運動の先進地、米カリフォルニア州内で、スモーカー包囲網が一段と狭まっている。従来の職場や飲食店など公共スペースに加え、アパート室内や車中といった私的空間での喫煙まで制限する規則が各地で相次いで導入されている。
シュワルツェネッガー州知事は10日、18歳未満の子供が同乗する自家用車内での喫煙を禁止する法案に署名した。子どもの受動喫煙を防ぐのが目的で、2008年1月に発効する。
一方、州北部ベルモント市議会は今週、「全米で最も厳格」とも呼ばれる禁煙条例を可決。09年から分譲マンションや賃貸アパート室内での喫煙を禁じ、罰金は最大1000ドル(約12万円)と高額だ。(時事通信 2007/10/12)禁煙法で心臓発作が大幅減 アイルランドなど
【ロンドン12日共同】室内の公共スペースでの喫煙を全面的に禁止する法律が施行されているアイルランドと英北部スコットランド地方で、心臓発作の発生率が大幅に減少したとの調査結果が相次いで発表された。当局者らは「禁煙法の成果」だと主張、各地に同様の法律制定を促すことにつながるとしている。
心臓発作は、高血圧などのほか、喫煙も主な原因とされる。
アイルランドでは2004年、自宅を除くほとんどの室内での喫煙を禁じる法律を施行。全国一律の禁煙法は当時、世界でもまれだった。
英メディアなどによると、施行後の1年間、アイルランド南西部の公立病院に心臓発作で入院した患者数が、前年比で11%減少した。調査した同国のコーク大病院の医師は「世界各地の保健当局者に禁煙法に目を向けさせるデータ」としている。
別の調査では、昨年3月に同様の法律を施行したスコットランドでも患者数が17%減少。スコットランド行政府当局者は「禁煙法で市民が得た健康上の利益を示している」と強調した。(共同通信 2007/10/13)妊婦喫煙で子の肥満率3倍 山梨大教授が約1000人を調査
妊娠初期の女性が喫煙者だと、生まれた子どもが10歳になった時点で肥満になる確率が、非喫煙者に比べ約3倍高いことが24日までに、山梨大医学部の山県然太朗(やまがた・ぜんたろう)教授らの調査で分かった。
山県教授らは、1991―97年に妊娠した山梨県の女性約1400人を追跡調査し、10歳の子ども約1000人のデータを分析した。
妊婦の生活習慣が子どもの健康に与える影響についての長期的な調査は珍しいといい、山県教授らは24日から松山市で開かれる日本公衆衛生学会で発表する。
調査によると、女性が妊娠3カ月の時点で喫煙していると、10歳となった子どもが肥満になる確率は、非喫煙の場合の2.9倍高かった。また、妊娠中に規則正しく朝食を取っていない女性の子どもも、2.4倍の高確率で肥満になっていた。
肥満の判定には、肥満度を測定する国際的な指標となっている体格指数「BMI」を低年齢向けに換算して用いた。
山県教授は「母胎にいるときに喫煙などで栄養が吸収しにくい状態だと、逆に生まれてから栄養を蓄えやすい体質になるのではないか」と、推測している。(共同通信 2007/10/24)男性の頭髪の悩み、喫煙で悪化する可能性=研究
【シカゴ19日ロイター】アジア人の男性は白人男性と比べて一般的に遺伝的な頭髪の悩みを抱える割合が少ないが、喫煙によりその差が縮まる可能性があるという。台湾の研究チームが19日に発表した。
同チームでは、平均年齢65歳の台湾の男性740人を対象に調査。その結果、1日に20本以上のたばこを吸った場合、喫煙が抜け毛の発生に重要な役割を果たしていることが分かった。喫煙は、毛包を破壊したり、頭皮内側の血液やホルモンの流れを阻害、またはエストロゲンの生成を増加させたりする可能性があるという。
同研究結果は、皮膚科学専門誌の11月号に掲載されており、抜け毛の兆候が現れた男性に対し、その進行を妨げるために喫煙の影響に気をつけるよう提言している。(ロイター通信 2007/11/20)特殊なMRIで受動喫煙による肺損傷が明らかに
特殊な磁気共鳴画像法(MRI)を使用することにより、受動喫煙による肺の構造的損傷が初めて明確に示され、米シカゴで開かれた北米放射線学会(RSNA)年次集会で発表された。
長期間の受動喫煙への曝露が肺に物理的な損傷をもたらすとの仮説は以前からあったものの、これまでの分析方法では感度が不十分なため確認することができなかったと、発表者の米フィラデルフィア小児病院(ペンシルベニア州)のChengbo Wang氏は述べている。
Wang氏らは、「long-time-scale, global helium-3 diffusion MRI」(長期スケール包括的ヘリウム-3拡散MRI)と呼ばれる技術を用いて、現喫煙者および元喫煙者7人、非喫煙者36人(このうち18人は高レベルの受動喫煙に曝露)の肺を調べた。その結果、喫煙者の57%、受動喫煙レベルの高い非喫煙者の33%に肺損傷の初期徴候がみられた。さらに、喫煙者の14%、受動喫煙レベルの高い非喫煙者の67%に、喘息や慢性気管支炎などの呼吸器障害の発症が認められた。
この結果は、受動喫煙が肺を損傷することを示すという。公共の場での受動喫煙を防止するための法案が米国の多くの州で検討されており、今回の研究がこのような法案通過を促すきっかけとなるよう期待すると、Wang氏は述べている。(日本経済新聞/HealthDayNews 2007/11/26)夫の喫煙で危険性2倍 吸わない女性の肺がん
自分はたばこを吸わないのに夫が吸う女性は、夫も吸わない女性と比べ肺腺がんになる危険性が約2倍高まるとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が12日発表した。
夫の1日の喫煙量が20本以上だと、リスクがさらに高まるという。
同センターの最新の推計値によると、2001年に肺がんを発症した女性は2万1000人あまり。別の調査では、肺がんの女性の約70%は非喫煙者とのデータもある。調査をまとめた倉橋典絵・国立がんセンター予防研究部研究員は「分煙を進め、たばこの煙を避けることが重要だ」と話している。
調査は岩手、秋田など全国8県の40−69歳のたばこを吸わない女性約2万8000人が対象。平均13年間の追跡調査で109人が肺がんと診断された。
このうち肺腺がんだったのは82人で、さらに夫が喫煙者、もしくは以前喫煙者だった女性は67人。統計学的な計算によると、30人は受動喫煙がなければ肺腺がんにならずに済んだはずだという。肺がんには最も発生頻度の高い腺がんを含め4種類あるが、肺がん全体でも、受動喫煙でリスクが高まる傾向があったという。(共同通信 2007/12/12)愛煙家は糖尿病にもご用心=スイスの研究チームが警鐘
【ジュネーブ14日時事】「たばこを吸う人が糖尿病にかかるリスクは、吸わない人の1.44倍」−。スイス・ローザンヌ大学の研究チームは米国医師会(AMA)の機関誌最新号でこんな調査結果を発表し、愛煙家に警鐘を鳴らした。
ローザンヌ大のウィリ教授らの研究チームは、過去に公表された喫煙と糖尿病の関係に関する25の調査を分析。最大で過去30年さかのぼり、約4万6000人の糖尿病患者を含む120万人のデータなどを調べた。
その結果、1日に1箱(20本)以上吸うヘビースモーカーが糖尿病にかかる恐れは、吸わない人の1.61倍。また、禁煙に成功した人でも1.23倍になることを突き止めた。研究チームは、喫煙が血糖値を下げるインスリンの働きを低下させる可能性があるとみている。(時事通信 2007/12/15)元旦から飲食店も禁煙=「カフェで一服」に幕−仏
【パリ30日時事】フランスで1月1日を期して、カフェ(喫茶店)、酒場、レストラン、ディスコ、カジノとホテル内での喫煙禁止令が施行される。企業や商店、学校、病院、劇場、駅などは既に2007年2月から禁煙となっており、今回の措置によって公的な屋内空間は、密閉された喫煙所を除き、完全な禁煙ゾーンとなる。
違反者の罰金は68ユーロ(約1万1000円)。禁煙表示を出さないなど対応を怠った施設の責任者にも135ユーロ(約2万2000円)の罰金が科せられる。
フランスでは朝の仕事前にカフェに立ち寄ってコーヒーを飲み、たばこで一服というのが多くの市民の楽しみだったが、その伝統に幕が下りる形だ。ただし、経営者側の要求を受け、カフェの屋外テラスでは引き続き喫煙が認められる。(時事通信 2007/12/30)
![]()
![]()