希望医学

[2005]



健康食品、体質で効果に差 大豆イソフラボン
更年期障害や骨粗しょう症予防に効果があるとして人気の健康食品、大豆イソフラボンは、同じように摂取しても、個人の体質の違いによって骨粗しょう症予防の効果に大きな差があることが4日までに、国立健康・栄養研究所の石見佳子食品成分機能表示研究室長らの研究で分かった。
石見室長らは、女性ホルモンが低下して骨粗しょう症になりやすい年代の女性(平均年齢52歳)約30人に、毎日75ミリグラムのイソフラボンを摂取してもらった。
半年後に骨粗しょう症のバロメーターである骨密度を測ると、骨密度が大幅に低下した人と低下がある程度抑えられた人がほぼ半々だった。(共同通信 2005/01/04)

脳梗塞の重症化にも関与か アルツハイマーの危険因子
【ワシントン5日共同】アルツハイマー病になりやすいとされる特定の遺伝子型を持っていると、脳梗塞(こうそく)を起こした場合にも重症化しやすいことを示す動物実験結果を、森隆・埼玉医大総合医療センター助教授らのグループが5日までにまとめた。近く米医学誌に掲載される。
グループは、脳梗塞を悪化させる細胞を絞り込み、特定の薬剤で症状を改善できることも確認。
森さんは「アルツハイマーの危険因子となる遺伝子型を発症前に検査することには議論があるが、脳梗塞の重症化にも関係するなら、検査は予防にもつながり有益ではないか」と話している。
問題の遺伝子は「アポリポタンパクE」と呼ばれるタンパク質をつくる遺伝子。3種類ある遺伝子型のうち「E4」というタイプの人は、他の型の人よりアルツハイマー病にかかりやすいとされている。(共同通信 2005/01/05)

日射少ないと消化器がん増 美白ブームに警鐘も
日射量が少ない地域ほど大腸などの消化器系のがんで死亡する人が多い−。皮膚がんのリスクを高めるとして日光に含まれる紫外線が目の敵にされる中、日光とがんとのこんな意外な関係を九州大の溝上哲也助教授(疫学)が明らかにし、米国の専門誌にこのほど発表した。
溝上助教授は「美白ブームなどで極端に日光を避ける風潮が、消化器系がんを増やす危険もある」と指摘している。
溝上助教授は、47都道府県の1961−1990年の平均日射量と、発生部位別にみた2000年の都道府県別のがん死亡率とを比較し、関連を調べた。(共同通信 2005/01/08)

唐辛子+大豆=育毛サプリ 男性の8割に効果
熊本大院助教授が開発
唐辛子と大豆の成分で育毛を促進するサプリメントの開発に、熊本大学大学院医学薬学研究部の岡嶋研ニ助教授(血液学、ストレス学)の研究グループが成功した。脱毛症などは幅広い症状に対応できる治療法がない分野で、民間と連携して商品化を検討している。
岡嶋助教授は2003年春から唐辛子の辛味成分であるカプサイシンの効能を研究。カプサイシンは、毛髪の成長を促す物質を増加させるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を知覚神経から放出させることを動物実験で解明。大豆に含まれるイソフラボンはCGRPを増やす働きがあり、カプサイシンとイソフラボンを同時に摂取することで育毛に効果があることを突き止めた。
同助教授は04年8月から薄毛や全頭脱毛の男女50人の協力を得て臨床実験を開始。2成分の錠剤を朝食と夕食の後に毎日服用させた。3カ月後、男性の約8割、女性の4割に発毛や増毛の効果がみられた。脱毛の悩みを抱える男性10人にも同様に投与した結果、全員2−4週間で抜け毛が減少した。
岡嶋助教授は「発毛や抜け毛予防の効果は明らか。髪質も黒く光沢が増すなど改善も目立つ。髪の悩みを抱える人は多いので、商品化に努めたい」と話している。(中日新聞 2005/01/08)

タバコとコーヒーの組み合わせは血管に悪い
朝起きてすぐにタバコを吸ってコーヒーを飲むという習慣は、血管に悪いのでやめた方がいい、とギリシヤの研究者が警告している。
アテネ医科大学のチャラランボス・ブラチョプーロス博士は、タバコとコーヒーが合わさった場合の血管への影響を調べて、その研究を「米心臓学会誌」(Journal of American College of Cardiology )最近号で報告した。
博士らは若い男女24人を対象に試験を行い、タバコを吸いながら、同時にコーヒーを飲ませた。すると、大動脈が一時的に硬くなったことが確かめられた。
大動脈の硬化の程度は、タバコやコーヒーを単独で取ったときよりも、両者を組み合わせた場合の方がはるかに大きかったという。(日経ヘルス 2005/01/11)

国水総研全国調査 毛髪水銀値、マグロ多食地ほど高め
水俣市の国立水俣病総合研究センター(衛藤光明所長)は14日までに、マグロを多食する地域の人ほど、毛髪に含まれる水銀値が高い傾向にあるとする全国調査の結果をまとめた。
調査は、日本人の標準的な水銀暴露量の把握を目的に、安武章・生化学室長と蜂谷紀之・社会科学室長らが2004年までの5年間で実施。理・美容店などの協力を得て、水俣、熊本など全国14市周辺の約1万3000人の毛髪を分析。同時に、よく食べる魚介類の魚種や量、頻度などをアンケートで尋ねた。
その結果、毛髪水銀値(総水銀)の平均は全体で男性2.47ppm、女性1.64ppm。
これに対し、魚類の消費量が極端に少なかった沖縄市を除く13市のなかで、「マグロをよく食べる」と答えた割合が74.6%と最も高かった千葉県銚子市の毛髪水銀値は、平均で男性4.75ppm、女性2.29ppm。男女とも最も高い値を示した。水銀値の男女差はマグロの摂取量の差とみられる。
同様に「マグロをよく食べる」と答えた割合が高かった埼玉県坂戸市、宮城県石巻市、長野県塩尻市でも、毛髪水銀値が他市に比べて高かった。
一方、近海魚が好まれ、マグロの消費が少ない水俣市の毛髪水銀値の平均は男性2.17ppm、女性1.24ppm。熊本市でも男性2.23ppm、女性1.33ppmで、いずれも全体平均を下回った。
魚介類に蓄積される水銀の人体への影響については、胎児への影響が懸念される妊婦を念頭に03年、世界保健機関と国連食糧農業機関の合同専門家会議(JECFA)がメチル水銀の摂取許容量を大幅に引き下げた。これを受け、厚労省は昨年、大型魚の摂取制限の見直しに着手、含有水銀量が高いとされるマグロについても規制の必要性が検討されている。
安武室長らは「調査結果の毛髪水銀値は、平均より高くても健康に影響するような数値ではない。妊婦は食べ過ぎに気をつけるなど、リスク管理のための指標と考えてほしい」と話している。(熊本日日新聞 2005/01/15)

歯周病:失われた組織、塗り薬で再生 大阪大大学院教授ら
歯周病で失われた骨の組織を塗り薬で再生させる治療法の開発に、大阪大大学院歯学研究科の村上伸也教授らの研究グループが成功した。これまでは、病気の進行を食い止める治療法しかなく、重症の場合には抜歯していたが、組織の再生により歯を保存できる可能性が高まった。臨床試験では、重篤な副作用はなく、順調に進めば数年後には治療薬として利用できるようになる見通し。
歯周病は、歯を支えるあごの骨「歯槽(そう)骨」が口の中の細菌によって破壊され、やがて歯が脱落する生活習慣病。35歳以上の80%がかかっているといわれる。歯周病で破壊された歯槽骨は元に戻らないとされ、重症の場合は、歯を抜くしか治療法がなかった。
村上教授らは、「科研製薬」(東京都)と共同で、細胞を増やす働きがある特定のたんぱく質を用いた薬を開発。細胞を使った実験では、歯槽骨の元になる幹細胞から、歯を支える歯槽骨、歯の表面のセメント質、それらをつなぐ歯根膜の細胞が同時に増殖することを確認した。動物実験でも、歯周病で失われた組織の再生に成功した。【山崎明子】(毎日新聞 2005/01/16)

肥満の人は歯周病にご注意 普通の人の1.5倍の罹患率
肥満者は、歯周病に約1.5倍かかりやすい──。こんな結果を大阪府立看護大の吉田幸恵教授や今木雅英教授らの研究グループがまとめた。21日から大津市で開かれる日本疫学会学術総会で発表する。
歯周病の危険因子は、加齢、糖尿病、喫煙習慣などが知られる。研究グループは、大阪府内の事業所に勤める「糖尿病ではない」20〜59歳の男性1470人について調べた。体重(キロ)を身長(メートル)で2回割ったBMI(体格指標)が18.5未満の人を低体重者、25以上を肥満者、その間を普通体重者とし、唾液(だえき)中の血液濃度で歯周病を判定した。
その結果、肥満者(388人)で16.75%、普通体重者(1033人)で11.52%がかかっていた。年齢や喫煙習慣を考慮すると、肥満者は歯周病に普通体重者より1.49倍かかりやすくなり、統計的に明確な差があった。年代ごとにみても、肥満者の罹患(りかん)率が上昇した。
脂肪から分泌する物質が骨を壊すなどして歯周病につながる、と考えられ、吉田さんは「肥満が歯周病の危険因子の1つである可能性が見いだされた」といっている。(朝日新聞 2005/01/19)

アル中治療に漢方の薬草が効果=イタリア研究者が報告
【ローマ19日】イタリアのカリアリの神経科学研究所の科学者たちはこのほど、中国種のセージ(ヤクヨウサルビア)にアルコール中毒の治療に役立ちそうな特性があるのを発見したと語った。このセージは伝統的な漢方薬に使われている薬草で、ラテン語ではサルビア・ミルティオリザの名で知られている。ラットを使った実験では、アルコール消費を減らす効果が見られた。
同研究所のジャンカルロ・コロンボ氏は、人間を使った臨床試験を開始する用意ができていると述べた。アルコール中毒の研究を専門とするコロンボ氏の研究チームは10年にわたり、ラットへのアルコールの影響を実験してきた。最新の研究では、セージの乾燥した根から抽出した成分がラットのアルコール消費減らしに著効を示したという。
コロンボ氏によると、定期的にアルコールを消費するラットは消費量が減り、しばらくアルコールを断ったあとでも消費が増加するのを抑制する効果があったとされる。中国料理にもセージのこうした効果を利用したものがあり、断酒していたアル中患者がこれを食べると、ワインを与えても1杯だけでやめ、ボトルをまるごとあけることがないという。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/01/20)

コーヒー党に肝がん少ない 東北大、6万人追跡調査で
コーヒーを1日に1杯以上飲む人が肝臓がんになる危険性は、全く飲まない人の6割程度―。東北大の辻一郎教授(公衆衛生学)らが21日までに、約6万1000人の追跡調査結果をまとめた。大津市で開催の日本疫学会で22日発表する。
辻教授によると、コーヒーに含まれるどんな物質が作用するかはよく分かっていないが、肝硬変の発症リスクを低下させる可能性があるほか、動物実験では成分のクロロゲン酸が肝臓がんの発生を抑制したとする報告もあるという。
1984―97年に、40歳以上の男女を7―9年間追跡調査。計約6万1000人のうち、調査期間中に新たにがんになったのは117人だった。
年齢や性別などの要因を考慮して解析した結果、全く飲まない人の危険度を「1」とした場合、1日平均1杯以上飲む人は0.58、1杯未満の人は0.71だった。
がん以外の肝臓疾患を経験した人や60歳以上の人、過去に喫煙経験がある人では、こうした傾向が特に強かった。
辻教授は「年齢や性別、飲酒状況などで分けて解析しても傾向は変わらなかった。ただし、コーヒーに砂糖などを入れすぎると体に良くないので注意してほしい」としている。(共同通信 2005/01/21)

森林浴「癒やし効果」医学的に確認 黒姫などで調査
森林浴が心身にもたらす「癒やし効果」を、日本呼吸器学会専門医で日本アロマセラピー学会理事の本間請子医師(東京警察病院内科女性専用外来)が医学的に確認、21日に都内で開くシンポジウムで発表する。本間医師は昨年7―8月、上水内郡信濃町の黒姫高原などの森林で首都圏在住者を対象に調査した。同町は森林による癒やしを提供する「癒(いや)しの森事業」を進めており、取り組みに弾みがつきそうだ。
本間医師によると、3―4時間森林浴をすると、自律神経機能の状態を示す指標となる白血球中のリンパ球と顆粒(かりゅう)球のバランスが好転した。「森林浴の癒やし効果について、医学的検証はほかにも聞いたことがあるが、白血球による研究成果は初めてではないか」としている。
首都圏に住む10―70代の61人に協力を依頼。黒姫高原や野尻湖畔の森林に入り、3―4時間、体調や年齢に応じて距離や標高差が違う3コースを歩いてもらい、森林浴の前後で、白血球に含まれるリンパ球と顆粒球の構成比や血圧、脈拍、体温など5項目を比較した。
その結果、リンパ球と顆粒球の構成比は、森林浴の後では4対6の割合に近づいた。本間医師によると、4対6の割合で自律神経機能が安定するという医学的研究があり、森林浴でその効果を得られることが分かった。
森林浴には、落ち着きを取り戻すカラーセラピー効果のある「緑色」、自然の音楽療法とも言える「鳥の鳴き声」「水のせせらぎ」、アロマセラピー効果がある「森が放つ香り」など多様な要素があり、視覚、聴覚、嗅覚(きゅうかく)、呼吸を通じて人体に作用し、自律神経機能を好バランスに変動させているという。
また「森林浴後の気分」についてのアンケートでは、全体の98%に当たる60人が、「とても気分が良かった。とても楽しかった」と答え、「あまり快くなかった」「不快なことが多かった」は1人もいなかった。
本間医師は「森林浴は心身両面で良い影響を与える。1度ですべての癒やし効果を得られる森林浴は大いに推奨したい」と話す。都会に戻った後、森林浴で改善した白血球の構成比が、どのくらい維持されるかなど、今後も研究を進める。
信濃町は2003年度から3年計画で「癒(いや)しの森事業」を展開中。森林浴を楽しむ人を相手に森を案内する「森林メディカルトレーナー」の育成など、森林による癒やしを提供する取り組みを進めている。(信濃毎日新聞 2005/01/21)

寝たきりに「うつぶせ」が効果=認知症や生活機能改善−普及目指し研究会
寝たきり状態のお年寄りの心身を改善させる「うつぶせ療法」の普及を目指し、医師や作業療法士、看護師の有志らが23日までに、「腹臥位(ふくがい)療法研究会」を発足させた。国立病院機構南横浜病院の大内基史医師(呼吸器外科)は「特別な機器もお金も要らず、寝たきり予防にも有効だ」としている。
同療法は文字通り、通常あおむけ状態でベッドにいる患者を短時間うつぶせにさせること。完全にうつぶせになれなくても、横寝で上体だけ倒すなど近い姿勢でよい。
寝たきりで閉じた状態の股(こ)関節が体重で開くなど、関節の動きが改善したり、体を支えようとする手の刺激が脳に伝わったりし、さまざまな効果が期待できる。(時事通信 2005/01/24)

心臓への危険因子、アルツハイマーのリスクも高める=米研究チーム
【ワシントン24日ロイター】米カリフォルニア州にある研究所のチームが24日、高血圧やコレステロール、糖尿病、中年での喫煙などの危険因子を持つ人は、後にアルツハイマー病を発症する確率が著しく高くなるとする研究結果を発表した。
危険因子の数が多いほど、アルツハイマー病発症のリスクは高くなり、4つの要素すべてを持つ人のリスクは2倍以上になるという。
非営利団体であるアルツハイマー協会のマリリン・アルバート博士は、「心臓に悪い危険因子は、脳にも悪いということだ」と話している。(ロイター通信 2005/01/25)

肥満の母親の子供は肥満になる確率が15倍=米調査
【ワシントン25日ロイター】米ペンシルベニア大学とフィラデルフィア小児病院の研究チームは、肥満の母親の子供が6歳までに肥満になる確率が、やせた母親の子供の15倍に達するとのリポートを発表した。
研究では、肥満は3歳ごろから始まっており、肥満の親の子供については、医師が遅くとも4歳までには注意を払う必要があることが示されたという。
リポートは、米国の栄養関連誌に掲載された。(ロイター通信 2005/01/26)

葉酸が高血圧を予防──15万人の女性を調べてわかる
葉酸を積極的に摂取している女性には高血圧が少ないことわかった。研究したのは、ハーバード大学とブリガム女性病院の研究者らで、「JAMA(米医師会雑誌)」で発表された。
研究者たちは15万人の女性を、27歳から43歳、44歳から70歳の2グループに分け、1990年代の8年間、各人の毎日の葉酸の摂取量を記録し、その後高血圧になったかどうかを見た。摂取した葉酸は、食物からと、サプリメント(栄養補助食品)由来のものを合わせて計算された。
対象となった人たちは、はじめは高血圧の経歴がない人ばかりだった。8年後、血圧を測定して、毎日葉酸を積極的に多く摂取した女性は、摂取量が少ない女性と比べて、高血圧になった割合がはっきりと小さかった。
とくに、スタート時点で若い女性では、1日に葉酸を1000マイクログラム以上を摂取した人は、200マイクログラム以下しか摂取しなかった人より、高血圧になった割合が46%も少なかった。
年配の女性でも、葉酸を多く摂取した人は、摂取量が少なかった人より、高血圧になった割合が小さく、高血圧予防効果が認められた。ただし、若い女性ほどはっきりとした差は出なかった。(日経ヘルス 2005/01/26)

緑茶カテキンに持久力向上効果・民間研究所
緑茶に多く含まれているカテキンと呼ばれる成分に、運動時の持久力を高める効果があるとの花王・生物科学研究所(栃木県市貝町)の論文が米生理学会誌の電子版に27日掲載された。カテキンからは殺菌作用や抗酸化作用などさまざまな効果が見つかっているが、持久力向上にも役立つことで一段と注目度が高まりそうだ。
研究グループは実験用のマウスにカテキンを含んだ緑茶抽出成分を10週以上食べさせた。マウスを水流の中で泳がせて泳ぎ疲れるまでの時間を、緑茶成分を食べ続けたマウスと食べていないマウスとで比べた。緑茶成分を食べたマウスが8―24%長く泳ぎ続けられることがわかった。
研究グループの村瀬孝利氏は「1回だけ緑茶抽出成分を摂取しても効果は見込めない。毎日とり続けることが重要」と指摘。持久力が高まる理由については、カテキンに体内の脂肪分を効率的に燃やしてエネルギーに変える作用があるためと推測している。(ワシントン=吉田透)(日本経済新聞 2005/01/28)

ピロリ菌:「コメ糖化液」が退治 長野で開発
長野県農村工業研究所(同県須坂市)などが開発し、コメを高温高圧、酵素処理して作る「コメ糖化液」に、胃かいようなどの原因とされるピロリ菌の殺菌作用があることが、信州大医学部(同県松本市)の川上由行教授(臨床微生物学)らの研究で分かった。4〜6日に京都市内で行う「日本臨床微生物学会総会」で発表する予定。同研究所は「糖化液の商品化を進め、コメの消費拡大を目指したい」と意欲を燃やしている。
川上教授によると、研究は精白米、玄米、発芽玄米の3種類の糖化液と普通の炊飯米に、ピロリ菌の菌液を混ぜて殺菌効果を調査。30分後、3種の糖化液では生菌数が100分の1〜100万分の1に激減。炊飯米はまったく効果が見られなかった。
また、肺炎球菌や食中毒の原因となるカンピロバクター菌に対しても同程度の殺菌効果があると確認されたという。川上教授らは今後、マウスを使った生体実験などで、有効成分など殺菌のメカニズム解明を進める。
糖化液は、現代人のコメ離れを懸念した同研究所と長野市の飲料メーカーが共同開発し、02年2月に製造方法の特許を出願している。【反橋希美】

■ことば=ピロリ菌
正式名称はヘリコバクター・ピロリ。長さ5マイクロメートル(100万分の5メートル)前後で、数本のべん毛を持つ。胃炎、十二指腸かいようの原因とされ、先進国の中でも日本人の保菌率は高いと言われる。(毎日新聞 2005/02/02)

子どものガンは大気汚染と関係していた
子どものガンは、工場などから排出される環境汚染物質と密接に関連しているとする新しい研究が、1月17日、英国で発表された。
発表したのは、バーミンガム大学名誉教授のジョージ・ノックス博士で、雑誌「疫学と地域社会の健康」(Epidemiology and Community Health)に掲載された。
同博士は、1960年から80年にかけてガンで死亡した子どもの出生と死亡の住所に関する記録を入手し、英大気汚染局が作成した「大気汚染マップ」と対比させ、その間の関連を探った。
その結果、工場など大気汚染物質の濃厚な排出源となっている場所から、1キロ以内で生まれた子どもは、他の場所で生まれた 子どもと比較して、16歳までにガンで死亡する割合が、2倍ないし4倍であることわかったという。(日経ヘルス 2005/02/03)

妊娠中の母親のぜんそくで子供の自閉症発症率が上昇=米研究チーム
【シカゴ7日ロイター】米カリフォルニア州オークランドの研究チームが7日、妊娠中の母親が喘息やアレルギー、皮膚病を発症している場合、子供が自閉症になるリスクが高まるとの研究報告を発表した。
こうした症状が妊娠4―6カ月に現れた場合のリスクは、通常の2倍になるという。
自閉症の発症率は1000人に6人程度で、大半は男児に現れる。
今回の研究では、同チームが所属する施設に通った子供で、1995年から99年半ばまでに生まれた子供8万8000人を対象に調査した。このうち420人が自閉症の診断を受けている。(ロイター通信 2005/02/08)

歯磨きは心臓病予防に役立つ=米研究者
【ワシントン8日】定期的な歯磨きは歯にはあまり効果がないものの、心臓の健康には役立っている可能性がある―。米医学研究でこのほどこんな結果が明らかとなった。
8日に公表されたジャーナル・オブ・アメリカン・ハーツ・アソシエーションによると、この研究はコロンビア大学のデスバリュー助教授(疫学)らのチームが行った。
それによると、657人の調査で、歯周病を引き起こすバクテリアと、動脈を硬化させ狭くするアテローム性動脈硬化症が関係することが判明した。研究者らは、被験者にバクテリアを施し、その動脈を計測した。
同助教授は「歯茎の病気が卒中や心臓血管の疾病につながる可能性を示した最も直接的な証拠だ」と指摘。「歯肉病を引き起こすバクテリアは、体中を感染し動脈内で炎症を起こす恐れがある。歯肉病の感染は防止可能なので、口内の健康を大切にすることは、人々の心臓血管の健康を保つ上で非常に重要となる可能性がある」と結論付けた。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/02/09)

菊茶にがん抑制効果=シンガポール大研究班
【シンガポール15日時事】中国で古くから薬用として知られる菊茶にがん抑制効果があることがシンガポール国立大の研究チームによって分かった。大腸がんや乳がん、子宮がんのいずれでも効能があったという。(時事通信 2005/02/15)

汚れた空気、胎児に悪影響 染色体異常増 米研究所発表
妊娠中の女性が汚れた空気の下で暮らしていると、赤ちゃんに染色体異常が現れやすいことが分かった。
米国立保健研究所(NIH)が15日、発表した。環境汚染物質が胎児染色体に悪影響を及ぼすことを実証的に示した研究は、極めて珍しい。大気汚染の激しい都市圏で、白血病などのリスクが高まることを示唆しているという。
米コロンビア大の研究チームが、ニューヨークの3地区の妊婦60人に測定器を着けてもらい、自動車や暖房機器の排ガスなどに含まれる多環式芳香族炭化水素(PAH)という化学物質を浴びている量を測った。
出産後に臍帯血(さいたいけつ)(へその緒の血)の白血球を調べた結果、日常的に浴びているPAHが全体の平均以下だった女性の赤ちゃんでは、白血球1000個当たり4.7の染色体異常が見つかった。これに対しPAHが平均を超えた女性の赤ちゃんでは、染色体異常が7.2に上っていた。白血病など各種のがんの下地ともなる異常が目立ったという。
米国立環境衛生科学研究所のオールデン所長は「妊娠中に浴びた特定の環境汚染物質によって染色体異常が起きうることを示す初めての研究だ。各種がんの予防につなげられるのではないか」と述べた。(朝日新聞 2005/02/16)

肝がんリスク、コーヒーで半減 国立がんセンター
コーヒーの愛飲者は肝臓がんのリスクが半減する──。米国のがん専門誌JNCI16日号に、日本の国立がんセンターの研究チームによる大規模調査の結果が掲載された。飲む量が多いほど効果があるという。
研究チームは、9万人を超える男女を10年間にわたって追跡した。計334人が肝細胞がんと診断され、コーヒーを飲む習慣と肝細胞がんになるリスクの関係を統計的に分析した。
その結果、日常的にコーヒーを飲む人が肝臓がんになる率は10万人当たり約214人で、ほとんど飲まない人の場合は約547人だった。1日に1〜2杯の人よりも、3〜4杯の人の方がリスクが減っていたという。
コーヒーが肝細胞がんを予防する詳しい仕組みは不明だが、抗酸化作用のある成分がコーヒーに大量に含まれるおかげではないかと見られる。
ただ、同号に掲載された米国チームによる別の研究では、コーヒーや紅茶で大腸がんや直腸がんを予防する効果は確認されなかったという。

コーヒーが肝臓がんにかかるリスクを下げる可能性は、東北大の研究などでも示されている。だが、これまでのデータだけでは、肝臓に障害があるとコーヒーを飲めなくなって、結果的に飲んでいる人が肝臓がんにかかりにくく見えるといった可能性も否定できない。
国立がんセンターによると、日本の肝臓がんの9割は肝炎ウイルス感染によるもので、予防で最も大切なのはウイルスに感染しないこと、感染が判明したら早い段階で治療を受け、病気の進行を遅くすることだ。今回の研究チームは「ウイルスに感染している人たちの中でコーヒーに予防効果があるかを検証したい」という。(朝日新聞 2005/02/16)

生姜、緑茶にガン予防効果──マウスで確認
ショウガや緑茶にガンを予防する効果があることが、マウスでの実験で確かめられた。このほど米アリゾナ州で開かれた「米がん研究学会」(American Association of Cancer Research)の会合で発表された。
ショウガの研究を行ったのはミネソタ大学のアン・ボード、ジガン・ドン両研究者で、結腸ガン(大腸ガン)を植えつけたマウスに、「6−ジンゲロール」(6-gingerol)と呼ばれる成分を含んだショウガの抽出液を混ぜたエサを与えてみた。
使われたマウスはガンになりやすいように特別に育成した系統で、ガン細胞を植えつけると、通常、簡単にガンができる。
結腸ガンを植えつけてから15日後に調べてみたら、普通のエサを与えられたマウスには、平均13個の腫瘍が見つかったが、ショウガを混ぜたエサのマウスでは見つかった腫瘍は、平均4個だった。(日経ヘルス 2005/02/16)

虫歯を白い歯に修復 エナメル質の成分噴射
東北大大学院工学研究科の厨川常元教授(ナノ加工学)と歯学研究科の佐々木啓一教授らの研究グループは17日までに、歯の主成分ハイドロキシアパタイト(HA)の微粒子を歯の表面に高速で噴射してHAの膜を生成することに成功した。
虫歯治療で削った部分にHAを吹き付ければ、元の歯と同様に白いエナメル質が修復される。金属や樹脂を埋め込む現在の治療法に比べて密着度が高く、経年劣化も少ないため、新たな治療法として注目されそうだ。
HAなどの微粒子を噴射して膜を作るには、これまで真空で1000度以上の温度が必要だった。
厨川教授は直径0.8ミリのノズルから3マイクロメートル以下の微粒子を常温の空気中で、毎秒100−200メートルの速さで少量ずつ噴射する装置を開発。抜いた人の歯約100本をさまざまな深さで削って噴射する実験を重ねたが、HA膜の硬度は元の歯と同等で、歯ブラシで磨く実験でもはがれることがなかったという。(共同通信 2005/02/17)

体重増加は痴呆のリスクを高める=スウェーデンの調査結果
【ストックホルム20日】20日付のスウェーデン紙ダーゲンス・ニュヘテルに掲載された調査研究報告によれば、中年になった時に体重を数キロでも増加させた人は後年、痴呆に陥るリスクが高まるとの結果が出た。
この調査は、スウェーデン南西部の港湾都市イェーテボリの住民7000人強を対象にイェーテボリ大学の研究者を中心に28年をかけて実施された。それによると、中年の体重増加と後年の知的能力悪化の間には明白な関連があることが示された。
研究の中心となったイェーテボリ大学のアニカ・ローゼングレン氏は、体重増加は痴呆のリスクを高めるとする一方で、その関連性は通常体重ではあってもより重めの人々ですら明らかだったと指摘した。
この研究報告は、人が痴呆に進むかどうかを決定する最も重要な要因は遺伝子構造と年齢だとしながらも、高血圧、高コレステロール、糖尿病もまた大きく影響するとの最近の研究を支持している。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/02/21)

緑茶成分、初期ぼうこうがんに有効 米研究チーム
ニューヨーク(ロイター) 緑茶から抽出した成分に、初期のぼうこうがんの進行を抑える効果があるとの研究結果を、米カリフォルニア大ロサンゼルス校のチームがこのほど発表した。がん細胞の増殖を防ぐ作用が、実験によって明らかになったという。
研究チームでは、実験室に発がん性物質と緑茶成分を用意し、これらに人間のぼうこう細胞を接触させて反応をみた。その結果、たとえがん細胞が発生しても、緑茶成分がその増殖を阻害することが判明。がん研究の専門誌「クリニカル・キャンサー・リサーチ」に結果を報告した。
報告によると、緑茶成分はがん細胞中の「アクチン」に作用するとみられる。アクチンは細胞の形を維持したり、細胞運動の原動力となったりするたんぱく質。これを制御する「Ryo」という別のたんぱく質が、緑茶成分によって活性化され、がんが周囲の健康な細胞まで広がるのを抑えるのではないかと、チームでは説明している。
緑茶ががんに効くとの説をめぐってはこれまでにも多数の研究が報告されてきたが、まだ不明な点が多い。主成分カテキンなど抗酸化物質の作用が注目される一方で、進行がんには効果がないとの研究結果が最近発表されている。
研究チームによると、今回の実験は、緑茶による作用を新たな側面から解明しようとする試み。次の段階として、緑茶にぼうこうがんの再発を防ぐ効果があるかどうかを調べる臨床実験をすでに始めているという。
チームでは「緑茶を飲むことで、ぼうこうがんの発生自体を予防できるかもしれない」と期待を示す。だが1日何杯で効果が望めるかなど、具体的なデータを示すには、今後さらに研究を重ねる必要があるという。(CNN 2005/02/27)

アルツハイマー治療に光 脳細胞死滅仕組み解明
認知症進行阻止へ道 金沢大院グループ
脳の神経細胞が死滅して認知症(痴呆症)となるアルツハイマー病で、金沢大大学院自然科学研究科の田熊一敞(かずひろ)助教授(37)=薬理学=らのグループが、これまで分からなかった死滅の仕組みを世界で初めて解明した。脳内で特定のタンパク質と酵素が結合すると、細胞にエネルギー源を供給する機能が低下し、これが神経細胞を“窒息”させていた。今後はこの結合を阻止する方法の確立が、認知症の進行を止める治療につながると期待される。(報道部・沢井秀和)

米コロンビア大との共同研究で、米国の科学誌「サイエンス」と米国実験生物学協会誌の電子版に発表した。
アルツハイマー病では、「アミロイドベータ(Aβ)」というタンパク質が脳内にしみのように沈着し、神経細胞が死んでいくとされている。グループは、同病の患者の脳を使って調べ、神経細胞のミトコンドリアにAβと特定の酵素「Aβタンパク結合アルコール脱水素酵素」(ABAD)が共存するのを突き止めた。
その後、脳内でAβとABADを過剰に発現させるアルツハイマー病モデルのマウスを使って実験。正常のマウスと比べ、神経細胞の死滅数が3−4倍多いことを確認した。一方、AβとABADの結合を邪魔するようにしたアルツハイマー病モデルのマウスは、死滅数は正常なマウスと同じだった。
さらにアルツハイマー病モデルのマウスは、神経細胞にエネルギー源を供給するミトコンドリア内で、 酸素や糖分を取り込んでつくるエネルギー量が、正常マウスに比べて少ないと分かった。
この結果、アルツハイマー病の神経細胞の死滅には、AβとABADの結合と、細胞にエネルギーを供給できない状態がかかわっていることが明らかになった。田熊さんは「これまでのアルツハイマー病の治療は対症療法がほとんど。神経細胞の死滅を抑える新薬を開発できれば、進行を食い止められるだろう」と話している。

酵素結合抑制カギ

アルツハイマー病に詳しい名古屋大大学院医学系研究科の鍋島俊隆教授(神経精神薬理学)の話 世界の研究者が、脳内でアミロイドβを生成させなかったり、機能させないように研究を続けている中、1つの可能性を示した。呼吸系にかかわりが深い細胞のミトコンドリアが障害を受け、脳が機能しなくなる過程を明らかにした点が評価できる。脳内のアミロイドβと特定の酵素が特異的に結合することを抑制できれば、新治療薬になる可能性がある。

<アルツハイマー病> 脳の神経細胞が脱落、認知症を起こす病気。記憶や言語に関する障害のほか、被害妄想などの精神症状や、はいかいなどの問題行動も伴う場合もある。平均余命は8−10年との報告もある。(中日新聞 2005/03/02)

ポテトチップスなどの含有成分に「有害の恐れ」
世界保健機関(WHO)と食糧農業機関(FAO)の合同専門委員会は、ポテトチップスやフライドポテトなど高温で調理された食品に含まれる化学物質アクリルアミドについて、「健康に有害な恐れがあるかもしれず、食品含有量を低減すべきだ」との勧告を出した。
加盟各国の食品安全を担当する部局に対して、アクリルアミド含有量を減らす技術を食品業界が導入することを促すよう求めている。
アクリルアミドは、地下工事の土壌凝固剤などに広く使用される化学物質で、動物実験で発がん性が指摘されていた。ところが、2002年のスウェーデンの研究によって、炭水化物の多いイモ類などを120度以上で焼いたり、揚げたりした加工食品にも含まれていることが新たに判明した。
厚生労働省も同年に国内製品での含有を確認しており、過度の摂取をしないように呼びかけるとともに、詳細なデータ収集作業を進めている。(読売新聞 2005/03/07)

強い骨には、運動と適度のカルシウム=米報告
【シカゴ7日ロイター】米小児科学雑誌ペディアトリクスは、牛乳を多く飲む子供の骨は、必ずしも他の子供よりも健康に成長しているわけではないとする報告を掲載した。
同報告は、強い骨を作るため、運動をすることや、豆腐、ブロッコリーなどカルシウムを豊富に含む食品を適度に摂取する方法を提唱している。
報告は、過去に発表された調査結果を引用したもので、厳格な菜食主義を推奨するグループが作成した。
報告を作成したエイミー・ラヌー医師は声明で、「科学的な検証の結果、牛乳神話は崩壊した。過去に発表された58の調査結果をもとにした今回の分析は、米国の乳製品摂取推奨の根拠が脆弱なことを示している」と述べた。(ロイター通信 2005/03/08)

減感作療法効果15年以上 小児の花粉症で千葉大確認
スギ花粉のエキスを薄めて注射し続ける「減感作療法」を受けた小児患者の約76%は、治療から15年以上たっても花粉症の症状の改善や消失がみられることが、厚生労働省研究班の調査で9日、分かった。
主任研究者の岡本美孝・千葉大教授によると、治療2−3年後の改善率は70−80%とされており、効果が長続きすることを裏付けた。
小児の花粉症発症率は増加傾向にあり、小学校では約10%とされる。岡本教授は「小児は抗アレルギー薬などの対症療法で改善することは少なく、減感作療法の治療効果は高い」としている。
研究班は、千葉大病院で1970−90年に受診した患者に、現状を質問。減感作療法を2年以上受けた約120人と、対症療法などを受けた約90人が回答した。(共同通信 2005/03/09)

笑いはやはり健康に良く、憂鬱人は早死に=米学者が発表
【オーランド(米フロリダ州)8日】笑いは心臓血管に良く、気ふさぎは早死にのリスクを高めるとの研究結果が8日、米国で発表された。メリーランド大学の研究チームを率いるマイケル・ミラー氏は米国心臓病学会の年次会議で、毎日、思い切り笑うと血流を刺激するので運動と同様の利点があると述べた。
ミラー氏は、こっけいな映画と重苦しい映画を男女同数の20人のボランティアに見せ、血管の反応の変化を測定した。20人は平均年齢33歳の喫煙しない、健康な人たちだった。その結果、笑っている時は血液の流れが平均22%増加し、心にストレスを感じている時は逆に35%減少していることが判明した。
ミラー氏は、週に3回、30分間運動し、毎日15分笑うと血管系統に良いはずだと結論した。ただし、笑いにどうしてそんな生理学上の効果があるのかは分かっていないという。
他方、心臓病患者1000人の研究を主導したノースカロライナ大学のウェイン・ジアン氏は同会議で、憂鬱な気分がしばしば喫煙、麻薬中毒などの不健全な習慣につながり、死のリスクを44%も高めるとの調査結果を明らかにした。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/03/09)

よく体を動かす人はパーキンソン病になりにくい
パーキンソン病は体が動きにくくなり、手の指が震え、姿勢がしっかりしないなどが主な特徴のお年寄りの病気だ。脳内のドーパミンが著しく減少するのが原因で、高齢化にともなって、最近、増えている。
このパーキンソン病の発症には、若いころからの運動不足が関係していることがわかった。研究を行ったのは米ハーバード大学公衆衛生学部のホンレイ・チェン博士らで、雑誌「神経学」(Neurology )最新号で発表した。
博士らはハーバード大学が長年行っている医療、健康関係の職業に従事している人たちの健康記録のデータをもとに、4万800人の男性の情報を調べ直した。また、調査対象者の何人かには、直接会ってハイキングや水泳をしているかどうかなど、日ごろの運動の状態を聞いた。
その結果、成人してからも運動を続けるなど、「よく体を動かしてきた人」は、「あまり体を動かさなかった人」と比べると、後年パーキンソン病にかかる割合が半分だった。同様に、若いころの運動量とパーキンソン病発病との間に、深い関連があることが読み取れた。
研究者たちは、「この研究で、よく体を動かす人にはパ−キンソン病が少ないことがはっきりした。運動の効用がまた一つ増えた」と述べている。(日経ヘルス 2005/03/09)

がん細胞「RNA」で増殖抑制 京大グループ、マウス実験で成功
「RNA干渉」という遺伝子レベルの最新技術で、がん細胞の増殖を阻害し、ぼうこうがんを治療することに、京都大医学部付属病院輸血細胞治療部の前川平教授、湯浅健助手らのグループがマウスの実験で成功した。人での臨床応用が期待できるという。米医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション」(電子版)で10日、発表した。
人工的に作った小さなRNA(リボ核酸)分子=siRNA=を、細胞内で遺伝子の情報を伝えるメッセンジャーRNAに作用させ、特定の遺伝子の働きだけを抑える。
人為的にがんを発症させたマウスのぼうこうに、細胞分裂をコントロールする「PLK−1遺伝子」を標的にするsiRNAを注入したところ、がん細胞の増殖がほぼゼロに抑えられた。一方、なにもしなかったマウスは、がんが18日後にぼうこう全体に広がった。副作用は認められなかったという。
ぼうこうがんは中高年に多く、喫煙や化学物質を取り扱うことでリスクが高くなる。近年患者は増加傾向にあるが、外科的に切除しても予後の悪いケースも多く、日本では年間5000人以上が亡くなっている。
前川教授は「再発予防療法として期待できる。siRNAの安全性を確かめ、早く臨床試験に入りたい」としている。
RNA干渉 ある配列のRNAを細胞に入れると、細胞内の同じ配列を持った遺伝子の働きが抑えられる現象。1998年に線虫の実験で確かめられ、2001年にほ乳類の細胞でも確認された。遺伝子の異常な発現を原因とするがんや遺伝性疾患などの治療へ応用が期待されている。siRNAは短い2本鎖RNAで、標的のRNAに結合して働きを阻害するだけでなく、酵素の働きでRNAを分断する。(京都新聞 2005/03/11)

サツマイモに眼病予防効果 葉に多量のルテイン含有
サツマイモの葉に、カロテノイドの一種で眼病予防効果があるとされるルテインが多量に含まれていることを、九州沖縄農業研究センター(熊本県西合志町)が初めて確認し、14日発表した。
同センターによると、葉を食用とするために改良したサツマイモの一品種「すいおう」の葉には、100グラム当たり約20ミリグラムのルテインが含有されていた。これは野菜の中で最もルテインを多く含んでいる「青汁」などの原料ケールとほぼ同じで、ホウレンソウの約2倍の量。
すいおう以外のサツマイモの葉にも、100グラムにつき10ミリグラム以上のルテインが含まれていたという。(共同通信 2005/03/14)

ビタミンEのサプリメント、効能に疑問=研究
【シカゴ15日ロイター】カナダのマクマスター大学とハミルトン・ヘルス・サイエンス・コープ社は15日、ビタミンEのサプリメント(栄養補助食品)を毎日摂取しても、血管疾患や糖尿病の高齢者にはガンや脳卒中、心臓発作を防止する効果はなく、かえって心臓疾患発症のリスクが高まる可能性もあるとする研究結果を発表した。
報告は、「われわれの研究で、ビタミンEのサプリメントに効果がないことや潜在的な有害性があると分かったことから、血管疾患や糖尿病のある患者に投与すべきでないとの説が強く裏付けられた」としている。
調査によると、ビタミンEを摂取していた人が心臓疾患で入院する確率は、摂取していない人を40%上回った。
ビタミン摂取については、必ずしも健康への早道ではなく、かえって有害にさえなり得るとの指摘が増加している。(ロイター通信 2005/03/16)

ビール原料がピロリ無毒化 ホップのポリフェノール
千葉大大学院医学研究院の野田公俊教授(病原分子制御学)とアサヒビールの研究チームは17日、ビールの原料ホップに含まれる「ホップポリフェノール」という物質が、胃がんなどに関与しているとされるヘリコバクターピロリ菌の毒素を無毒化することを確認した、と発表した。
菌ではなく毒素に作用するため、抗生物質が効かなくなった耐性菌にも有効で、予防や治療に使う薬などの開発につながると期待される。4月に東京で開かれる日本細菌学会で発表する。
この物質はホップの先端に含まれている。味を整えるため一部の飲料に使われるが、通常は捨てる部分だという。(共同通信 2005/03/17)

笑いが食後血糖値を抑制 漫才で実験、遺伝子関与か
食事制限など日常生活でストレスが多い糖尿病患者も、漫才などを見て「わっはっは」と笑えば食後の血糖値上昇が抑えられる−。国際科学振興財団(茨城県つくば市)が17日までに、吉本興業の協力で行った実験の結果をまとめた。
笑うと発現が増える遺伝子が関与しているとみられるという。
糖尿病患者とその可能性がある人は、国内で推定計約1600万人。ほとんどは、インスリンの分泌量が少ないか作用が弱い「2型」だ。
同財団は昨年12月、2型糖尿病患者23人と、健常者15人を対象に実験。同じメニューの昼食後、1日目は医学教育用ビデオを、2日目は吉本興業所属の「ザ・ぼんち」による漫才を45分間ずつ見てもらい、食前と食事2時間後の血糖値(血液1デシリットル当たり)を比較した。(共同通信 2005/03/17)

βグルカン微粒子で花粉症軽減 シイタケに含有 京の教授ら研究
シイタケに含まれる成分の1つ「βグルカン」の微粒子溶液の摂取で、花粉症などのアレルギー症状が軽減されることが山田潤・明治鍼灸大助教授(眼科学)、木下茂・京都府立医科大教授(同)らの研究で分かった。24日から京都市で開かれる日本眼科学会で発表する。
■自覚症状8割改善
βグルカンは、がん細胞を攻撃するリンパ球を増やす一方で、アレルギー反応にかかわる種類のリンパ球を減らすことが知られている。がん免疫療法剤として認可され治療に用いられているが、通常では粒子が大きく腸管からは吸収しにくいため、注射が必要だった。
山田助教授らは食品メーカーの「味の素」が開発した、微粒子化して腸管から吸収しやすくしたβグルカン(ミセラピスト)に注目。経口摂取で実際にアレルギー症状を抑えることができるかを調べた。
20歳代から60歳代のアレルギー疾患の患者60人に対し、30人には微粒子化βグルカン、別の30人には微粒子化していないβグルカンを、花粉症の時期(1月から4月)にあわせ、どちらか分からないようにして毎日1回飲んでもらった。微粒子化βグルカンを飲んだ患者の約8割は、自覚症状で改善するなど花粉症の症状が軽減。特に目のかゆみや鼻水の症状で顕著な効果があり、アレルギーを起こす抗体血中量も減った。一方、そのままのβグルカンは効果は認められなかった。
βグルカンのアレルギー反応抑制効果を集団の臨床試験で確かめたのは初めて。山田助教授は「副作用も認められず、多くの患者で花粉症の症状改善を期待できる。βグルカンが体内で働くことが分かったので、がんの予防効果も期待できるのでは」と話している。(京都新聞 2005/03/19)

排ガスがDNAの損傷に影響
【パリ22日】台湾で交通量の多い高速道路の料金所職員を対象にした調査によると、排ガスが人体のDNA(デオキシリボ核酸)に損傷を与える可能性があることが分かった。
調査は、台湾の防衛関係の医療機関の研究者が台北から10キロ離れた所にある料金所の職員47人を対象に実施。血液と尿を採取した。また、比較対象として女性事務職員の血液なども調べた。
その結果、料金所の職員の尿には、DNAを傷つける物質が2倍近く含まれていることが分かった。また、料金所の職員の血液中にも同様の物質が高水準含まれていた。
この研究は英医療協会(BMA)の専門家向け雑誌で公表される。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/03/22)

がん細胞確実に死滅 電磁波で新温熱療法 東北大
東北大工学部の松木英敏教授(生体電磁工学)と医学部の相場節也教授(皮膚科)らの研究グループは22日、がん細胞を加熱、壊死(えし)させる新たな温熱療法を開発した、と発表した。針を腫瘍(しゅよう)に埋め込み、微量の電磁波でがん細胞だけを効率よく確実に死滅させることができるのが特長。5年以内の実用化を図る。
がん細胞は熱に弱く、一般に42.5度を境にがん細胞は生存率が急激に低下する。温熱療法はがん細胞を45度以上に熱して壊死させる。
従来は、腫瘍両側に電極を刺してマイクロ波を流したり、電磁波装置で全身を加熱したりしたが、腫瘍全体に熱が届かずがん細胞が残るほか、患者の体温が異常に上がるなどの問題があった。
腫瘍が大きい場合は中心部と周辺部で温度がばらつくため、複数の温度センサーを患者の体に刺す必要があり、患者の苦痛にもなっていた。
松木教授らは粒子状の酸化鉄にニッケル、銅、亜鉛を混ぜて棒状に固め、外側に金を巻き付けた針を開発した。
カテーテルなどで体に針を埋め込み、体外に置いたコイルから電磁波を発生させると針が発熱する。
針を媒体とすることで、電磁波そのものを当てるより微量で済む。金属の混合率を変えると、45―90度の範囲で、温度が一定に保てる。
マウスを使った実験で、太さ1平方ミリ、長さ1センチの針を差し込んで70度で約10分熱すると、正常細胞との境界約1ミリを残し、約5ミリ四方までがん細胞が壊死したという。
松木教授は「従来の温熱療法と比べて、体の深部でも性能は落ちない。当面は表面に近い皮膚がんが対象となるが、いずれは抗がん剤が効きにくい肝腫瘍や、治療法がない脳腫瘍などの治療法としても期待できる」と話している。(河北新報 2005/03/23)

アトピーに効く乳酸菌 人体で確認 キリンビール、国内初
キリンビールは24日、グループ会社が生産・販売するヨーグルトや健康食品などに含まれる「KW乳酸菌」について、アトピー性皮膚炎の患者に摂取させる試験の結果、症状を改善させる効果が確認されたと発表した。キリンはマウスによる実験でこうした効果を確認していたが、人体での試験結果としては国内で初めてという。
試験は成人のボランティア42人に12週間、1日200ミリグラムのKW菌を摂取させ、摂取しない同数のグループと比べると、かゆみなどの症状が抑えられた。また、摂取したグループの症状を試験の前後で比べると、試験後は湿疹(しっしん)の程度などが軽くなった。
このほか同皮膚炎を発症させたマウスの実験も行い、欧州で同様の効果が報告されている乳酸菌「LGG菌」よりも症状を抑える効果が強く現れた。今後は幼児らにも試験対象を広げる考えだ。
乳酸菌は近年、アレルギー分野との関連が注目されており、キリンは当初、KW菌に花粉症の改善作用を見つけて2003年末から商品化を進めた。今回の結果で花粉シーズン以外の売り上げ増加を狙うほか、海外食品メーカーへの供給も検討していくという。(中日新聞 2005/03/25)

菜食主義は骨を丈夫に 骨粗しょう症になりやすい否定
米・ワシントン大が調査
【ワシントン=松川貴】菜食主義者の骨は丈夫−。米ワシントン大学医学部の調査チームは28日、野菜や果物など生鮮品しか食べないベジタリアンは骨粗しょう症になりやすいとの説を否定する調査結果を発表した。
同チームは18人の厳格なべジタリアンと通常の米国人グループを比較。骨の健康と密接に関係があるビタミンDは、ベジタリアンの方がかなり高かった。ビタミンDは牛乳などから摂取するが、牛乳を飲まないベジタリアンは日光に当たることで、皮膚からビタミンDが生成されたと推定されている。
また、体格指数(BMI)はベジタリアングループが平均20.5。もう一方は25で、痩身(そうしん)が骨への負担を軽くしている、という。BMIは20から24の範囲が健康とされる。
さらに、心臓病や糖尿病と関係するC反応性タンパク質、乳がんとの関連が指摘されるインスリン様成長因子も低かった。
調査を指導したフォンタナ医師は「もしがんや心臓病の危険性を低くしたければ、もっと生野菜や果物類を食べるべきだ」と話している。(東京新聞 2005/03/30)

緑茶うま味成分「テアニン」 更年期障害に効果
四日市の食品メーカー発表

緑茶に含まれるアミノ酸の一種「テアニン」が注目を集めている。ストレス緩和や熟睡できる効果があるほか、最近の研究で更年期障害の改善にも効果があることが分かった。食品素材メーカーの太陽化学(三重県四日市市)が、札幌市で開かれた日本農芸化学会で発表した。
テアニンは緑茶のうま味成分で、イライラや不眠を和らげる。緑茶を飲んでホッとするのもテアニンの効果という。更年期障害への効果は、これまで未知数だった。
研究は、アメリカで35歳から60歳の女性87人を対象に実施。2グループに分けて、それぞれ煎茶(せんちゃ)約1.8リットル分のテアニン200ミリグラムと、成分が含まれない偽薬の錠剤を服用してもらった。事前に聞き取り調査した更年期障害の自覚症状を、3カ月間にわたり調べた。
この結果、イライラや不安などの精神面と、むくみや頭痛など身体面でいずれも改善が表れた。時間が経過するほど、より大きな効果があった。
太陽化学の小関誠主任研究員(40)は「テアニンは脳をリラックスさせる効果がある。薬に頼らず、更年期障害を改善したい人にとって朗報です」と話している。
テアニンは玉露や抹茶に多く含まれ、特に低温でお茶をいれた時に多く抽出する。以前から食品添加物として製品化され、錠剤も通信販売されている。各メーカーでは4月から、全国でテアニンを多く含んだペットボトルのお茶のほか、関東などではガムも市販する。(中日新聞 2005/03/31)

見た目なんか悪くても…熟したバナナは免疫力UP
見た目は多少悪くても、よく熟したバナナの方が免疫力を高める効果が大きいことが、帝京大薬学部の山崎正利教授らの実験でわかった。
山崎教授らはこれまで、バナナが果物の中でも特に免疫力を高める効果が高いことを明らかにしているが、今回は熟成の度合いと免疫力の関係を調べた。
青いバナナを、店で売る場合と同様にエチレンガスで熟成処理し、皮全体が黒っぽくなる10日目まで、成分抽出液をマウスの腹部に入れ、免疫をになう白血球の数や、免疫を強める生理活性物質の量を調べた。
その結果、日数がたったバナナほど白血球を増やす効果があり、10日目のバナナは、初日のバナナより白血球を5倍多くしていた。この日数は、お店で買ったバナナの「購入後8〜9日目」に相当するという。生理活性物質は、5〜7日目(店頭購入後4〜6日目)のバナナで最も増えていた。(読売新聞 2005/04/02)

アルツハイマー:遊具が予防効果 米シカゴ大がマウス実験
アルツハイマー病のマウスを遊具付きのかごで飼育すると、病気の原因物質が脳内に沈着しにくいことが、シカゴ大などの実験で明らかになった。運動など生活環境がアルツハイマー病の進行を遅らせる可能性を示す世界初の成果で、「人間の発症予防につながる可能性がある」と専門家も注目している。
研究はこのほど米科学誌「セル」に発表された。研究チームは、アルツハイマー病の生後1カ月のマウス16匹を、9匹は回し車やトンネルなど遊具付きのかご、7匹は遊具のないかごで、5カ月間飼育した。
アルツハイマー病は、脳内にベータアミロイドと呼ばれるたんぱく質が沈着するため神経細胞が死に、脳が萎縮(いしゅく)する。実験後、マウスの脳を調べた。
遊具付きかごのマウスのベータアミロイド沈着量は、遊具がないマウスの約4割だった。特に運動量が多かった3匹の沈着量は、残りのマウスの約3分の1に過ぎなかった。
さらに遊具付きかごのマウスの脳内では、ベータアミロイドを分解する酵素「ネプリライシン」の濃度が、遊具なしマウスのほぼ倍になっていた。脳内のネプリライシンは、加齢やアルツハイマー病の進行とともに減少することが明らかになっている。研究チームは「運動など刺激のある環境では、ネプリライシンが多く生成され、脳内のベータアミロイド分解が促進される」と分析している。
アルツハイマー病研究に詳しい西道隆臣・理化学研究所神経蛋白(たんぱく)制御研究チームリーダーは「グループホームのように個々の高齢者に作業が割り当てられ、日常生活と同様の刺激がある環境で過ごすことが、アルツハイマー病の予防に役立つかもしれない。そうした期待を抱かせる興味深い実験結果だ」と話している。【永山悦子】(毎日新聞 2005/04/04)

コレステロール値が高い人は記憶力、集中力がいい
とかく悪者にされやすいコレステロールだが、血液中のコレステロール値が高い人は記憶力、集中力など精神的能力にすぐれていることがわかった。ボストン大学での研究。雑誌「心身医学」(Psychosomatic Medicine)に報告された。
対象は米マサチューセッツ州フラミンガムの住民で18歳以上の男789人、女1105人のコレステロール値に関する医療記録と精神的能力のテストの結果から分析した。
その結果、コレステロール値が高い人(200mg/dl以上)は、コレステロール値がより低い人と比べると、記憶力、集中力、 物事の抽象化、組織的に系統立てて考える力などの面で、優れていることがわかったという。(日経ヘルス 2005/04/04)

「ガン細胞だけ狙う治療法」 延世大研究陣が開発
ガン細胞のみを老化させて殺す治療法を韓国の研究陣が世界に先駆けて開発した。
延世(ヨンセ)大学生物学科の鄭寅権(チョン・イングォン、47)、李泰昊(イ・テホ、49)教授チームは「人体内の『MKRN1』遺伝子をがん細胞に投与した際、ガン細胞が成長を止め、すぐ老化して死ぬということをはじめて確認した」と3日発表した。
同遺伝子は数年前に発見されたが、その作用原理と機能については今まで明らかにされていなかった。
鄭教授らは、人体から乳ガンと子宮頸部ガンの細胞を抜き取り、1ヶ月間培養した後、MKRN1遺伝子を投入した。その結果、細胞分裂を重ねて成長していたガン細胞が老化して消滅することがわかった。同遺伝子がガン細胞の成長を手助けする酵素である「テロメラーゼ」の働きを抑制したからだ。テロメラーゼはガン細胞だけに働く。
人の体細胞は46個の染色体から構成されているが、各染色体の端の部分は「テロメア」という特殊な構造となっている。テロメアは、細胞分裂が進むにつれてどんどん短くなる。そうするうちに、もはや短くならない「老化点」に達すると、細胞分裂が止まり、老化消滅することになる。
しかし、ガン細胞は異なる。テロメラーゼがテロメアを老化点より短くならないように保護するからだ。そこでガン細胞は老化せず細胞分裂を続け、他の臓器にまで広がるのだ。
鄭教授は「今回の研究は実験室で行われたが、ネズミではなく人のガン細胞を対象にしたのだから、実際の治療法を開発したのと同様だ」と強調した。
このため、実際にガン患者を対象に行われる臨床試験でも、よい結果が出るものと鄭教授は期待している。今回の研究結果は、生命工学分野の権威である『遺伝子と発生(Genes and Development)』の最近号に掲載された。(東亜日報 2005/04/04)

ビタミンDが前立腺ガンを予防する
血液中にビタミンDが多く含まれている男性は、前立腺ガンにかかるリスクが、ビタミンDが少ない男性より、はるかに小さいことがわかった。ボストンのブリガム女性病院とハーバード大学医学部のスタッフの研究。研究対象は、同グループが長年健康調査を続けてフォローしている医療従事者と医療従事者OB。
1982年に約1万5000人の男性の血液を採取した。18年後調べたところ、このうち1082人が前立腺ガンにかかっていた。そこで、保存されていた血液から、含まれているビタミンDの量を調べた。
次に前立腺ガンにかかっていない1701人の血液中のビタミンD量を測定した。すると、前立腺ガンにかかった人は、かからなかった人に比べてビタミンDの量が半分であることがわかった。(日経ヘルス 2005/04/08)

半年服用で中性脂肪3割減 ビタミンPと糖の結合物質
林原生物化学研究所(岡山市)は11日、ビタミンPの一種に糖を結合させた物質に、血液中の中性脂肪を減らす作用を確認したと発表した。現在も食品の原料に使われているが、動脈硬化予防に役立つとして医薬品などへの応用も検討する。
ビタミンPは血管強化などの作用があるとされる。同研究所は糖と結合させて水溶性を高め、吸収しやすくした「糖転移ヘスペリジン」を開発した。成人男性25人で実験。500ミリグラムを6カ月間毎日摂取し、高脂血症の人は中性脂肪が平均3割減少。正常値の人はほとんど影響がなかった。
肝臓細胞で調べると、この物質によって中性脂肪の分泌が制御されていた。
かんきつ類の皮を原料にしており、副作用はないという。5月に東京で開かれる日本栄養・食糧学会で発表する。(共同通信 2005/04/11)

にんにく:大腸ポリープの成長を抑制 広島大助教授ら発表
にんにくに含まれる成分に、大腸にできたポリープの成長を抑える効果のあることが、広島大の田中信治助教授(分子病態制御内科学)らの研究で分かった。大腸ポリープは直径1センチを超すとがんに移行する場合があり、にんにくが、がん抑制に結びつく可能性があるという。米国で開かれた国際にんにくシンポジウムで発表された。
大腸ポリープは通常、1センチ以上になると切除するが、1センチ未満の場合には経過を観察することが多い。研究は内視鏡検査で大腸にポリープが見つかり、経過観察中の12人の同意を得て実施。にんにくをアルコールの中で2年間熟成させて抽出したエキスを、1日当たり2.4ミリリットル飲む8人(A群)と、0.16ミリリットル飲む4人(B群)に分けた。
1年後に比べると、A群では5人でポリープの数が減り、直径の平均値も1ミリ以上減った。B群では数が減った人はなく、直径の平均値も何もせず経過観察だけの人と同レベルの3ミリ以上増えていた。いずれも統計的に有意な差があった。
にんにくには、抗がん作用を持つたんぱく質が含まれていることが知られている。田中助教授は「熟成中に有用成分ができるので、にんにくをそのまま食べるより効果は高くなるが、にんにくがおおむね大腸がんの抑制に効果があることが示された」と話している。【山本建】(毎日新聞 2005/04/14)

大気汚染、心臓発作の引き金に=受動喫煙も―カロリンスカ研究所
【ストックホルム19日】スウェーデンのカロリンスカ研究所は、深刻な大気汚染に長期間さらされた場合、心臓発作を引き起こす危険が高いとする報告書をまとめた。報告書は、ストックホルムで22日に発表される。
調査を進めた同研究所のローセンルンド助教授は19日、「大気汚染の激しい地域に住んでいる人は、汚染が進んでいない地域の住民と比べ、心臓発作を起こす確率が50%も高いことを突き止めた」と語った。
ローセンルンド助教授は1992年から94年にかけ、全国規模の症例対照研究を実施。同助教授は「大気汚染の心臓発作への影響を調べるため、喫煙やダイエットといった要素も考慮した」と述べ、受動喫煙によっても心臓発作の危険性がはっきりと高まると結論付けた。ただ、職場や自宅で受動喫煙にさらされている人でも、環境を変えれば、6、7年で正常に戻るという。
一方、ローセンルンド助教授によると、97年にスウェーデン国民1万5000人を対象に行った調査の結果、空港近くに住む人は高血圧になりやすいことが判明した。同助教授は「空港近くに住むことと高血圧の間には密接な関係がある。アーランダ(ストックホルム空港)の近くに住んでいる人ほど、高血圧になりやすい」と語った。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/04/20)

ビタミンDで肺ガンの生存率が上がる?=米ハーバード大調査
【ライブドア・ニュース25日東京】AP通信によると、ビタミンDの摂取と肺ガンの生存率との間に相関関係があることを示す研究成果がこのほど発表された。デビッド・クリスチャーニ・ハーバード大学教授のグループは、マサチューセッツ・ジェネラル病院などの初期肺ガン患者456人を対象に、食事やサプルメント、肺ガン手術の時期について聞き取り調査を行った。その結果、ビタミンDの摂取量が多く、夏に手術した患者の5年生存率が72%だったのに対し、同摂取量が少なく、冬に手術した患者では29%だった。ビタミンDは、皮膚が日光に当たることによって作られることから、手術前後にビタミンDを多く摂取すれば肺ガン生存率を上げられる可能性もあり、今後の研究が注目される。(ライブドア・ニュース 2005/04/25)

交代勤務職場、前立腺がん危険性3.5倍に・大規模疫学研究
24時間操業の工場や鉄道、ホテルなどの交代制職場で働く男性は、主に昼間働く日勤職場の男性に比べ、前立腺がんになる危険性が3.5倍、心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患で死亡する危険性が2.8倍高いことが、文部科学省が補助する大規模疫学研究(運営委員長・玉腰暁子名古屋大助教授)の分析で2日までに分かった。
不規則な勤務による体内時計の乱れが関与していると考えられ、虚血性心疾患は血圧上昇やストレスも原因とみられる。
厚生労働省の調査では、午後10時以降の深夜業に従事する労働者がいる事業所は2割に上り、うち半数が交代勤務を導入。研究者らは「前立腺がん検診の導入や、循環器病の危険因子を持っている人の適正配置など、労働管理の在り方を考えるべきだ」と話している。
一般の人を追跡する大規模疫学調査で交代勤務の健康影響を示した研究は少なく、前立腺がんの報告は世界初という。〔共同〕(日本経済新聞 2005/05/02)

「老い」を防ぐには外出や運動週3回 判断、動作ぐっと速く
60歳以上で週3回以上の外出や運動の習慣を持つ人は2回以下の人よりも、物を見てから判断、動作するまでの脳の働きが3割以上速いことが、富山県国際健康プラザ国際伝統医学センター研究室の永田晟室長の研究で分かった。県内の189人を調べたもので、外出や運動に体力維持だけでなく、脳の衰えを防ぐ効果があることがあらためて確認されたとしている。
永田室長は昨年7月から今年2月にかけて、県内の60歳以上189人に対し、リハビリテーション医学の手法である探索作業検査(TMT)を受けてもらった。パソコン画面上にバラバラに表示された1から25までの数字を順に押していく内容で、難易度の違う3種類の検査にかかった時間と合計を調べた。
大脳が数字を認知してから判断し、手に動作を命じるまでの統合的な機能の速さをみることが目的で、こうした手法を60歳以上の認知能力の分析に応用した研究成果は、ほとんどないという。
この結果、外出や散歩などの運動が週2回以下の65人による検査の所要時間が平均3分3秒弱だったのに対し、週3回以上の124人は約3分の2に当たる平均2分6秒だった。
永田室長は、運動習慣が脳の神経回路の機能を保つ効果を確認できたとした上で「運動の頻度をなるべく増やし脳に刺激を与え続けることで、機能低下を防げる」と運動習慣の必要性を強調している。今回の研究成果は6月に金沢市で開かれる「日本リハビリテーション医学会学術集会」で発表される。(富山新聞 2005/05/09)

温泉水に高血糖改善効果 鹿児島大など動物実験で
鹿児島県の牧園町と垂水市の温泉水に、糖尿病の高血糖状態を改善する効果があることを、鹿児島大農学部の藤井信教授らの研究グループが、マウスを使った実験で確認した。東京で開かれている日本栄養・食糧学会で14日、発表する。
藤井教授は「温泉水のどの成分が作用しているのかを解明するとともに、人でも効果があるか調べたい」と話している。
研究グループは牧園町と垂水市で採られ、飲料用に市販されている2つの温泉水と、鹿児島市の水道水の計3種類をそれぞれ、糖尿病のモデルマウス各10匹ずつに飲ませ、血糖値などの変化を比較した。
その結果、牧園町の温泉水を飲んだマウスは水道水のマウスに比べ20日後の血糖値が平均約25%低下した。垂水市の温泉水の場合も、3週目の平均の血糖値が同約10%低下した。どちらの温泉水のマウスも、約2カ月後の実験終了まで血糖値がより低い状態が続いたという。(共同通信 2005/05/13)

遠赤外線反射の特殊素材 がん増殖抑制効果
兵庫医大教授研究

遠赤外線の反射率が極めて高い特殊素材をがん細胞の近距離に置くと、がん細胞が自滅する仕組み(アポトーシス)を持つ遺伝子が活発になることが、島博基・兵庫医大教授(泌尿器科)の研究で分かった。13日(現地時間)に開幕した米国臨床腫瘍(しゅよう)学会の報告書に掲載された。
特殊素材は大阪市の化学メーカーが、高純度石灰石に貴金属や炭素などを混合して開発。無数の気泡が細かな網目を作ったような構造で保温性が高く、ウエットスーツなどに利用されている。
実験は、フラスコ内で培養した前立腺がんの細胞の上下に特殊素材を置き遺伝子を解析。3週間目で遺伝子のアポトーシス回路が活発に働いていた。さらに、がん増殖抑制機能が高濃度の場合に働く腸管内物質「酪酸ナトリウム」を3類類の前立腺がん細胞に投与した培養試験でも、特殊素材を置くと、8日目には抑制効果が3倍以上高まることも分かった。【宇城昇】(毎日新聞 2005/05/14)

アルツハイマー:病因のメカニズム解明 佐賀女子短大など
佐賀女子短大(佐賀市)の長谷川亨教授らの研究グループがアルツハイマー病の発生メカニズムの1つを解明し、16日発表した。健常者の脳にも微量ながら存在するホモシステイン酸が働きかけて、アルツハイマー病の原因たんぱく質(アミロイド)を脳神経細胞内に蓄積させ、細胞死を引き起こすというもの。ホモシステイン酸をアミロイドに働きかける原因物質として特定したのは初めて。
アルツハイマー病は認知(痴呆)症の代表的な疾患。アミロイドが脳内に沈着、神経細胞が死滅し、最終的に脳が委縮することで発病する。その際、アミロイドの生成、蓄積が発病の中心的役割を担っているという。
長谷川教授らは8年前から、このアミロイドの蓄積と細胞死の関係を研究。その中で、アルツハイマー病の危険因子として知られるアミノ酸(ホモシステイン)の酸化代謝物であるホモシステイン酸の毒性に着目。生きた神経細胞で実験した結果、ホモシステイン酸がベータアミロイド42を細胞内に蓄積させ、それが細胞死を引き起こす作用があることを確認した。現在、研究グループのうち米国立衛生研究所(NIH)のチームが、動物実験を続けている。
長谷川教授は「ホモシステイン酸が作用しなければ、アミロイドは蓄積されず、細胞死は生じない。アミロイドの生成をいかに抑えるかが中心だったアルツハイマー病治療の研究にブレーキを駆けることになると思う」と指摘。「今後はホモシステイン酸の毒性を弱めるような研究と薬剤の開発が必要だ」と話している。【阿部義正】(毎日新聞 2005/05/16)

前立腺がん患者の寿命を延長させるビタミンDを開発
米オレゴン健康科学大学が開発した強力なビタミンD剤DN-101によって、死に直面した前立腺がん患者で延命効果の得られたことが、臨床試験で明らかになった。
AP通信によれば、試験は放射線療法ないし外科的治療後に薬剤療法を実施してもがん細胞の増殖がみられる進行性の前立腺がん患者250例を対象としたもの。現状では、この種の症例に対しては、生存期間を平均16か月延長させる抗がん薬ドセタキセルを用いた化学療法が行われている。
試験では、ドセタキセルに開発されたビタミン剤DN-101を併用投与した結果、化学療法による生存期間が平均7.1カ月延長した。また、前立腺特異抗原(PSA)は、併用投与群およびドセタキセル単独投与群でそれぞれ63%、52%の低下していた。
今回の試験結果は、DN-101が進行性の前立腺がん患者に延命効果を示すものであるが、DN-101の上市承認に至る十分な患者数の規模ではなかった。承認には、約600例の患者を対象とする試験が必要という。(日本経済新聞/HealthDayNews 2005/05/18)

ブロッコリ、ホウレンソウにパーキンソン病予防効果
【パリ19日】ビタミンEをたくさん含む食べ物を摂るとパーキンソン病にかかるリスクが19%低くなるとの研究結果が19日、英国の医学週刊誌ランセットの姉妹版ランセット・ニューロロジー(オンライン版)に掲載された。先月死去したローマ法王ヨハネ・パウロ2世もパーキンソン病にかかっていた。
ただし、この研究によると、ビタミンCやベータ・カロチンにはパーキンソン病の予防効果がないもよう。同様に、同じビタミンEでも錠剤などのサプリメントの場合は予防効果がない可能性が大きく、食物に自然に入っているビタミンEでなければ効果はないもよう。
研究結果は1966年から今年3月までに実施された8件の研究プロジェクトをもとに出された。米国立衛生研究所(NIH)のウェブサイトによれば、ビタミンEは植物油、ナッツ、ホウレンソウ、ブロッコリ、ピーナッツバター、キウイ、マンゴーなどに含まれている。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/05/20)

ブルーベリーの効用また1つ──心臓病予防にも
ブルーベリーには、抗酸化物質がいっぱい含まれていて、ガン予防や、糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症の症状緩和に有効であることが知られている。
これに加えて、悪玉コレステロールを減らして心臓病を予防することがわかったという研究が発表された。
発表したのは、米ミシシッピ州オクスフォードにある米農務省の化学者・アグネス・リマンド博士。同博士はブルーベリーに含まれている抗酸化物質が悪玉コレステロールを減らす効果があるのではないかと考え、ラットの肝臓から細胞を取り出し、これをブルーベリーの成分と接触させた。肝臓細胞の中では、コレステロールなど血液中の脂質を下げる役割を持った受容体が存在するが、実験ではブルーベリー成分の一部がこの受容体をもっとも良く活性化させることを発見した。(日経ヘルス 2005/05/25)

がん治療ビタミンで楽に
京大名誉教授ら 患者の副作用改善

吐き気や下痢といった抗がん剤と放射線治療の副作用の抑制にビタミン剤が有効―。京都大の鍵谷勤名誉教授(石油化学)と京都府立医大が実施した臨床治験で、こんな結果が実証された。がん患者に負担をかけずに、薬剤投与量と照射線量を増やすことができるとして、今後さらに治験を重ねる方針。成果は三重県桑名市で28、29日の両日に開かれる研究会で症例報告される。
鍵谷名誉教授によると、臨床治験は副作用を訴えた抗がん剤と放射線治療の患者3人ずつ計6人を対象に実施。治療前や治療後にビタミンCやEを配合した薬を服用したところ、いずれも副作用症状が改善された。
月3回の抗がん剤治療で吐き気や不眠、食欲不振を訴えていた乳がん再発患者(56)は、ビタミンEを配合した薬剤50ミリグラムを服用したところ副作用は起きず、6カ月間の治療で抑制効果を確認できた。
乳がんが腰椎に転移した患者(65)も、約1分間の放射線治療で下痢に悩んでいたが、ビタミンCを配合した薬剤10グラムを服用したところ、計10回の治療で一度も下痢は起こさなかったという。
鍵谷名誉教授は「激しい吐き気や下痢に苦しむ多くの患者に勇気を与える治療で、社会的影響は大きい」と話している。(産経新聞 2005/05/25)

参照:ビタミン配糖体による癌治療の副作用抑制の臨床経験
(京都ライフサイエンス研究所)

ピロリ菌退治で胃がん予防、効果を解明
胃の中の細菌「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)」を薬物治療で退治すると、胃潰瘍(かいよう)や十二指腸潰瘍の患者が胃がんになる危険性が低下することを、広島市民病院の水野元夫(もとお)・内視鏡科主任部長(岡山大臨床教授)らの研究グループが初めて突き止め、今月発行の米国消化器学会誌に発表した。
ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍の原因になるとされ、抗生物質などで除菌できる。水野部長らは、1995年から広島県内の病院でピロリ菌の除去治療を受けた胃・十二指腸潰瘍の患者1120人を、最長8.6年間(平均3.4年)にわたり調査。1年ごとに胃の内視鏡検査を行い、がんができた割合を比べた。
その結果、除菌に成功した944人のうち、胃がんになったのは8人だったのに対し、除菌できなかった176人では胃がん発症は4人だった。治療から5年後での発がん率は、除菌成功群は1.21%で、失敗群の3.80%に比べ3分の1程度だった。
ピロリ菌感染者の方が胃がんになる確率が高く、世界保健機関も「ピロリ菌には発がん性がある」としているが、除菌治療の胃がん予防効果を示したデータはこれまでなかった。
今回の研究は除菌の効果を厳密に証明する手法ではないが、水野部長は「ピロリ感染が広がっていない早期の段階に除菌すれば、胃がんの予防効果は高い。ただし完全に予防できるわけではないので、定期検査が大切だ」と話す。
50歳以上の日本人の約8割がピロリ菌に感染し、うち5〜6%が胃・十二指腸潰瘍になるとされる。

菅野健太郎・自治医大消化器内科教授の話 「胃がんで毎年5万人が亡くなり、日本人のがん死で2番目に多い。ピロリ菌除去で死亡者数を大幅に減らせる可能性があることを示唆する画期的な研究だ」(読売新聞 2005/05/28)

サメ軟骨:進行がんの延命効果、みられず──米国で臨床試験
【ワシントン共同】がんの代替療法として日本でも利用されているサメの軟骨について、米メイヨークリニックなどのグループが、進行した乳がんと大腸がんの患者に米国製品で臨床試験を実施、その結果「延命効果も生活の質の向上もみられなかった」とする論文を、米医学誌キャンサー(電子版)に発表した。
試験は男女計83人の患者が対象。標準的な治療を行いつつ、無作為に選んだ42人にサメ軟骨を、残り41人に偽薬を与えた。結果は両群の生存率に差はなく、患者本人が評価する生活の質についても統計的に差はなかった。試験の継続期間は最長1年2カ月だが、胃腸の不調を訴えるなどして約1カ月で患者の半数近くが脱落。このためグループは研究に限界があることも認めている。
サメ軟骨は「サメががんになりにくいのは体内の軟骨成分のため」との説が90年代初めごろ注目されたといわれる。本格的な臨床試験は少なく、人への効果ははっきりしていない。(毎日新聞 2005/05/30)

瞑想してストレスをほぐすと長生きする
お年寄りに瞑想させたら普通の人より長生きしたという研究結果、「米心臓学会誌」(American Jouurnal of Cardiology )5月1日号で発表された。
この研究では、平均年齢72歳で、高血圧気味のお年寄り202人を、2グループに分け、第一のグループには超越瞑想(TM)など、ストレスを緩和し、血圧を下げるといわれる瞑想法を18年間実行させた。
もう1つのグループには、健康に役に立つ標準的な情報を常時与えて、健康に注意するよう指導した。こうして18年後、瞑想組で、心臓病で死亡した人の割合は、情報組より30%も少なかった。心臓病以外の原因で死亡した割合も23%少なかった。
この結果から、研究者たちは瞑想がストレスを緩め、血圧を下げる効果があり、それが長生きに導いたと結論づけた。(日経ヘルス 2005/06/08)

温州ミカンで肝機能障害を予防? 静岡の産地で疫学調査
温州ミカンをたくさん食べると、肝臓病や動脈硬化になりにくいというデータを果樹研究所(本部・茨城県つくば市)が発表した。ミカンの産地、静岡県三ケ日町の住民約900人を対象に、町などと合同で03年度に行った疫学調査で、温州ミカンの成分の血中濃度が高いほど肝機能の数値がよく、動脈硬化のリスクも低いと出た。
温州ミカンにはβ(ベータ)―クリプトキサンチンと呼ばれる成分が豊富に含まれ、たくさん食べる人ほどその血中濃度が高くなる。同研究所によると、毎日ビール大瓶1本以上の酒を飲む男性111人について、温州ミカンを食べる量が「1日1個以下」に相当する濃度の人は、アルコール性肝障害の指標となるγ(ガンマ)―GTPの平均値が58.9だったのに対し、「1日3〜4個」だと33と低かった。
また、成分の血中濃度の高い人は、高血糖であっても、肝機能の数値が正常と変わらないレベルだった。動脈硬化を起こすリスクも、濃度の低い人の2分の1程度だったという。2013年度までかけて追跡調査を行う。
β―クリプトキサンチンは、柑橘(かんきつ)類に豊富な植物色素で、温州ミカンにはオレンジの10倍以上含まれるという。(朝日新聞 2005/06/09)

麦茶で血液サラサラ 香り成分に効果確認 カゴメ総研
「香ばしい麦茶を飲んで、血流を改善」−。カゴメ総合研究所(栃木県那須塩原市)は、麦茶の香ばしいにおいの成分「アルキルピラジン類」に、人の血液の流動性を向上させる効果を確認した。日本人の死因上位を占める心疾患や脳血管疾患などの原因となる血栓の形成を抑えると推測され、カゴメは「麦茶の継続飲用で、血液がサラサラになることも期待される」(広報部)としている。
これまで、アルキルピラジン類を血液に加えると、流動性が向上することが知られていたが、カゴメ総研は人体で検証。6人の成人男性が麦茶を摂取した場合と、ミネラルウオーターを飲んだ場合の血液の流れる時間を測定した。結果は麦茶の場合、飲む前に比べて血流速度が10%弱上昇した。その効果が最長で90分間持続することが分かった。一方、ミネラルウオーターでは血流速度が低下する場合もあった。
こうした麦茶の効能は、長時間飛行機に乗った場合に血行障害や血栓が生じる「エコノミー症候群」予防への応用も考えられ、カゴメは「機内の飲料などにも利用してもらえれば」(カゴメ総研)と提案している。(中日新聞 2005/06/14)

コーヒーの目覚めを解明 睡眠障害治療にも
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、脳の細胞膜上にある特定のタンパク質と結び付いて目覚め作用を起こすことを、大阪バイオサイエンス研究所の裏出良博研究部長らが確認、米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス(電子版)に20日、発表した。
睡眠障害の治療や、眠気を防ぐ方法の開発につながるのではないかという。
裏出部長らはマウス実験で、人間のコーヒー1、2、3杯分に相当するカフェインを注射器で投与、睡眠時間を比べた。
普通のマウスは投与量が増えるにつれ睡眠時間が短くなったが、遺伝子操作でアデノシンA2A受容体というタンパク質を欠損させたマウスは、投与量による変化はなかった。
同様の可能性を指摘されていたアデノシンA1受容体というタンパク質を欠損させたマウスは、普通のマウスと変わりなかった。(共同通信 2005/06/20)

アルツハイマー予防に野菜ジュース? 米会議で対策報告
米・ワシントンで開催中のアルツハイマー病をめぐる国際会議で19日、発症の何年も前に85%の確率で危険性を予測する画像診断法を開発したとする報告や、野菜や果物のジュースを愛飲すると発症リスクが4分の1に抑えられるという報告があり、注目を集めた。
画像診断法を開発したのは、米ニューヨーク大の研究チーム。記憶の中枢とされる脳の海馬という部分の活動低下を、陽電子放射断層撮影(PET)で診断するもので、発症の15年前に予測することも可能だという。
脳が活発に活動している場所では、エネルギー源のぶどう糖が盛んに消費されることが知られている。研究チームは50〜80代の健康な53人を対象に、海馬でのぶどう糖の消費状況を時折PETで測りながら、9〜24年間経過を追った。
最終的には、25人がアルツハイマー病や軽度認識障害を発症した。発症者のPET診断の結果を未発症者と比べると、研究開始の段階ですでにぶどう糖の消費が15〜40%低かったという。
この調査結果を基に海馬の画像診断システムをつくった結果、アルツハイマー病は85%、軽度認識障害は71%の確率で事前予測できた。研究チームは「発症の9年前には予測できることが分かった。15年前でも予測できるだろう」という。
野菜ジュースや果物ジュースの効果は、南フロリダ大の研究チームが、米ワシントン州に住む65歳以上の日系人男女1836人を7〜9年間にわたり追跡した健康調査のデータから示された。
そうしたジュースを週に最低3回は飲む人は、週1回未満の人に比べて、アルツハイマー病の発症リスクが75%も低かったという。
ビタミン剤や栄養補助食品は発症リスクに影響していなかった。研究チームは「野菜や果物のジュースに含まれるポリフェノールが、アルツハイマー病の発症を遅らせているのだろう」という。

〈植木彰・自治医大大宮医療センター教授(神経内科)の話〉 野菜や果物の摂取が予防になるという結果は海外のほかの研究でも出ており、ポリフェノールや葉酸などの抗酸化物質が効いていると考えられている。

バランスよく食品でとると、これらの物質が活用されるようだ。画像診断による予測も信頼できそうだ。認知症は青年期、中年期から始まっており、人生全体を見渡した研究が必要だ。(朝日新聞 2005/06/20)

胃がん:ピロリ菌が作り出す毒素が原因 北大教授ら解明
ヘリコバクター・ピロリ菌が胃がんや胃かいようを起こす仕組みを畠山昌則・北海道大教授(分子腫瘍学)の研究グループが初めて突き止めた。ピロリ菌が作り出す毒素が原因で、予防や治療につながる新薬開発に役立ちそうだ。20日の米科学アカデミー紀要(電子版)で発表した。
ピロリ菌は大きさ約3ミクロンで胃だけに存在する。胃がんや胃炎の原因とされるが、その仕組みは謎だった。
研究グループは、ピロリ菌が出す「CagA」と「VacA」と呼ばれる2種類の毒性たんぱく質に着目。胃の細胞を取り出し、この2つの毒性たんぱく質を注入した。
その結果、「CagA」の働きが活発になると、遺伝子の活動をコントロールする「NFAT」と呼ばれる別のたんぱく質の働きが活性化し、細胞が異常分化・増殖を始めた。「VacA」の働きが活発になると、「NFAT」の働きが弱まり、細胞の活動が抑えられた。
細胞はがんでは異常増殖し、かいようでは死ぬ。このため、毒性たんぱく質の活動が変化することで、胃がんや胃かいようを引き起こすことが実験から示唆された。
日本人の半数がピロリ菌を保有しているとされる。年間約10万人が胃がんを発症し、約5万人が死亡している。畠山教授は「抗生物質でピロリ菌を除去すれば、胃がんや胃かいようを防げるのではないか」と話す。【武内亮】(毎日新聞 2005/06/22)

癌細胞だけ選んで殺す新物質発見
国内研究グループは、癌細胞を自ら殺すように誘導する新しい癌治療技術を開発した。
檀国(タングク)大学医学部の辛得竜(シン・ドクヨン、47)教授は「南海岸(ナムへアン)に棲息する海綿生物から分離した物質『PTX―2』が、癌抑制遺伝子『p53』のない癌細胞だけを選んで殺すという事実を見つけた」と21日、発表した。
科学技術部国家指定研究室事業の支援を受けた今度の研究成果は、癌遺伝子分野の権威誌『Oncogene』最近号に掲載された。p53は癌の発生を抑制する遺伝子で、同遺伝子がなくなれば正常細胞が癌細胞に変わる。全体癌患者の60%程度がp53遺伝子を持っていない。
研究チームは細胞骨格の形成を阻止する物質であるPTX―2をネズミに投与して、p53のない癌細胞だけが死んで行く事実を確認した。正常細胞には影響がなかった。(東亜日報 2005/06/23)

ヘルシーリポート:みそ汁で健康増進 糖尿病に予防効果/発がん物質抑制も
◇褐色色素、メラノイジンが手助け
日本の伝統食の象徴とも言えるみそ汁。大豆を発酵・熟成させたみそには、大豆とは異なるヘルシー効果が期待できる。そのひとつが褐色の色素、メラノイジンだ。発がん性物質の生成を抑えたり、糖尿病の予防効果などが期待できるという。生活習慣病に悩む現代人にとって、みそが貴重な食材であることを改めて認識したい。
みそやしょうゆが褐色なのは、メラノイジンという褐色色素のためだ。メラノイジンはアミノ化合物(アミノ酸やたんぱく質など)と糖(ブドウ糖や麦芽糖など)が化学反応を起こして生じる。もとの大豆には含まれず、大豆が発酵・熟成していく過程で生まれる複雑な化合物だ。
食品栄養学に詳しい女子栄養大学の五明紀春・栄養学部長は「メラノイジンが人の健康によい作用を示す研究成果が分かってきた」と話す。
メラノイジンには、がんや動脈硬化などにつながる活性酸素の働きを抑える抗酸化作用がある。 さらに、人の消化管に入ったとき、消化酵素によって消化されないという性質も備えている。つまり、体内に入ったメラノイジンの一部は腸から吸収され、体内を循環するが、多くはそのまま消化されずに体を通り抜けていく。

◆血糖値を安定化

この食物繊維に似た作用が糖尿病の予防効果を期待できる。
糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンの量が減ったり、その働きが低下して、血糖値が高くなる病気だ。糖分を摂取したときに体内への吸収が早ければ、血糖値は急激に上がる。糖分の分解が遅ければ、血糖値の上がり方も鈍くなる。
メラノイジンが血糖値の変動を抑えるかどうかを調べるため、五明さんは次のような実験を行った。ただの砂糖水とメラノイジンを混ぜた砂糖水をラットの胃に強制的に注入し、血糖値の変動を比べた。その結果、メラノイジンを溶かした砂糖水の方では、血糖値の変動の幅が小さかった=グラフ(※注:割愛)。
五明さんは「小腸で糖を分解するアルファ・グルコシダーゼという消化酵素の働きを、メラノイジンが抑えているのではないか」と見ている。
消化酵素の中には、すい臓で作られて、腸管に分泌されるトリプシンというたんぱく質消化酵素もある。メラノイジンはこのトリプシンの働きも抑える。「トリプシン・インヒビター(妨げるもの)」となるわけだ。
メラノイジンの作用でトリプシンの働きが阻害されると、すい臓はトリプシンの不足を補うため、より多くのトリプシンを分泌させようとする。このとき、すい臓は同時にインスリンの分泌をも促す。その結果、インスリンの分泌がよくなり、血糖値が抑えられるメカニズムが働く。
メラノイジン以外の「トリプシン・インヒビター」は、もとの大豆自体にも含まれる。発酵によってメラノイジンを生じたみそは、強力なトリプシン・インヒビターを含むのだ。

◆みそ汁の効用

では、どれくらいのみその濃度でトリプシンの活性は半減されるのだろうか。みその種類によって異なるが、信州みそなら、100グラムの水に14.4グラムのみそを溶かした濃度(14.4%)で半減した=表(※注:割愛)。
実験した五明さんは「私たちが飲むみそ汁のみその濃度はだいたい10%程度なので、通常のみそ汁を飲んでいれば、トリプシンの活性はある程度抑えられる」と推測。毎日、みそ汁を飲むことが適度にすい臓を刺激し、インスリンの分泌を促すことが期待できるという。

◆ラット実験で成果

メラノイジンによるがんの予防にも期待がかかる。
日本人には依然として胃がんが多い。魚や肉が消化される過程で生じるアミンと、野菜や食品添加物などに含まれる亜硝酸が反応すると、発がん性のニトロソアミンができる。メラノイジンは、このニトロソアミンの生成を抑える。
また、ラットの実験によると、小腸の粘膜の再生を促し、食物繊維と同じように腸のぜん動を活発にする働きもある。
広島大学原爆放射能医学研究所の渡邊敦光教授らのラットを使った研究報告によると、熟成の進んだみそが大腸がんの前がん病変(ACF)を抑えることが分かった。
五明さんは「ラットの実験で大腸の乳酸菌も増えることが分かった。ヒトでも大腸がん予防に期待できる」と今後の研究に期待する。

◆血圧

よく塩分の多いみそ汁は血圧を上げるといわれる。その半面、メラノイジンは血圧を上げるホルモン(アンジオテンシン2)の働きを抑えることが分かった。さらに、みそにはメラノイジンとは別に血圧を下げる働きの強いペプチド類(アミノ酸のつながったもの)もたくさん含まれている。
五明さんは「みその塩分が血圧を上げるという単純な話でもない」ともっと研究が必要だと説く。

◆具だくさん

五明さん自身は1日に2回、みそ汁を飲む。同じみそ汁を作るなら、ジャガイモ、ワカメなど野菜や海藻の多い具だくさんのみそ汁を心がけたい。野菜には血圧を上げるナトリウムの働きを緩和するカリウムが多いからだ。

………………………………………………………………………………………………………

◆トリプシンの活性が半減するみその濃度◆

仙台みそ   12.4%
信州みそ   14.4%
八丁みそ   15.3%
濃口しょうゆ 25.3%
薄口しょうゆ 37.1%
しょっつる  22.1%

※12.4%は100グラムの水に12.4グラムのみそを溶かした濃度。みそはしょうゆに比べて、トリプシンの活性を抑える作用が2倍近くも強い。(毎日新聞 2005/06/25)

脳の老化防止に葉酸が有効 オランダの研究
ワシントン(AP) 老化に伴う記憶力などの低下を防ぐために、葉酸を多く含むサプリメント(栄養補助食品)が有効との研究結果がこのほど発表された。米ワシントンで開かれたアルツハイマー病研究者らの国際学会で、オランダのチームが報告した。
チームでは、50−75歳の健康な男女818人を2つのグループに分けて実験を実施。一方のグループには葉酸800マイクログラムを含むサプリメント、別のグループには偽薬を、毎日1回ずつ投与し続け、3年後に記憶力と認知速度を検査した。
その結果、サプリメントを服用したグループは記憶力の検査で、実年齢より平均5.5歳も若い人たちと同等のレベルを維持していることが分かった。このグループは認知速度でも、平均1.9歳若い人たちに並ぶ成績を挙げたという。
葉酸の豊富な食品は、オレンジやイチゴ、濃緑色の葉もの野菜、大豆など。実験に使ったサプリメントには、イチゴ1キロ余りに相当する葉酸が含まれている。
葉酸はこれまでの研究でも、先天異常や心臓病、脳卒中の予防に有効との結果が報告されている。ただ研究チームによると、効果の仕組みはまだ解明されていない。消炎効果を指摘する説や、遺伝子に作用するとの説などがあるという。
米アルツハイマー協会の科学顧問委員会を率いるジョンズ・ホプキンス大の神経学者、マリリン・アルバート氏は、今回の研究を高く評価。「私も早速医師の許可を得て、葉酸サプリメントを飲むつもりだ」と語った。実験ではアルツハイマー病に対する効果は直接取り上げられなかったが、同氏は「アルツハイマー病は発症する何年も前から進行することが分かっている。心臓病予防を若いうちに心掛けるのと同様、脳の健康にも早い時期から気を配るべきだ」と強調している。(CNN 2005/06/26)

食用キノコ:「アガリクス」、がん発育抑制あり──信大医学部研究生ら確認 /長野
信州大医学部病態解析診断学講座(勝山努主任教授)の研究生を中心としたグループは27日、人工培地で栽培された食用キノコ「アガリクス」が、がんの発育抑制に有効性があることを確認したと発表した。
実験で、マウスの腹部に腫瘍(しゅよう)細胞を移植後、何も投与しない群と、人工栽培した生アガリクスの煮汁を1日1回投与する群(各15匹)を20日間飼育し、臓器の状態を調べた。
何も投与しなかった群は腫瘍が平均0.32グラムに発育したのに対し、アガリクスを投与した群は同0.02グラムに発育が抑制された。中には腫瘍が消失したマウスもいた。アガリクス抽出物によるマウスの肝臓、腎臓など臓器への異常は見られなかった。腫瘍を分析すると、アガリクスを投与したマウスの細胞には、リンパ球が取り囲むように集まっていたという。
アガリクスは腫瘍細胞を壊す傷害性を持たず、免疫細胞の活性化を促進する効果が、人工栽培のアガリクスにもあることが今回の実験で確認された。実験に中心的に取り組んだ研究生の小林仁さんは「アガリクス抽出物がリンパ球など免疫細胞を活性化させ、腫瘍の発育を抑制する」と結論づけている。
今後はアガリクスの抗腫瘍作用について、より細かく検討していくという。研究成果は9月に札幌市で開かれる日本癌(がん)学会学術総会で発表する予定。【藤原章博】(毎日新聞 2005/06/28)

がん細胞自滅に新メカニズム 金沢医科大・梅原教授ら 細胞膜の脂質を特定
金沢医科大血液免疫制御学講座の梅原久範教授の研究グループは29日までに、鳥取大医学部血液内科学の岡崎俊朗教授グループと共同で、がん細胞が自滅する新たなメカニ ズムを解明した。細胞膜の主要脂質「スフィンゴミエリン」が、細胞膜上の脂肪の凝集を誘発し、自滅に導くことを突き止めたもので、この脂質の量を調節することで新たな治療法開発も可能となる。近く米国の権威ある医学誌「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン」に発表する。
梅原教授によると、細胞膜の表面には、脂肪が筏(いかだ)のように浮かんだ「リピッドラフト(脂肪の筏)」と呼ばれる部分が点在する。細胞が刺激を受けたり、アポトーシスと呼ばれる細胞の自滅が起こる際にはこの「筏」が集まり、塊となることが既に分かっている。
梅原教授らは今年1月、この「筏」の主要な脂質であるスフィンゴミエリンを合成する酵素の遺伝子の特定に成功した。今回この遺伝子を、スフィンゴミエリンを持たない細胞に入れた上で、細胞自滅の誘引蛋白(たんぱく)(Fas)で刺激すると、同蛋白が「脂肪の筏」の中に集合し、さらに「筏」自体も1カ所に集まって塊となり、一気に自滅を引き起こすことを突き止めた。
細胞膜に同脂質を持たない細胞では、誘引蛋白で刺激しても目立った変化は認められなかった。これらの結果から、スフィンゴミエリンが「脂肪の筏」を凝集させ、細胞自滅に導く重要な役割を担うことが証明された。
今後はスフィンゴミエリンの量を調節する技術の確立を急ぎ、「脂肪の筏」の機能調節を目指す。梅原教授は「細胞の内部ではなく細胞膜自体の機能を調節する、新たな治療法の開発が可能になる」と話している。(北國新聞 2005/06/30)

胃のピロリ菌退治で「前がん状態」改善 元凶説を裏づけ
胃がんの「前がん状態」でも、胃の中のピロリ菌を除菌すると、進行を抑え、状態を改善する効果がある。そんな研究結果を、厚生労働省研究班がまとめ、1日、岡山市で開催中の日本ヘリコバクター学会で発表する。主任研究者の斉藤大三・国立がんセンター中央病院内視鏡部長は「胃がん予防を考えると、慢性胃炎が進んだ人も除菌した方がいいかも知れない」という。
研究対象は96〜04年に登録された全国20〜59歳のピロリ菌感染者で4年以上経過した392人。胃がんへ進む前の状態と考えられている萎縮(いしゅく)性胃炎や腸上皮化生(じょうひかせい)(胃の粘膜の変性)など慢性胃炎になった患者について、抗生物質を飲んで除菌するグループと、除菌しないグループに無作為に分け、平均5.3年にわたって症状を追跡した。
患部の細胞を採取して調べた結果、胃の下部の萎縮性胃炎で状態が改善した割合は、除菌しなかった116人で17人(15%)に対して、除菌した116人では72人(62%)だった。胃の上部や中部の萎縮性胃炎、腸上皮化生を含め、すべて除菌した人の方が29〜47ポイント改善率が高かった。効果は性別や年齢層に関係なく見られた。
ピロリ菌に感染すると胃の粘膜が傷つけられ、慢性胃炎になり、さらに胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎、さらに腸上皮化生になる。これが続くと胃がんを発生しやすい──。こうした筋書きが動物実験や過去の疫学調査から示唆されてきており、ピロリ菌を除菌すると胃がんの発症率が3分の1以下になるとする研究結果もあった。「ピロリ菌元凶説」はかなり広まっているが、科学的根拠は必ずしも十分ではなかった。
今回の研究は最終的な胃がんの発生頻度まで調べたものではないが、前がん状態でもピロリ菌除菌が胃がんへの進行抑制効果を持つらしいことを厳密な研究で裏付けた点で画期的だ。
研究班は今後、除菌の効果がいつごろから現れるか解析を進めるとしている。また、研究で除菌しなかった人について、希望に応じて除菌することも検討している。
ピロリ菌は日本では国民の約半数が感染しており、特に50歳以上の感染率は約6割とされる。
除菌は、胃酸の分泌を抑える薬と2種類の抗生物質の計3種類の薬を、朝晩に1週間続けて飲むのが標準的だ。胃潰瘍(かいよう)や十二指腸潰瘍の治療などでは公的な医療保険が適用されている。ただ、逆流性食道炎などの副作用も報告されている。(朝日新聞 2005/07/01)

乳酸菌で睡眠ぐっすり カルピスが効果発表
カルピスは30日、特定の乳酸菌を含む発酵乳を飲み続けた場合に睡眠中に目覚める回数が減ったり、寝ぼけが少なくなるとの研究結果をまとめ、30日に宇都宮市で開かれた日本睡眠学会で発表した。
健康な高齢者30人を対象に大阪大と共同で実験。1日100グラムの発酵乳を3週間飲み続けたグループは、夜間の目覚め回数が飲用前と比べ平均で1回程度減少した。睡眠を妨げる寝ぼけや足のかゆみなども改善する傾向が分かり「睡眠の質の改善効果を確認できた」としている。
同社はこうした効果について、同社の商品に含まれる乳酸菌の一種「ラクトバチルス・ヘルべティカス」に、睡眠のサイクルをコントロールする神経ホルモン「メラトニン」を増加させる作用があるとみている。(中日新聞 2005/07/01)

がん治療の副作用抑制 ビタミン配糖体が効果示す
がんの治療で行われる放射線照射や抗がん剤の投与は、吐き気や下痢などの副作用をしばしば引き起こし、患者を苦しめる。財団法人体質研究会(京都市)主任研究員の鍵谷勤京都大名誉教授は、ビタミン EやCにブドウ糖を結合させた物質・ビタミン配糖体に、これらの副作用を抑制する働きがあると考え、研究を進めている。
鍵谷名誉教授らは、2002年から今年にかけ、京都府立医大病院など3病院で、放射線治療や抗がん剤の投与を受けていた4人のがん患者の同意を得て、ビタミンEの配糖体(TMG)とCの配糖体(AAG)を服用してもらい、効果を確認した。
いずれも吐き気や下痢、不眠や食欲不振などの副作用に苦しんでいたが、服用後は収まった。また、抗がん剤投与を受ける前に服用した別の1人は、治療開始後も副作用が出なかった。鍵谷名誉教授らは、5月の癌(がん)治療増感研究会で結果を発表。TMGの臨床研究をしているインドの医師も今年、放射線治療の副作用が抑えられたとする報告を出している。
もともとビタミンEやCは、有毒な活性酸素などの体内での働きを抑える抗酸化剤として知られる。ただ、Eは油状で水にまったく溶けないので単独では体内に取り込みにくく、Cは摂取してもすぐ体内に排せつされる欠点がある。
その点、TMGは水溶性のため、細胞内にまで入り込むことができ効果を発揮。AAGも血液の中に長くとどまることができるのが、副作用抑制に関係しているとみられる。
鍵谷名誉教授は京大などで20年以上にわたり、放射線化学を研究。放射線から人体を守る物質を追求する過程で、TMGに着目した。TMGの働きの研究は、鍵谷名誉教授を中心に、インドのほかロシアなどでも行われており、副作用抑制の詳しい仕組みの解明が期待される。
鍵谷名誉教授は「これまで副作用は、患者が我慢するしかなかったのが実情」と指摘。「TMGなどで副作用が抑制できれば、抗がん剤や放射線の量を増やすこともでき、積極的ながん治療にもつながる」と話す。(京都支局・土平 研)(中日新聞 2005/07/08)

高い咳止め効果を持つ成分がチョコレートに
チョコレートに含まれる「テオブロミン」という物質が、咳止めに使われる薬剤の「コデイン」に、勝るとも劣らぬ効果があることがわかったと英国の研究者が発表した。
英国立心臓肺研究所のピーター・バーンズ博士らの研究で、報告論文が「米実験生物学会連合雑誌」に掲載された。
それによると、テオブロミンは、コデインなどと同様に人間の脳に働きかけて、いわゆる脳内の「咳センター」と言われる部分に作用して、咳を抑える効果を発揮する。さらに、テオブロミンの場合は肺にも作用して、そこから「咳センター」にシグナルを送って、咳を止める働きを発揮するらしいという。
博士らは、10人の健康な成人を集めて、刺激の強いカプサイシンにより被験者に咳を誘発させた。そのときに、3つのグループに分け、それぞれテオブロミン、コデイン、偽薬を与えた。すると、咳を引き起こすのに必要なカプサイシンの量が、テオブロミンを与えたグループでは、偽薬組に比べて約3分の1多く必要立った。
また、コデインを与えたグループでは、カプサイシンの必要量が偽薬組よりやや多かった程度だった。(日経ヘルス 2005/07/11)

ウコンが皮膚がん治療に効果=米研究チーム
【ワシントン11日ロイター】米研究チームは11日、カレーの黄色成分が皮膚がん治療に役立つ可能性があるとの報告を発表した。
米研究チームの報告によると、ウコン(ターメリック)に含まれるクルクミンがメラノーマ細胞に作用することが分かった。実験によると、クルクミンにより、皮膚がんの一種であるメラノーマが、細胞死(アポトーシス)として知られる過程で自滅する確率が高くなった、という。
また同チームは、クルクミンが乳がん細胞の肺への転移を防ぐ働きを持つことも突き止めたとしている。(ロイター通信 2005/07/12)

がん患者の生活改善にヨガが効果
インドのニュース・サイト「ニュー・ケララ」はバンガロール発で、痛み軽減などがん患者の生活の質改善にヨガが効果があることがインドと米国の大学の研究によって分かったと報じた。
バンガロールのスワミ・ビベカナンダ・ヨガ・センターが米テキサス大とともに行った研究によると、インドでヨガの指導を受けた乳がんの女性患者400人以上が、痛みや精神的な苦悩の軽減などで大きな効果を得たという。
今後、テキサス大などでヨガが脳におよぼす治療効果などについての研究を進めるとしている。(日刊ベリタ 2005/07/13)

平凡・無害なウイルス、実はがんキラー 米チーム確認
誰でも感染経験をもつ平凡で無害なウイルスが、実は、がん細胞だけを狙って殺せる「すぐれもの」だと分かった。米ペンシルベニア州立大のチームが発表した。新たな治療法への発展も期待できるという。
アデノ随伴ウイルス2型(AAV2)という病原性のない小さなウイルスで、日本の専門家によると、成人の85%が感染経験をもっている。
チームは、AAV2に感染している女性がウイルス性の子宮頸(けい)がんにかかりにくい、という現象に着目。子宮頸がんのほか、乳がんや前立腺がんなどの細胞とAAV2を培養したところ、がん細胞が6日後にすべて死滅したという。
AAV2はがん細胞に侵入した後、DNAに何らかの細工をするとみられる。チームのメヤーズ教授は「正常な細胞には悪影響がなかった。AAV2はがん細胞を見分けているらしく、新たな治療法になる可能性がある」といっている。(朝日新聞 2005/07/18)

化学療法薬&ビタミンDで、前立腺ガン患者の延命に効果
前立腺ガンが進行して、手術も放射線療法もむなしく、ただ死を待つばかりとなった患者に、抗ガン剤とビタミンDの組み合わせがすばらしい延命効果をもたらすことがわかった。
組み合わせるのは、化学療法剤「ドセタクセル」(docetaxel )と「DN−101」という名前の特殊なビタミンD剤。オレゴン健康科学大学の研究者らが250人の末期前立腺ガン患者を対象に行なった試験では、ドセタクセルのみでも末期の前立腺ガンに平均16カ月の延命効果が期待できるが、同時にビタミンDを与えると、さらに7カ月の延命効果が加わり、ほぼ2年間生き延びることがわかった。(日経ヘルス 2005/07/19)

インフルエンザに有効な薬草
スチャイ保健相は、人のインフルエンザ治療に効果が期待できる薬草成分が発見されたと明らかにした。メーンラックカと呼ばれるこの薬草から抽出した植物ホルモンは、これまでの実験で人インフルエンザ・ウイルスを93%まで死滅させたという。同大臣は、高価な輸入薬に代わる安価な抗インフルエンザ薬を開発できるとの見通しを示している。(バンコク週報 2005/07/19)

熊野古道でストレス解消 歩く前後でホルモン量変化
「語り部」とともに熊野古道を歩くとストレスが解消される−。世界遺産をめぐるこんな調査結果を、和歌山県や和歌山健康センターなどが28日までにまとめた。
昨年11月から今年2月にかけ、20−70代の男女延べ約120人が、案内人の語り部とともに3.4−7.1キロのコースを歩き実験。ストレスの指標となる唾液中のホルモン、コルチゾールは、歩く前に比べ歩いた後は約7割に減少し、和歌山市内で8キロ歩いた前後では変化はなかった。
唾液中の免疫グロブリンAを調べると、和歌山市から参加、熊野古道に移動した人は1.7倍になり、熊野古道を歩いた後も1.3倍を維持、免疫力が強まっていた。
県は、語り部と話しながら歩いたことが“癒やし”効果を高めたと分析。語り部に、健康への知識を習得してもらうよう研修を始めた。(共同通信 2005/07/28)

赤穂化成と大森医師、ら・べるびぃが共同開発
有害金属を排出する飲料「トルトールウォーター」発売

食塩やにがりを中心とした無機ミネラルを中心とした商品を製造・販売する赤穂化成株式会社(本社・兵庫県)は、8月1日に体内に蓄積した有害金属排出させるための成分を配合した飲料「トルトールウォーター」(ペットボトル500ml、210円)を発売した。体内の有害金属の排出する解毒(デトックス)に詳しい、銀座サンエスペロ大森クリニック院長の大森隆史医師と、毛髪ミネラル検査などを行う、ら・べるびぃ予防医学研究所らと共同開発した。
現代に生きる人間の体内には、知らない間に食事や排気ガスなどから、水銀やカドミウムなどの有害金属が入り込んでいる。それが体内に蓄積すると、体脂肪が燃えにくくなったり、体が疲れやすくなったり、精神的にもイライラしてしまったりと、様々な体の不調の引き金になるとされる。
そこで飲料には、体内に溜まった有害金属をカニのはさみのようにつまみ出し、体外へ排出するキレート作用を持つ、フィチン酸、リンゴ酸、MSM(メチルスルフォニルメタン)、Lシスチンなどの成分を配合。飲めば、体外に有害金属が排出されるという。
実際に、ボランティアの男性13人(平均年齢36.9歳)に、1日1本の「トルトールウォーター」を摂取してもらい、実験前と2カ月後、3カ月後に、尿中ミネラル、毛髪ミネラルの解析と血液検査を行った。結果、尿中ミネラルでは、体内で必要とされるミネラルには変化はなかったが、水銀は増加傾向を示し、飲用2カ月後に有害金属とされる鉛で、有意に増加がみとめられた。また毛髪ミネラル濃度は、飲用後にカドミウム、鉛で有意に増加した。血液検査に変化はなかった(2005年6月、日本抗加齢医学会にて発表)。
「トルトールウォーター」は、すっきりとしたライチ味で、ノンカロリー。(熊 介子) (日経ヘルス 2005/08/02)

ビール:アルコールや甘味物質、放射線照射の防護に効果
独立行政法人・放射線医学総合研究所(千葉市稲毛区)は11日、ビール中のアルコール分と麦芽の甘味成分に放射線を防ぐ防護効果があることが分かったと発表した。ビールの防護効果は確認済みだったが、どの成分によるものか判明したのは国内で初めて。放射線照射による染色体異常を最大34%減少させる効果があることも突き止めた。
同所・粒子線治療生物研究グループと東京理科大・放射線生命科学の研究チームが共同で研究。人間の血液細胞やマウスなどを使った実験で、ノンアルコールビールよりもエチルアルコール、それよりもビールの方が防護効果が高かった。エチルアルコールにも効果があることから、アルコール自体の効果も確認された。さらに、ビールの甘味成分を調べたところ、3種類の物質の防護効果が確認された。最大の効果があったのは「シュートウリジン」で、染色体異常を34%減少させたという。
同グループは「放射線防護剤は副作用を伴うものもあり、がん治療などで新薬開発が待たれている。安価で安全な防護剤開発に努めたい」としている。【山本太一】(毎日新聞 2005/08/12)

チョコレートの健康効果を立証と 米研究
ワシントン(ロイター) チョコレートに含まれる抗酸化物質「フラボノイド」に血圧降下などの作用があるとの研究結果を、米ボストン大の研究者らがこのほど発表した。高血圧患者20人を対象とした臨床試験で、明らかな効果が確認されたという。
同大のジェフリー・ブラムバーグ氏らが、イタリア・ラクイラ大のチームと共同で研究を実施し、高血圧治療の専門誌に成果を発表した。それによると、チームでは高血圧のある男女10人ずつを2つのグループに分け、一方のグループには、フラボノイドを多く含むダークチョコレートを1日100グラム、15日間食べるよう指示。もう1つのグループは期間中、フラボノイドを含まないホワイトチョコを同量食べ続けた。その後、ダークチョコとホワイトチョコを入れ替えてそれぞれのグループに与える試験も実施し、対象者の血圧などの変化を調べた。実験に使ったダークチョコとホワイトチョコは、フラボノイドの有無を除いた成分やカロリーが同じになるよう調整したという。
その結果、ダークチョコを食べたグループは、平均で最大血圧が12ミリHg、最小血圧が9ミリHg低下した。一方、ホワイトチョコのグループでは血圧に変化はみられなかった。
ブラムバーグ氏はこれについて「従来の食事療法に匹敵する効果が得られた」と説明。さらに、ダークチョコを食べることで「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールの血中濃度も約10%低下することが分かったという。
ただ、同氏は「ダークチョコが薬や運動の代わりになるわけではない」と強調。チョコに含まれる脂肪や糖分の影響にも十分注意すべきだと話している。
フラボノイドや野菜や緑茶、赤ワインなどにも多く含まれ、循環器の働きを促すなどの効果が注目されている。(CNN 2005/08/14)

妊婦:16種の魚や鯨、貝食べ過ぎないで 水銀胎児に影響
厚生労働省薬事・食品衛生審議会の乳肉水産食品部会は12日、妊婦などに対し、クロマグロなど16種類の魚や鯨、貝などを食べ過ぎないよう呼びかける注意事項案をまとめた。食べ過ぎると、これらに含まれるメチル水銀が、胎児の発達に影響する恐れがあるためで週何回まで食べても心配ないか目安を示した。
1回に食べる量を80グラムとした場合、キンメダイ、クロマグロなど7種は週1回まで、クロムツやマカジキなど7種は週2回まで心配ないとした。
日常的に制限を超えると、さまざまな絵を見せて物の名前を言わせるテストで正解率が少し下がるなど、生まれた子供にごく軽い発達障害が生じる心配がある。水俣病のような重い障害が出るのは、制限を100倍程度超えた場合で、通常はありえないという。
同省は03年6月に、キンメダイなど7種について摂食制限を呼びかけたが、今回は種類を増やし、制限も厳しくした。政府の食品安全委員会が7月、妊婦などが摂取を続けても心配ないメチル水銀の量(耐容摂取量)を「体重1キロあたり1週間に2.0マイクログラム」(マイクロは100万分の1)と定め、従来の 3.4マイクログラムから厳しくしたのに対応した。また、より生活実態に即した形で水銀摂取量を計算し直し、前回は対象から外したマグロ類を含めた。
厚労省は「魚は不飽和脂肪酸などを多く含み、健康によい食べ物」としており「妊婦は魚を食べるなというわけではなく、水銀濃度の高い魚を食べ過ぎないように、との趣旨」と説明している。
一方、今回の注意呼び掛けの対象を同省は「妊娠している方、または(気づいていないが、実際は)妊娠している可能性のある方」とした。米国や英国、オーストラリアは「妊娠を予定している女性」も対象としている。
食品安全委員会の調査会で座長を務めた佐藤洋・東北大教授は当初、「妊娠の1年前から」要注意とする原案を示した。しかし「子供がほしい女性の食卓から魚が消える恐れがある」との意見が出て、「1年前」の記述は削除された。佐藤座長は「大多数の女性は妊娠後の注意で十分だ。しかし日常的に水銀濃度の高い魚を多く食べ制限を大きく超える女性は、できれば妊娠前から注意する方がよい」と話す。【高木昭午】(毎日新聞 2005/08/12)

<妊婦の魚制限>
【注意すべき魚などと、食べてよい回数】
(1回80グラムとした場合)
<2カ月に1回まで>バンドウイルカ
<2週間に1回まで>コビレゴンドウ
<週1回まで>キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチマグロ、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ
<週2回まで>キダイ、クロムツ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ
*週に2種類、3種類を食べる場合は、それぞれの量を2分の1、3分の1などに減らす

フライドポテトが乳がんと関連=27%確率高まる−米研究チーム
【シカゴ19日時事】子供のころに「フレンチフライ(フライドポテト)」を日常的に食べていた女性は乳がんになる確率が高くなる−。こんな研究結果をこのほど、米ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院とハーバード大医学部の共同研究チームが発表した。
研究は、看護師で乳がんのある女性582人と、乳がんのない女性1569人を1993年に調査したデータを基に行われた。具体的には対象者が3歳から5歳の間に、30品目の食品をどの程度摂取したか母親から聞き取り、分析した。その結果フライドポテトを毎週のように食べていた女性は、その後、乳がんになる確率が他の人より27%も高かった。
ただ、ジャガイモの摂取自体は乳がんとは関係がなく、食用油でポテトを揚げる際に生成される飽和脂肪酸などと関連している可能性があるという。(時事通信 2005/08/20)

化粧品防腐剤、紫外線で老化促す作用 京都府立医大調査
化粧して外出するとシワやシミが増える?──。ファンデーションなど化粧品の防腐剤として広く使われているメチルパラベンには、紫外線があたると皮膚細胞の老化を進める作用があることが、京都府立医科大生体安全医学講座(吉川敏一教授)の研究でわかった。きれいに見せるための化粧品でお肌を痛めるかもしれない、という研究結果だけに注目を集めそうだ。
メチルパラベンは抗菌作用が高い一方、皮膚に対する刺激が低いことから、パウダー類や化粧水、乳液など化粧品では最も一般的に使われている防腐剤。紫外線カットのための製品にも含まれている。単体での安全性は確認されているが、同講座は、実際に使われる状況での影響を調べた。
実験では、皮膚細胞(ケラチノサイト)に、通常の使用方法で皮膚が吸収する濃度のメチルパラベンを添加し、夏の日中の平均的な紫外線量(1平方センチメートルあたり30ミリジュール)をあてた。細胞の死亡率は、添加しない場合の約6%に対し、添加した方は約19%。紫外線によって酸化した細胞内に発生し、老化の元凶となる「脂質過酸化物」の量は約3倍だった。
吉川氏は、メチルパラベンが紫外線を浴びると、シワやシミなどにつながる皮膚の老化を進めることが確認できたとして「メチルパラベン入りの化粧品をつけたら、強い直射日光は避けた方がいいのではないか」と話している。
吉川氏らは、9月にイタリアで開かれる国際抗酸化学会で、研究結果を発表する予定だ。(朝日新聞 2005/08/25)

老化を防ぐホルモン発見 米大学の日本人研究者
老化を防いで寿命を延ばす働きのあるホルモンを、黒尾誠・米テキサス大助教授らのグループが世界で初めてマウスで発見し、26日付の米科学誌サイエンスに発表した。
このホルモンを作り出す遺伝子と同様の遺伝子はヒトでも見つかっている。動脈硬化やがん、認知症など加齢に伴うあらゆる病気の予防や治療法開発につながる成果で、老化の仕組み解明にも役立ちそうだ。
黒尾助教授は「不老長寿の薬を作ることも原理的には可能と言える。寿命の操作という観点ではなく、さまざまな生活習慣病について、個々にではなく一括して発症を遅らせたり症状を軽くしたりする治療に道を開くと思う」と話している。
黒尾助教授らは、突然変異したマウスを調べた際、欠損すると通常より早く全身に老化症状が現れる遺伝子「クロトー」を発見。クロトーが主に腎臓の細胞表面に特定のタンパク質を作り出すことを突き止めた。
遺伝子操作でクロトーの働きが通常の2−2.5倍となるマウスを作製したところ、寿命が1.2−1.3倍に延びることが判明。クロトーが作るタンパク質の構造の一部が切れて血液中に入り、全身を巡ってインスリンの作用を抑制するホルモンとして働くことを確認した。(共同通信 2005/08/26)

微弱な電流刺激で症状改善 パーキンソン病など
パーキンソン病の運動症状などが、強さがでたらめに変わる雑音のような微弱電流で脳を刺激することによって改善できることを、東京大の山本義春教授(教育生理学)や郭伸・助教授(神経内科学)らの研究チームが実験で確かめ、米神経学会誌8月号に発表した。
神経の電気信号が、微弱電流で強められる「確率共鳴」という現象が起き、低下していた脳の情報処理機能が改善されたとみられる。薬が効かない症状も改善したといい、体への負担が少ない新治療法としての実用化が期待される。
症状が重いパーキンソン病などの患者計15人の耳の後ろと額に電極を付け、微弱電流を額の方向に流して、姿勢の調節にかかわる前庭神経を丸1日刺激し続けた。その間、体に装着したセンサーで体の動きと心拍を記録した。
患者には、動作が鈍かったり、動作を始めるとなかなか止まらなかったりという運動症状がある。だが、電流刺激を受けている間はこうした症状が改善することが分かった。
さらにパソコン画面に特定の図形が表示されたらボタンを押すテストをすると、表示から押すまでの時間が刺激を与えた患者では、与えない場合(0.6―0.65秒)よりも平均0.05秒短くなった。
多系統委縮症(MSA)という神経の病気の患者の場合、運動症状に加え、内臓の働きを調節する自律神経に障害があるため心拍のパターンに異常がみられたが、電流で刺激している間は健康な人の心拍パターンに近づいていた。
山本教授は「刺激の仕方を調節することで、さらに効果を高められると思う。前庭神経は脳内でうつに関係のある神経にも影響を及ぼすことが知られており、うつも改善できるかもしれない」と話している。(共同)

■確率共鳴 生体が反応しないほどの弱い刺激でも、雑音のような刺激が別に加わることによって元の刺激が強められて反応が起きる現象。ザリガニの感覚細胞はこれを利用し敵の動きをとらえるとされる。人間の脳では「f分の1揺らぎ」という適度な乱れを持つ微弱電流を入れると、確率共鳴が起きることが、山本義春(やまもと・よしはる)東京大教授らの研究で分かっている。(共同)(産経新聞 2005/08/27)

再生治療で人工心臓不要に 埼玉医大病院
骨髄細胞移植し退院 世界初

埼玉医大病院(埼玉県毛呂山町)は27日、虚血性心筋症で補助人工心臓を装着した男性患者(61)に本人の骨髄細胞を心臓に移植する再生治療を行い、補助人工心臓を取り外すまでに回復したと発表した。同病院によると、世界でこの症例の報告はないという。患者は同日午前に退院した。
治療に当たったのは、同大心臓血管外科の許俊鋭教授らの医師グループ。男性は2月に急性心筋梗塞を発症。その後、多機能不全に陥ったため補助人工心臓と心筋に血液を送る冠動脈バイパス手術を実施した。
しかし回復がみられなかったため、5月に心臓再生治療に踏み切った。男性の腰骨から骨髄液を採取。遠心分離機にかけるなどして血管を作る細胞などを取り出し、カテーテルを通じて心臓に注入した。
同グループは、移植した細胞が新しい血管を作ったことなどが心臓の回復につながったとみている。男性は細胞治療の約1カ月半後には心臓機能などの改善がみられたため、補助人工心臓を取り外した。現在は室内で自転車をこぐまでに回復しているという。
人工心臓を装着した患者が長期的に生存するためには心臓移植しかないのが現状。しかしドナー(臓器提供者)は世界的に不足しており、国内でも心臓の臓器移植手術は限られている。男性は年齢や透析治療を受けているという理由で臓器移植の適用外だった。
許教授は「臓器移植を待つ人や条件的に移植が受けられない人の新たな治療の選択肢になれば」と話している。
男性は「新しい治療で同じ病に苦しむ多くの人が助かるようになればと祈っている」とコメントした。 (産経新聞 2005/08/27)

抗酸化物質、米国人の摂取源は「コーヒー」
【ワシントン28日ロイター】欧州の人に赤ワイン、アジアの人に緑茶があるように、米国人にも抗酸化物質の摂取源があった。それは、コーヒー。米ペンシルベニア州スクラントン大学のジョー・ビンソン氏らが研究結果を発表した。
ビンソン氏らは、野菜や果物、ナッツ、香辛料、油、一般的な飲料など100種類以上の食品について、抗酸化物質の含有量を調査。
また、米国人がどういう食品をどれくらい食べているかについても、米農務省のデータベースで調査した。
その結果、米国人はコーヒーを大量に飲んでおり、コーヒーには細胞やDNA(デオキシリボ核酸)の損傷を防ぐ酸化防止成分が多く含まれることが分かった。
ビンソン氏は、「米国人が抗酸化物質を摂取する源としてはコーヒーが断トツで、これに匹敵する食品はなかった」と説明。
ただし、コーヒーは必ずしも抗酸化物質の摂取源として最善ではなく、「ビタミンやミネラル、食物繊維をより豊富に含み、総合的な栄養価の面から体により良い野菜や果物については、残念ながら消費者の摂取量は依然として十分ではない」と指摘した。(ロイター通信 2005/08/29)

転移がんに新治療開発 抗がん剤を集中投与 愛知県がんセンター
がんの再発防止に取り組んでいる愛知県がんセンター研究所腫瘍(しゅよう)病理学部の池原譲・主任研究員らは、体内のマクロファージ(大食細胞)の特性を生かし、抗がん剤をがんの転移個所に局部的に投与する新しい治療法を開発、14日から札幌で開かれる日本癌学会で発表する。マウス実験で効果を確認した。
手術でがんが取り切れた患者でも、手術後に再発することがある。これは目に見えない小さながん細胞が、からだの中に付着(微小転移)、時間とともに増殖、目に見えるがんになる。
池原主任研究員によると、手術後の胃がんは50%以上が腹膜で再発するが、転移は腹膜内の乳斑(はん)と呼ばれるリンパ組織を起点としている。
実験では、中に抗がん剤と磁性微粒子が入った2種類のリポソーム(脂質二重層からできた小胞で内部に物質を保持できる)を注射器でマウスの腹腔(ふくくう)に投与した。
腹腔内のマクロファージは、投与された抗がん剤入りリポソームを取り込み約60%が、がんが転移した乳斑へ移動し集積。マクロファージを体外から加温(交流磁界照射)すると、磁性微粒子の働きで、リポソームから抗がん剤が放出され、がん細胞が退縮したという。
立松正衛・同研究所副所長らは「小島直也・東海大学教授や小林猛・中部大学教授との医工連携による成果。抗がん剤もがん再発部位で放出されるため副作用も少ないはず。ワクチンなども運搬できるため、免疫活性化に使える可能性もある」と期待している。(中日新聞 2005/09/01)

細胞老化の解明に手掛かり ゲノム変化にDNAが作用
細胞の老化原因とされるゲノム(全遺伝情報)の一部の異常変化に特定のDNA配列が作用していることを、自然科学研究機構基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の小林武彦助教授らが突き止め、2日付の米科学誌サイエンスに発表した。
小林助教授らは、酵母菌を使った実験でこの配列の存在を初めて確認、ゲノムの不安定な組み換えを促進する「増幅プロモーター」(E−PRO)と命名。「老化の仕組みを解明できる手掛かりになる」としている。
増幅プロモーターは、ゲノムの異常変化を防ぐ「コヒーシン」と呼ばれるタンパク質を取り除き、ゲノムの組み換えを促進して不安定にさせてしまうことが判明。一方で、老化抑制タンパク質として知られる「SIR2」が増幅プロモーターの働きを抑え込み、コヒーシンの作用を助けることで安定性を維持していることも分かった。
小林助教授は「SIR2以外に、この増幅プロモーターの働きを制御できる物質を発見できれば、細胞の寿命を延長できる可能性がある」と話している。(共同通信 2005/09/02)

食生活:満腹はがん招く? 緑茶・キャベツはよい効果
満腹するまで食べる習慣のある男性は、がん化を抑える遺伝子の働きが弱まっている率が高く、逆に、キャベツやブロッコリーなどを多く食べたり緑茶を多く飲む男性ではこの率が低いことが、東京医科歯科大(東京都文京区)の湯浅保仁教授(分子腫瘍(しゅよう)医学)らの研究で分かった。14日から札幌市で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。がんに関連した遺伝子の働きが食生活で変化することが分かったのは初めてという。
湯浅教授らは、同大病院などで手術を受けた男性の胃がん患者58人にアンケートし、がんになる以前の食事の量や内容などを聞いた。一方で患者ごとに、手術で切り取ったがん細胞を多数分析し、がん化を抑えると考えられている遺伝子「CDX2」の働きを調べた。
「満腹するまで食べていた」と答えた22人のうち10人(45%)では、細胞の一部でこの遺伝子が「メチル化」と呼ばれる化学変化を起こし、働かなくなっていた。これに対し「腹八分」または「意識的に食事の量を少なくしていた」とした35人では、メチル化が起きていたのは10人(29%)にとどまった。無回答が1人いた。
ほうじ茶を含めた緑茶を飲む量では、日に6杯以下と答えた43人のうち17人(40%)にメチル化がみられた。7杯以上飲んでいた14人では2人(14%)と少なかった。無回答は1人。またキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーのどれかを食べる回数でみると、週に2回以下とした32人中14人(44%)にメチル化があったのに対し、3回以上と答えた26人中では6人(23%)だった。
メチル化は老化とともに増えるが、解消されて元に戻ることもある。緑茶が含む「カテキン」を細胞に注入すると、遺伝子の一部でメチル化が解消されたとの実験結果もある。ただ、多量の食事でメチル化が増える仕組みや、キャベツなどで減る仕組みは不明だ。
湯浅教授は「研究が進めば、食生活の改善でメチル化を抑えたり、がん抑制遺伝子の働きを強めてがんを予防したりできるのではないか」と話している。【高木昭午】(毎日新聞 2005/09/04)

がん細胞“運び屋”発見 未知のたんぱく質 新薬に道 名大チーム
がん細胞が他の細胞に侵入したり、転移したりするのに重要な役割を果たす新しいたんぱく質を、名古屋大大学院医学系研究科の高橋雅英教授らの研究チームが発見した。このたんぱく質の働きを抑制することで、がんの進行を食い止める治療薬の開発に道を開く可能性がある。米科学誌「デベロップメンタル・セル」の5日号に発表した。
がん細胞内には、「Akt/PKB」と呼ばれる酵素が多くあることが知られていた。しかし、この酵素が存在すると、なぜ、がん細胞が他の細胞の間に侵入(浸潤)し、広がっていくか謎だった。研究チームは、この酵素によって、リン酸化される未知のたんぱく質があることを発見。このたんぱく質によって、がん細胞が、他の細胞間に浸潤する能力が高まることを突き止めた。このたんぱく質は、他の細胞に浸潤していくがん細胞の先端部分に多く存在し、このたんぱく質が、がん細胞を“誘導”していると見られる。高橋教授は、このたんぱく質を「Girdin(ガーディン)」と命名した。
がん細胞は、増殖と浸潤を繰り返すが、高橋教授は「他の細胞への浸潤を抑制できれば、がん進行を食い止めることができるかもしれない」としている。
東大医科学研究所の竹縄忠臣教授(腫瘍(しゅよう)分子医学専攻)の話「がん細胞が増殖する時に、Akt/PKBが活性化することは知られていたが、がん細胞移動の1つのメカニズムが解明できたことで、今後のがん研究にとって大きな成果になる」(読売新聞 2005/09/06)

糖尿病 心の健康治療に効果 カウンセリングで習慣改善積極的に
糖尿病の治療には、温かいカウンセリングが大事−。東京都保健医療公社大久保病院の安藤晋一郎医師らは、患者の教育プログラムを開発。臨床心理士による個別カウンセリングを加えると効果が上がることも示し、神戸市で開かれた世界心身医学会議で発表した。「あれを食べてはいけない、これをしてはいけない、といった強制的な指示に対し、患者は不安や怒りを感じる。カウンセリングによって、そうした要素が緩和する」と安藤医師は話している。
プログラムは、血糖コントロールに何が影響を与えるかについての基礎研究をもとに開発された。
12日間にわたり、入院患者がグループで受ける。医師が糖尿病の治療法や合併症について話すほか、栄養士が食事について、看護師が日常生活などについて、臨床心理士がストレスへの対応について話す。患者同士が自分の体験や考えについて話す時間もある。
こうしたプログラムだけを行った場合と、臨床心理士による一時間程度の個別カウンセリングを付け加えた場合を比較するため、プログラム終了後に意識調査をした。
その結果、カウンセリングをした場合の方が、不安・敵意などの気持ちが明らかに下がっていた。それにより、糖尿病治療に積極的になり、食事や生活習慣の改善につながることが予想されるという。
英医学誌「ランセット」には昨年、「数多くの研究を総合した結果、糖尿病には心理的な介入が有効だ」とする論文が掲載された。
日本ではまだ心の健康を重視した糖尿病治療の取り組みはほとんど行われていない。
「患者の方から、どうすれば体によい食事を続けることができるかなど、さまざまなアイデアが提案され、できることからやってみようという気持ちが生まれる。合併症防止のためにも、こうした試みを推進したい。国民医療費の節約にもつながる」と安藤医師は話している。(東京新聞 2005/09/06)

寄生虫には喘息予防の効用
【ダブリン7日】当地で開催中の英国科学振興協会(BA)の会議でアイルランドの研究者たちは寄生虫を利用して喘息を予防あるいは治療する新しい有望な方法を発見したと発表した。トリニティー・カレッジ(ダブリン)の生化学者パドレイク・ファロン氏は自分の研究グループが既に、生きたヒトの寄生虫を使った実験でマウスの喘息の治療に成功したことを明らかにした。
ファロン氏によれば、ヒトの寄生虫を使って喘息の発生を阻止する実験が行われたのは初めてという。ファロン氏は、アレルギー性疾患が最近、先進諸国で劇的な増加を見せているのは、「清潔」な近代社会で寄生虫や細菌、ウイルス感染が減少したことが大きな原因になっていることを示す証拠があると述べるとともに、開発途上国の人たちは喘息にかかる率が低い事実を指摘した。
ファロン氏によれば、ガボンでの調査で、寄生虫を持つ学童は家ダニを原因とするアレルギー症状を示す率が低かった。しかし寄生虫を薬剤で駆除すると、学童たちがアレルギー症状を起こす率が高くなったという。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/09/08)

肥満男性は大腸がんリスク増 BMI27以上で1.4倍
肥満の男性は大腸がんにかかるリスクが高くなるという結果が、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の大規模な疫学調査で出た。8日発表した。肥満は心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳卒中などの危険要因にもなるが、大腸がんとの関連も今回示された。
岩手、秋田、新潟、茨城、長野、大阪、高知、長崎、沖縄各県の40〜60代の男女計約10万人に90〜93年、アンケート。その後、9〜12年間追跡調査した。
男性は4万9158人中626人が大腸がんにかかっていた。肥満指数「BMI」(体重÷身長÷身長、単位はキログラムとメートル)によって分類。年齢や喫煙、飲酒などの影響を除いて分析した結果、BMIが25未満の群に比べ、27以上30未満の群は、大腸がんのリスクが1.4倍だった。30以上の群は、対象数がやや少ないものの、1.5倍になった。日本ではBMI25以上が肥満で、22が標準とされる。
欧米の研究では、男性の場合、高身長でもリスクが高まるとされるが、日本人の男性では、身長による統計上の明確な差は出なかった。女性は、肥満指数、身長ともに関連が見られなかった。
肥満だとインスリンが多く分泌され、がん細胞が増殖しやすい、と細胞レベルの実験で出ている。分析を担当した大谷哲也・同センター研究員は「BMIが27以上ならば、運動や食事で減量した方がいい」と話す。ただ、日本人は欧米に比べて肥満者の割合が低く、肥満だけで大腸がんが国内で大幅に増えている説明にはならず、「別の危険要因についても調べる必要がある」と言う。(朝日新聞 2005/09/08)

体内時計:夜遅く食べると太る、仕組み解明 日大グループ
生体リズムを刻む体内時計を調節しているたんぱく質が、細胞内への脂肪の蓄積と密接に関係していることが、日本大薬学部(千葉県船橋市)の榛葉繁紀(しんばしげき)専任講師(衛生化学)らの研究で分かった。このたんぱく質は昼間は体内でほとんど作られず、深夜になると増える。「夜遅く食べると太る」仕組みが分子レベルで示された。
科学誌の「米国科学アカデミー紀要」電子版に論文が掲載された。
たんぱく質は「BMAL1」と呼ばれる。DNAに結合し、体内時計が正常に働くよう調節する働きがある。榛葉講師らは、細胞内にBMAL1の量が多いと、脂肪の量も多いことに着目した。
そこで遺伝子操作で、BMAL1を持たないマウスの細胞を作り、脂肪の蓄積の様子を調べた。この細胞にインスリンなどを加えて、栄養過剰の状態にしても、細胞内の脂肪は増えなかった。
一方、皮膚などに存在する脂肪を蓄えない細胞には本来、BMAL1はほとんどない。こちらの細胞を遺伝子操作し、BMAL1を大量に作らせる実験をすると、細胞内には脂肪が蓄積された。
他の実験から、BMAL1は、脂肪酸やコレステロールの合成を促進していることも分かった。このため、BMAL1が脂肪の蓄積に必要だと結論づけた。
榛葉講師は「体内のBMAL1の量は、1日のうち午後10時から午前2時ごろが最高で、最も少ない午後3時ごろの約20倍に達する。夜遅くの食事を避ければ肥満予防につながるのではないか」と話している。【下桐実雅子】(毎日新聞 2005/09/09)

長寿:秘けつは海と豚肉、黒糖?──県の奄美地方調査 /鹿児島
泉重千代さん、本郷かまとさんの長寿世界一2人を輩出し、100歳以上の長寿者も10万人あたり71.14人と全国1位の沖縄県(51.43人)をも大幅に上回る奄美群島。県が長寿の秘けつを探った調査から、「海から1キロ未満に住む」「豚肉、黒糖の摂取量が多い」──などの姿が浮かび上がる。
県は奄美地方に長生きのお年寄りが多いことから、その理由を探り、県内の健康増進に役立てようと、04年度から5カ年事業で「あまみ長寿・子宝プロジェクト」を実施している。
調査は事業の一環で、03〜04年にかけて行い、04年末に報告書として発表した。対象は20歳以上の住民計3200人で、食生活や生きがい、生活習慣などの調査を20歳代から100歳代以上の6つの年代に分けて実施。2299人から回答を得、奄美地域と人口規模が同じで気候が異なり、長寿者率が低い地域と比較して分析した。
報告書によると、自宅が海から1キロ未満にある90歳以上の人が、奄美の高長寿地域では107人であるのに対し、奄美の長寿地域では38人、本土の対象地域が37人。海や浜へ行く頻度が高く、潮風に触れる機会が多いのが特徴だった。食生活では食塩の摂取量が少なく、黒糖やビタミンB群を多く含む豚肉をよく食べていた。【高橋咲子】(毎日新聞 2005/09/14)

特殊な免疫細胞で末期がん患者延命…理研・千葉大
人体の免疫を担う「NKT細胞」と呼ばれる特殊な細胞を活用したがんの新しい免疫療法で、末期の肺がん患者を延命できることが理化学研究所と千葉大の臨床試験で明らかになった。
従来の免疫療法は、がんへの攻撃に加わらない細胞があるなど弱点が指摘されていたが、新療法だと免疫によるがんへの“総攻撃態勢”が整い、画期的治療法となる可能性もある。札幌市で開会中の日本癌(がん)学会で16日に発表する。
免疫には、異物が体内に侵入すると最初に働く「自然免疫系」と、それでも撃退できない場合に機能する「獲得免疫系」がある。
研究チームは、両方の免疫系に働くNKT細胞に着目した。従来の治療が効かない肺がん患者9人から、特殊な免疫細胞(樹状細胞)を採取。これにNKT細胞を活性化する物質を取り込ませ、増やして患者の体に戻した。樹状細胞1億個を戻した患者3人のうち2人で、がんの増殖が止まり、2年半が経過した今も転移などがなく普通の生活を送っている。1人は肺がん以外の病気で死亡した。樹状細胞が1000万個以下では、3年経過した現在、6人のうち、がんの増殖が止まったのは1人だった。(読売新聞 2005/09/15)

野菜や果物で膵がんのリスクが軽減
果物や野菜を豊富に摂取していると膵がんのリスクが50%軽減することが、米カルフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)疫学・生物統計学教授のElizabeth A. Holly氏らの研究で明らかになった。
同氏によれば、「膵がんは乳がんや肺がんのように発生頻度の高いがんではないが、診断および治療が特に困難である。質素な生活をすれば膵がんを有意に予防することができることを強く裏づける今回の所見が、この致死性のがんの発生率を低下させる最も実際的な方法の1つとなると思われる」という。
今回の研究結果は、膵がん患者532例および無作為化により抽出したサンフランシスコ地域の住民1,700例以上を対象とした面接結果に基づいて得られた。膵がんの予防効果が強く認められたのは、タマネギやニンニク、マメ類、黄色野菜(ニンジン、ヤマイモ、サツマイモ、トウモロコシ、カボチャ)、緑色野菜、アブラナ科野菜など。果物にも予防効果が認められたものの、野菜ほど優れてはいなかった。果物の中で最も予防効果が優れていたのは柑橘類の果実と果汁であった。
こうした野菜や果物を1日に少なくとも5皿分摂取すると、2皿分以下摂取したグループよりも膵がんリスクが50%低く、9皿分摂取すると、5皿分以下摂取したグループより膵がんリスクが50%低かった。1皿分は、調理した野菜であれば半カップ分、葉野菜のサラダは2カップ分、果物は中程度の大きさ1切れ分とした。
米国での膵がんによる死亡は年間約30万例に達し、5年生存率は4%に満たない。膵がんは診断が困難であり、そのほとんどが治療不能である。研究は、がん関連誌「Cancer Epidemiology Biomarkers and Prevention」最新号に掲載された。(日本経済新聞/HealthDayNews 2005/09/15)

前立腺がん:不規則勤務者、昼専業の3.5倍もなりやすく
工場や鉄道、ホテルなど昼夜を問わず稼働する職場に交代制で勤務する男性は、主に昼間だけ働く男性に比べ、3.5倍も前立腺がんになりやすいことが、文部科学省大規模疫学研究班(運営委員長・玉腰暁子名古屋大助教授)の調べで分かった。札幌市内で開かれている日本癌(がん)学会で15日、発表した。
調査は88〜97年にかけて全国45市町村(当時)の事業所に勤務する40〜79歳の男性約1万6000人を対象に、勤務時間帯と前立腺がんの発症の関係を調べた。内訳は主に昼間働く日勤グループが1万2756人、主に夜間働く夜勤グループが1184人、交代制勤務グループが1966人だった。
追跡調査中に前立腺がんになったのは55人。日勤グループで38人、夜勤グループで6人、交代制勤務グループで11人。家族に前立腺がんの患者がいるかどうかや年齢、地域差などを考慮して比べたところ、交代制勤務グループは日勤グループに比べ3.5倍前立腺がんになりやすかった。
日勤グループと夜勤グループの間では、前立腺がんのなりやすさに統計的な違いはなかった。夜勤のみの場合、夜型リズムに体が比較的順応しやすいためとみられる。
これまでの研究によると、不規則な勤務で体内時計が乱れ、前立腺がん細胞の増殖を抑えるホルモンの一種、メラトニンの分泌量が落ちるとされている。
同研究班で産業医科大の久保達彦医師(臨床疫学)は「交代制勤務がどうしても自分の体に合わないと感じたら、無理をせずに産業医に相談してほしい」と話している。【山本建】(毎日新聞 2005/09/16)

「痛くない」思い込みに効果=平均で3割軽減、注射も?−兵庫の医師ら実験で証明
「注射痛くないよ」と言われると、実際の痛みも弱くなる−。事前の思い込みに痛みを和らげる効果があることを、西宮協立脳神経外科病院(兵庫県西宮市)の小山哲男医師(大脳生理学)らの日米研究グループが世界で初めて実験で確認した。17日までに、米科学アカデミー紀要の電子版に掲載された。
小山医師らは24〜46歳の男女10人を対象に、46度、48度、50度の熱刺激を実験用器具を使って右太ももに与え、痛みの予測と実際の感覚について実験した。
各刺激の前には、46度では7.5秒間隔、48度は15秒間隔、50度は30秒間隔の信号音を聞かせた。実験前には「音の間隔と温度には傾向がある」と説明し、実験過程で「間隔が長いと熱刺激が強くより痛い」と思い込ませるようにした。
実験は前半、後半で各15回。それぞれ最初の10回は信号に対応した刺激を与え、残り5回は違う刺激を与えた。痛みの度合いは自己申告で11段階評価してもらった。
その結果、50度の熱刺激で、信号音の間隔が15秒と30秒の場合を比較したところ、10人全員が15秒の方が痛みは弱いと回答。痛みの軽減割合は8〜46%で、平均約28%だった。(時事通信 2005/09/17)

日焼け:赤くなる人、発がん危険高い 血中DNAを損傷、九州大助教授ら発見
日焼けで皮膚が赤くなる男性は黒くなる男性に比べ、血中のDNAを損傷する率が高いことを、入江正洋九州大助教授らが突き止めた。DNA損傷は発がんのリスクを高めるため、赤く日焼けをする人は注意が必要という。16日まで開かれていた日本癌(がん)学会で発表した。
入江助教授らは、日ごろ屋外スポーツをしない男子大学生27人に、晴れた日の海辺で午前10時から午後4時までの6時間、水着姿で日光浴してもらった。日焼けで赤くなる人と黒くなる人がほぼ半々に分かれた。それぞれ、血中の白血球DNAの損傷を示す指標物質(ヒドロキシデオキシグアノシン)の濃度を測定した。
赤くなる人は実験前に白血球10万個当たり0.6個だった指標物質が、実験後には1.2個程度まで倍増した。黒くなる人は実験前後でほとんど変わらず0.2個だった。実験翌朝に再度測定したが、黒くなる人はほとんど変わらないのに、赤くなる人は0.8個で、実験前のレベルには戻っていなかった。尿や血液中の、この指標物質が増えると、肺や肝臓、泌尿器などの発がん性を高めることが、これまでの研究で指摘されているという。【山本建】(毎日新聞2005/09/18)

記憶力低下の原因は集中力 「薬で対処可能」
年を取ると人の顔などをすぐに覚えられなくなるのは、記憶力が足りないのではなく、ほかの余計な事に気を取られてしまうのが原因−。米カリフォルニア大の研究チームが、高齢者の脳の働きを調べた実験結果を米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンスの電子版に発表した。
研究チームは、記憶力ではなく、集中力の制御の問題なら薬で対処できるだろうと指摘している。
実験は60−77歳の高齢者16人と、19−30歳の若者17人を対象に実施。あらかじめ、顔の写真か自然風景の写真のどちらかを覚えるよう頼んでから、さまざまな顔と風景の写真を交互に2枚ずつ計4枚提示。その後、あらためて顔か風景の写真を示し、さっき見たかどうかを答えてもらった。
その結果、高齢者のほぼ半数が、顔と風景の両方とも、脳の記憶場所が活発になってしまい、正解率や回答にかかる時間が若者より劣った。(中日新聞2005/09/18)

インフルエンザ阻止 ウイルス狙撃 「抗体酵素」開発 県立広島大
インフルエンザウイルスを狙い撃ちして無力化させる「抗体酵素」を、県立広島大学生命環境学部(広島県庄原市)の宇田泰三教授(生物工学)のグループが18日までに、人工的に作り出すことに成功した。世界初の成功例という。抗体酵素を使った治療薬の開発をはじめ、エアコンなどを使って空気中のインフルエンザウイルスを撃退することも期待できるという。成果は、12月に米ホノルル市で開かれるパンパシフィック化学国際会議で発表される。
インフルエンザウイルスは、ウイルスの表面にある「HA(ヘマグルチニン)」というタンパク質によってヒト細胞に結合し、感染する。増殖には別のタンパク質「NA(ノイラミンダーゼ)」の働きも得て、1日で100万倍にも増える。
このHAはタンパク質の性質を決めるアミノ酸配列を自ら頻繁に変化させるため、毎年、新しいタイプのインフルエンザウイルスが生まれ、流行してきた。
宇田教授らは、多数の死者を出したスペイン風邪などのウイルスが、多様に変化するHAの中に変化しない特定のアミノ酸配列を持つことに着目。その配列を破壊すればウイルスそのものを無力化できると考えた。そこで、変化しないアミノ酸配列を持つ化学物質をマウスに注射。これに対してできた6種類の抗体を脾臓(ひぞう)から抽出したところ、このうち2種類の抗体がタンパク質を分解する酵素の働きも兼ね備えた「抗体酵素」であることを突き止めた。
実験では、50万分の1グラムの抗体酵素を1ccのインフルエンザウイルスに混ぜたところ、10時間で数億個のウイルスのHAを無力化し、結合機能を失わせた。
今回作り出した抗体酵素は、過去に大流行したスペイン風邪とソ連A型(これらは同種)、アジア風邪の2種類のインフルエンザウイルスに有効である(無力化できる)ことが確認されている。さらに数種類のインフルエンザウイルスにも効果があるとみられている。
現在のインフルエンザ治療薬は、感染拡大は防げるものの感染そのものを防ぐことはできないため、感染とその拡大の双方に効く特効薬が切望されていた。宇田教授らはすべてのインフルエンザウイルスに効果のある抗体酵素の研究にも着手している。
宇田教授らは、平成10年にもエイズウイルスの抗体酵素を世界で初めて作り出している。宇田教授は「秋から始めるヒト細胞を使った感染実験でも同様の効果を確認できれば、インフルエンザの中で危険とされるタイプのうち、かなりのウイルス感染を防ぐことができる」としている。

抗体酵素 病原菌などの特定タンパク質を見分けて結合する「抗体」と、特定タンパク質を分解する「酵素」の働きの双方を併せ持つ。従来、抗体と酵素は常に異なるタンパク質からできていて、独立して存在すると考えられていたが、その定説を覆し、抗体の構造中に酵素機能が存在することが突き止められた。これまでに、ぜんそくなど自己免疫疾患患者から天然の抗体酵素が発見されている。(産経新聞 2005/09/19)

アルツハイマー原因物質 緑茶成分に抑止作用
【ワシントン=共同】緑茶に含まれる渋み成分の1つ「エピガロカテキンガレート(EGCG)」に、アルツハイマー病の原因物質とされるベータアミロイドが脳内でつくられるのを抑える作用を見つけたと、森隆埼玉医大助教授と米サウスフロリダ大などのチームが21日、米科学誌に発表した。
人のアルツハイマー病を再現したマウスなどの実験で明らかにした。抗がん効果も期待されているEGCGが将来、アルツハイマー病の予防や治療に使える可能性を示す結果だとしている。
EGCGに、緑茶に含まれる他のカテキン類を加えると、効果が大幅に減ることも判明し、チームは「緑茶を飲むだけでは効果は薄いとみられる」と指摘した。
脳内にベータアミロイドがたまるように遺伝子操作したマウスに約二カ月間、毎日EGCGを注射したところ、しなかったマウスに比べ、ベータアミロイドの量が最大54%減った。EGCGは、脳内でベータアミロイドができる一歩手前の段階で邪魔するらしい。投与量は、人では1日1500−1600ミリグラムに相当する。(中日新聞 2005/09/22)

オリーブオイルに天然の抗炎症成分が
オリーブをふんだんに使う地中海食は、世界でも有数の健康にいい食事だ。この健康効果の源は化学的にはオレオカンサールという物質ではないかとする論文が科学誌「ネーチャー」に掲載された。
研究を行ったのは、米フィラデルフィアにある「モネル化学感覚センター」(Monell ChemicalSenses Center)のポール・ブレスリン博士ら。オレオカンサールはイブプロフェン様の物質で、「COX−1」「COX−2」と呼ばれる炎症や痛みに関係する酵素を阻害する。
鎮痛、抗炎症効果だけでなく、この物質を低用量、継続的にとっていると、いろいろな形で、健康増進に役に立つのだという。(日経ヘルス 2005/09/27)

ブロッコリを食べれば記憶力増大?=英大学が発表
【ロンドン27日】特定の果物や野菜、特にブロッコリを食べれば記憶力が増す可能性があるとの研究結果が27日、マンチェスターで開催された英王立薬剤学会の会議で発表された。ありふれた果物とか野菜に記憶力向上効果があるとの見方は以前からあったが、今回の研究はこれに科学的裏づけを与えるもので、アルツハイマー病を予防および治療する上で大きな意味合いがあるという。
ロンドン大学の一部であるキングズ・カレッジ・ロンドンが研究を行った。これによると、ブロッコリ、ジャガイモ、オレンジ、リンゴ、ラディッシュの5種類の野菜・果物には、アルツハイマー病の治療に使われる薬剤と同じ働きをする物質が含まれることが判明した。ブロッコリにその成分が最も多かった。
アルツハイマー病治療に使われる薬の大半は神経伝達物質のアセチルコリンを破壊する酵素アセチルコリンエステラーゼの抑制剤として作用するが、この作用がこれら5種の野菜・果物にあることが確認された。どんな物質が抑制剤の働きをするのか、ブロッコリを対象に研究が続けられている。
しかしキングズ・カレッジ・ロンドンのピーター・ホウトン教授は、ブロッコリを食べたからといってアルツハイマー病治療に役立つとは証明されていないと述べた。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/09/28)

食事とライフスタイルだけでも前立腺ガンは良くなる
前立腺ガンと診断された男性が、早期に、食事の内容を一変させ、ライフスタイルを変えたところ、1年で前立腺ガンの症状を示す値(PSA)が改善された。 「泌尿器科学雑誌」(Journal of Urology)の2005年9月号で発表された。
研究では、前立腺ガンと診断されたが、まだ、転移しておらず、手術、放射線治療、化学療法などを全く受けていない93人を被験者として選んだ。被験者を、ランダムに食事、ライフスタイルを変えるグループと、従来通りの生活を続けるグループ2つに分けた。また、食事、ライフスタイルを変える「変化組」は、食事は、果物、野菜、大豆など豆類、全粒穀物、を中心とした食事に変えさせた。加えて、フィッシュオイル、ビタミンEとCを多く摂取するようにさせ、さらに1日30分間、週6日間のウオーキング、ヨガをベースにしたストレス・マネージメント(ストレッチ、呼吸法、リラクセ−ションなど)を1日1時間行った。また、週に1時間開かれる「同じ仲間の会」に参加させた。
こうして、1年後、このグループのPSA(前立腺ガン特異抗原)を測定した。PSAは血中の腫瘍マーカー。PSA測定の結果、「変化組」のPSAは、1年前より平均4%下がっていた。つまり、前立腺ガンの進行が抑えられていた。しかも、食事、ライフスタイルの変化の度合いが大きかった人ほど、PSA値の下がり方が大きかった。
一方、「食事、ライフスタイルを変えなかった組」の人は、PSA値が1年前より6%アップしていた。(日経ヘルス 2005/09/28)

がん発症、生活の場が影響 日・中・韓で食事調査
特性に合う予防対策で発病の抑制は可能

同じアジアの民族でも、生活習慣などによって、がんの発症はどう変わるのか。愛知県がんセンターでは、国内や中国、韓国の研究機関と協力し、消化器がんの「民族疫学」の研究に取り組んでいる。遺伝子を用いた分子疫学の研究も始まっており、成果が期待される。
この国際協同研究では、3国の8地域(日本、韓国各1、中国6)で一般家庭を抽出して3日間の食事内容を調べた。統一した手法で3国の食生活を調べることによって、消化器系のがんの発症との関連を探った。
この結果、総エネルギー摂取量は、中国が最も高く、次いで日本、韓国の順。脂質は、日本が魚から摂取する割合が高く、中国農村部はラードが多くを占めていた。
3国の消化管がんの発症を比較すると、食道がんでは中国が最も高く、男性は日本や韓国の1.5倍、女性では6倍にも達する。
中国の罹患率の高さは、漬物などに含まれる発がん性物質、熱いかゆを食べる習慣などとの関連が指摘されてきた。日本、韓国の場合は、強い酒を飲む習慣や喫煙との関係が深いと見られ、男性の発症が女性より数倍高いことも、それを裏付けている。
胃がんは3国ともに高い罹患率だが、2001年の時点では韓国、日本の男性は中国の約2倍となっている。ただ、最近では日本の罹患率が急激に下がっており、現状では韓国が世界一となっているようだ。
3国に共通する胃がん発症の要因は、ピロリ菌感染と多量の食塩摂取習慣。さらに、緑黄食野菜や果物の摂取不足が加わると食道がんと胃がんのリスクは高くなる。
3国ともに増加傾向を示すのは大腸がん。特に日本は高く、女性で中国の5倍、男性では8倍に達する。韓国は、日中の中間の成績だ。
中国の疫学調査では、米飯や青野菜(チンゲン菜)の摂取が大腸がんの危険度を低減。逆に豚肉の摂取量の多さが危険度を高めているという。韓国では、乳製品、食物繊維、葉酸などの摂取量が多い集団では大腸がんの危険度の低減が見られた。特に多量の飲酒習慣を持つ人の場合、葉酸の摂取が重要だという。
3国に共通した消化管がんの予防法について、田島和雄・愛知県がんセンター副所長らは次のように説明する。
【禁煙・節酒】喫煙は、上部消化器がんの要因。飲酒は食道がんのリスクを相乗的に高める。特に酒に弱い人は、多量飲酒を避けるべきだ。
【野菜・果物の摂取】緑黄色野菜、海藻類、果物を日常的に摂取することが予防に重要。
【脂質・エネルギーの対策】日本では、食生活の欧米化が行き過ぎ、大腸がん、糖尿病の増加要因に。バランスのよい食生活が重要な時代。

生活習慣を共有する集団の中でも、個々のがんのリスクは微妙に異なる。重度の喫煙者が必ずしも肺がんなどにかかるとは限らない。このため、各民族集団や個々人の遺伝的特性を検討し、特性に合った予防対策を探るのが分子疫学的研究。
今回の調査でも、肉類の多量摂取や多量飲酒による発がんリスクは、欧米人に比べ、日本人の方がかなり高いことが分かり、日本人の欧米型食生活と大腸がん増加の関連をあらためて裏付けた。
日本では、がんは1981年以来、死亡原因の1位。男性の3人に1人、女性の4人に1人ががんで死亡し、60万人が罹患している。(グラフ参照 ※江原注:割愛)
田島副所長は「がんは生活習慣病。日本人が米国へ移住すると胃がんの罹患率が減少、逆に乳がんや結腸がんが多くなる。この現象は中国人や韓国人の移民でも見られ、がんは民族固有の特性より生活の場に大きく影響される。生活改善によって発病を20年、30年と遅らすことはできる」と話している。(中日新聞 2005/09/30)

がん増殖止めるカギ、たんぱく質発見 米の日本人教授ら
がん細胞の増殖を止める鍵になるたんぱく質を、米ハーバード大の中谷喜洋(なかたに・よしひろ)教授(分子生物学)らの研究チームが発見した。がん細胞内で、このたんぱく質「p600」の合成を妨げたところ、がん細胞は増殖を止め、次々と自滅したという。子宮がんや骨肉腫など、様々ながん細胞で効果を確認しており、新しい抗がん剤の開発につながると専門家は期待している。今週発行の米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載される。
体内では、役目を終えたり、異常が見つかったりした細胞が増殖を止めて自ら死に、新しい細胞が生まれることで新陳代謝が繰り返されている。この細胞の自殺(アポトーシス)がうまく働かなくなると、細胞は無秩序に増殖し、がんになる。中谷教授らが発見したp600は、アポトーシスに深くかかわっているとみられる。
同教授によると、培養したがん細胞内のp600は、正常細胞と比べて異常に増えており、「自殺機能」が働かなくなっていた。そこで、p600の合成を妨げる特殊な手法で培養細胞中のp600の量を減らすと、がん細胞は次々と死んでいった。正常細胞には影響がなかった、という。
子宮頸(けい)がん、骨肉腫、乳がん、直腸がんの細胞で、がん細胞は10%以下になった。胃、小腸、大腸、肺、卵巣、前立腺の各がん細胞では、同様のp600の異常増加が起きていることが分かった。このため、中谷教授は「ほとんどすべてのがんで効果が期待できる」とみている。
ただ、人体への臨床応用には、p600に結びついて過剰な働きを抑え、しかも毒性のない物質の開発が必要になる。その後、健康人での安全性の確認、患者への治験などの段階を踏むことになる。
従来の抗がん剤の多くは、細胞のDNA合成を妨げるもの。正常細胞のDNAにも影響を及ぼすため、副作用が強い。効果も限定され、薬だけで治癒可能なのは、血液やリンパ球などごく一部の特殊ながんだけで、より一般的な胃がんなど固形のがんを治癒する薬は、ほとんどないのが現状だ。中谷教授は「p600が、がん治療薬開発の新たな力になれば」と話す。

国立がんセンター研究所の田矢洋一部長の話 p600の働きを抑える物質をつくれば、幅広い種類の固形がんに効く全く新しいメカニズムの抗がん剤ができることになる。これまで固形がんに十分効く薬はないだけに、p600の発見は画期的だ。多様ながん細胞に共通するたんぱく質の機能に着目するという視点は新しく、臨床応用の可能性も極めて高いと思う。(朝日新聞 2005/10/04)

野菜、果物をたっぷり食べれば肺ガンを予防できる
野菜、果物をたっぷり食べれば、肺ガンの予防に大いに役に立つことがわかった。テキサス大学MDアンダーソンガンセンターでの研究。「JAMA(米医師会報)」で報告された。
喫煙者、非喫煙者の双方で、有効であることがわかった。研究では、1674人の肺ガン患者と、性別、齢など同じような条件の1735人の健康な人たちを対象に、1人1人インタビュ−して、比較した。その結果、肺ガン患者は、健康な人より、野菜、果物の消費量がはるかに少ないことがわかった。逆にいうと、野菜や果物の消費量が多い人の方が肺ガンの発症率が低い傾向にある。
研究者らは、野菜、果物に含まれるホルモン様物質である「ファイトエストロゲン」が肺ガン予防に役に立っていると見ている。(日経ヘルス 2005/10/06)

葉酸が老人の記憶減退の進行を食い止める
年齢とともに起こる記憶力低下を防ぐ成分として、葉酸が見直されている。このほど葉酸による記憶力の維持効果を証明する論文が、雑誌「米臨床栄養学」(American Journal of Clinical Nutrition)に掲載された。
研究グループは健康上の問題を抱えていない平均年齢67歳の男性321人を対象に、記憶力や認識力などを3年間、定期的テストをして調べた。
同時に、被験者の血液を調べたり、アンケ−トで、日ごろどれほど葉酸を摂取しているか、を確認した。
テストは、(1)すらすらと淀みなく話ができるかを試す言語テスト(2)いろいろな形や図形を見せて、しばらくしてそれを正確に思い出させる空間コピーテスト(3)数列を与えて、その後、これを逆の順序に言わせる記憶テスト、などが行われた。
その結果、血液中の葉酸の量が多く、それに、日ごろから葉酸を多く摂取している人ほどテストの成績がよかったという。
研究者たちは、葉酸は、記憶力や認識力の維持と深い関連があると結論づけている。(日経ヘルス 2005/10/12)

抗がん力持つ細胞、森林浴で機能向上 森林総合研究所
森林浴をすると抗がん能力が上がるとの研究成果を農林水産省系の独立行政法人・森林総合研究所がまとめた。森林浴の新たな一面として、注目を浴びそうだ。
森林総研が日本医大公衆衛生学教室のチーム(責任者=李卿・講師、川田智之・教授)に委託した研究で、林野庁が13日午後、発表する。
実験の対象は東京都内の企業に勤める37〜55歳の男性会社員12人。それぞれ残業や通勤時間が長く、高いストレスにさらされている人を選んだ。
12人は、9月2日から3日間、長野県飯山市内の森林に滞在。1日目は雑木林で午後から2時間、2日目はブナ林とスギ林に囲まれた遊歩道を2時間ずつ散策した。
2日目と3日目に血液検査をし、ふだんの状態と比べたところ、がん細胞を破壊するナチュラル・キラー(NK)細胞の元気度を示す「NK活性」が、2日目で平均26.5%、3日目で同52.6%上がった。血中のNK細胞の数や、NK細胞が出す抗がんたんぱく質も増えていた。
NK細胞の機能が高まれば、抗がん能力は高まると考えられている。研究チームは、樹木が発散するフィトンチッドが緊張をほぐし、NK細胞の働きを抑えるストレスを低下させたと判断。「仕事を休んだことの影響も考えられるが、3日目の数値が格段に上昇したことなどからも、森林浴による効果と考えてまず間違いない」と結論づけた。
農水省は森林浴を医療や健康づくりにいかす「森林セラピー(療法)」の普及に取り組んでおり、「森林浴の効果に関する科学的知見が一つ加わった」(林野庁研究・保全課)としている。(朝日新聞 2005/10/13)

芸術は便秘と血圧に効く
【ストックホルム15日】美術品を見たり美術について語り合うのは心をなごませるだけでなく、便秘や血圧の治療にも役立つとの研究が公表された。スウェーデン・ストックホルムのエルスタ・スケンデル大学の研究者ブリットマイ・ウィクストレーム氏が4カ月にわたり、80代前後の女性20人に週一度、各種の美術について語り合う集いを持ってもらう実験をしたところ、前向きの効果のあることが判明した。
ウィクストレーム氏によれば、20人のグループは血圧が正常な方向に変化したり便秘薬の使用が減少する効果が見られた。別の20人の女性グループにも同じ方法で趣味、関心事について話し合ってもらったが、美術グループのような効果はなかった。美術グループは最後の集いが終わったあと何カ月も効果が持続したという。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/10/16)

魚をよく食べると脳の老化を遅らせることができる
フィッシュオイルに含まれるオメガ3脂肪酸の働きで、魚食は心臓・血管系の病気を予防する、という常識が行き渡って魚の消費量が増えている。
魚食にはそのほか、脳の衰えを遅らせる働きがあるという研究報告が「神経学紀要」に掲載された。
研究は65歳以上のお年寄り3718人を対象に行われた。各人の食生活を魚食を中心に詳しく調べた。それから、以後6年間に、記憶力や言語能力などを検査するテストを、間を置いて3回行った。
その結果、ほとんどの人はテストの成績が、年が経つとともに下がって行ったが、魚をよく食べている人ほど成績の落ちかたが遅かった。つまり、魚食が、脳の健全な状態を長続きさせていた。
週に少なくとも魚食を1回食べている人は、全く食べていない人より、テストの成績の落ちかたが10%遅く、週に少なくとも2回以上魚を食べる人では、成績の落ちかたが13%遅かった。(日経ヘルス 2005/10/26)

うがい:風邪予防に効果 京都大グループが初めて実証
風邪予防のために「うがい」を行う日本独特の衛生習慣が、実際に効果があることを京都大保健管理センターの川村孝教授(内科学・疫学)らのグループが実証し28日、発表した。これまでうがいの有効性を裏付ける根拠は何もなかったといい、世界初の成果という。グループは「良い習慣を世界に発信するきっかけになれば」と話している。
グループは02〜03年の冬場、全国で18〜65歳の計約380人のボランティアを、水うがい▽ヨード液うがい▽何もしない、の3群に分けて2カ月間追跡調査。うがいは15秒を2度行い、1日3回以上実施した。その結果、水うがい群は何もしない群に比べて風邪の発症が4割減った。
一方、ヨード液群にはグループの予想に反し、はっきりした予防効果がみられなかった。メカニズムは不明だが、川村教授らは「健常なのどでもたくさんの細菌がバランスを保っている。薬がバランスを壊すのではないか」と推測する。また水うがいでも、水道水に含まれる塩素が殺菌効果をもたらした可能性を指摘している。
一般的な感染予防にうがいが有効と指針を出してきた厚生労働省結核感染症課は「あくまでも通説に従っていた」とコメント。ヨード液を主成分とする国内シェアトップのうがい薬を製造販売する明治製菓(東京)は「のどを殺菌・消毒・洗浄する治療薬であり、風邪予防の効能はもともとPRしていない」としている。【鶴谷真】(毎日新聞 2005/10/29)

笑い療法は、がん患者を踊らせる
28日、ソウル江南(カンナム)のチャ病院のがん代替療法クリニック。
40代で肝臓がん末期患者のAさんが、診療を受けていた。主治医の李ビョンウク教授が、Aさんに注文する。「さあ、笑ってみてください。」
Aさんがぎこちなくほほ笑むと、李教授は、「もっと大きく笑ってください」と言う。李教授は、Aさんが思う存分笑えるように、可笑しな話しをいくつか聞かせる。ついに、Aさんは大笑いする。涙が出るほどに…。
李教授が、次は他の注文をする。「奥さんを抱きしめてください。『愛してる』とも言ってください。」
Aさんが、妻を強く抱きしめる。互いの苦痛を共感したためか。Aさんと夫人の目に、涙がにじんだ。
Aさんは3年前に肝臓がんステージ4の診断を受けた。当時、医師は余命2、3ヵ月だと言った。しかしAさんは、それから3年間、正常な生活をしている。もちろん、がん細胞自体が消えたのではない。李教授は、「免疫力が強くなったので、正常な生活が可能なのだ」と説明した。
李教授の別の治療事例を見てみよう。40代の主婦Bさんは、乳がん細胞が肝臓に転移して、2ヵ月という期限つきの人生を告知された。しかし、4ヵ月間の治療の末、正常な生活が可能なほどに症状が好転した。
40代後半の元教師のCさんは、胃がんの手術を終えた後、嘔吐と腹部の痛みで苦しんだ。しかし、2ヵ月間の治療を受けた後、正常な生活が可能になった。
このように李教授は、補完代替医学でがんを治す「名医」として名高い。しかし李教授は、補完代替医学が万能ではないという点を強調する。がんに勝てるという患者の意志が強くなければ、治療效果は見られないというのだ。
李教授は元々、手術が専門の外科医だった。約10年間で1万人のがん患者を治療した。その間、肉体だけではなく心まで疲弊して、生きる意欲を失った患者をたくさん目にし、現代医学だけでは限界があることを痛感した。患者が楽になり、病気からも解放されるなら、どんな治療法でも試さなければならないと思った。それで、補完代替医学を選択した。
彼の「哲学」を聞いてみよう。
まず、現代医学を否定しない。手術や薬物、放射線治療にも従った方がいい。また、いま患者が現代医学治療を受けているなら、敢えて中断しないことを勧める。
第二に、免疫力を増大させるための方法を統合的に適用する。免疫体系の機能が落ちたために、がんが発生すると考えるためだ。Aさんの場合、「ミスルト」というヤドリギから抽出した成分を利用した生薬療法を実施した。笑い治療も免疫力を強化するための方法だ。免疫療法は、患者の状態によって「オーダーメード」で作られる。
第三に、可能なすべての療法を活用しなければならない。食事を調節する食餌及び栄養療法、自ら心を整える精神療法、ヨガや極拳などで心身を整える運動療法、肯定的な姿勢を持って他人との関係を回復する生活療法、祈祷する敬虔療法、絵を描き歌を歌う芸術療法、遊びながら自然治癒力を育てる休息療法、ボランティアを通じて生きがいを感じるボランティア療法などが、代表的だ。
第四に、家族が一緒に治療を受けなければならない。がん患者がいる家族も「準がん患者」というのが、李教授の見解だ。愛は最も效果の大きな治療剤である。李教授は、がん細胞も愛しなさいと言う。がん細胞と闘って勝とうと思うと、がん細胞が自ら保護壁を構築して、治療するのがもっと難しくなるというのだ。要するに、がん細胞をなだめながら、ともに生きていけという話である。(東亜日報 2005/10/31)

ブロッコリーの新芽で胃がん予防の可能性…筑波大
ブロッコリーの新芽に、胃がんの原因と注目されるヘリコバクター・ピロリ菌を殺傷し、胃炎を抑える効果があることを、筑波大の研究グループが突き止めた。米国で開催中の米がん学会主催の国際会議で2日発表する。
同大の谷中昭典講師(消化器内科)らは、ピロリ菌に感染している50人を2つのグループに分け、一方にはブロッコリーの新芽を、残り一方には、アルファルファのもやしを、それぞれ毎日約70グラムずつ、2か月間、食べ続けてもらった。成分で見ると新芽、もやしは、ほぼ同じだが、ブロッコリーの新芽には、スルフォラファンという成分(抗酸化物質)が多く含まれる。
実験前後で、ピロリ菌の活性の強さを比較したところ、新芽を食べたグループは、活性が約30%〜60%減少。さらに、胃炎も抑えられた。もやしを食べたグループは、こうした変化は見られなかった。マウスでは確認されていたが、人間で確認されたのは初めて。
谷中講師は「スルフォラファンは、特にブロッコリーの新芽に大量に含まれる。ピロリ菌を除菌しなくても、胃炎を抑え、胃がんを予防できる可能性がある」と話している。(読売新聞 2005/11/01)

犬をなでれば心臓疾患改善 米大学チーム『効果は絶大』
【ワシントン=松川貴】犬をなでるだけで、心臓疾患が改善する−。米カリフォルニア大学医学部(ロサンゼルス)の看護師チームが15日、米ダラスで開かれた米国心臓病協会(AHA)科学会議で発表した。
このチームは心臓疾患で入院中の患者76人に対し、「12分間、犬の訪問を受ける」「慰問ボランティアが見舞う」「1人にする」の3つを無作為に実施した。
その結果、不安を測定する検査で、犬の訪問を受けた患者は「不安」が24%減少、人の訪問は10%減、1人にされた患者には変化がなかった。さらに、ストレスが強くなると分泌されるアドレナリンは、犬17%、人2%、それぞれ減少し、1人は7%増加した。
血圧関係では、左心房圧が犬の訪問時は10%減だったが、人は3%、1人は5%上昇。また、肺への負担を測る心臓収縮時の肺動脈圧は犬がいる間に5%、さらに帰ってからも5%減少したのに対して、残りの2グループは上昇したという。
調査をまとめたキャシー・コール看護師は「入院患者に対する医学治療と並行して、この療法を真剣に検討する必要がある。犬の癒やし効果は絶大だ」と訴えた。(東京新聞 2005/11/16)

コーヒーで高血圧防げ!=「1日1、2杯効果的」−男性4500人調査・慶大講師
1日1、2杯のコーヒーで高血圧予防を−。日常生活の中でコーヒーを適量飲む人は高血圧になる割合が低いことが19日、慶応大学医学部非常勤講師の船津和夫医師(内科消化器)らの調査で分かった。
東京都内の診療所で2003年10月から04年3月までに生活習慣病健診を受けた人が調査対象。高血圧や高脂血症などを治療中の人を除く、20−70代の男性4554人を分析した。(時事通信 2005/11/19)

木曽伝統の「すんき漬」 アレルギー予防に期待大
信州大教授研究で判明

アトピー性皮膚炎や花粉症の原因とされる抗体イムノグロブリンE(IgE抗体)の生成を抑える乳酸菌が長野県木曽地方の伝統発酵漬物「すんき漬」の漬け汁に含まれることが、信州大農学部(同県南箕輪村)の保井久子教授(60)の研究で分かった。山間部の冬を乗り切る保存食が、アレルギー疾患の予防にも役立つ可能性が出てきた。
すんき漬は、木曽地方の伝統野菜である王滝カブや開田カブの葉を無塩で発酵させた漬物。漬け汁には1ミリリットル当たり約1億個と乳酸菌が多く生息し、乳酸菌の疾病予防効果を研究している保井教授が注目した。
IgE抗体を生成させるマウスの免疫をつかさどる細胞に、漬け汁からとった乳酸菌を加える実験をしたところ、ラクトバチルス・デルブッキーやラクトバチルス・プランタラムなど6つの乳酸菌に抗体の生成は、乳酸菌を加えなかった細胞と比べると15%以下となった。
さらに、すんき漬を食べる木曽地方と食べない県内の他地域でアレルギー疾患の人の割合を、150人程度を対象にした試行的な調査で比べたところ、木曽地方の患者の割合は他地域の半分以下との結果が出た。今後は詳細な食事調査などをしてすんき漬との関連性を追究する。
保井教授は「乳酸菌の宝庫でありながらすんき漬は全国的にまだ知名度は低い。増加を続けるアレルギー疾患に効果があると分かれば、信州から全国に発信する健康食品として期待できる」と話している。(中日新聞 2005/11/22)

乳酸菌を与えたら病欠が減った
勤労者に乳酸菌製剤を飲ませたら、病欠が大きく減ったという話題を、雑誌「環境健康」(Environmental Health)のオンライン版がこのほど報じた。
研究を行ったのは、乳酸菌に関する特許を所有している会社の医学研究担当者、アンターズ・ザクリッソン氏らで、181人の勤労者を被験者にしてテストを行った。
被験者を任意に、乳酸菌の1系統である「Lactobacillus reuteri」を毎日与えたグループと、見たところそっくりの偽薬を毎日与えたグループに分け、80日間観察したところ、偽薬グル−プでは26%が病気による欠勤をしたが、乳酸菌グループで欠勤したのは11%に過ぎなかった。(日経ヘルス 2005/11/25)

大動脈瘤の縮小に成功 発症仕組み解明し新薬に道
血管の一部が風船のように膨らみ、破裂して大出血を引き起こす大動脈瘤(りゅう)を縮小することに、山口大医学部の松崎益徳教授(分子脈管病態学)のグループがマウスを使った実験で成功した。27日付の米医学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表する。情報伝達の役割を担う酵素の働きを抑えることで、血管壁が修復され、膨らんだ血管が元に戻った。発症メカニズムが明らかになり、大動脈瘤を治す新薬の開発へ道が開けたという。
大動脈瘤は、心臓から体内へ血液を送る大動脈の血管壁がもろくなり、その個所が血圧に押されて膨らむ病気。国内では毎年約5万人の患者が新たに見つかり、人工血管に置き換える手術などの治療が一般的だ。もろくなる原因は血管壁の成分であるコラーゲンなどが、免疫細胞マクロファージの分泌する分解酵素によって過剰に分解されるためだ。
松崎教授らは、細胞内で情報を伝達する役割を担う酵素の1つ、JNKに注目。JNKは細胞が傷ついたときなどに限って活性化することが知られており、大動脈瘤のできた血管壁では常に活性化していた。このJNKが分解酵素の分泌にかかわっているとみて、JNKの働きを抑える薬をマウスに注射したところ、分解酵素の量が減った。その結果、コラーゲンの過剰分解が収まって、血管壁が修復され、膨らんだ血管が元に戻ったという。
治療薬の実用化に向けた課題は薬の運び方だ。JNKは体内で様々な機能を担っていると考えられるため、注射のような全身に薬が回る方法だと、思わぬ副作用がでる可能性がある。
松崎教授は「実用化に向けて、より安全性の高い薬を開発したい」としている。(朝日新聞 2005/11/28)

アルツハイマー:根本治療に光 原因たんぱく質の生成抑止
アルツハイマー病の原因と考えられているたんぱく質が出来るのを止め、根本的な病気の治療に役立つ可能性のある化学物質を京都薬科大、東京大、理化学研究所の共同研究グループが作り出すことに成功した。
マウスでの実験で有効性が確認され、治療薬への実用化が期待出来るという。28日から大阪市で始まる日本薬学会で発表する。

◇京都薬科大など化合物開発
京都薬大の木曽良明教授(薬品化学)が中心になって開発した。同病の発症については、人体の細胞膜にあるアミロイド前駆体たんぱく(APP)という長い鎖状のたんぱく質を、2種類のたんぱく質分解酵素が切断、その結果、出来上がったアミロイドβペプチド(Aβペプチド)という短いたんぱく質が脳内に大量に蓄積して起きるとの説が有力。
木曽教授らはこの説に基づき、分解酵素に入り込んでAPPを切れなくする化合物KMI−429を合成した。この化合物を、同病になりやすい遺伝子を発現させたマウスの脳の海馬に注射すると、Aβペプチドの産生量が約6割に減った。産生減少で既に蓄積しているAβペプチドの排出も進み、病気の進行抑止や治療にも有効という。
この化合物は比較的小さな分子だが、人の血管への注射や内服薬として使うには、更に小型化するなど多くの改良と安全性の確認などが必要だ。しかし木曽教授は「現時点でもマウスの個体で治療効果が確認された低分子化合物はKMI−429が世界初。治療薬の完成を急ぎたい」と話している。【奥野敦史】(毎日新聞 2005/11/28)

ストレスも風邪やがんの原因になる=豪研究者が連関を証明
【シドニー5日】ストレスは風邪からがんに至るまで数々の病気と関係があると見られてきたが、オーストラリア・シドニーのガーバン研究所のグループは5日、連関があることを科学的に証明したと医学専門誌で発表した。同グループによれば、ストレスを受けると、「ニューロペプチドY」(NPY)と呼ばれるホルモンが体内に放出されて免疫システムが損なわれ、病気になるという。
同研究所のフェビエン・マッケイ氏は、「脳と免疫システムの連関についてはこれまで状況証拠しかなかったが、今や我々は連関を突き止めた」と述べている。マッケイ氏によれば、ストレスを感じている期間に神経が多量のNPYを放出する。これが血管に入ると、病原体を探して破壊する免疫システムの細胞の働きが阻害される。マッケイ氏は「ストレスで病気になるという話はもはや神話ではなく、現実だ。我々は真剣に考える必要がある」と述べた。
この研究は5日付のジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスンに発表された。同グループの科学者の1人ハーバート・ヘルツォーグ氏は、NPYが免疫システムにインパクトを及ぼすことが発見されたのは一部の疾病に取り組む上で新しい扉を開くものだと強調した。
ストレスに関係があるとされる病気には風邪、がんのほか、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病(限局性回腸炎)、1型の糖尿病、ルーパス(皮膚結核)などがあるという。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/12/05)

カフェイン抜きコーヒーは、意外にもLDL増加に
カフェイン抜きのコーヒー(decaffeinated coffee、デカフェ)をよく飲む人は、悪玉コレステロールと言われるLDL(低比重リポタンパク)が増えて、心臓血管系の病気に悪いという研究報告 が、2005年11月16日開かれた米心臓学会で発表された。
発表したのは、米ジョージア州の「フクア心臓センター」(Fuqua Heart Center)のロバート・スペルコ博士。
同博士らは、まず187人のボランティアを、任意に3つのグループに分けた。
第1のグループ(59人)には全くコーヒーを飲ませなかった。
第2のグループ(62人)には、カフェイン抜きコーヒーを1日に3杯ないし6杯飲ませた。
第3のグル−プ(66人)には、普通のカフェイン入りコーヒーを、1日に3杯ないし6杯飲ませた。どのグループもブラックでコーヒーを飲んだ。
こうして3カ月後、被験者を調べた結果、心臓病に影響を与えるとみられている要因−−BMI、血圧、全コレステロール値、 中性脂肪、HDL(善玉コレステロ−ル)、インスリン、ブドウ糖−−の値については、3グループとも変化は見られなかった。
しかし、カフェイン抜きコーヒーを飲んだグループでは、LDL(悪玉コレステロール)の血中濃度がはっきりと高くなっていた。(日経ヘルス 2005/12/05)

『菓子CM、子どもの肥満誘発』 米研究所報告
【ワシントン=松川貴】米医学研究所(IOM)は6日、菓子や飲料水のコマーシャルが子供の肥満を誘発している可能性が高いとして、業界が自主規制できない場合には、政府に介入を求める調査報告書を発表した。
報告書は、子供を対象とする菓子などの新製品は、1994年が52品で、2004年には470品に増加した、と指摘。昨年1年の広告費は110億ドルで、うちテレビCMが50億ドルに達したという。
調査に参加したカリフォルニア大のエレン・ワーテラ教授(心理学)は「こうした食品は圧倒的にハイカロリー、低栄養で、子供に奨励できる種類の食品ではない」と批判した。
調査が限定的なため、CMと肥満の直接的な因果関係は示すことはできないとしながらも、統計関係から、CMと肥満は密接に関係していると結論づけている。
報告書は、議会が健康食品に対する減税措置などで企業努力を促し、政府機関がその進展状況を議会に報告するなど、政治介入の必要性を強調した。
報告書は、議会の要請で、栄養学、心理学、メディアなどの専門家18人が、子供の肥満に関する研究や企業情報など123文献を分析してまとめた。(東京新聞 2005/12/07)

アトピーに効果:北海道稚内産のけい藻土を使った壁が
北海道稚内産のけい藻土を使った壁がアトピー性皮膚炎に効果があることが、浜松医科大(静岡県浜松市)と大手住宅メーカー、パナホーム(本社・大阪府豊中市、田尻勝彦社長)の研究グループの調査で分かった。浜松医科大病院で稚内けい藻土を使用した病室を作ったところ、患者の症状が改善したという。
けい藻土は海中の藻類(植物プランクトン)の死がいが、海底に長年にわたって堆積(たいせき)した粘土状の泥土。同社によると、稚内産のけい藻土は、地層が地圧と熱による圧力を受けたため変質し、細かい気孔が多数できている。このため、他に比べて、調湿性やガス吸着性が優れ、吸湿性は一般の3倍にも上る。
同社は03年からリフォーム用建材として、稚内けい藻土をしっくいなどに混ぜて壁に塗布したところ、顧客から「アトピーが治った」との声が寄せられた。このため、同大と協力し、昨年10月から半年間研究した。
稚内けい藻土を壁に塗布した病室で、患者6人に2週間入院してもらい、臨床データを測定し、病室外の患者6人と比較した。その結果、ストレスの指標には変化がなかったが、かゆみ、皮膚の発しんなど3項目で改善がみられたという。稚内けい藻土が室内の湿度を抑えたことで、アトピーの原因の一つであるダニ、カビなどを発生しにくくする効果があったとみられる。
同大医学部皮膚科の滝川雅浩教授は「アトピー性皮膚炎に悩む人への朗報と考える。改善効果のメカニズム解明を進めていきたい」としている。同社は稚内けい藻土を塗った壁をリフォーム住宅だけでなく、新築にも広げていく方針。【柴沼均】(毎日新聞 2005/12/14)

「がんに劇的効果」と注目、インドネシア伝統薬「シーファ」
【じゃかるた新聞特約21日】がんの治療に劇的な効果があると報告され、インドネシアで注目を集めているジャムー(伝統薬)「シーファ」に関するセミナーがこのほど、中央ジャカルタのホテル・ヒルトンで開かれ、インドネシアの医療関係者やシーファを飲んで回復したがん患者ら約200人が集まって、意見を交換した。...(日刊べリタ 2005/12/21)

がん治療、漢方で補う 金沢医科大病院集学的医療センター 抗がん剤の効果増強
金沢医科大病院21世紀集学的医療センターの集学的がん治療センターは、高度な現代医学を補完する形で漢方医学を総合的に取り入れる新しいがん治療を、北陸で初めて開始 した。漢方薬を併用して抗がん剤の効果を高めたり、食欲不振やだるさを改善したりする効果が期待できる。元雄良治センター長は、心身両面から診療する漢方の思想も取り入れ 、全人的な医療を進めたいとしている。
集学的がん治療センターは診療科の枠を超えて患者本位の治療を目指す拠点として10月にオープンした。センター長の元雄教授(腫瘍(しゅよう)内科)は、抗がん剤をはじめとする現代医学でがん治療を進めながら、全身の状態を整える作用のある漢方薬を併用している。現代医学と漢方医学の両方の知識が必要なため、がんの先端治療施設で漢方薬を総合的に活用する例は全国的にも珍しいという。
元雄教授によると、漢方薬は、がんに直接効くよりも、▽患者の免疫力を高める▽手術の後の全身状態を改善する▽抗がん剤や放射線治療の副作用を軽くする▽末期がん患者の神経痛やうつ状態を緩和する▽がんを予防する―など、予防から緩和ケアまで効果を期待できることが、現代医学の方面からも証明されるようになってきた。
治療にはエキス剤を服用することが多く、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など、全身の状態を補う「補剤」を主に用いる。だるさ、疲労感、無気力、立ちくらみ、寝汗、微熱などの諸症状を総合的に考慮して治療方針を決める。食欲不振には六君子湯(りっくんしとう) 、下痢には半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などを使う。
元雄教授は「患者の頭からつま先まで見て診断するのが漢方医学。漢方を小手先のテクニックではなく、現代医学に欠けている心と体は一体という『心身一如』という思想も取り入れたい」と話している。(北國新聞 2005/12/26)

ビタミンDの摂取でがんリスク軽減=米研究
【ワシントン28日ロイター】米国のがん研究者チームは28日、ビタミンDを摂取すると、大腸がん、乳がん、卵巣がんにかかるリスクが低くなると発表した。
ガーランド博士は電話インタビューで「ビタミンDの摂取を増やすことを推奨したい」と述べた。
同博士のチームは、ビタミンDと特定のがんとの関連性について1996年―2004年に世界中で行われた63の研究を精査。この中には、長期的かつ大規模な研究も含まれた。
ガーランド博士によると、喫煙が肺がんに悪影響を及ぼすという関係が明らかであるのと同じくらい、ビタミンD摂取のメリットは明確だという。
博士は「これほどがん予防能力があるものは他にない」と述べ、政府や保健当局者らに対し、ビタミンDを含む食品の強化に努めるよう促した。
ガーランド博士は、カリフォルニア大学サンディエゴ校がんセンターのチームメンバー。(ロイター通信 2005/12/29)



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