胃がん防ぐ野菜、果物 食べない人より52%も低く
野菜や果物を週1回以上食べると、胃がん予防に役立つことが、日本人約4万人への長期調査でわかった。
喫煙や年齢など発がんに関係する他の要因が同じ場合、白菜などの淡色野菜を多く食べる人が胃がんになる率は、食べない人より52%も低く、ニンジンなどの黄色野菜だと36%、果物でも30%、それぞれ発生率が低かった。
調査は、厚生労働省のがん対策研究の一環として、国立がんセンターなど多くの医療機関が協力し、秋田、岩手、長野、沖縄で実施した。対象は男性約1万9000人、女性約2万1000人。
まず1990年に「食事の好み」などの生活習慣に関するアンケートに答えてもらい、その後の健康状態をずっと観察した。
その結果、10年間で胃がんになった人は404人で、野菜や果物をあまり食べない人ほど発生しやすい傾向が明らかになった。すべての種類の野菜と果物の合計摂取率で比べても、最もよく食べた上位約2割のグループの胃がん発生率は、最も食べなかった約2割より25%少なかった。(読売新聞 2003/01/14)中年太りで寿命が3年縮む
30歳代半ばから40歳代半ばで、BMIが25以上30未満の太り気味になった人は、男女ともに普通の体重の人に比べて、寿命が3年短くなる。BMIが30以上で肥満の範囲に入った人は、寿命がさらに短くなり、普通の体重の人と比べて男性で5.8歳、女性で7.1歳も短命なことがわかった。米マサチューセッツ州フラミンガムで、1948年から3457人の住民の健康調査をして得たデータを基にオランダの研究者がまとめたもの。1月7日発行の「内科学雑誌」(Annals of Internal Medicine)に掲載されている。
BMIとは、体重(kg)を身長(m)で2回割った値のこと。このような体重と身長の具体的な数字で短命の目安を示したのは初めてのことだ。(日経ヘルス 2003/01/14)毎日一杯やる人には心臓発作が断然少ない
アルコール飲料の種類を問わず、毎日適量飲んでいる人は、心臓発作を起こすリスクが小さいことが大規模調査でわかった。ハーバード大学公衆衛生学部(ボストン)のエリック・リム助教授らの報告。
調査は、成人男性3万8077人の医療に携わる人たちのライフスタイルや健康問題を、さまざまな角度から12年間追跡した調査の1つ。アルコール類をたしなむ頻度や量、種類を調べたところ、日に1、2杯を週に3日から7日間(つまり毎日)飲んでいる人は、飲んでいない人より、心臓発作を起こす割合が37%小さかった。この減少率は、ライフスタイルの他のいろいろな面との関連で見ても、もっとも顕著だったという。
しかも、アルコールの効用は、年齢、喫煙、運動、食事、心臓病の家系などの要因とは独立した要素だった。
リム助教授は「グラス半分のワインを1日置きに飲むだけで、心臓発作のリスクがかなり減る。アルコール消費が、健康的な生活のなかで、非常に重要な役割を果たしているといえる」と、酒の恩恵を強調している。(日経ヘルス 2003/01/16)コーヒー好きの女性、大腸がんの危険度半分 岐阜大が疫学調査
コーヒーを毎日1杯以上飲む女性は、まったく飲まない人に比べ、大腸がんになる危険度が半分以下だった──。こんな調査結果を、岐阜大医学部の清水弘之教授(がん疫学)の研究グループがまとめた。「なぜか」は未解明だが、コーヒーが大腸に何らかのよい効果を与える可能性を示しているという。24日から福岡市で開かれる日本疫学会で発表する。
清水教授らは92年から、岐阜県高山市の35歳以上の3万224人(男性1万3893人、女性1万6331人)を対象に、食事やし好品の摂取量と大腸がん発生との関係を調べた。調査当初は全員、大腸がん患者でなかったが、00年までに男性111人、女性102人が大腸がんと診断された。
調査全対象者をコーヒーを飲む量で、まったく飲まない▽1日1杯未満▽1日1杯以上──に分け、大腸がん発生の比率を比較。さらに年齢や身長、肥満度、飲酒量、喫煙量などの個人差や地域事情が影響しないようにデータを補正して、大腸がんになる危険度を割り出した。
その結果、男女ともコーヒーを飲まない人の危険度を1とすると、1日1杯以上飲む女性の危険度は0.49で、半分以下になり、統計学的に危険度が低いと判断した。1杯以上飲む男性や、1杯未満の男女は、危険度が高いか低いかの有効な結果は出なかった。
愛知県がんセンターの嶽崎(たけざき)俊郎疫学・予防部室長も98年、コーヒーを1日3杯以上飲む人の胃がんと直腸がんの危険度はいずれも、飲まない人の半分以下だったという調査結果を発表している。岐阜大の調査について嶽崎室長は「食生活など個人の生活習慣を幅広く考慮する必要があり、コーヒーの効果について結論づけたことは言えないが、注目すべき結果だ」と話している。【江口一】 (毎日新聞 2003/01/19)ビフィズス菌に中性脂肪など減らす働き
神戸学院大学・戸谷永生助教授ら発表
神戸学院大学の戸谷永生助教授らは、ビフィズス菌に血中の中性脂肪や総コレステロールを減らす働きがあると、日本成人病(生活習慣病)学会で発表した。
戸谷助教授は高コレステロールのえさを5週間与えたラットと、このえさに3週目からはビフィズス菌も10%混ぜて与えたラットを比較した結果、ビフィズス菌を与えたラットは、平均で血中の中性脂肪は20%、肝臓で30%少なく、総コレステロールは血中と肝臓それぞれで40%少なかった。(毎日新聞 2003/01/20)肥満児は寿命が短い──30年間の統計でわかる
肥満はあなたの寿命を縮める、しかも肥満の年齢が若ければ若いほど短命である、とジョンズホプキンス大学(ボルチモア)の研究者が報告した。この研究は、1月8日発行の「米医師会雑誌(JAMA)」に掲載された。
過去30年の米国における白人男性の寿命に関する研究報告数編を調べ直したところ、若いころ肥満だった人の寿命は、普通の人よりも短いことが、歴然とした。例えば、20歳までに肥満だった人の平均寿命は、一般の人の平均寿命よりも13年短かった。
ここでいう肥満とは、BMI30以上の人のこと。BMIは、体重(キログラム)を身長(メ−トル)で2回割った値のことで、これが30以上が肥満と定義されている。
なお、1月6日付けの「米内科学雑誌」(Annals of Internal Medicine)には3457人の成人を調べた結果、40歳までに肥満になった人は、寿命が明らかに短く、寿命短縮の程度は喫煙による短縮と、ほぼ同程度であったと報告されている。(日経ヘルス 2003/01/22)ビタミンAの過剰摂取 骨折の危険性高める
スウェーデンの研究チームが調査
ビタミンAを取りすぎると、骨折する危険性が大幅に増すことがスウェーデンの研究チームの調査でわかった。ビタミンAは、不足すると視覚障害などが起きることが知られているが、研究者は「ビタミンAの栄養補助食品(サプリメント)の摂取は、適切にすることが大切だ」と指摘している。この成果は、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表された。
50歳前後の男性2322人を30年間にわたって調査、このうち266人(11%)が骨折を経験していた。
ビタミンAの血中濃度と骨折の関係を調べたところ、濃度が平均より1―2割高い人は1.6倍骨折しやすいことがわかった。さらに濃度が通常より5割以上高い人は、骨折する率が7倍も高かった。ビタミンAに、骨を壊す破骨細胞の働きを強めるなどの作用があるとされ、過剰になると骨を弱くしてしまうようだ。
これまでも、ビタミンAの過剰摂取が骨折の危険を高めると推測させる調査はあるが、実際に血中濃度を測定して確認したのは初めてという。(読売新聞 2003/01/28)アルツハイマー 酒に弱い人は要注意 日医大で原因の一端解明
酒に弱い人の方が、痴ほう症状を起こすアルツハイマー病になりやすいメカニズムの一端を、日本医科大老人病研究所の太田成男教授らの研究チームが解明した。アルコール分解にかかわるアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)が、脳内の神経細胞死をもたらす体内の低分子化合物を解毒する作用を併せ持つためで、酒に弱い人はこのALDH2の働きが弱く、解毒が不十分になるという。
ALDH2の働きが悪い人ほど、酒に弱いことが知られている。太田教授らは、3年前にALDH2の働きが悪い人は、強い人より1.6倍、アルツハイマー病になりやすいと発表した。今回は、愛知県内で40歳以上の住民約2400人を対象に、飲酒習慣や血液分析などを実施。ALDH2の働きが弱い人は、アルツハイマー病患者の脳に蓄積することが分かっている有毒物質のヒドロキシノネナールの元になる物質が多かった。
またラットの細胞を使った実験で、ALDH2がヒドロキシノネナールを解毒する働きがあることを突き止めた。
太田教授によると、ヒドロキシノネナールは体内で日常的に生成されているが、ビタミンEにはこの生成を抑制する効果があるといい、「ビタミンEの摂取がアルツハイマー病の予防に効果的ではないか」と話している。【江口一】(毎日新聞 2003/01/30)ベジタリアンの母親の授乳児に神経障害リスク
ベジタリアンの母親の母乳で育った子どもは神経障害を来すリスクが高いことが米国で報告されている。
衛生当局によれば、昨年ジョージア州で、言語や運動の遅れなどさまざまな神経障害を来した小児2例がビタミンB12欠乏症との診断を受けた。調査で2児の母親とも子どもを母乳で育てており、しかもベジタリアンであることが明らかになった。米国疾病管理センター(CDC)の週間レポートに詳細が掲載されているが、米国ではこのようなケースが増加傾向にあるという。
ビタミンB12はコバラミンとも呼ばれ、神経細胞や赤血球を健康に保つほか、DNAの産生にも一役買っており、主に魚、肉、乳製品、卵といった動物性の食物に含まれている。
CDCによれば、乳幼児がビタミンB12欠乏症になる原因としては、母親にこの栄養素が不足していることが最も多いという。乳幼児が神経障害を来すと、必ずしも治るとは限らない。妊娠・授乳期にはコバラミン補助食品等を摂取する必要があり、特に授乳期はコバラミン欠乏症のリスクが高い。(日本経済新聞/HealthDayNews 2003/01/30)子ども肥満は3歳時の生活習慣 富山医科薬科大など研究
子どもの肥満は、3歳時の生活習慣の乱れが原因──そんな研究結果を、富山医科薬科大などの研究チームがまとめた。子どもたち約1万人を7年間追跡調査して分かった。
小児肥満は、大人になってからの心疾患や高血圧の原因とされ、関根道和・同大講師は「乳児からの予防策が大切なことを裏付けた」と話している。
調査は、富山県内の1989―90年生まれの約1万人を対象に、3歳時、小学1年時、4年時の3回にわたり体格測定を行い、同時に子どもたちの両親に生活習慣、家庭環境についてアンケートを実施。国際的な基準で「肥満」とされた子、そうでない子の両グループのデータを比較した。
すると、3歳時に「朝食を時々食べる」「おやつの時間を決めていない」と答えたグループは、「朝食を毎日食べる」「おやつの時間を決めている」グループより、小学4年時に肥満になる例が1.2―1.8倍多かった。また、3歳時に、睡眠時間が11時間以上だったグループに比べ、9時間未満のグループは、肥満が約1.5倍多くなり、睡眠量が少ないと肥満になりやすいことも判明。
国民栄養調査(97年)によると、小中学生の約10.7%が肥満で、78年の7.2%から増加傾向にある。(読売新聞 2003/02/01)観葉植物「オモト」に制がん成分 徳島大の研究グループが発見
徳島大総合科学部の増田俊哉助教授(42)=天然物有機化学=らの研究グループが、正月の縁起物として知られる観葉植物「オモト(万年青)」にがん細胞の増殖を抑制する成分があることを発見、その成分が有機化合物のロデキシンAであることを突き止めた。日本農芸化学・薬学会の学会誌に近く発表する。
研究グループによると、がん細胞の培養液1ミリリットルに対し、オモトから抽出した10ナノグラム(1億分の1グラム)のロデキシンAを加えたところ、加えなかった場合よりもがん細胞の増殖が半分に抑えられた。実用化されている植物性抗がん剤に匹敵する効力という。オモトはユリ科の多年草。【朝日弘行】(毎日新聞 2003/02/08)高血糖は記憶力を低下させる
血糖値が高いと、もの覚えが悪くなり、記憶が薄れてきやすいと、ニューヨーク大学のアントニオ・コンビット博士らが、「米国立科学アカデミー紀要」で報告した。
研究者によると、糖尿病でない外見は健康そうな中・高齢者36人を対象に記憶力テストを行い、同時に食事後の血糖の代謝速度、それに磁気共鳴映像法(MRI)で、脳内の海馬(hippocampus)のサイズを調べた。
その結果、血糖の代謝速度が遅い人ほど、記憶力が悪く、海馬のサイズも小さかった。海馬は、記憶に関連した重要な領域だ。
同博士によると、脳以外の臓器にはいろいろなエネルギー源があるが、脳の活動エネルギーはほとんど血糖に依存しており、もし血液中のブドウ糖が体の中で代謝されずに、いつまでも滞留していると(つまり血糖値が高いと)、エネルギーが脳まで到達せず、記憶などの活動がにぶくなるのだという。
ただし、「たとえ血糖値が高くても食事に気をつけて、運動を良くして血糖値を下げれば、また記憶力も回復する」とコンビット博士は言っている。(日経ヘルス 2003/02/10)ファージ投与でMRSAが消滅 マウス実験で初確認 高知医大
抗生物質が効かなくなったメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などに感染したマウスに細菌を殺すウイルスの一種、バクテリオファージを投与すると菌が消えてしまうことを、高知医大の今井章介教授(微生物学)と松崎茂展助手らが初めて確かめた。
細菌感染症への新しいファージ療法の可能性を示す成果として米国の感染症学雑誌最新号に発表した。1年後をめどに臨床試験も検討している。
研究グループはまず、黄色ブドウ球菌に対して強い溶菌活性を示す新しいファージφ(ファイ)MR11を、MRSAから分離した。細菌にすぐ侵入して破壊する性質があり、毒素遺伝子を持っていないことも確認した。
MRSAを含む黄色ブドウ球菌8億個をマウスに接種した。何もしないと、2時間以内に敗血症が起きて24時間以内に大半のマウスが死んでしまう。ところが、マウスの腹に精製したファージを注入したら、細菌は速やかに消えた。
注入したファージはすぐ血中に移り、全身の臓器に行き渡った。投与量が感染した細菌と同じならマウスはすべて生き延び、10分の1の量でも死亡を抑制。細菌接種後1時間以内にファージを与えれば、救命に有効だった。
ファージだけをマウスに投与しても異常はなかった。標的の細菌が消失してからファージも消えていくため、副作用の恐れは低いという。<バクテリオファージ> 細菌に感染して菌体を溶かし増殖するウイルス。「細菌を食う生物」という意味で名付けられた。1910年代に発見され、その研究が分子生物学の発展に役立った。小さな遺伝子を持ち治療用に改変しやすい。当初から細菌感染症の治療に応用が検討されたが、抗生物質の発見で関心が薄らいだ。「忘れられていた弾丸」として、ここ数年、欧米でも見直され始めている。(中日新聞 2003/02/12)
睡眠:「入浴で快眠」は本当 足利工大教授ら証明
就寝前の入浴は、寝入るまでの時間を大幅に短縮し、しかも深い眠りを睡眠全体の最初の時間帯に集中させるなど「睡眠の質」を大きく改善させる効果があることが、足利工業大工学部の小林敏孝教授(睡眠学)らの研究で分かった。一般に「寝る前に風呂に入るとよく眠れる」といわれてきたが、小林教授らは脳波を測定するなどして科学的に証明した。
小林教授は99〜01年、20〜25歳の健康な男子大学生5人を対象に、入浴した時としなかった場合に、睡眠がどのように異なるのかを調べた。
実験条件は、就床が午後11時半〜午前0時半、起床が翌朝午前7〜8時。入浴は午後8時または同9時半から、風呂の温度は42度、40度、38度の3通りに設定、入浴スタイルは自由とした。体内の温度を正確に測るため5人の直腸に特殊な温度計を入れ、24時間モニタリングした。睡眠中は脳波を分析。1人につき1か月以上かけて調べた。
その結果、入浴した時はしなかった時に比べ、就床してから睡眠に入るまでの時間がいずれも短縮した。しかも3分の1〜6分の1とかなり短くなった。入浴しない場合に寝つくまで1時間半かかった人が20〜30分で、30分かかった人が5分で眠ったケースもある。
深い眠りを指す「徐波(じょは)睡眠」が、入浴した場合は睡眠全体のうち最初の3分の1の時間帯に50〜60%以上、集中して表れることも判明。入浴しなかった場合は40%以下にとどまり、「寝る前の入浴が、早く深い睡眠をもたらす」ことを示した。
こうした傾向は、午後9時半の入浴よりも同8時の方が顕著だった。お湯の温度に関係なく、「体温が0.5〜1度上がる入浴」が、最もよい睡眠になったという。就寝時の体温よりも、一度体にたまった熱を放散する過程が、寝つきと深く関係しているらしい。
シャワーでも適度に体温が上がれば良いという。一方、2度以上体温が上昇すると神経が興奮するため逆効果という。
小林教授は「ぬるめのお湯に30分くらいがだいたいの目安だろう。寝つきが悪いなど睡眠で悩む現代人にとって朗報だと思う」と話している。【江口一】<徐波睡眠> 睡眠は、身体の眠りである「レム睡眠」と、脳の眠りの「ノンレム睡眠」を約90分のサイクルで繰り返している。このうち「ノンレム睡眠」は脳波の波の形などで4段階に分けられ、第3、4段階の大きくゆっくりした波(徐波)を出す状態を「徐波睡眠」といい、深い眠りが得られていることを示す。(毎日新聞 2003/03/04)
西条柿、がんや花粉症に効果? 生産振興へ研究報告会
島根県特産の西条柿の特性を生かして生産振興に役立てようと、大田市の県立女性総合センター「あすてらす」でこのほど、研究報告会(県農林水産部としまね産業振興財団主催)が開かれた。
山本喜啓・島根女子短大教授や山崎幸一・産業技術センター生物応用科長、鶴永陽子・しまねの味開発指導センター研究員ら8人が、西条柿についての研究成果を発表。特にタンニンとポリフェノールを多く含む西条柿には、強い抗酸化作用と抗アレルギー作用があり、がんやインフルエンザ・ウイルス、花粉症、老化防止などに効果があると報告された。ただ、試験管内で実験したデータをもとにしており、動物や人体に対する効果は今後の研究によるという。
また、西条柿の葉にはビタミンC、フラボノイドが多く含まれ、動脈硬化や高血圧防止に有効であることが知られていながら、ほとんど利用されていないという。このため、試作した柿の葉茶を分析し、病気を引き起こす活性酸素に対する抗酸化性が比較的強いことが認められるという報告もあった。
県内では松江、平田両市や三隅町を中心に468ヘクタールで年間2310トンの渋柿(西条柿を含む)が生産されている。中でも県内の西条柿は日本一の栽培面積と生産量を誇っている。 (朝日新聞 2003/03/10)テレビを見ながらファーストフード「肥満の危険度、通常の3倍」
AP通信は9日、ファーストフードを食べながら長時間テレビを見るのが習慣になると、肥満になる危険が通常の3倍になるという研究結果が出たと報じた。
米国ボストン児童病院のマーク・ペレイラ研究員は、この15年間、18〜30歳の米国人3700人余りを対象に調査・研究を行い、このような結論を出した。
調査の結果、ファーストフードを食べる回数が1週間に2回以上で、1日のテレビ視聴時間が最低2時間半以上の人は、ファーストフードを食べる回数が1回以下で、テレビ視聴約1時間半の人に比べ、太る危険が3倍にもなった。
専門家は「研究結果は今後、ファーストフード業者を対象にした肥満関連の訴訟に、かなりの影響を及ぼすだろう」と展望している。シン・ウンジン記者(中央日報 2003/03/10)驚くほどコレステロール値が下がる菜食メニュー登場
1カ月食べ続けると、コレステロール値が35%も下がったという食事メニューが、このほど米フロリダ州で開かれた米心臓学会(American Heart Association)の会合で発表された。発表したのは、カナダのトロント大学のシリル・ケンドール氏ら。
「ポートフォリオ食」(Portfolio diet)と呼ばれるこの食事は、低脂肪の菜食メニューを基本に、そこに心臓にいいといわれている個々の食べ物を組み合わせてある。大豆と可溶性食物繊維が豊富で、毎食ごとに豆乳ヨーグルトか、豆乳がつく。そして、毎日、ナス200g、オクラ100g、生のアーモンド30gを食べる。そのほとんどの素材は、スーパーマーケットで入手できる。
この「ポートフォリオ食」と標準的な低脂肪食を、25人のボランティアに食べさせ、これを1カ月後の悪玉コレステロール(LDL)値と善玉コレステロール(HDL)値を測定した。その結果、LDLは、標準的な低脂肪食を食べたグル−プでは12%減っていたが、ポートフォリオ食を食べたグループでは35%も減っていた。HDLについては、両グループとも変化はなかった。この結果について、研究リーダーのケンドール氏は、「驚くべき効果で、コレステロール降下剤の「スタチン」に匹敵する。これまでは、食事でコレステロール値を下げるのは10%が精一杯だった」と話している。(日経ヘルス 2003/03/12)プロポリスで記憶力アップ 痴ほう症に効く可能性も
鈴鹿医療科学大の鈴木教授ら発表へ
ミツバチが巣の補強に分泌するプロポリスに、記憶力を高め、アルツハイマー病の進行を遅らせる可能性があることが鈴鹿医療科学大(三重県鈴鹿市)の鈴木郁功教授らのマウスを使った実験で分かった。27日から長崎市で開かれる日本薬学会で発表する。
実験に使ったのは近親交配で老化の進行が速くなり、学習記憶障害のある生後13週のマウス(SAM)。直径150センチ、深さ25センチのプール(水迷路)内に放し、水中を泳いで水面下にある透明の台に乗るまでの時間を1日1回、14日間測定した。
プールの壁には異なった色の3枚の紙が張ってあり、マウスはこれを手掛かりにして台の位置を学習する。
プロポリスを投与していない実験開始時での到達時間は平均で90秒だったが、水で抽出したプロポリスを2日目から体重100グラム当たり3ミリグラム腹腔(ふくこう)内に注射したマウスには、4−5日目から効果が表れ、最終日には12秒まで縮まった。投与しないマウスは60秒だった。
1カ月後に同じ実験をすると、投与したマウスには学習記憶が残っていて記録に変化はなかったが、投与していないマウスは覚えておらず、到達時間が遅かった。
マウスの頭部を調べると、投与したマウスの脳の海馬で、記憶力を促進させる酵素が増えていることが分かった。
プロポリスの糖タンパク質に記憶力向上効果があるとみられるが、鈴木教授らはどの成分が有効かを確認するため、さらに実験を続ける。<プロポリス> ミツバチが巣を外敵や雑菌から防御するために壁などに付着させる物質で、ハチヤニとも呼ばれる。ビタミンやミネラルを含み、免疫増強や炎症治療に効果がある。ブラジルや東欧などでは古代から民間薬として使われてきた。日本でも健康食品として普及している。(中日新聞 2003/03/19)
人工甘味料 微量で精子障害 京都府大助教授 マウスで確認
清涼飲料水などに広く使われている人工甘味料「アスパルテーム」と、かんきつ類の防かび剤「オルトフェニルフェノール(OPP)」が、いずれも動物に影響がないとされているレベルの1000分の1の量でマウスの精子に障害を起こしたとの実験結果を、京都府立大の北条康司助教授(食環境安全性学)が27日、長崎市で開かれた日本薬学会で発表した。最近指摘されているヒトの精子数減少との関係が議論になりそうだ。
実験は、成熟した雄のマウスに1週間連続でアスパルテームとOPPをそれぞれ経口投与し、8日目に精子を調べた。
マウスを4匹ずつ4つのグループに分け、うち3グループにはアスパルテームをそれぞれ体重1キロ当たり1ミリグラム、10ミリグラム、100ミリグラムずつ毎日1回投与。水だけを与えたグループと比較した。
すると、形が正常で直進する精子の率は、水だけのマウスが平均約25%だったのに対し、投与した3グループはいずれも平均16%前後と、明らかに低かった。(京都新聞 2003/03/27)肉食減らせば長生きできる──ドイツで研究
ドイツの「ガン研究センター」(DKFZ)は、このほど肉類を食べない人は長生きできると報告した。同研究所では、1978年から1999年までの間、肉類をまったく食べないか、食べても少ししか食べない人たち2000人(調査当初は10歳から70歳)までを対象に追跡調査した。
彼らは3つのグル−プに分けられた。
第1グループは動物性食肉、魚類、卵、乳製品は一切口にしないという、完全菜食主義者の人たち、第2のグループは卵や乳製品は食べるが食肉類は食べないという人たち、第3のグループはたまには肉類も食べるという人たち。
彼らの調査期間中の死亡率を、一般の人たちの死亡率と年齢別に比較すると調査対象者全員では、一般人の平均を100に対して59ではっきりと長生きだった。(日経ヘルス 2003/04/02)クランベリージュースは健康のもと
「クランベリージュースを良く飲む人は、血液中の抗酸化物質が増え、悪玉コレステロールが減って、善玉コレステロールが増える」──こんなデータが、このほど米国ニューオリンズで開かれら米化学会の年次総会で報告された。
報告を行ったのは、スクラトン大学(米ペンシルベニア州)のジョー・ベンソン博士。研究では、コレステロール値が高いが、コレステロール降下剤は使用していない19人を試験対象に選んだ。被験者は、スーパーマーケットで販売されているクランベリージュースを最初の1カ月は毎日グラス1杯ずつ、次の1カ月は2杯ずつ、次の1カ月は3杯ずつ飲んだ。そして、各月の終わりに、血液中のコレステロール値を測定した。
その結果、全体としてのコレステロール値には変化がなかったが、相対的に善玉コレステロール「HDL」がアップし、悪玉コレステロール「LDL」が下がった。とくに、毎日クランベリージュースを2杯、または3杯ずつ飲んだあとには、HDLが最高121%に増えることがわかった。効果の理由として、研究者らは、クランベリーには抗酸化物質であるポリフェノールが豊富なことを挙げている。
クランベリーには、以前から膀胱炎や歯周病の改善効果などが知られていた。また、新しい健康効果が証明されたようだ。(日経ヘルス 2003/04/03)使い切りカイロによる暖め療法で腰痛が取れる!
近ごろ、米国のドラッグストアでよく売られているのが、首、肩、背中、腰など患部を暖めて痛みを取るという触れ込みの医療器具。「ヒートパック」「ヒートラップ」などという名前で、日本の使い切りカイロと似た方法で患部を温める。
これらの製品の効果が高さが、このたび「物療医学とリハビリテーション」という専門誌に報告された。
研究では、中程度から重度の腰痛を持つ191人を集めて、ヒートパックを貼るグループと、偽薬(錠剤)を飲むグループに分けて、1日8時間3日間テストをして、様子を見た。その結果、第1日目から痛みが軽減したいう人はヒートパック組の方が偽薬組より68%多かった。さらに、第2日目、第3日目と日数が増えるほど、ヒートパックで患部を温めた人の方が痛みが軽くなった。
研究で使ったヒートパックは患部を40度Cに8時間保つというもの、日本の使い切りカイロでも上手に使えば、腰痛対策になる可能性が出てきた。(日経ヘルス 2003/04/10)過食症は遺伝子のせい──意志が弱いのではなかった
過食症の人は、これではいけないと思いつつも、どうしても食べてしまう。表向きそれほど食べていないように見えても、かげでこっそり、いつも何かを口に入れてしまう。この行動パターンを「意思が弱いからだ」と考える人もいる。しかし、研究の結果、過食症は遺伝子がそうさせるのであって、意思が弱いためではない、という研究結果が出た。スイスとドイツと米国の研究スタッフの共同研究によるもの。
研究者らは、肥満と関係が深いとして知られている「メラノコルチン4レセプター」(melancortin 4 receptor)の遺伝子を肥満した469人の白人男女について調べた。この遺伝子は、ある種のたんぱく質を作るが、そのたんぱく質は脳内の視床下部にある空腹調節の働きをコントロールしている。つまり、このたんぱく質により、空腹感が抑えられ、正常な食生活ができる。すると、469人のうち、メラノコルチン4レセプターに突然変異があるのは5%の人で、そのすべてが過食症の患者だった。一方、メラノコルチン4レセプターに異常がない人では、過食症は14%にすぎなかった。また、500人の肥満児について調べたところメラノコルチン4レセプターの突然変異は5%で、やはりそのすべてが過食症だった。(日経ヘルス 2003/04/16)ミネラル水:19品からアルデヒド類 水質基準に甘さ
横浜市衛生研究所が、国内で販売されているミネラルウオーターの一部から、化学物質のホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを検出していたことが分かった。同市の水道水の実測値と比べ、80倍以上の製品もあったが、飲み続けても人体に影響が出る量ではないという。ミネラルウオーターの水質は食品衛生法に基づく基準があるが、水道水に比べ基準項目が少ない。厚生労働省は、昨秋から、ミネラルウオーターの新水質基準の策定を始めている。しかし、アルデヒド類の扱いは未定としている。
調査したのは、横浜市内で販売されているボトル入りのミネラルウオーター30品。うち14品が米、仏、カナダなどからの輸入品、16品が10道県で採水された国産品。同研究所が開発した分析法でホルムアルデヒド、アセトアルデヒドを調べた。
その結果、輸入品5品、国産品14品の計19品からアルデヒド類が検出され、うち17品にはホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの両方が含まれていた。
ホルムアルデヒドの最高濃度は国産の1品の1リットル当たり59マイクログラム。アセトアルデヒドは米国産の同260マイクログラム。いずれも同市の水道水の実測値(ホルムアルデヒド13マイクログラム、アセトアルデヒド3.1マイクログラム)を上回った。
日本ではミネラルウオーターは清涼飲料水に分類され、食品衛生法で規格基準が定められているが、アルデヒド類の基準はない。一方、水道水には水質基準を補う監視項目としてホルムアルデヒド(ホルマリン)があり、指針値(これを超えないように監視する)は1リットル当たり80マイクログラムとなっている。
混入の原因は、水源か製造の過程が考えられるが、同研究所は「はっきりしない」としている。容器の材質との関連性は認められなかった。
ホルムアルデヒドは疫学調査で発がん性が確認されており、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因物質とされる。アセトアルデヒドは動物実験で発がん性が確認されている。【大島秀利、奥野敦史】▽化学物質の毒性に詳しい小野寺祐夫・東京理科大助教授(環境科学)の話 今回のデータでは、最も高濃度の製品でも人体への影響はない。しかし現在、国内ではミネラルウオーター中のアルデヒド類を検査する体制がなく、より高濃度の製品があるかもしれないし、それを飲み続けた時の影響は予測できない。早急に基準を決め、検査体制を作るべきだ。
▽国内約380社のミネラルウオーターメーカーのうち53社が加盟する日本ミネラルウォーター協会の話 具体的な製品名が分からないので、コメント出来ない。ただ、協会の加盟社には、現行の水道水の水質基準とほぼ同じ内容の自主的管理基準を課している。
▽厚労省食品保健部基準課の話 初めて聞いた話なので、詳しいコメントはできない。ただ、ミネラルウオーターは、元々きれいな水源の水という前提の商品で、国際的な基準に合わせて水道水よりは水質項目が少なく設定されていた。現在、改定中で、今夏以降、新基準が作られる。アルデヒド類の扱いは、未定だ。(毎日新聞 2003/04/20)
お茶成分が細菌感染症を撃退
緑茶や紅茶、ウーロン茶などに含まれる「L−テアニン」という物質が体内の免疫能を高め、細菌感染をうまく撃退させることが「全米科学アカデミー会報」4月21−25日号掲載の研究で明らかになった。L−テアニンが体内で分解されて「アルキルアミン」と呼ばれる抗原となり、感染と戦うための抗体を産生するという。
研究では、この抗原が免疫系の1つであるガンマ・デルタT細胞に及ぼす影響について検討。T細胞をアルキルアミン抗原に曝露させた後に細菌に曝露させたところ、感染と戦うインターフェロンを大量に産生した半面、抗原に曝露させなかったT細胞ではインターフェロンの産生が認められなかった。このことから、ガンマ・デルタT細胞はアルキルアミン抗原に反応性があり、また細胞自身“記憶力”を有し、次回からの細菌侵入を認識して戦うことが判明した。
さらに研究者らは、ブラックティーあるいはインスタントコーヒーいずれかを飲用させた2つのグループで比較検討した結果、「お茶」グループではインターフェロンが飲む前の5倍産生されていたのに対し、「コーヒー」グループでは産生量に変化はなかった。
今回の知見が、より多数の人における研究で実証されれば、お茶を飲むことで細菌が原因となる皮膚感染症、細菌性肺炎、食中毒を予防できる可能性がある。このアルキルアミン抗原はお茶以外にも、少量ではあるが赤ワインや白ワイン、リンゴ、マッシュルームなどにも含まれている。(日本経済新聞/HealthDayNews 2003/04/21)ビタミンD化合物が癌細胞死滅に効果
乳癌(がん)に対する放射線療法は、術前では腫瘍サイズを縮小する目的で、術後では腫瘍の再発を減らす目的でそれぞれ頻繁に行なわれるが、ビタミンD類似化合物を放射線療法に併用することにより、放射線単独で治療するよりも癌細胞がより多く死滅することが実験で明らかになった。
米国薬学誌「癌化学療法と薬理学(Cancer Chemotherapy and Pharmacology)」5月号に掲載された米バージニア・コモンウェルス大学の研究によると、培養した乳癌細胞に低用量放射線を照射する前に、通常量のビタミンD類似化合物で処置したところ、放射線の治療効果が高まることが確認された。実際、ビタミンD類似化合物の働きにより癌細胞数は放射線単独の場合に比べ30%近く減少し、また新しい癌細胞の増殖阻止に3倍の効果を発揮した。
ビタミンDの大量投与は細胞毒性となるため、研究者らは天然ビタミンDに修飾を施し毒性を軽減させた。また放射線を低用量で照射したため、併用による正常細胞に対する毒性は認められなかったが、あくまでも培養細胞での結果であり、臨床応用に当たっては注意を要すると共同研究者のGewirtz教授は指摘している。現在、米国ではビタミンD類似化合物のヒトでの臨床試験はまだ行われていない。
同教授は近く論文で、マウスでの研究で同じ結果が得られたことを発表する。また、この併用療法が放射線抵抗性の脳腫瘍や前立腺癌の治療にも効果が期待できることを示唆している。
今回の研究結果について、別の専門家は「ビタミンD化合物は癌細胞に対する放射線の増感剤となり、そのことが殺傷率を持続的に増大させる効果につながるようだ。今回の知見が臨床試験で立証されれば、癌患者にとって大きな利益になるだろう」とコメントしている。(日本経済新聞/HealthScout News 2003/04/23)肥満だとガン死の割合が高い──90万人調査
米ガン協会(American Cancer Society)が行った調査によると、男女とも肥満しているほどガンで死亡する割合が高いことがわかった。特に、極端な肥満男性ではガン死の割合が一般より52%高く、極端な肥満女性では62%も高いという。
これは、同協会が1982年から98年にかけて、90万人の米国人を追跡調査した結果わかったもの。
肥満になると、心臓病、糖尿病などにかかるリスクが高いことは以前からいわれていたが、今度はこれにガンが加わったわけで、関係者はいまや肥満を減らすために抜本的な対策が必要だと主張している。
調査によると肥満度が最も高い女性では、子宮ガンで死亡する割合が、一般の6倍で、乳ガン、子宮頸ガン、卵巣ガンで死亡する割合も、非常に高いという。肥満度が最も高い男性の場合は、肝臓ガンで死亡する割合が一般の4倍で、前立腺ガン、胃ガンで死亡するケースも非常に多かった。(日経ヘルス 2003/05/02)ウーロン茶で心臓病予防 科学的に立証 大阪市大・吉川教授
ウ一口ン茶を飲み続けると心臓病を予防する効果があることが大阪市立大大学院の吉川純一教授(循環器病)の臨床実験で裏付けられた。吉川教授は「ウ一口ン茶には多くの効能があるとされているが、科学的に立証した例は少ない」とし、近く欧米の科学誌などに論文を寄稿する。
吉川教授は、大阪府堺市内の病院に入院する心臓冠動脈疾患の患者22人に毎日1リットルのウ一口ン茶を1カ月続けて飲んでもらい、肥満細胞から分泌されるタンパク質「アディポネクチン」の数値を測定した。
アディポネクチンの血中濃度が下がると糖尿病や動脈硬化になりやすいとされ、冠動脈疾患の患者の場合、数値が下がると死亡率が高くなる。
被験者は試験開始時、血液1ミリリットル中のアディポネクチンの平均値が健康な人の半分程度の6.26マイクログラムだったが、ウ一口ン茶を飲み続けて1カ月後、22人の数値は平均で0.6マイクログラム上昇。飲用をやめるといずれも数値が下がったという。
吉川教授は「ウ一口ン茶にはアディポネクチンの数値を上昇させる効果があることが分かった。冠動脈疾患患者でこうした効果が得られたということは、心筋梗塞(こうそく)の予防にも効果があるということだ」と結論付けた。
しかし、ウ一口ン茶のどのような成分が効果を生むのかはまだ分かっておらず、吉川教授は「成分の分析は今後の研究課題。研究結果が現代人の抱える健康問題に役立てばいい」と話している。(中日新聞 2003/05/09)母乳や涙の成分に鎮痛効果 鳥取大研究グループが解明
タンパク質の1つで、涙や母乳などに含まれるラクトフェリンが、モルヒネに近い鎮痛効果を持つことを、鳥取大農学部の原田悦守教授(獣医生理学)らのグループが動物実験で明らかにし、福岡市で開催中の日本栄養・食糧学会で18日、発表した。
鎮痛剤として一般的なモルヒネが吐き気や便秘などの強い副作用を持つのに対し、ラクトフェリンは今のところ副作用が確認されておらず、今後患者にやさしい鎮痛剤として実用化できる可能性が出てきた。
原田教授らは、ラットの腹腔(ふくくう)内にラクトフェリンを投与。痛みを発生させるホルマリンを足裏に注射して調べたところ、ラットが痛みで足を振る回数が、ラクトフェリンを投与しなかった場合の約6割にとどまった。(共同通信 2003/05/18)マヨネーズ:Q熱の遺伝子を確認 健康への影響不明 金沢大
金沢大学遺伝子研究施設長の山口和男教授(遺伝子学)は19日、市販されている4メーカーのマヨネーズから感染症「Q熱」の病原体・コクシエラ菌の遺伝子を確認したと発表した。山口教授は「病原体の生死は分からない。直ちに健康に影響があるとはいえない」としている。厚生労働省監視安全課は「流通の実態から見ても危険とは言えない」と話している。
Q熱はインフルエンザに似た症状でほとんどは数週間で回復するが、死亡するケースもある。明確な治療法が確立しておらず、感染経路もよく分かっていない。
山口教授は民間の人獣共通感染予防医学研究所(富山県)と共同で研究し、金沢市内の小売店で購入したマヨネーズ計15検体を調べた。うち、Q熱の遺伝子が確認された4検体についてさらにPCR増殖法と呼ばれる方法で調べたという。全国マヨネーズ協会(東京)の話 Q熱の専門家の指導を受け検査したが、原料の卵からは検出されていない。マヨネーズからの感染の事例は国内外でも報告されていない。検出方法を公開し、学会に報告して広く意見を聞くべきだ。【浜本年弘、平本泰章】(毎日新聞 2003/05/19)
糖尿病に漫才が効く!? “笑い”で血糖値が大幅に低下
国際科学振興財団の「心と遺伝子研究会」(代表=村上和雄筑波大学名誉教授)は、糖尿病患者に漫才を見せ、笑ったあとに血糖値を計測するユニークな実験を行った。その結果、笑いによって血糖値が大幅に低下することが実証された。“笑い”のある・なしで血糖値に大きな差
この実験が行われたのは、2003年2月11日と12日。笑いのエンターテイメント企業、吉本興業の協力によって実現した。
被験者になったのは、つくば市周辺に住む中高年の2型糖尿病(注参照)患者21人で、2日とも昼食をとって2時間後に血糖値を測定した。ただし、1日目は測定の1時間前から、糖尿病のメカニズムに関するつまらない講義を聴いてもらい、2日目は吉本興業所属の漫才コンビB&Bのステージを見せ、思う存分笑ってもらった。
その結果、21人の食後血糖値(食後2時間)と空腹時血糖値との差は、講義を聞いた1日目が平均123mg/dlだったのに対し、漫才を見た2日目は平均77mg/dl。46mg/dlもの大きな差は、予想をはるかに超えるもので、被験者である糖尿病の患者たちも、実験にかかわった糖尿病の専門医も驚きを隠せなかったという。笑いや感動が眠っているよい遺伝子をオンにする
「心と遺伝子研究会」代表の村上和雄氏は、「この実験から、“笑い”によって多くのよい遺伝子のスイッチがオンになる、という世界で最初の結果が得られた」と語る。
「遺伝子には、世代を超えて情報を伝達するという大切なはたらきがあります。しかし、私たちの体内で生命の維持に必要な物質をつくりだしているという、もう1つのはたらきについては、意外に知られていません。遺伝子は、いわばからだの司令官で、血糖値のコントロールにも密接にかかわっているのです」と村上氏。
近年、遺伝子についての研究が急激に進み、膨大な遺伝子のうち、実際に活動している遺伝子がせいぜい10%程度で残りは眠ったままであること、さらに、眠っている遺伝子が周囲の環境や外からの刺激によって目を覚ますということが明らかになった。
「つまり、よい遺伝子のスイッチをオンにできれば、私たちの可能性は飛躍的に向上するということです」(村上氏)2型糖尿病の発症メカニズム解明につながる可能性も
今回の実験では、一般の学生を被験者とし、実際に、どの遺伝子がスイッチオンになり、どの程度活動したのかということも解析中で、近々結果がでる。また、糖尿病の人を被験者にして同じ実験を行う準備も進められているという。その後も、血糖値の低下の持続性を調べる実験などを続け、データを積み重ねていく予定だ。
「こうした研究は、まだ明らかになっていない2型糖尿病の発症メカニズムの解明や、“笑い”による新たな治療法につながる可能性があります。高血圧やがんなど、ほかの生活習慣病についても“笑い”の効果を調べていきたいですね」と村上氏。
「“笑い”や“喜び”“感動”などによって眠っているよい遺伝子を目覚めさせることができれば、どんな人でも隠れた能力が開発され、可能性が何倍にも広がっていくのだということを研究をとおして示していきたい」と、熱く語る。<2型糖尿病> 遺伝的素因に過食や運動不足などの生活習慣が加わって誘因になるとされるが、発病のメカニズムについては明らかになっていない。糖尿病全体の9割以上を占め、インスリン非依存型糖尿病ともいう。
<心と遺伝子研究会> 20年以上にわたって遺伝子研究を続けてきた村上氏には、7〜8年前から、「“笑い”“喜び”“感動”など、(その人の)思いが遺伝子のはたらき(オン・オフ)を変える」という経験に基づく確信があったという。そして、その仮説を科学的に証明する目的で、2002年8月に立ち上げたのが、「心と遺伝子研究会」である。笑いによって血糖値が大幅に下がったという今回の実験結果は、自らの仮説を裏づける結果となった。(朝日新聞 2003/05/20)
アルコール依存症の特効薬見つかる
てんかんの発作を抑える薬として販売されている「トピラメイト」(topiramate)という薬をヘビードリンカーに与えたところ、飲酒を完全にストップするか、飲んでも量を大きく減らす効果があったという報告があった。
発表したのは、テキサス大学サンアントニオ校の精神科医、バンコール・ジョンソン博士ら。ヘビードリンカー150人を対象に、商品名「トパマックス」(Topamax)で販売されているトピラメイトを与えたグループと、偽薬を与えたグループに分けて比べた。両グループの全員には、あらかじめ飲酒についてのカウンセリングを行った。
試験のスタート時点では、トピラメイトを飲むことになるグループではアルコールを1日平均9.59杯飲んでいたが、3カ月後には1日平均1.5杯しか飲まなくなっていた。偽薬を飲んだ場合とも比較が行われ、トピラメイトを飲むと偽薬と比べて、飲酒量を減らす効果が4倍、完全禁酒の効果が8倍だった。(日経ヘルス 2003/05/20)仏教徒は穏やかで幸せ──脳をスキャンしてわかる
英科学誌「ニューサイエンティスト」が、伝えたところによると、修行経験が豊かな仏教徒は、気持ちが穏やかで、いつも幸福感に浸っていることが、脳をスキャンする新しいテクニックを使って、判明したという。
仏教徒の脳を調べたのは、ウイスコンシン大学マディソン校の科学者たちで、脳をスキャンして非常に活発になるのは、前部前頭葉のある部分で、ここが感情や、自己抑制、気質に関係している領域であるとわかった。ここが活発ということは、静穏な心を持ちながら、何事にも前向きに対処して、幸福感に満ちた生き方をしていることを示している、という。
また、カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学センターのポール・エクマンらは、やはり脳をスキャンして、経験豊かな仏教徒は、瞑想することによって、恐怖や攻撃に関する感情を司る扁桃核を巧みになだめており、ショックを受けたり、いらいらしたり、驚いたり、怒ったりすることが少ないことがわかったと報告している。(日経ヘルス 2003/05/27)ピロリ菌退治にブロッコリー効果 米仏グループ発表
野菜のブロッコリーに含まれる物質に、胃潰瘍や胃癌の主な原因と疑われるヘリコバクター・ピロリ菌を殺す作用があることを、米ジョンズホプキンズ大と仏科学研究センターのグループが突き止め、全米科学アカデミー紀要28日号に発表した。
『スルフォラファン』と呼ばれる化学物質で、ブロッコリー、とくに新芽のブロッコリーに多く含まれる。ピロリ菌を殺す作用は体外の実験で確かめられたもので、ブロッコリーをどの程度の量食べれば胃の中の菌がなくなるかなどは、今後の課題という。
研究チームによると、ピロリ菌はアジアや中南米、アフリカなどの一部地域では8割以上の人たちの胃で見つかる。日本でも成人の保有率は5割を超えるとされ、とくに中高年者でその割合が高い。
抗生物質による除菌も試みられているが、抗生物質が入手しにくい国々があるうえ、有用な菌まで殺してしまう問題点が指摘されている。(朝日新聞 2003/05/28)みそのがん抑制効果を解明 崇城大教授ら 肺では最大93%
みそに含まれる脂肪酸類が、がん細胞の増殖を最大で93%抑制することが、崇城大(熊本市)と熊本県菊陽町のみそメーカー、山内本店(山内彰雄社長)の共同研究で分かった。みそのがん抑制の仕組みを科学的に裏付けたのは初めてという。6月2日に東京で開かれるがん分子標的治療研究会総会で発表する。
同大工学部の上岡龍一教授(応用生命科学)は、みそに含まれるリノレン酸などの脂肪酸類にがん抑制に効くとされる抗酸化作用がある点に着目。みそから抽出した6種類の脂肪酸類に大豆から取り出したレシチンを加え、ヒトの胃がんと肺がんの細胞に投与した。その結果、胃がんでは72%、肺がんでは93%、細胞の増殖を抑制することができたという。
上岡教授は「脂肪酸類はレシチンの働きでがん細胞に到達しやすくなり、抑制効果を発揮できたと考えられる」と分析。みその成分を生かして、がんの予防薬や治療薬を開発することも期待できるとしている。
山内社長も「みそは消化吸収されやすいので、みそ汁を食べることで実験と同じことが人体でも起きている可能性が高い」と話している。(共同)(京都新聞 2003/05/29)歯周病予防や症状改善 ビタミンCや乳酸菌で
歯を失う最大の原因となっているのが歯周病。歯槽膿漏(のうろう)とも呼ばれ、程度の差はあるが、成人の7―8割はかかっているいわれる。
発症にはその人の生活習慣が密接に関係しているため、日々の生活の中で予防や症状の改善ができることが望ましい。こうした点から、ビタミンC入り歯磨き剤や乳酸菌タブレットが注目されている。▽欠かせないセルフケア
歯周病は、ほとんどが痛みなどの自覚症状が乏しく、気づいたときは歯がぐらぐらして抜ける寸前だったということも多い。
歯周病が専門の日本歯科大の鴨井久一教授は「歯周病はセルフケアが欠かせない」と指摘する。歯磨き剤などで予防できれば一番望ましいわけだ。
ビタミンCは、歯肉からの出血を抑える作用のあることが分かっていたが、水溶性であるため歯磨き剤に入れておくことが難しかった。しかし、最近、その問題が解決され、ビタミンC入りの歯磨き剤が開発されたという。
鴨井教授らが東京歯科大のグループと協力してビタミンC入り歯磨き剤の効果を調べたデータがある。
軽度の歯周病と診断された44人を(1)ビタミンCと薬効成分の入った歯磨き剤を使用(2)薬効成分だけの歯磨き剤を使用(3)すべての薬効成分を除いた歯磨き剤を使用―の3群 に分け、4週間、1日2回以上の歯磨きをしてもらった。
その結果、歯磨き時の出血がビタミンC入り歯磨き剤を使った群は平均で初診時を100とすると、4週間後には30程度まで改善。薬効成分だけの歯磨き剤やすべての薬効成分を除いた歯磨き剤の群は、あまり改善が見られなかった。
また、歯肉の炎症でも4週間後には、ビタミンC入り歯磨きのグループが明らかに改善していることが確認されたという。▽治療にも期待
歯周病の症状改善では、乳酸菌LS1も効果があるとされており、虫歯や口臭も防ぐようだ。
日本プロバイオティクス学会(理事長、古賀泰裕東海大医学部教授)は、ボランティア7人にこのタブレットを1回5粒、1日3―5回服用してもらい、効果を調べた。すると、服用半年後には歯周ポケット(歯と歯茎の間のすき間)の歯周病原因菌の数が、100分の1に減少していたことが確認された。
同学会は「乳酸菌LS1で、歯周病の予防だけでなく治療にも一定の効果が期待できるのではないか」と説明している。
ビタミンC入り歯磨きは「デントウェル薬用VC」(大正製薬)、乳酸菌タブレットは「クリッシュ」(フレンテ社)として製品化されている。(共同通信 2003/06/03)運動不足だと、危険な脂肪が内臓につく
運動をせずに過すと、単に太るとか、体重が増えるなど、外見上の肥満だけでなく、外部からは見えないが、最も危険な、内臓脂肪がどんどん増えることがわかった。
研究したのは、デューク大学(ノースカロライナ州)のクリス・スレンツら。研究者らは、170人にボランティアを4つのグループに分けた。
第1のグループには、全く運動をさせなかった。そして、第2のグループには中程度の運動(1週間にウオーキング18キロに相当)を、第3のグループには強い運動を少量(1週間にジョギング18キロに相当)、第4のグループには強い運動をたくさん(1週間にジョギング28キロに相当)やらせた。
こうして、8カ月間経過を見てから内臓についた脂肪を測定したところ、全く運動をさせなかった第1グループでは、平均8.6%増加していた。これに対して、強い運動を多量にやらせた第4のグル−プでは、平均8.1%減っていた。他のグル−プはその中間だった。
研究リーダーのスレンツ氏は、「運動をしないと、腹部の内臓にいかに早く脂肪が蓄積するかがよくわかった。これには、研究者自身が驚いている。内臓に脂肪が蓄積すると、糖尿病の引き金となるインスリン抵抗性が増大するなど、健康への害は大きい。座り放しのライフスタイルは早く止めて、すぐにも運動するべきだ」と述べている。(日経ヘルス 2003/06/09)心臓発作の患者を低温に保つ、低体温療法が有効
米心臓協会(American Heart Association)のビネイ・ナドカニ博士(緊急治療委員会議長)によると、心臓発作などで緊急に病院の担ぎ込まれた患者を、すぐに摂氏32〜33度に冷やすという低体温療法が、近いうちに各地の緊急治療室で普通に行われるようになるだろうという。患者を低体温状態に置くと、発作による脳障害などの後遺症を少なくさせる効果があるというのだ。
通常、心臓発作を起こした患者の3分の1は、心臓機能を回復するが、その9割は脳に障害を残すといわれている。オーストリアとオーストラリアで行われた試験では、患者の体をすぐに華氏91度から92度(摂氏32.7度から33.3度)に冷やすと、脳障害の後遺症を著しく減らす効果があったという。
また、5月末にボストンで開かれた米緊急医療学会で、ピッツバーグ大学医学部のクリフトン・キャラウエー博士は、イヌを使った実験で、この低体温処置が非常に有効であることを証明したと発表した。キャラウエー博士によると、低温に置くことによって、脳内に傷を修復するような化学物質が放出されるのだという。(日経ヘルス 2003/06/10)運動せずに脂肪燃やす 開発のカギ、細胞の仕組みを発見
運動しなくても脂肪を燃やす薬を開発するカギとなる細胞の仕組みを、東京大学の門脇孝・助教授、山内敏正医師(糖尿病代謝内科学)らが明らかにし、12日発行の英科学誌ネイチャーに発表した。重度肥満による糖尿病の治療につなげたいとしている。
見つけたのは、ホルモンの「アディポネクチン」が結びつく細胞の受容体。両者が結合すると、脂肪の分解を促進する酵素が活発になる。
アディポネクチンを生体に投与するには、注射で直接、血液中に入れる必要がある。このため同グループは、治療に使いやすい飲み薬として体内に入ったとき、同様の働きをする物質を開発中。結合相手の受容体を発見したことで、研究が大きく進むと期待している。
門脇助教授は「糖尿病の中で肥満が原因のものは、食事療法と運動が重要。だが肥満の人は、ひざに負担がかかって運動できない場合も少なくない。そうした人たちのために、運動しなくても脂肪を燃やす薬を開発したい」と話している。(朝日新聞 2003/06/12)飲むだけで糖尿病に効く!? たんぱく質発見、新薬に期待
血糖値を下げ、脂肪を燃焼させる特殊なたんぱく質を、東大病院の門脇孝・助教授と山内敏正医師の研究グループが見つけた。飲むだけで糖尿病を改善するような画期的な新薬開発に結びつく可能性もある成果で、12日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載される。
肥満が原因で起こる2型糖尿病は、血糖値を下げるホルモン(インスリン)がうまく働かなくなり、血糖値が下がりにくくなる。こうした糖尿病のマウスに、「アディポネクチン」という別のホルモンを投与すると、糖尿病が改善することはわかっていた。
門脇助教授らは、人の筋肉や肝臓にあるたんぱく質を調べ、アディポネクチンと結びついて血糖値を下げ、脂肪を燃やし、動脈硬化を予防する働きを行っているたんぱく質を見つけた。このたんぱく質は細胞の表面にある受容体の一種。
門脇助教授は「このたんぱく質を飲み薬などでうまく働かせることができれば、つらい運動や食事制限をせずに、糖尿病を治療できる可能性が高い」と話している。(読売新聞 2003/06/12)抗がん剤の効き目、遺伝子異常で予測 札幌医大グループ
抗がん剤を使う前に効くかどうか予測する目安となる遺伝子異常を、札幌医科大の豊田実・助手(第1内科)と同大付属がん研究所のグループが突き止めた。患者1人ひとりのがんの特徴を見分けて薬を選ぶオーダーメード治療につながる研究で、近く米科学アカデミー紀要に掲載される。
抗がん剤の効果は患者によって異なる。抗がん剤はふつう、正常細胞にも影響を及ぼし、下痢や骨髄の働きの低下などの副作用が出る。効かない患者には副作用だけが出ることになるので、事前に調べて抗がん剤を選択しようという研究が進んでいる。
グループは、大腸がんや口腔(こうくう)がんなどの患者160人のがん組織を対象に、ある抗がん剤が効いたがんと、効かなかったがんの違いを分析した。
その結果、効いたがん細胞では「Chfr」という、細胞分裂をチェックする遺伝子に異常が起きていた。
また、この異常のあるがん細胞に、抗がん剤が効くかどうか試したところ、がん細胞は死滅したという。
豊田さんは「異常に応じて抗がん剤を選択すれば効果的な治療が可能となる。異常を分析する方法も研究中で近く特許申請したい」と話す。(朝日新聞 2003/06/13)アルツハイマー病:予防に効果、新ワクチン開発
アルツハイマー病の治療や予防に劇的な効果が期待できる新しいワクチンを、国立療養所中部病院・長寿医療研究センター(愛知県大府市)の原英夫研究員(45)=神経内科=らが開発した。現在はまだマウスを使った実験段階だが、副作用は確認されていないという。名古屋市で18日に開幕する日本老年学会総会で発表される。
アルツハイマー病は、脳の中に無数の老人斑ができる。老人斑には「ベータアミロイド」というたんぱく質が蓄積し、病気を引き起こす原因とされている。今回開発したワクチンでは、このたんぱく質の主成分(ペプチド)を生産する遺伝子組み換えウイルスを投与。すると体内で抗体が生まれ、このたんぱく質が分解されて老人斑が消えるという。アルツハイマー病のマウスに1回投与すると、脳の2.5%に及ぶ老人斑が10週間後、0.5%に減った。また、若いマウスに投与すると、老人斑が現れず発病が予防できた。
同じ原理で注射するタイプのワクチンは既に欧米で臨床試験が行われ、患者の4%が副作用で脳炎になる問題が生じ試験が中止されている。原研究員らは小腸から吸収される飲み薬タイプに改良、副作用を抑えられたという。ウイルスは体内に通常いる種類で害はなく、小腸で吸収されると、腸管の中で半年以上生き続けるため、薬効が長く持続する仕組み。年内にはサルで実験をし、安全性を確認した上で人への応用を目指す。
田平武・同センター長は「半年に1回飲むだけでぼけが予防できる新薬も夢ではない」と話している。【山田大輔】(毎日新聞 2003/06/17)速足ほど低い死亡率…米の糖尿病男性調査
糖尿病の大半を占める2型の糖尿病患者では、日ごろ速足で歩いている男性の方が、ゆっくり歩いている男性より死亡率が低いことが、米ハーバード大チームの研究でわかり、米医学誌に発表された。糖尿病患者の身体活動と死亡率との関連を詳しく分析した研究は、これまでほとんどなかったという。
糖尿病と診断された30歳以上の男性3058人の協力で、体を動かすことと死亡率との関係を探った。調査は14年間に及び、この間に355人が亡くなった。
飲酒や喫煙など生活習慣も含めて死因に関係する要因を考慮したうえで、歩く速さを「ゆっくり歩く」グループから「非常に速足で歩く」グループまで4群に分けて調査。その結果、最もゆっくり歩くグループに比べ、一番速足のグループの死亡率は、半分以下だった。
歩いた時間も関係があるのではないかについても分析したが、長く歩くほど死亡率が低くなるなどの関連性はなかった。
同様に、歩行と、心筋こうそくなど冠動脈の病気の発生率との関連も調べたところ、歩行が速いほど病気が起きにくいという結果が出た。一番速く歩いたグループの発生率は、最もゆっくり歩いたグループの5分の1以下だった。(読売新聞 2003/06/17)乳がん:みそ汁1日3杯以上飲んでいた人 発生率40%低く
みそ汁や豆腐など複数の大豆食品を毎食、食べる人は、ほとんど摂取しない人に比べて、乳がんの発生率がほぼ半分になることが、約2万人を対象にした厚生労働省研究班の大規模調査で分かった。大豆が乳がん予防効果を持つ可能性が高まったといえる。17日発行の米国立がん研究所誌(電子版)に掲載された。
90年から10年間、岩手県、秋田県、長野県、沖縄県の4地域に住む40〜59歳の女性2万1852人を追跡調査した。
その結果、みそ汁を飲むのが1日1杯以下の人で乳がんを発症した人の割合は年間0.098%だったのに対し、1日3杯以上飲んでいた人は年間0.057%と、発生率は40%低かった。また、豆腐や納豆を毎日食べる人は、食べない人に比べ乳がんの発生率が19%低かった。
大豆には植物性ホルモンの「イソフラボン」が含まれ、これに乳がん防止の効果があるとみられる。研究班が調査結果をもとにイソフラボンの摂取量を計算したところ、1日25ミリグラム(複数の大豆食品を毎食食べる)摂取する人は、同7ミリグラム(大豆食品をほとんど食べない)の人に比べて発生率が54%低かった。
研究班の山本精一郎・国立がんセンター研究員(がん疫学)は「みそ汁だけだと塩分の取り過ぎになり、高血圧などにつながる。日本の伝統食品である大豆製品をバランス良く取ることを提案したい」と話す。【田中泰義】(毎日新聞 2003/06/18)痴ほう・パーキンソン病予防にカルシウムと運動が有効
海藻や牛乳などカルシウムが豊富な食事や日々の運動が、パーキンソン病や痴ほう症の治療や予防に役立つことを筑波大医学系の須藤伝悦(でんえつ)博士らが動物実験で初めて明らかにした。生活習慣の大切さが改めて注目されそうだ。
手足のふるえや筋肉硬直などが特徴のパーキンソン病や、痴ほう症のうちでパーキンソン病に似たDLB型、高血圧症、てんかん症などは、脳内の情報伝達に使われる物質の一種ドーパミンが減ってしまうことがその一因になっている。
須藤博士らはネズミを使った実験で、餌として摂取したカルシウムが、脳内のドーパミン合成を実際に促進する仕組みを突き止めた。また、毎日の運動で、体内のカルシウム代謝が活発化し、骨の中のカルシウムが血流を通じて脳に供給され、ドーパミンが増えることも分かった。
海外では近年、山歩きや散歩、ストレッチなどの運動を1か月程度続けると、パーキンソン病や痴ほう症が改善したとする報告が増えている。また約4300人を追跡調査した海外の研究では、運動習慣がある人は、ない人に比べて痴ほう症になる割合が半分程度だった。(読売新聞 2003/06/24)発見!「アシタバ」に糖尿病を防ぐ成分
血糖値低下させる成分豊富、タカラバイオが製品化
バイオ事業を手掛けるタカラバイオ(大津市)は、アシタバ(明日葉)に血糖値を低下させる物質が豊富に含まれていることを発見した。同社によると発見は世界初で、糖尿病治療に有効という。
同社は今年秋には錠剤の健康食品として発売し、さらに新薬開発につなげたいとしている。
アシタバはセリ科の多年草で太平洋岸に自生。便秘や疲労回復などに効用があるとされる。
同社によると、マウスの細胞実験で、アシタバの中に血液中の糖を取り込む脂肪細胞を増やす物質が見つかった。糖尿病の合併症である白内障などを防ぐ黄色色素フラボノイドの一種も含まれていたという。
系列の「タカラバイオファーミングセンター」が鹿児島県・屋久島と同県大崎町で既に栽培を開始。効率よく物質を抽出する製法も確立し、同町で9月操業開始予定の加工工場で製品化する。(ZAKZAK 2003/06/24)「文化系」の趣味を持つ高齢者はボケにくい──米調査
75歳以上の高齢者500人を20年間追跡した米国の調査で、読書やチェス、楽器演奏など「文化系」の趣味を持つ人は、そうした趣味を持たない人よりも痴呆になりにくいことがわかった。一方、散歩や水泳などの「運動系」の趣味の有無は、痴呆になるかどうかとは無関係だったという。研究結果は、New England Journal of Medicine(NEJM)誌6月19日号に掲載された。
調査の対象は、75〜85歳で老人ホームなどには入居しておらず、知能も正常範囲の男女469人。研究グループは、対象者がどのような趣味を持っているかを調べ、趣味を大きく「文化系」(知的活動性)と「運動系」(身体活動性)に分けて、趣味が痴呆の発症にどう関与しているかを検討した。
亡くなるまでに124人が痴呆になったが、「文化系」「運動系」の趣味の数と週当たりの頻度で趣味活動をスコア化すると、痴呆になった人では文化系の趣味活動スコアが明らかに低いことが判明。ただし、痴呆になった人の方がより高齢で、調査を開始した時のIQも低いなど、痴呆へのなりやすさにもやや差があった。
そこで研究グループは、年齢や性別、調査開始時のIQ、最終学歴、高血圧などほかの病気の有無など、痴呆の発症に影響を与えそうな因子でデータを補正。改めて比較すると、「文化系」の趣味活動スコアが1点高くなるごとに、痴呆発症率が7%低くなる計算になった。一方、「運動系」の趣味活動スコアと痴呆発症率とは、影響を与えそうな因子で補正した後も、何の関係もみられなかった。
以上から研究グループは、文化系の趣味を持つ高齢者は、痴呆になりにくい可能性があると結論。もともと文化系の趣味を持たない人でも、文化系の趣味を生活に取り入れることで痴呆を予防できるかどうか、臨床試験を行って調べるべきだと提言している。
この論文のタイトルは、「Leisure Activities and the Risk of Dementia in the Elderly」。(内山郁子)(日経BP MedWave 2003/06/26)飲み過ぎはC型肝炎のもと 米研究チームが確認
米国立保健研究所(NIH)は26日、お酒の飲み過ぎのせいでC型肝炎を発病したり、病状が悪化したりするメカニズムが、実験で確かめられたと発表した。
米ペンシルベニア大などのチームがNIHの支援で実験した。
C型肝炎ウイルスに感染したヒト肝細胞にアルコールを加えたところ、特殊なたんぱく質の遺伝子が活性化。このたんぱく質が肝炎ウイルスの複製を促すため、肝炎ウイルスの量が増えていくことが分かった。
C型肝炎の治療に使われるインターフェロンの働きをアルコールが妨げることも確かめられた。
C型肝炎ウイルスは血液や体液で感染し、慢性化して肝硬変、肝がんへ進む場合がある。NIHによると、患者の中に酒豪が少なくないことが、経験的に知られている。
研究チームは「アルコールはC型肝炎の進行をうながし、発病後には治療を難しくする」と深酒を戒めている。(朝日新聞 2003/06/27)食品をとる形でピロリ菌駆除 抗生物質いらず
胃に住みつき、胃かいようの原因となるピロリ菌を効果的に除去する抗体を、ニワトリの卵を使って作り出すことに、松下記念病院(大阪府守口市)の山根哲郎外科部長と韓国・高麗大大学院の金武祚(キムムジョ)生命工学院教授の共同研究グループが成功した。
この抗体は、粉末や液体として保存でき、ヨーグルトに添加して継続的に摂取した結果、菌の数が半減したという。
山根外科部長らは、鳥類の抗体は主に卵黄に含まれていることに着目。ピロリ菌の抗原をニワトリに注射したところ、3か月後、抗体を含む卵を産むようになった。この卵黄を遠心分離器にかけて抗体成分だけ取り出し、液体や粉末に加工した。この抗体を含む卵黄液2グラムをヨーグルト120グラムに混ぜ、韓国と日本の計約120人に1日2回、3か月間摂取してもらった。その結果、平均してピロリ菌が半減、10分の1に減った人もいた。
厚生労働省の研究班長として胃かいよう治療の診療指針をまとめた菅野健太郎自治医大教授は「抗生物質には副作用もあり、体質的に治療できない人もいる。食品をとる形での菌駆除が確立すれば、素晴らしい」としている。◇ [抗体]体内に侵入した細菌やウイルスといった病原体(抗原)を無毒化するため、血液中に作られる特殊なたんぱく質。哺乳(ほにゅう)類は母乳、鳥類は主に卵黄に含まれており、親から子へ受け継がれる。(読売新聞 2003/06/28)
胃粘液の糖鎖が増殖抑制 胃がんを起こすピロリ菌
胃がんや胃かいようを引き起こすとされるヘリコバクター・ピロリ菌の増殖が、胃の粘液中にある生体の働きを調整する糖鎖という物質によって抑えられることを、信州大医学部の川久保雅友研究員らのグループが発見し、27日、長野県松本市で開かれた日本ヘリコバクター学会で発表した。
この糖鎖を利用することで、ピロリ菌除去用の新薬開発につながる可能性があるという。
川久保研究員によると、胃の粘液は分泌部位の違いから「表層粘液」とピロリ菌がほとんどいない「腺粘液」に分かれる。
研究グループは、腺粘液だけに「α型N―アセチルグルコサミン」を含む糖鎖があることに着目した。
遺伝子工学でα型N―アセチルグルコサミンを含む腺粘液と含まない腺粘液を作り試験管内で実験した結果、α型N―アセチルグルコサミンを含む腺粘液中では、ピロリ菌が変形したり、菌のべん毛が短くなり増殖が抑制されることを確認できたという。
ピロリ菌は人間の胃の中にすみつく細菌。べん毛を動かして粘膜の下に潜り込み、胃がんなどを引き起こすと考えられている。(共同通信 2003/06/30)抗生物質の代替として期待されるバクテリオファージ療法
(WIRED NEWS 2003/07/04)心臓病予防 ビタミン剤効果なし
心臓病予防などに効果があるとして広く使われているビタミンEや、体内でビタミンAに変わるβ(ベータ)―カロチンの錠剤は、心臓病予防に効果がないことが、米国の研究チームの大規模な調査解析で分かった。ビタミンEの錠剤を飲んでも、こうした病気になる率が変わらなかったほか、β―カロチン錠剤を飲み続けた場合は逆に、心臓病の危険性、死亡率はわずかながら上昇したという。研究結果は英医学誌「ランセット」に掲載された。
研究チームは、ビタミンEについては、計8万1788人を対象にした7つの大規模調査を、β―カロチンについても同様に計13万8113人を対象にした、8つの大規模調査を解析した。それぞれ、1―12年間、死亡率などを追跡した。
この結果、ビタミンEを飲んでいる人と、偽薬を飲んでいる人とを比べたところ、死亡率、心臓病の危険性ともに変わらなかった。しかし、β―カロチンを日常的に飲んでいる人と、偽薬を飲んでいる人とを比べたところ、β―カロチンを飲んでいる人の方が0.4%全体の死亡率が高く、心臓病で死亡する率も0.3%高かった。研究チームは「β―カロチンやビタミンA、ビタミンEの錠剤を健康のために飲み続けることは、お勧めしない」と結論づけている。(読売新聞 2003/07/08)ストレスが続くと病気になりやすくなる
常時ストレスが強い生活を強いられていると、血中に「インタ−ロイキン6」(Interleukin-6 )が急速に増え、これが体を病気になりすくしているということがわかった。
報告したのは、米オハイオ州立大学のジャニス・キーコルトグレーサー教授(心理学、精神医学)で、彼女らの研究チームはこんな研究を行った。夫、または妻が痴呆症にかかったために介護を強いられている人119人を対象に、介護ストレスのない暮らしをいている人と比べてみた。その結果、介護ストレスが強い人たちの血液中には、血液内の細胞がつくりだす物質の1つであるインターロイキン6が極端に増加していることがわかった。インターロイキン6は、これまでの研究により、心臓病、関節症、骨粗しょう(鬆)症、糖尿病(タイプ2)、ある種のガンと関連があることがわかっている。
血中の高濃度のインターロイキン6は、介護していた配偶者が死亡して、介護の必要がなくなったあとも、少なくとも3年間は、高濃度のままの状態が続いていた。
「夫、または、妻の介護に当たっている人は、常に、自分自身が病気で倒れる危険がある。近縁者や医療関係者は気をつけてほしい」と研究者たちは警告している。(日経ヘルス 2003/07/10)大豆食品に乳がん予防効果
みそ汁や豆腐など大豆食品を多く食べる人は、乳がんの発症率が低いことが、約2万人の女性を対象にした厚生労働省研究班の調査でわかった。大豆に含まれる植物性ホルモン「イソフラボン」に、乳がんを予防する効果があるとみられる。
研究班は、1990年から10年間、岩手、秋田など4県に住む40―59歳の女性を対象に、乳がんの発症や生活スタイルなどを調べた。
年齢や家族の病歴など、がんにかかわる様々な要因を調整して分析したところ、みそ汁を1日3杯以上飲む人たちは、1杯以下しか飲まない人たちに比べて、乳がん発症率が42%低かった。また、大豆、豆腐、油揚げ、納豆をほとんど毎日食べる人も、ほとんど食べない人に比べて発症率が19%低かった。
乳がん患者は欧米に多く、日本などアジアでは比較的少ない。だが、日本でも都会では発生率が上昇傾向にあり、欧米型の食習慣への変化が影響しているとみられている。
研究班の山本精一郎・国立がんセンター研究員(がん疫学)は、日本の伝統的な食習慣の重要性を指摘したうえで、「みそ汁ばかり飲むと塩分の取りすぎになるので、バランスよい食事が大切」と話している。(読売新聞 2003/07/15)みそ汁にがん増殖抑制効果 米がん学会でニチモウ発表
水産関連商社のニチモウは14日、発酵させた大豆の抽出物に、乳がんや前立腺がんなどホルモン関連がんの成長を遅らせる効果があることを確認したと発表した。
米ハーバード大と共同研究し、先週末の米国がん学会で公表した。ニチモウでは「みそ汁を食べる頻度の高い人は乳がんにかかりにくいという研究も発表されており、大豆抽出物による予防効果が期待できる」としている。
大豆抽出物に含まれる抗菌成分のイソフラボンは、約98%が糖と結合しており、体に吸収されにくいという欠点がある。研究チームは酵素を使って、糖を除去したアグリコン型イソフラボンにすることで、細胞に入りやすくした。
実験では、がん細胞を培養したプレートを用意、このイソフラボンを塗布したところ、がん細胞の増殖が抑制された。ニチモウによると、みそに含まれるイソフラボンは、麹(こうじ)菌の働きでアグリコン型イソフラボンになっているが、豆腐や納豆のイソフラボンは糖と結合したままだという。
ニチモウはアグリコン型イソフラボンを主成分とする健康補助食品「イソラコン」を2001年6月から販売している。(中日新聞 2003/07/15)インターフェロン:抗がん遺伝子の活性化確認
インターフェロンが、がん細胞の増殖を抑制する遺伝子の働きを促すことが、東京大大学院の谷口維紹教授(免疫学)と高岡晃教講師らの研究で分かった。インターフェロンと抗がん剤の併用で、治療効果を落とさずに副作用の少ない治療の実現が期待される。17日の英科学誌「ネイチャー」電子版に発表された。
がんに対する一般的な放射線や抗がん剤の治療は、DNAに損傷を与えることで、がん細胞の増殖を抑制するp53遺伝子を活性化させる。
研究グループが実験で細胞にインターフェロンを与えたところ、p53の働きが活発化し、がん化が抑制された。さらに、ヒトの肝臓がんの細胞にインターフェロンを投与したところ、低量の抗がん剤の投与でも、がん細胞が死滅することが確認された。
インターフェロンは、ウイルス感染によって体内で生産されるたんぱく質。抗ウイルス効果があり、肝炎の治療などに使われている。抗がん作用も知られていたが、その仕組みはよく分かっていなかった。放射線や抗がん剤には白血球の減少や脱毛などの副作用があることが問題になっている。【足立旬子】(毎日新聞 2003/07/17)1日1食のトマト料理が心疾患を防ぐ
1日1回、ピザやトマトソースなどのトマトを用いた料理を食べることにより、心疾患のリスクが30%近く軽減するという、ハーバード大学の新しい研究結果が、米国医学誌「American Society for Nutritional Sciences」7月号に掲載された。
同大学公衆衛生学部のHaward Sesso博士らのチームは、現在米国で約4万人の女性を対象に進行中の「女性健康調査」の被験者の食事内容を調査した。トマトに含まれる抗酸化物質のリコピン摂取量の増加と、前立腺癌のリスク軽減の関係を明らかにした同チームの研究結果に基づき、リコピンの心疾患リスクに対する同様な効果を検討したもの。
調査の結果、リコピン摂取量そのものは心疾患のリスク軽減に大きく関与はしていなかったが、食品摂取量を検討したところ、トマトをベースとした食事を週7回以上定期的に摂取する人は1〜1.5回以下の人に比べて、心疾患に罹患する率が30%近く少ないことが判明した。また、トマト料理を好む人たちは、全体的にフルーツや野菜の摂取量が多く、健康的な食事内容が心疾患リスクを減らす理由であることが考えられた。
今回の研究結果に対し、ワシントン大学(セントルイス)栄養学ディレクターのConnie Diekman氏は「調査の規模が大きく、同様の項目で実施された別の研究とも結果が一致することから、今回の結果は期待できるものだ」と述べている。(日本経済新聞/HealthDayNews 2003/07/21)漢方「冬虫夏草」の薬効解明 免疫力アップで“万病に効く”
古くから“不老長寿”の漢方薬として珍重され、昆虫の幼虫などに生えるキノコ「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」の薬効のメカニズムを金大薬学部の太田富久教授(天然物化学)と高野文英助手が解明した。冬虫夏草のエキスが小腸を通過する際、体内の免疫をつかさどるリンパ球が反応し、免疫力を高める指令を全身に発するという。同教授らは今後、薬効が明らかとなった冬虫夏草から有効成分を探し出し、新薬の開発を目指す。
太田教授らは冬虫夏草の人工培養に成功した山形県の研究家、矢萩信夫氏から試料の提供を受けた。冬虫夏草の一種でガのサナギに生える「ハナサナギダケ」を2、3年培養して乾燥した試料を使い、ネズミで免疫力を高める作用を調べた。
体内には細菌やがんなどの異物を攻撃するリンパ球が数多く存在し、血液と一緒に全身くまなく流れている。特に小腸はリンパ球が多く集まる「パイエル板」と呼ばれるいぼ状の組織を持つ。
これまでの研究で、冬虫夏草のエキスがパイエル板を通過する際、何らかの反応を起こすことにより、パイエル板内のリンパ球が「免疫力を高めろ」との指令となるタンパク質を放出、全身のリンパ球が活性化することが分かった。冬虫夏草のエキス自体は体内に吸収されることなく、大腸を経て体外に排出される。
冬虫夏草は漢方の経験に基づいて「万病に効く」薬とされたが、なぜ体に良いのかは科学的な根拠がなかった。ただ、別の種類の冬虫夏草でセミのツクツクボウシに生える「ツクツクボウシダケ」からは、逆に免疫を抑制する成分が見つかるなど、新薬になる可能性が高い成分が多く含まれているとの期待が高まっている。
高野助手は「新型肺炎やO157などは免疫力が低下した高齢者が多く犠牲になった。 冬虫夏草を飲むことで病気に対する抵抗力が付くと考えられる」と話している。<冬虫夏草> セミやクモ、ガの幼虫などに寄生するキノコの総称。冬季に虫の体内で菌糸を増やし、夏季に殻を破って草のように生えてくることから名付けられた。本来は中国の高山に生息するコウモリガの幼虫に寄生するキノコで、不老長寿薬や滋養強壮薬として珍重されてきた。世界で約350種発見されており、このうち3分の2が日本で見つかった。(北國新聞 2003/07/22)
「ナッツ類は心臓病予防にいい」──米国で食品の健康表示許可第1号
FDA(米食品医薬品局)はこのほど、ある程度科学的な根拠があれば、たとえ完全に証明されていなくても、その食品のもつ健康上の恩恵を表示してもかまわない、とする新しいルールを決めたが、その第1号として、ナッツ類を食べると心臓病の予防になる、という趣旨の文言を製品に表示をすることを許可した。
この表示ができるのは、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ペカン、ピスタチオ、クルミ、ピーナツで、これからはこれらの製品に「科学的根拠が示すところによると、ほとんどのナッツ類を、飽和脂肪とコレステロ−ルが少ない食事のなかで、1日1.5オンス(42グラム)食べると、心臓病になるリスクを減らすことができます」と書かれたラベルがお目見えすることになる。(日経ヘルス 2003/07/23)食事だけでコレステロール値を下げられる
薬を全く使わずに、食事だけで悪玉コレステロールの値を下げられることを証明する実験が行われた。この研究は、7月23日付けの「米国医師会雑誌(JAMA)」で発表された。
試験の対象は、コレステロール値が高い46人の男女。このうち、16人に「脂肪分が少ない菜食主義者の食事」を食べさせ、16人に「脂肪分をかなり少なくした普通の食事」を食べさせ、14人に「低脂肪食にコレステロール降下剤のロバスタチン(商品名メバコール)を毎日20mg」与えた。
この研究で使われた菜食主義者の食事は、大豆、大豆タンパク、ナス、アーモンド、オクラ、マーガリン、大麦などを主体としたもので、アメリカオオバコも加えてあり食物繊維が豊富になっている。
食事を分けて、1カ月経過した時点で、コレステロール値を測定したら、菜食主義者の食事を食べた人では、悪玉コレステロール(LDL)が平均28.6%減少し、低脂肪食プラス薬のグループのLDL減少率30.9%とほぼ同じだった。一方、低脂肪食だけのグループのLDL降下率はわずか8%だった。(日経ヘルス 2003/07/28)魚を食べてアルツハイマー病を予防
少なくとも1週間に1回魚を食べる人は、アルツハイマー病になるリスクを大きく減らすことができるという研究結果が出た。シカゴにある「ラッシュプレテリアン−セントルーク医学センター」のマーサ・モリス博士らが行った研究。
研究者たちは、シカゴに住む65歳以上の男女815人を対象に食生活の内容を詳しく調べた。調査は4年間続けられ、その間に131人がアルツハイマー病になった。
食生活との関連を調べると、少なくとも1週間に1回魚を食べていた人は、魚を全く食べないか、食べてもたまにしか食べなかった人と比較すると、アルツハイマー病にかかる割合が60%小さかった。この数字は、被験者の年齢、性、人種、心臓病などのリスクファクタ−を考慮して、調整した上ではじき出した。
モリス博士によると、魚には脳の発達に重要な役目を担っているオメガ3脂肪酸が多く含まれており、オメガ3脂肪酸を与えた動物は学習能力や記憶力が良くなった、という実験があるという。また、この研究では、野菜やナッツ類からオメガ3脂肪酸を多く摂取している人も、アルツハイマー病にかかりにくくなっていることがわかった。逆に、動物性の脂肪である飽和脂肪酸が多い食事を多くとっている人はリスクが倍増していることもわかった。(日経ヘルス 2003/07/29)ネクタイ締め過ぎで緑内障の危険性高まる 米研究
ロンドン(ロイター)ネクタイをきつく締めるのは緑内障の危険性を高めるとの研究報告が29日、英眼科学会誌の最新号に掲載された。ネクタイと同病の関係を調べたのは、米国の眼科・耳鼻科専門病院、New York Eye and Ear Infirmaryのロバート・リッチ博士の研究グループ。
緑内障の男性20人と目に疾患のない20人を対象に、ネクタイを締める前、ネクタイを強く締めている間、ネクタイを外した後の眼圧を測定した。
その結果、緑内障の患者の60%、目に疾患のない人の70%に、ネクタイ着用中の眼圧上昇を確認した。さらに、目の検査中にネクタイを着けていると、緑内障と誤診される可能性があることも分かった。
研究グループは、ネクタイを着用することで頸静脈(けいじょうみゃく)が締め付けられ、眼圧と血圧が高くなるのではないかとしている。
米国の緑内障患者は約300万人で、発症の可能性は年齢が高くなるほど増えるとしている。緑内障は、失明の危険性も伴う。(CNN 2003/07/30)消化性潰瘍をビタミンCで防ぐ
血中のアスコルビン酸(ビタミンC)濃度が高いと胃腸障害のリスクが低いことが、米国医学誌「Journal of the American College of Nutrition」8月号に掲載された報告で示唆されている。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部のJoel A. Simon博士のチームが、既存の第3回米国健康栄養調査(NHANES III)データを分析した結果、成人6746人のおよそ3分の1に、ヘリコバクターピロリ菌に対する抗体があることが明らかになった。H.ピロリ菌の慢性感染は消化性潰瘍や胃癌の危険因子とされている。
研究チームは、年齢や肥満指数(BMI)などの要因を調整した後に被験者の血液サンプルを調査した結果、アスコルビン酸濃度の高い白人では、H.ピロリ菌への感染リスクが25%低いことを発見した。マイノリティグループでは、この関連性は明らかになっていない。また、特に病毒性の強い菌株では、アスコルビン酸の濃度が1dLあたり50mg上昇するとリスクが69%低くなることが判明した。
Simon博士は、この関連が事実ならば、ビタミンCを多く摂取すればH.ピロリ菌の感染を防止し、消化性潰瘍も防ぐことができると語った。米国立アカデミー医学研究所が奨励するビタミンCの1日摂取量は、女性で75mg、男性では90mgとなっている。(日本経済新聞/HealthDayNews 2003/08/01)骨髄性白血病:骨粗鬆症治療薬が効果 京大病院グループ確認
血液のがんである慢性骨髄性白血病(CML)に、骨粗しょう症治療薬が効く可能性が高いことを、京都大病院輸血細胞治療部(部長・前川平教授)の木村晋也助手らの研究グループが、マウス実験などで突き止めた。
臨床応用が残されているが、既存のCML治療薬と併用すれば、より高い効果が出るとみられ、難病治癒への期待が高まっている。研究成果は9月発行の米血液学会誌に掲載される。
CMLは骨髄内の造血幹細胞(白血球など血液細胞の元になる細胞)ががん化して白血球などが異常増殖する難病。発症率は10万人に1人程度で、40〜50歳代に多い。白血病細胞を劇的に減らす分子標的薬「グリベック」があるが再発の報告もあり、有効な併用薬が世界的に研究されてきた。
効果が確認されたのは、骨粗鬆症など骨の病気の治療に使う「ビスフォスフォネート製剤」の1つで、米欧で承認され、日本では治験段階の薬「ゾレドロネート」。研究グループは、この薬が白血球の異常増殖を細胞内で促進する「Ras関連たんぱく質」の働きを阻害することに注目。マウス実験では、グリベックとゾレドロネートのそれぞれの薬を使うだけでは、40週で全6例死亡したのに対し、併用した場合は、8割以上生存し、解剖した結果、骨髄からは白血病細胞は見つからなかったという。【野上哲】(毎日新聞 2003/08/03)ベジタリアンの食事は抗コレステロール薬と同じ効果
大豆、ナス、アーモンドを含む厳格な低脂肪ベジタリアン食の実施により、スタチン系のコレステロール低下薬を摂取したのと同程度のコレステロール低下効果が得られることが、最近行われた研究で明らかになった。
カナダ政府とカリフォルニアのアーモンド協会の資金援助で行われた1カ月間の小規模なこの研究の結果は、米国医師会誌「JAMA」7月23日号に掲載された。
HealthDayによると、研究にはコレステロール値の高い男女46人が参加した。厳格なベジタリアン食を行った被験者ではLDLコレステロールが28.6%低下し、低脂肪食にスタチン系薬剤ロバスタチン(商品名:メバコール)を組み合わせたグループでは30.9%減少した。
低脂肪食には、コレステロール低下作用をもつオクラ、大麦、オオバコが含まれていた。(日本経済新聞/HealthDayNews 2003/08/04)乳がん:更年期障害などのホルモン療法で危険倍増 英調査
8日付の英各紙によると、更年期障害などの治療で女性ホルモンを投与する「ホルモン補充療法」により、乳がんを発症する危険が2倍に増えることが、英国のがん研究所による患者100万人を対象にした大規模調査で分かった。結果は英医学誌ランセット最新号に掲載された。
ホルモン補充療法は世界で1000万人以上が受けており、ランセットは長期投与を受けている患者はできるだけ早くやめるべきだとの論説を掲載。英医療当局は7日、医師が長期投与の危険を患者に説明するよう勧告した。
調査結果によると、同療法で一般的なホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の両方を投与された患者は、投与を受けない人に比べて乳がんの発症率が2倍だった。子宮摘出患者に対するエストロゲン単独投与では、発症が30%増だった。
米国立衛生研究所(NIH)は昨年7月、同療法で乳がんや脳卒中の発症が増えると発表しているが、より大規模な今回の調査により乳がんに関する危険が一層明確になったという。(ロンドン共同)(毎日新聞 2003/08/08)母乳中の高濃度蓄積を確認 臭素系難燃剤、米で調査
繊維や家電製品などを燃えにくくするために各国で使われている臭素系難燃剤が、米国人の母乳中に比較的高濃度で蓄積していることが、米テキサス大やカナダ、ドイツの研究チームによる調査で8日までに分かった。
臭素系難燃剤の中には免疫機能や脳神経の発達に悪影響を与えるとされている物質もあり、研究グループは「化学物質の影響を受けやすい乳児への影響などが懸念される」としている。
グループは、米テキサス州で保存されていたサンプルや、病院を通じて提供を受けた20歳から41歳までの女性47人の母乳について、13種類のポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)の濃度を分析した。
すべての母乳中からPBDEが検出され、脂肪中の平均濃度は74ppb(1ppbは10億分の1)だった。
日本でも血液や脂肪組織中に難燃剤が蓄積しているとの結果が報告されており、今後、詳しい調査が必要になりそうだ。 (共同通信 2003/08/09)鼻炎薬成分で脳出血の恐れ 副作用症例報告
鼻水や鼻づまりの症状を緩和する成分「塩酸フェニルプロパノールアミン」(PPA)を含んだ鼻炎用内服薬などで、脳出血の副作用を起こすおそれがあるとして、厚生労働省は8日、注意を呼びかけるとともに、製薬会社に対し、使用上の注意の改訂と、PPAの代替成分への切り替えを速やかに行うよう指示した。
同省によると、今年6月―先月末にかけ、市販の鼻炎用内服薬や風邪薬の副作用で、脳出血や、くも膜下出血を起こしたとの報告が4件、医療機関などから寄せられた。いずれも10―20代の若い女性で、うち3件は、決められた用量の2―7倍を1度に服用し、直後に激しい頭痛などを訴えたという。このほか、昨年7月にも同様のケースが1件、PPAを含む医療用医薬品でも一昨年に2件、脳出血の副作用報告があった。7件とも症状は回復・軽快している。
厚労省は、ホームページ(http://www.mhlw.go.jp)でPPAを含む市販薬170品目の製品名を公表し、「これまで使われている量からみて、副作用が起きる頻度はかなり低いが、必ず用法・用量を守ってほしい」と呼びかけている。(読売新聞 2003/08/09)パーキンソン病治療に応用 「揺らぎ微弱電流」脳に活
東大などの研究チーム「f分の1」効果示す
人間の脳に、適度に乱れた微弱電流を外部から送ると、脳の働きを鋭敏にできることを山本義春・東京大教授(教育生理学)や「相馬りか科学技術振興事業団」研究員らのチームが実験で突き止めた。15日付の米物理学誌に発表する。
神経を伝わり刺激を脳に届ける電気信号が、外部からの微弱電流によって脳で強められる現象を「確率共鳴」という。今回の発見はその電流が「f分の1揺らぎ」という適度な乱れを持つときに効率よく確率共鳴が起きることを初めて示した。
山本さんは確率共鳴を応用し、パーキンソン病などで機能不全に陥った自律神経を回復させる治療法を研究中で近く臨床試験に入る。今回の発見によってそうした応用も加速しそうだ。
f分の1揺らぎは普通のノイズ(雑音)に規則性がないのに比べ、揺らぐ大きさが周波数(f)に反比例するなど、ある種の規則性を持つ。
チームは若者9人をシーソーのように揺れる寝台に寝かせ、静かに揺らしながら、血圧や心拍を保つ延髄の圧反射系という部分につながる神経に、微弱電流を送った。
電流がf分の1揺らぎを持つ場合、不規則な電流の半分程度の強さしかなくても心拍数が変化。寝台の揺れによって発生し、延髄に伝わる電気信号が確率共鳴で強められたことが分かった。
山本さんは眼鏡のように装着するだけで脳に確率共鳴を起こす装置を開発。「その装置を使った臨床試験でも、f分の1揺らぎの有効性を確かめたい」と話している。有効性、初の証拠
f分の1揺らぎ研究者の武者利光東京工業大名誉教授の話 生体にはいろいろなf分の1揺らぎがある。動物に装着した人工心臓の血流に、この揺らぎを与えると寿命が延びたなど、生体に有利なことを示唆する実験結果もある。その理由はよく分かっていなかったが、今回の結果は、f分の1揺らぎが生物にとってなぜ有利なのかを示唆する初めての証拠で、非常に興味深い。
<f分の1揺らぎ> 揺らぎの大きさが周波数(f)に反比例する乱れ。電気抵抗や細胞膜を流れる電流の値、心拍、蛍の発光リズム、宇宙線などさまざまな自然現象で見つかっている。バッハのブランデンブルク協奏曲などクラシック曲の一部では、音の振動数に同様の揺らぎがある。この揺らぎは扇風機や照明器具にも採用された。(中日新聞 2003/08/14)
浴槽に病原性アメーバ 温泉、浴場から検出
動物実験で致死性脳炎を起こすことが確認されている病原性のアメーバが、循環式浴槽を採用している全国各地の温泉や公衆浴場の浴槽水、温排水から広範囲に検出されたことが、厚生労働省研究班(主任研究者、遠藤卓郎国立感染症研究所部長)の調査で19日までに分かった。
ろ過器を通して湯を再利用する循環式浴槽は、レジオネラ菌の集団感染でも問題になった。アメーバ検出で、微生物が繁殖しやすい実態があらためて明らかになった。 このアメーバによる自然感染の報告はなく、遠藤部長は「人が感染する可能性は極めて低い。しかし、ゼロではない」と指摘。「消毒や浴槽水の定期的交換など、レジオネラ症防止と同じ方法でアメーバは防げる」と対策を呼び掛けている。
研究班は各地の衛生研究所と協力し、全国14地域の温泉や公衆浴場248施設を調査。全体の約6割の施設で、浴槽水や温排水からアメーバを検出した。(共同通信 2003/08/19)活性化リンパ球の効果確認 白血病治療、厚労省研究班
培養して活性化させた別の人のリンパ球を患者に注入する療法が、造血幹細胞移植後の急性再発白血病の抑制や難治性のウイルス感染の治療に効果があることを、厚生労働省研究班(主任研究員、小寺良尚名古屋第一赤十字病院内科部長)が20日までに、確認した。
注入したリンパ球によりがん細胞やウイルスを攻撃する能力が高まるためで、造血幹細胞移植とともに用いれば、肝臓がん、膵臓(すいぞう)がんなど固形がんへの応用も期待される、という。
小寺部長は「活性化リンパ球が患者を救う可能性は高い。できるだけ早く保険の対象となる治療法として確立させたい」と話している。
活性化リンパ球注入療法は、白血病治療のための造血幹細胞移植と併用して用いる。
移植用に提供者の血液から幹細胞を採取する際、リンパ球成分も採取。
リンパ球に生理活性物質のインターロイキン2を加えて培養し、6〜8週間で1000倍に増殖、活性化させる。
1996年から2002年までの7年間に、造血幹細胞移植後に急性再発白血病を起こした患者25人に活性化リンパ球を注入したところ、9人が完治、2人に病状の改善がみられた。
造血幹細胞移植の際に免疫抑制剤を使う結果、難治性のサイトメガロウイルス感染症やアデノウイルス感染症になった患者24人にも試したところ、14人で治癒効果があったという。
リンパ球注入では、リンパ球が患者の臓器を異物と認識して攻撃する「移植片対宿主病」(GVHD)という重い合併症が懸念されるが、今回の研究では患者に深刻な合併症は起きなかった。(共同通信 2003/08/21)ビタミンCが活性酸素抑制 米カリフォルニア大学
米カリフォルニア大学バークレー校の研究グループは動脈硬化などの原因となる酸化ストレスの抑制にビタミンCが有効なことを実験で確かめた。ビタミンCが悪玉の活性酸素の働きを抑える。受動喫煙による悪影響も軽減できるという。
たばこの煙は肺がんを起こすだけでなく、脳卒中や心臓疾患につながる酸化ストレスを高める原因になる。研究グループはたばこを吸わない数十人に毎日500ミリグラムのビタミンCを投与。2カ月たつと、被験者の体内の活性酸素はビタミンCを摂取しなかった人より1割以上低下したという。たばこの煙中の微粒子とビタミンCが反応、悪玉酸素の働きを抑えるとみられる。(日経産業新聞 2003/08/21)食中毒防止、牛乳成分で牛肉を消毒 米政府がお墨付き
米食品医薬品局(FDA)は22日、牛乳の成分「ラクトフェリン」を牛肉に噴霧し、病原性大腸菌O(オー)157やサルモネラなどの汚染を防ぐ消毒法の安全性を認めた。間もなく商品化される見通しだ。
ラクトフェリンは牛乳や母乳に含まれるたんぱく質。病原菌の増殖を抑えたり、免疫力を高めたりする。大腸がんやC型肝炎に効くのでは、とも期待されている。
米ユタ州のaLFベンチャーズ社は、解体前の牛の胴体にラクトフェリンを噴霧すれば、O157やサルモネラ、カンピロバクターが増殖しないことを発見。食中毒の予防につながるとして、安全性についてFDAの審査を要請していた。
同社によると、解体後の食肉に残るラクトフェリンはごく微量で、牛乳アレルギーの人にも問題はないという。
疾病対策センター(CDC)によると、米国では、年間7600万人が食中毒になっている。FDAのクロフォード副局長は「技術革新は安全な食品を供給するための基礎だ」と述べた。(朝日新聞 2003/08/23)「老化抑える物質発見」と米研究チーム 酵母では確認
老化を抑える画期的な物質を見つけたと、米ハーバード大などの研究チームが英科学誌ネイチャー(電子版)の最新号に発表した。「寿命を延ばす薬につながる可能性がある」と米メディアが詳しく報じた。ただし、実験で寿命延長を確認したのは酵母。本物かどうかは、今後の研究結果を待つ必要がありそうだ。
カロリー制限で寿命が延びることは動物実験で知られている。研究チームは、このときと同じ反応を生体内で起こす物質を赤ワインの成分中に見つけた。ポリフェノールの一種で、酵母を使った実験では通常より70%も寿命が延びた。ショウジョウバエでも効果が見られ、年内にネズミの実験を始める。
25日付ニューヨーク・タイムズ紙は「人間でも30〜50%は寿命が延ばせるかもしれない」という研究チームの見解を紹介。同日付ワシントン・ポスト紙も長寿薬につながる可能性を指摘した。ただ、両紙とも「老化の仕組みは複雑で、そう簡単に寿命は延ばせない」という専門家の慎重論も付け加えた。
老化抑制の薬は関係企業の株価に大きく影響する。このため、ネイチャー誌はマスコミ向けの事前発表時、インサイダー取引をしないよう異例の警告をした。 (朝日新聞 2003/08/26)脳機能や性行動に影響 胎児時のダイオキシン
【ボストン(米マサチューセッツ州)28日共同】妊娠中の母親が摂取したダイオキシンが胎児の脳の組織や機能に影響を与え、成長後の性行動を不活発にすることを、山梨大と国立環境研究所(茨城県つくば市)のグループが動物実験で確認し、28日、米ボストンで開かれているダイオキシン国際会議で発表した。
前田秀一郎山梨大教授は「ダイオキシンの毒性が次世代にまで及び、学習や記憶などの能力を変化させる可能性を示す結果だ」と指摘した。
グループは、妊娠後期のラットやマウスに、体重1キロ当たり200ナノグラムと同800ナノグラムのダイオキシンを投与。
投与された雌から生まれた雄ラットは、交尾行動の回数が通常の半分程度に減少。性行動や学習、記憶などの機能に関与する遺伝子の働きが投与量に応じて小さくなることが判明した。(共同通信 2003/08/29)ビタミン、ミネラルの取りすぎはよくない
英国の食品監視当局の「英食品標準局」(Food Standard Agency、FSA)は、このほど、「サプリメント(栄養補助食品)の大部分はまず安全だが、取りすぎや、長期間使用で、かえって健康を害することがあるビタミン、ミネラルもある」と、以下のように警告した。
●ビタミンC、カルシウム、鉄分は大量に摂取すると、危険な症状を呈することがある。ビタミンCは1日に1000mg、カルシウムは1日に1500mg、鉄分は1日に17mg以上摂取すると、腹痛や下痢を起こすことがある。
●ビタミンB6は、医療で使用する場合を除いて、1日10mg以上は避けるべきである。
●抗酸化剤として人気のあるベータカロチンは、喫煙者が高用量を長期間使うと、有害となる恐れがある──など。
FSAは、34種類のビタミン、ミネラルを対象に、その安全性に関して独自に調査して、この警告を出した。(日経ヘルス 2003/08/29)有機スズ化合物、魚介類内で数十倍に 食物連鎖で濃縮
環境ホルモン=分泌撹乱(かくらん)=作用が疑われている有機スズ化合物の一部が、食物連鎖により魚介類の体内で数十倍に濃縮されていることが水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所(広島県大野町)の池田久美子研究員らの調査で分かった。船底塗料などに使われていた同物質に、ダイオキシンなどの残留性有機汚染物質(POPs)に似た生態系での濃縮作用があることを意味しており、汚染の広がりなどが心配される。
池田研究員らは98年から、日本海中央部の深さ約400メートルの海底や山陰沖などで底引き網で生物を採取し、代表的な有機スズ化合物のトリフェニルスズ(TPT)などの濃度を測定。魚介類の胃の内容物を調べた。
その結果、有機スズ化合物のほとんどが海底の泥にたまることが判明。日本海中央部で、乾燥した泥1グラム中に、TPTが3.9〜6.7ナノグラム(ナノは10億分の1)含まれていた。
これが魚介類になると、乾燥させた組織から1グラム中、TPTが5.0〜460ナノグラム検出されて、泥より濃縮されていた。
海底の有機物を食べるエビで9.3〜19倍に、そのエビを捕食するカレイやカニ類などで1.1〜3.7倍に濃度が上がるなど、2〜3段階の食物連鎖で数十倍の濃縮が起こっていた。
池田研究員は「日本海の中央部でも沿岸部と同レベルの汚染が進んでいた。特にTPTは生体内で濃縮されやすく、今後長期間の監視が必要だ」と指摘している。
有機スズ化合物はフジツボなどの付着を防ぐ船底塗料に使われてきた。日本の造船業界は90年代初めまでに使用を中止したが、多くの国でまだ使用されている。近年の研究で、やはり代表的な有機スズ化合物のトリブチルスズ(TBT)には巻き貝やヒラメのメスをオス化する環境ホルモン作用があることが判明している。 (朝日新聞 2003/08/31)異常たんぱく質の修復不調なら、躁鬱病発症率4.6倍
人口の1%がかかるとされる躁鬱(そううつ)病の発症には、細胞内に発生した異常なたんぱく質を修復する仕組みの不調が関係していることを、理化学研究所の加藤忠史博士のグループが解明した。成果は1日発行の米科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」電子版に掲載される。
加藤博士は、1人だけが躁鬱病にかかった2組の一卵性双生児の遺伝子約1万3000種の働きを分析。発症した人は、「XBP1」というたんぱく質の合成量が少ないことを突き止めた。XBP1は、細胞内の異常たんぱく質を修復する働きがあることが知られている。
この結果をもとに他の患者らを広く調べたところ、XBP1を作る働きの強い人と弱い人に分かれることが判明。「弱い人」は、「強い人」の4.6倍も躁鬱病にかかりやすかった。また、これまで躁鬱病の治療薬として経験的に使われてきたバルプロ酸(商品名「デパケン」など)は、XBP1の機能低下を回復させることが薬効の原因であることも、初めて分かった。(読売新聞 2003/09/01)抗老化のカギになる酵素の働きが見つかった
「サートゥインス」(sirtuins)という名の酵素が、老化を遅らせ、いのちを延長させる効果があるとして、いま科学者の間で非常に注目されている。これは広く生物体に存在している酵素だ。
この分野の第一人者、デービッド・シンクレア博士(ハーバード大学)は、8月24日の国際科学誌「ネーチャー」オンライン版で、「サートゥインスはいわば細胞の守護者である。すべての生き物のエイジング(加齢)を事実上制御しているのはこの酵素だ。抗老化の薬剤開発の目標もこれだ」と述べた。
生物を飢餓状態に置くと長生きする。ハエ、虫、マウスなどで、栄養分は同じで、カロリーだけを30%減らすエサを与えると、寿命が50%以上も延びるということが言われている。サートゥインスという酵素は、この飢餓状態による延命効果のプロセスで摂取カロリーを減らして長生きさせる過程に大いに関連しているという。
実際に、飢餓状態においても、遺伝子工学的にサートゥインスをできなくした動物だと、延命効果がないことがわかっている。(日経ヘルス 2003/09/03)タイミング次第で効果倍増 抗がん剤の副作用激減
時刻に応じて抗がん剤を使い分け、副作用を激減させることで、最大2倍の効果でがん治療ができることを、横浜市大の嶋田紘教授(消化器病態外科学)らのグループが臨床的に確認し、9日から北海道大(札幌市)で開かれている時間生物学世界大会で発表した。
嶋田教授によると、国内の消化器外科分野では初の成果。
体内時計をつかさどる正常細胞の時計遺伝子が酵素に働き掛け、抗がん剤の効き目が特定の時刻に活性化したり、代謝したりする性質を利用した。抗がん剤は、正常細胞で代謝率が高い時はがん細胞のみを攻撃するため、副作用が少なく、多量の投与が可能となる。
対象は、大腸がんが肝臓に多発転移した患者。グループは、広く使われている抗がん剤「5FU」と「ロイコボリン」を代謝率の高い夜間に、逆の傾向がある別の抗がん剤を代謝率の高い昼間に、それぞれ投与した。(共同通信 2003/09/09)みそ汁3杯で乳がん抑制 閉経後の発生率4割減
みそ汁を1日に3杯以上飲むと、閉経後の乳がんにかかる率が下がる──。厚生労働省の研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター研究所がん予防研究部長)は9日、乳がんと大豆食品との関係をみた、こんな追跡調査の結果を発表した。
岩手、秋田、長野、沖縄の4県14市町村に住む40〜59歳の女性2万1852人を対象に、みそ汁や豆腐、納豆など大豆製品の摂取量と乳がん発生率の関係を90年から追跡し、疫学的に調べた。
その結果、みそ汁を1日に1杯飲むか飲まないかのグループが閉経後に乳がんにかかる率を100とすると、3杯以上の場合の発生率は4割少なかった。また、大豆に含まれるイソフラボンの摂取量が多いほど、乳がんの発生率は低くなり、摂取量が最大のグループ(1日23.1〜27.5ミリグラム)は、最小(同4.3〜9.5ミリグラム)の半分以下だった。
ただ、豆腐や油揚げ、納豆などの他の大豆加工食品では、摂取量が極端に違わないためか、乳がんとのはっきりした関連はみられなかった。
乳がんは、女性ホルモンであるエストロゲンが関係するとされ、大豆に含まれるイソフラボンは、このエストロゲンが体内で作用するのをブロックする働きがある。
主任研究者の津金部長(疫学・予防学)は、「みそ汁やイソフラボンの乳がん予防効果が裏付けられた。ただ、みそ汁の飲み過ぎは塩分の取りすぎにもなり、逆に高血圧や胃がんなどを引き起こしかねない。バランス良い食生活を忘れないでほしい」と話している。(朝日新聞 2003/09/09)朝日を浴びないと太る? 日大グループが解明
朝日を体に浴びないと太りやすくなる可能性があることを、日本大薬学部(千葉県船橋市)の榛葉繁紀講師(衛生化学)らのグループが突き止め、北海道大(札幌市)で開催中の時間生物学世界大会で10日、発表した。
グループが着目したのは、DNAに結合して時計遺伝子を作らせるタンパク質「BMAL1」。体内時計が正常に働くようにコントロールする働きがあり、夜間に増加するが、朝日を体に浴びると減少し、一定量を維持する。増え過ぎても減り過ぎても、体内時計が狂ってしまうという。
榛葉講師によると、細胞中でBMAL1が増えると、その細胞は脂肪をため込みやすくなり、BMAL1が減った細胞は脂肪をため込みにくくなることが、新たに判明した。
このため、朝日を体に浴びない生活を続けると、BMAL1が減少せず、体内の脂肪が増えると結論付けた。夜食を食べると太ることにBMAL1が関係している可能性もあるという。(共同通信 2003/09/10)飲酒の男性、結腸がん2倍 7年半追跡調査で判明
お酒を飲む習慣がある男性は結腸がんになる危険が約2倍になる──。愛知県がんセンター研究所の若井建志主任研究員らが約5万8000人を約7年半追跡調査したところ、こんな関係が13日までに明らかになった。
禁酒した人でも危険度は同様で、同主任研究員は「定期的に飲む人は、やめてもすぐにはリスクが下がらない」と指摘している。
名古屋市で25日に始まる日本癌(がん)学会で発表する。
同主任研究員らは、1988−90年に当時40−79歳の男女に生活習慣を尋ね、平均7年半、追跡調査した。この間に、結腸がんになったのは約420人。飲まない、禁酒中、飲んでいる──のグループごとに、結腸がんになった人の割合を調べた。
飲まないグループを基準にすると、飲酒中の男性は結腸がんの罹患(りかん)率が2倍近くだった。禁酒中の男性も2倍をわずかに超えた。酒量と危険度に相関関係はみられなかった。(共同通信 2003/09/13)クランベリージュースが脳卒中による脳損傷を防ぐ
クランベリージュースには強力な抗酸化作用があって、健康増進のためのさまざまな効用が知られているが、今度は、脳卒中の発作によって生じる脳の損傷を防止し、脳の回復を促進する働きがあることがわかった。
報告したのは、マサチューセッツ・ダートマス大学のキャサリン・ネト博士。博士らは、脳卒中と同じ状態に置いたラットの脳の細胞に対して、クランベリー抽出液がどのような作用するかを、実験室で調べた。その結果、普通なら脳卒中を起こしたあと死ぬはずの脳細胞が、濃縮したクランベリー抽出液を与えると、細胞死の割合が何も与えなかった場合と比べて、50%も少なかった。
研究者たちは、これによってクランベリージュースと、脳卒中による脳損傷との関連が明らかになった、としている。(日経ヘルス 2003/09/16)鶏卵の5.8%からQ熱の病原体──民間研究所が検査
民間の研究所が東京都内で販売される鶏卵400個を検査、うち23個(5.8%)からインフルエンザに似た症状を起こす「Q熱」の病原体を検出していたことが16日、分かった。Q熱は2週間程度で自然に治り、死亡例はまれだが、厚生労働省は「専門家の意見を聞いて必要な措置を講じたい」としている。
検査したのは人獣共通感染予防医学研究所(富山県)。DNAを増幅する検査法(PCR法)で病原体「コクシエラ菌」を検出。さらに陽性となった卵黄をマウスに投与したところ、血液からも同じ菌の遺伝子を検出、感染力を確認した。
厚労省は今年度から関連の研究班も設置しており、実態を調査している。(日本経済新聞 2003/09/17)緑茶の成分が皮膚ガンを防ぐ
緑茶や紅茶に含まれているポリフェノールを、皮膚に直接あたえてやると、皮膚ガンを防ぐ効果があることが動物実験で確認され、人間でも有効だろうと期待が高まっている。
この研究を行ったのは、米ミネソタ大学のホーメル研究所(ミネソタ州)のジアン・ドン博士ら。博士らは、緑茶から抽出したポリフェノールを含む溶液を紫外線(UV)にさらしたマウスで試してみた。また、マウスから採取した皮膚細胞と、人間の皮膚細胞でも、ポリフェノ−ル溶液を試す実験をした。
その結果、まず皮膚ガンができるためには、「JNK−2」と呼ばれるたんぱく質が関係していることがわかった。皮膚を紫外線にさらすと、このたんぱく質が増え、しかも、長い間増えたままの状態が続く。そして、正常な皮膚細胞をガンにさせるための一連の分子反応を引き起こすきっかけをつくっていることを突き止めた。
そこで、ポリフェノ−ルの溶液を与えてやると、皮膚細胞に存在していた「JNK−2」が減って、ガンに至る一連の反応が起きないことがわかった。
ドン博士によると、緑茶をお茶として飲んでも皮膚ガン防止に効果があるだろうが、そのためには1日10杯以上飲む必要があるという。抽出したポリフェノ−ルを直接皮膚に塗布するのが一番有効で、今後、外用の製剤が開発されると博士は予測している。(日経ヘルス 2003/09/22)消炎鎮痛剤でポリープ抑制 がん予防、治療にも期待
がん細胞で作られるCOX2という酵素の働きを妨げる消炎鎮痛剤を患者に投与し、大腸ポリープを小さくしたり、減らしたりできることを、東京医科歯科大の杉原健一教授らが確かめた。名古屋市で始まる日本癌(がん)学会で25日、発表する。
COX2は血管の新生を促して、がんやポリープを成長させると考えられている。この働きを安全に阻害できれば、ポリープ、がんの予防と治療、抗がん剤との併用薬として応用が期待される。
消炎鎮痛剤の一部にはCOX2の阻害作用があり、常用者には大腸がんが少ない、動物実験でがんの増大を抑制したなどの報告がある。
同教授らは、COX2を選択的に阻害し副作用が少ないと考えられる消炎鎮痛剤のロフェコキシブを、大腸ポリープの患者12人に1日1回、9カ月間のんでもらった。すると、患部の特定個所で、ポリープの大きさが平均約16%縮小したほか、ポリープの約7%が消失した。(共同通信 2003/09/24)コーヒーに胆石予防効果か 産業医大グループ発表
コーヒーを飲むと胆石症になりにくい。とくに男性でこの傾向が顕著──という疫学調査の結果を、産業医科大の産業生態科学研究所グループ(責任者・吉村健清教授)が24日、東京での講演会で発表した。
同グループの徳井教孝講師(栄養疫学)によると、コーヒー摂取量と胆石の発症率との関係を調べるため、福岡県内で男女約7600人(30〜79歳)を対象に87〜93年の間、追跡調査をした。
この間に胆石を発症した人は男女合わせて128人。男性では、コーヒーを全く飲まない人の発症率に比べ、コーヒーを時々飲む人はその5割、1日に1杯以上飲む人では4割だった。女性でははっきりした差がみられなかった。
徳井講師は「コーヒーに含まれるカフェインや繊維などが作用している可能性がある」と話す。コーヒーの胆石症予防効果は動物実験では指摘されていた。(朝日新聞 2003/09/24)酒に弱い人の飲酒+喫煙、膵臓がんリスク10倍に
酒を飲むと顔が赤くなりやすい人が日常的に飲酒の上喫煙していると、膵臓(すいぞう)がんになる危険度が、酒は飲むがたばこを吸わない人の10倍になることが、国立九州がんセンター消化器内科の船越顕博医長の調査で分かった。
25日から名古屋市で開かれる日本癌(がん)学会で発表される。
アルコールを体内で分解する能力は主に、ALDH2という酵素の型で決まる。日本人には酒に強い型、飲めるがすぐに顔が赤くなる弱い型の人が各45%、まったく飲めない人が10%程度いると考えられている。
膵臓がんになった114人を調べたところ、酒に弱い型は計55人で、うち日常的に飲酒の上喫煙していた人は19人だった。これを酒は弱いが飲酒習慣があり、たばこは吸わない人と比較すると、膵臓がんになる危険度は10倍も高くなっていた。
酒に強い型では、飲酒・喫煙両方の習慣がある人の、飲酒・非喫煙者に比べた危険度は3倍だった。
船越医長は「膵臓がんは酒よりたばことの関係が深いことが知られていた。しかし、酒に弱い遺伝子を持つ人は喫煙の悪影響がさらに顕著に出るので、酒とたばこ両方を習慣的に愛好するのはやめるべきだ」と話している。(読売新聞 2003/09/24)黒酢が大腸がん予防に効果 ラットの実験で確認
タマノイ酢(大阪府堺市)は24日、黒酢から抽出したエキスが大腸がんの予防効果があることをラットの実験で確認したと発表した。25日から名古屋市で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。
確認したのは同社中央研究所と、田中卓二金沢医大教授(腫瘍=しゅよう=病理学)、大東肇京都大教授(生命有機化学)の研究グループ。
同社によると、ラット20匹に発がん物質を投与した後、黒酢エキスを水に0.1%混ぜて約8カ月間与え、エキスを与えない同数のラットと比較した。
その結果、エキスを与えないラットは16匹が大腸がんになったが、エキスを与えたラットのがんは7匹だけだった。
1日にラットに与えたエキスの量は人間に換算すると約4グラムで、黒酢約10リットル分に当たるが、エキスの成分が特定できれば大量生産が可能だという。(共同通信 2003/09/25)基準濃度でもラットに障害 ホルムアルデヒド被ばくで
厚生労働省が定めた室内環境基準濃度のホルムアルデヒドでも、誕生前後のラットがさらされると、平衡感覚や学習行動に障害が出るとの実験結果を東海大の相川浩幸講師がまとめた。神奈川県相模原市で開かれる日本免疫毒性学会で26日、発表する。
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の1つ。胎児期から誕生後までの時期に、低濃度でどのような影響があるか分かっていなかった。相川講師は「環境基準濃度を引き下げる必要があるかどうか、今後は人間への影響の検討が必要」としている。
相川講師は、妊娠中の母ラットと、出産後は子ラットをホルムアルデヒドにさらし、子ラットへの影響を調べた。実験期間は40日。厚労省基準の0.08ppmに近い0.09ppmと4倍強の0.39ppmの2つの濃度で実験した。
ホルムアルデヒドにさらしたラットは両濃度とも、普通の空気で育ったラットに比べ、歩行量が少なくなるなど、自発行動が抑制された。落下した時の着地態勢もきちんと取れなくなっていた。電気刺激を避ける学習試験でも学習行動が低下。0.39ppmの濃度にさらしたラットは自発行動と平衡感覚の障害の程度が強かった。(共同通信 2003/09/25)年をとっても精神的才能は衰えない
70歳、80歳になっても、あなたが今持っている才能や特技は、決して衰えることはない、とオーストラリア国立大学の精神医学者カーリン・アンゼイ博士が高齢者を励ましている。従来、人間は若いうちに持っていた特別な才能や技量が、加齢とともに薄まって行き、お互いにあまり違いがなくなっていくと考えられていた。ところが、アンゼイ博士は「そんなことはない」と、こういう考えをきっぱり否定し、精神的能力は死ぬまで保持されると主張している。
彼女らは、有権者名簿からランダムに選んだ高齢男女1800人を、8年間、追跡調査した。また、各人に対して、精神能力のテストを受けさせ、同時に、視覚、聴覚などの感覚テストも行った。その結果、視力、聴力は平均して、65歳から74歳の間に衰え始め、75歳から84歳の間でこれを失う人が多かった。しかし、精神力の衰えを示す証拠は現れなかった。
特に、その人に特有の才能や技量には全く変化はなかったという。例えば、数字に強い人は、年を取ってもその力は健在だし、パズルが得意な人は、いくつになっても、難しい問題を見事に解いてしまう。
別の言い方をすると、老人は、情報を記憶する能力は衰えるかもしれないが、数ある情報を関連付け、適切に判断し、これを使いこなす能力は、むしろ年齢とともに冴えてくるという。(日経ヘルス 2003/09/25)緑茶カテキンでDNA損傷、濃度40倍での実験結果
緑茶に多く含まれる「カテキン」が細胞内のDNAを傷つけ、がんを発症させる仕組みを、三重大学医学部の川西正祐教授(衛生学)のグループが突き止めた。
これまで、カテキンは動脈硬化やがんを引き起こす物質の発生を抑えるなど、数々の“健康パワー”があることが知られているが、場合によっては負の役割も持っていることが示された。
緑茶ががん発症と関連がありそうなことは、疫学調査や動物実験で指摘されていたが、人間の細胞内でどう働いているのかは分かっていなかった。研究成果は、名古屋市で開かれている日本癌(がん)学会で27日発表される。
DNAが傷つくと細胞のがん化に結びつくことが知られている。川西教授らは、人間の細胞に、緑茶に含まれる約40倍の濃度のカテキンを与えると、通常の状態に比べ1.5―2倍、DNAが傷ついたことを示した。
研究グループは「通常の生活で飲む緑茶の量なら心配はいらないが、大量に摂取したときの影響を、さらに確かめる必要がある」としている。(読売新聞 2003/09/26)ビタミンDに大腸ガン予防作用発見
体内でカルシウムの吸収を促進することで知られているビタミンDが、大腸ガンの予防にも効果があることが初めてわかった。
テキサス・サウスウエスタン大学ハワードヒューズ医学センターのデービッド・マンゲルスドーフ博士が、米科学誌「サイエンス」で明らかにしたもの。
博士らは、高脂肪食でなぜ大腸ガンが増えるかを研究し、胆汁酸とビタミンDの関係を見つけた。高脂肪の食事をすると肝臓から胆汁酸が出る。このうち「リトコール酸」(lithocholic acid)は、動物の腸管に高濃度であると、大腸ガンを起こす。ところが、ビタミンDを与えた後、リトコール酸を与えたら動物に大腸ガンは起きなかったのである。すなわち、ビタミンDにはリトコール酸を解毒させる働きがあるという。
実際に大腸ガンの患者では、高濃度のリトコール酸が分泌される人が多いという。「こういう患者にビタミンDを与えると、リトコール酸による害が抑えられて、この状態を改善できるだろう」と研究者たちは見ている。(日経ヘルス 2003/09/26)「くまのい」がC型肝硬変からの発癌を抑制か、症例対照研究が示唆
日本で古くから使われてきた利胆薬の「くまのい」(熊の胆)に、C型肝炎ウイルス(HCV)感染による肝硬変からの発癌を予防する効果があるかもしれない──。くまのいの主成分であるウルソデオキシコール酸(UDCA;わが国での商品名:ウルソなど)の服用者と非服用者を長期追跡した症例対照研究で、肝臓癌の5年発症率に3倍近い差があることが確認された。大腸癌予防に関するプラセボ対照第3相試験ではネガティブな結果となったUDCAだが、肝臓癌予防では一転、期待の持てる結果となった。研究結果は、9月25日のポスターセッションで、神奈川県立がんセンター消化器内科の多羅尾和郎氏らが報告した。(日経BP MedWave 2003/09/26)ピロリ菌除菌で胃がん発症率3分の1 感染者調査で判明
胃潰瘍(かいよう)を起こすとされる細菌、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)を薬で除菌すると、胃がんになるリスクが3分の1になるという調査結果を浅香正博・北海道大教授(消化器内科学)らがまとめた。感染者約3400人を調べた結果で、除菌による胃がんの予防効果が明らかになった。27日まで名古屋市で開かれた日本癌(がん)学会で発表した。
同大学や東北大、信州大など全国23の医療施設が協力し、ピロリ菌感染者で除菌をしていない1233人と、除菌した2186人について、5年以上にわたって胃がん発症の有無を調べた。
その結果、除菌していない人では3.5%(43人)が胃がんになった。一方、除菌した人で胃がんになったのは1.1%(23人)で、除菌によって胃がんの発症が3分の1以下に抑えられた。
ピロリ菌は胃の粘膜に感染し、炎症や潰瘍につながる。胃潰瘍の治療では、薬による除菌が普及している。しかし、除菌で胃がん発症を予防できるかどうかはまだ明らかになっていなかった。
胃がんはがんの死因の第2位で、01年には約5万人が死亡した。浅香教授は「食生活などの生活習慣を改めるとともに除菌をすることで、胃がんの7、8割を抑えられる可能性がでてきた」と話している。富永祐民・愛知県がんセンター名誉総長の話 大規模試験の結果であり、除菌の胃がん予防効果がほぼ証明されたと思う。今後は、発症するリスクが高い人など、どのような人を対象に除菌をするかを見極めなければならない。(朝日新聞 2003/09/28)
アルツハイマー予防にポリフェノール、赤ワイン効果確認
赤ワインに含まれるポリフェノールが、アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質を分解することを山田正仁・金沢大教授(神経内科)らが実験で確認し、国際神経化学学会誌オンライン版で発表した。効果が示されたポリフェノールの量は赤ワイン約500CC分とかなり多め。
アルコール分は、厚生労働省が掲げる1日の適量の倍以上になる。
フランスなどの疫学調査で、定期的に赤ワインを飲んでいる人はアルツハイマー病を含む痴呆(ちほう)症の危険性が減る可能性があるという報告が出されていた。
アルツハイマー病の患者の脳には、βアミロイドというたんぱく質が線維状になって沈着して老人斑と呼ばれるものができる。これが発病や病状の進行に影響するとみられている。
山田さんらは、赤ワインに多く含まれるミレセチンなどのポリフェノールをβアミロイドの溶液に加え、線維化現象への影響を調べた。
その結果、低濃度のミレセチンが線維化を抑えたほか、一度線維化したβアミロイドもミレセチンを加えると元のβアミロイドに分解された。
また、線維化したβアミロイドは細胞への毒性があるが、ミレセチンを加えるとその毒性も減ることがわかった。
山田さんは「ポリフェノールをサプリメントにするなどしてアルツハイマー病の予防治療用に応用できる可能性がある」と話している。(朝日新聞 2003/09/29)高血圧になると、物忘れが起こりやすい
高血圧の人は、自宅の電話番号を度忘れするなど、ちょっとした記憶力障害におちいることが多い。ピッツバーグ大学の研究者が、このほどワシントンで開かれた米心臓学会高血圧部会で発表した。
高血圧は、心臓発作や脳卒中を引き起こす要因といわれているが、記憶力や注意力にも問題が起きることを明らかにしたのは、初めてのこと。これを発表した同大学のリチャード・ジェニングス博士は、「高血圧を治療せずにおくと、全体として頭の働きがにぶくなる。脳の老化が10年早く来る」と警告している。
同博士らの研究チームは、正常な血圧の人59人と、高血圧の人37人を対象にコンピュータを使って記憶力テストを行い、その時の脳の化学的変化を、PET(ポジトロン放出断層撮影)でとらえた。
まず、いくつもの情報を矢継ぎ早に提示し、これを記憶させるテストを行った結果、高血圧の人は得点が低かった。さらに、その場で与えられた情報を別の仕事で使うテストを行った。すると、高血圧の人は全般的に、正常な血圧の人より能力が劣っていた。これらのテストを行っている間に、被験者の脳をPETでスキャンしてみると、高血圧の人では、記憶に関係した脳の領域に流れる血流が明らかに少なくなっていたという。
「脳への血液の流れが悪くなっていることが、高血圧の人の記憶力低下の原因」と同博士は言っている。(日経ヘルス 2003/09/29)緑茶のカテキン、ペットボトル1本半(700ml)飲めば悪玉コレステロールの酸化を抑制
緑茶に含まれるカテキンがいわゆる悪玉コレステロールとされるLDLの酸化をin vitro(実験系)で抑制することはよく知られているが、ヒトにおける現実的な摂取量でも効果が期待できることが明らかになった。緑茶摂取とLDLの抗酸化作用との関連について、防衛医科大学校の高橋理恵氏が9月28日のポスターセッション「酸化3」で、また、血小板凝集能などとの関連について、同じグループに所属する同校内科助手の大森玲子氏が27日のポスターセッション「運動・栄養・食事1」でそれぞれ報告した。
高橋氏らは、平均年齢33歳(29〜37歳)、非喫煙者の健常男性15人を対象として、緑茶負荷を行った。まず1週間の緑茶摂取禁止期間を設定してウオッシュアウトを行い、その後2週間は水摂取期間、次の2週間は緑茶摂取期間とし、100mlずつ、朝2杯、昼2杯、夜3杯の計7杯を投与した。緑茶投与時のカテキン量は1日当たり542.5mgだった。ウオッシュアウト経過後の第1週末、水投与経過後の第3週末、緑茶投与後の第5週末に血液検査を実施した。
その結果、酸化LDLの代表的形態である血清MDA-LDL濃度と、MDA-LDLとLDL-Cの比は、緑茶摂取時には有意に減少し、LDLの酸化が日常的な摂取量の緑茶カテキンによって抑制される可能性が示唆された。
一方、大森氏らは、同一の介入試験における血小板凝集能と血中MMPs(matrix metalloprotease:基底膜破壊酵素)の変化を測定した。その結果、緑茶摂取による血小板凝集能の抑制傾向は見られたが有意差はなかったという。
最近、ペットボトル飲料の普及で若者が日常的に緑茶を飲む姿を見かけるようになってきている。日常摂取量の緑茶カテキンに抗動脈硬化作用が確認されたことは、生活習慣の西洋化による動脈硬化関連疾患の増加に歯止めをかける期待を持つことができそうだ。(中沢真也)(日経BP MedWave 2003/09/29)乳酸菌:喫煙者の免疫機能を活性化 ヤクルト中央研発表
免疫機能を担う「ナチュラルキラー(NK)細胞」の働きが乳酸菌によって強まることが、喫煙者を対象にした飲用試験で分かった。
NK細胞はリンパ球の一種で、がん細胞やウイルス感染細胞などを攻撃する。喫煙のほか、ストレスや睡眠不足などの影響で働きが低下することが知られている。
ヤクルト中央研究所と大阪大医学部の研究グループは、たばこを吸う20〜50歳代の男性99人を2グループに分け、乳酸菌(ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株)の入った飲料と疑似飲料を1日1回(80ミリリットル)ずつ、3週間飲んでもらった。被験者から採取したNK細胞と、がん化した白血球細胞を混ぜて、白血球細胞の破壊された量でNK細胞の強さを測った。
被験者全体について、実験の前後でNK細胞の強さがどのように変わったのか、その平均値を算出した。乳酸菌を飲んだグループの約66%が平均値を上回ったのに対し、疑似飲料グループで上回ったのは約43%だった。NK細胞の数そのものに差はなかった。
研究結果は、神奈川県で開かれた日本免疫毒性学会で発表された。ヤクルト中央研究所の南野昌信主任研究員は「乳酸菌がNK細胞の活性化に作用する仕組みはまだ分からないので明らかにしたい」と話している。【加藤潔】(毎日新聞 2003/09/30)唐辛子の「カプサイシン」が胃炎抑制
唐辛子の辛み成分で、体脂肪を燃やすダイエット効果で知られる「カプサイシン」が胃炎を抑制し、胃かいようや胃がんの危険性を下げる可能性もあることを熊本大大学院医学薬学研究部の岡島研二助教授らの研究グループが突き止め、米国生理学会雑誌電子版に掲載した。
ストレスを与え、胃かいようになったラットで比較。カプサイシンを投与した場合、胃炎を起こす白血球の活性化を抑制する物質の血管壁中の量が、30分後のピーク時に倍増。カプサイシンによる刺激で、知覚神経が放出した神経ペプチド(CGRP)が、血管壁の抑制物質の量を増やしていたことがわかった。
岡島助教授は「CGRPは、骨密度をあげたり、血圧を下げたりする効果もある。カプサイシンをとることで、骨粗しょう症や生活習慣病予防も期待できる」と話している。(読売新聞 2003/09/30)ピロリ菌を減らすココアと鶏卵が登場、ヨーグルトのヒットに続けるか
胃の粘膜に住みつき、胃潰瘍(いかいよう)や胃ガンの原因になるヘリコバクター・ピロリ菌。このピロリ菌を減らす効果を確かめたココアと鶏卵が発売された。
ココア最大手の森永製菓は、8月20日に粉末ココア「インナーFFAカカオパウダー」を全国発売した。ピロリ菌を減らす働きのあるココア成分「カカオFFA(カカオ遊離脂肪酸)」を、通常のココアの2倍に高めた。1日1杯、1カ月飲み続けるとピロリ菌の活動度が低下することを、北里研究所メディカルセンター病院研究部部長の鈴木達夫氏らが29人のピロリ菌陽性健常者の試験で確認している。
価格は1杯当たり64円。同じ個包装タイプの一般のココアのほぼ2倍の値段。
一方、鶏卵トップのイセ食品が9月1日に通信販売を始めた鶏卵「胃もよろこぶ卵」は、ピロリ菌をくっつけて体外に排出する働きやピロリ菌の増殖を抑制する働きがある、抗ピロリ菌鶏卵抗体(IgY)を含む卵。
IgYは親のニワトリの抗体が鶏卵の黄身に集まったもの。普通の鶏卵にもIgYは含まれているが、「胃もよろこぶ卵」は、ピロリ菌に働きかける特別な性質をもつIgYが黄身に蓄積されるよう、親のニワトリにピロリ菌の成分を注射して産ませた卵。1日1個、1〜2カ月食べるとピロリ菌を減らせる効果が、20人のうち8割以上の人で確認された。
価格は、白玉6個入り1800円。1個当たり300円と、普通の卵に比べると値段は1桁高い。
ピロリ菌を減らす効果のある機能性食品が相次ぎ商品化されているのは、日本人の中高年のピロリ菌陽性率が8割と、欧米に比べて高いことに加え、ピロリ菌を減らす効果のあるヨーグルトの売れ行きが好調なため。
その代表格は、ヨーグルト最大手の明治乳業が2000年春に発売した「明治プロビオヨーグルトLG21」。
1個120g入り120円と、普通のプレーンヨーグルトより割高だが、販売量は年々増え、2003年は270億円の販売を見込む大ヒット商品になっている。1日1個、24週間続けて食べればピロリ菌の活動が抑えられ、胃粘膜の炎症度も改善することが東海大学医学部感染症学部門教授の古賀泰裕氏らの試験で確認されている。
2003年9月上旬にスウェーデン・ストックホルムで開かれた第16回欧州ヘリコバクター研究グループ国際ワークショップのサテライト・シンポジウムで、古賀氏はLG21の開発について招聘(しょうへい)講演を行った。LG21の成果は海外からも注目されているためだ。
LG21乳酸菌は、抗生物質耐性のあるピロリ菌に対しても効果があるとの成果も、古賀教授らは論文発表している。
同じヨーグルトでは、ネスレ・スノー社の「ネスレLC1ヨーグルト」も、ピロリ菌の活動を抑える作用が強いことが確認されている。
ネスレ・スノーは、「ネスレLC1ヨーグルト」の購入者に、郵便検診を無料プレゼントするキャンペーンを9月から開始した。
この検診コースには、一般的な血液検査のほか、ピロリ菌検診と胃ガン検診も含み、ピロリ菌に対するヨーグルトの効果を消費者に間接的に伝える意味を持たせている。薬事法などの規制によって、ピロリ菌に対する効果を消費者に直接伝えることが難しいだけに、注目されるキャンペーン内容だ。
医療現場では、ピロリ菌を抗生物質などで殺す除菌療法が広がっているが、除菌療法の副作用があったり、結果的に抗生物質耐性のピロリ菌を育ててしまうなどの問題点も指摘されている。
ピロリ菌の発見者である西オーストラリア大学のバリー・マーシャル教授は、「ピロリ菌がいても胃痛などの症状がなければ、除菌療法を急ぐ必要はない」と語る。「日ごろから、新鮮な果物や野菜、特にビタミンCの豊富なものを食べていれば、胃ガンになりにくくなる」と続ける。
ピロリ菌を減らす効果は、緑茶やコーヒーなどの飲み物にも認められている。医薬品ではなく、食品でピロリ菌対策をしたいと考える消費者を狙う機能性食品は、今後さらに増えそうだ。(日経ヘルス 2003/10/03)うつでコレステロール値が低いと自殺しやすい
うつ病でコレステロール値が低い患者は自殺しやすいことがわかった。9月下旬にプラハで開かれた「欧州神経心理薬理学会」で韓国の研究者が発表した。
発表したのは、韓国アンサン医科大学精神科の研究チーム。自殺未遂で救急病院に運ばれてきた重度のうつ病患者149人と、自殺は試みていない重度のうつ病患者149人の血中コレステロール値を測定して比較した。また、比較のため、正常な健康人251人のコレステロール値も同時に測定した。その結果、ほとんどの自殺未遂患者のコレステロール値が、血液1デシリットル当たり160mg以下で、自殺を試みていない患者や、正常な人より明らかに低かった。(日経ヘルス 2003/10/06)パソコン業務 ドライアイ3人に1人
パソコン業務をする人の3人に1人が、目の表面が乾きやすい「ドライアイ」であることが、日本眼科医会(佐野七郎会長)の調査でわかった。ドライアイは、乾燥した室内でパソコン画面などに長時間向かう人たちに多いとされるが、実態が明らかになったのは初めて。
悪化すると感染症など目の病気になる恐れがあり、同会は「パソコンを使う時は意識的にまばたきをしたり、人工涙液を使ったりして、目の乾きを予防してほしい」としている。
調査は2000―2002年に東京、大阪、兵庫三都府県でパソコン業務を行う1025人(平均36歳)を対象に実施。涙の分泌量、目が乾燥する速さ、角膜の傷の状態を調べた。
その結果、「ドライアイではない」と診断されたのはわずか25%で、31%がドライアイと確定、44%が「ドライアイが疑われる」とされた。確定例では、涙の量は十分あるのに、乾燥が早いタイプが多く、角膜の傷も軽いため、治療を受けず放置している人が多いとみられる。
男性では23%が確定例だったのに対し、女性は41%にのぼった。コンタクトレンズ使用者は、使っていない人より約13%ドライアイが多かった。(読売新聞 2003/10/07)信州大など、細菌を運び役にがん狙い撃ちできる治療技術
信州大学と京都薬科大学のグループは腸内細菌を薬の運び役にしてがんを治療する技術を開発した。細菌ががん組織内で集中して増えるので、薬を病巣だけで作用させがんを“兵糧攻め”にすることが期待できる。アレルギー反応が起きないことを動物実験で確認した。副作用の少ないがん治療用の薬物送達システム(DDS)技術として実用化を目指す。
乳がんや肺がんなど固まりを作るがんは、組織内部の酸素が乏しい。研究グループは、酸素が乏しい状態を好む腸内細菌のビフィズス菌に注目。この細菌に、がんへの栄養補給路を断つ血管新生阻害薬の「エンドスタチン」を作る遺伝子を組み込んだ。
乳がんなどの細胞を移植したネズミの血中にビフィズス菌を注入すると、菌はがん組織の中だけで繁殖。1週間後にはがん以外の部分からは菌がいなくなる。モルモットの血中に注射してもアレルギー反応が起こらず、生体には無害という。(日経産業新聞 2003/10/07)ミカンの内皮に減量効果? えひめ飲料と愛媛大が研究
温州ミカンやイヨカンの果肉を包む内皮に、脂肪を分解し、体内への吸収も抑える働きがあることがわかったと、ポンジュースを製造しているえひめ飲料(松山市)と愛媛大総合科学研究支援センターの辻田隆広助教授が8日、発表した。両者の共同研究によるもので、えひめ飲料は「ダイエットにもつながる」として、内皮を使った商品開発を目指している。
脂肪は消化酵素を使って分解され、体内に吸収される。
試験管に内皮を入れ消化酵素の働きを調べたところ、内皮を多く入れた方が働きが弱まることが確認できた。内皮に含まれる食物繊維の一種、ペクチンが作用している可能性があるという。ラットの脂肪細胞を入れた試験管実験では、内皮の抽出液を加えると脂肪の分解が進むことがわかった。皮下脂肪よりも内臓脂肪への効果が高かったという。
えひめ飲料はジュースを搾る際に出るかすに内皮が多く含まれていることに着目。内皮だけを取り出す技術を開発した。今後、加工した内皮をジュースやパンなどに交ぜた商品の開発にも乗り出す。(朝日新聞 2003/10/08)花粉症に効くヨーグルト、04年にも発売 キリンビール
キリンビールは15日、目のかゆみや鼻水など花粉症の症状を抑える効果が期待できるヨーグルトや健康食品を、04年にも発売すると発表した。免疫細胞のバランスを改善する乳酸菌を発見し、昭和女子大の飯野久和教授のグループとの共同研究で、効果を確認したという。23日から岐阜市で開かれる日本アレルギー学会で発表する。
アレルギーは、体内の免疫細胞のバランスが崩れて起こるとされる。食品と薬品の両部門を持つキリンは、保有する100種以上の乳酸菌からマウスを使った実験で免疫バランスを大きく改善する菌を発見。花粉症に悩む約30人の社員を対象に今春、この乳酸菌を使ったヨーグルトを毎日食べさせ、経過を観察した。
その結果、約半数に顕著な効き目があり、目のかゆみなどが和らいだ。薬での対症療法のような副作用の危険もなく、ヨーグルトなどの形で定期的に摂取すれば、体質改善やアトピー性皮膚炎などを抑える効果も期待できるという。同社では、清涼飲料や機能性食品などとしても、商品化したい考えだ。(朝日新聞 2003/10/16)一酸化窒素が動脈硬化抑制 米大研究チームが解明
体内の一酸化窒素が血液の固まるのを抑え、動脈硬化になりにくくする仕組みを米ジョンズ・ホプキンス大の松下健二研究員(循環器内科)らの研究チームが解明した。スイッチ役となるたんぱく質の働きが一酸化窒素によって抑えられることをマウス実験で確認し、治療薬の候補も作った。17日付米科学誌セルで発表した。
血液中の一酸化窒素には血管を拡張したり、動脈硬化を防いだりする作用があることは知られているが、詳しい仕組みはわかっていなかった。
研究チームは、血管の細胞が血液を固める信号を出すきっかけを作るたんぱく質NSFに注目。一酸化窒素と反応すると、NSFの性質が変化して、信号が伝わらなくなることをマウスの細胞実験で明らかにした。
さらに、NSFの働きを抑えるたんぱく質を人工的に合成することに成功。尾の先端を切って出血させたマウスに注射して、血が固まって止まるまでの時間を比較した。その結果、注射したマウスは、注射していないマウスよりも、最大で3倍以上も血が固まるまで時間がかかった。
松下さんは「NSFを標的にすれば、副作用が少なく、濃度調節もしやすい薬になる。新しい動脈硬化薬の開発につなげたい」と話している。
一酸化窒素の働きを利用した薬には、狭心症治療薬ニトログリセリンの錠剤などがある。成分が体内に吸収されて一酸化窒素に変化し、血管を広げる。しかし、薬として働く時間が短く、濃度の調節が難しい。(朝日新聞 2003/10/18)まぶたのけいれん、化学物質も要因か 東京の眼科医調査
重症になるとまぶたの筋肉が震え、目を開けられなくなってしまう「眼瞼(がんけん)けいれん」が、室内や職場などで化学物質に長い間接触すると起きる可能性が高いことを、井上眼科病院(東京都)のグループが突き止めた。眼瞼けいれんによって歩行や車の運転にも大きな支障が出いることも判明。グループは31日から名古屋市で開かれる日本臨床眼科学会で発表する。
眼瞼けいれんは、脳など中枢神経系の異常で起こり、加齢やストレス、抗不安薬などの副作用なども引き金になると考えられている。
同病院の若倉雅登(わかくら・まさと)院長らのチームはほかの要因を探るため、薬剤の影響以外の患者167人を対象に、発症前5年間の化学物質の接触状況を調べた。患者の4割強が新築・改築した家に住んだり、新装・改装した職場に勤務したりしていた。建材から発生する化学物質に長い間接触した疑いが濃い。この中には、職業上、塗料、シンナー、防虫剤、農薬などを扱う人もいた。
さらに、患者54人への別の調査では、半数が歩行中に電柱や停車中の車などにぶつかった経験があった。また、6割ほどが車の運転中に危険を感じ、その半数がずっと運転をやめている。
若倉院長は「生活への支障はとても大きく、室内の化学物質で体の不調を訴えるシックハウス症候群と関連している疑いもある。眼瞼けいれんへの世間の理解は浅い。予防や診断などに注意を促したい」と話す。(朝日新聞 2003/10/19)目に電気刺激で視力改善
重い目の病気を持つ患者の角膜に、電極を埋め込んだコンタクトレンズを取り付け、電気刺激で視力を改善させたり、視力の低下を防いだりすることに大阪大病院眼科の不二門尚教授らが世界で初めて成功した。
動脈硬化などで目の血行が悪くなり、視力が著しく低下する難病「虚血性視神経症」の患者を対象に、本格的な治療を始める。
片方の目の角膜に、電極を埋め込んだコンタクトレンズを取り付け、約30分間、弱い電流を流して網膜に刺激を与える。外来で治療でき、1回の処置で済む。動物実験では、細胞の劣化を防ぐホルモンなどが出ているのを確認。網膜神経細胞の細胞死を防いでいるとみられる。
今年1月に同大学の倫理委員会で承認され、これまで3人の虚血性視神経症患者を治療した。2人は約1週間から1か月で視力が改善、うち1人は0.2から0.5になった。残りの1人も低下を防ぐことができた。
治療チームは今後、20人に実施し、有効な治療法のない眼底骨折による神経損傷などの患者の治療にも応用する。(読売新聞 2003/10/21)がん抑える野菜、キノコ
ブロッコリーや白菜などのアブラナ科野菜や、シメジやナメコなどのキノコを多く食べる人は、あまり食べない人に比べ、胃がんや大腸がんになりにくい──国立がんセンター研究支所(千葉県柏市)などの調査でこんな傾向がわかった。
長野県内の4か所の医療機関で、胃がんや大腸がんにかかった患者計364人と、人間ドックを受診した健康な517人に、日ごろどんなものを食べているか詳しく尋ね、年齢など、さまざまな条件を考慮して統計的に分析した。
すると、ブロッコリーや白菜、小松菜などアブラナ科の野菜を週3回以上食べている人は、週1回未満の人に比べ、大腸がん、胃がんになりにくいことがわかった。特にブロッコリーをよく食べる人で、その傾向が顕著だった。
キノコでも同様で、ブナシメジを週1回以上食べる人は、食べない人に比べて胃がんになりにくかった。
アブラナ科野菜やキノコ類は、がんを抑える可能性が以前から指摘されていた。花岡知之・同支所臨床疫学研究部室長は「統計的にも、ある程度は裏付けられたと思う」と話している。(読売新聞 2003/10/21)日大、大腸がんの“兵糧攻め”効果確認──抗がん剤「UFT」
日本大学医学部の研究グループは、「UFT」と呼ぶ弱い抗がん剤が、がんへの栄養補給路を断つ「血管新生阻害薬」として作用することを確認した。大腸がんの患者に投与したところ、がん細胞の周囲にできる血管の数を半分程度に抑えられた。がん細胞を直接たたく力は弱いが、がんを“兵糧攻め”にする薬としての治療効果が期待できるという。
研究グループは大腸がんの患者約40人に対して1日当たり600ミリグラムのUFTを10日間投与し、外科手術でがん組織を切除した。組織を観察したところ、UFTを投与しなかった患者に比べ、がんが周囲の血管からたぐりよせた毛細血管の数を半分程度に抑えられた。(日経産業新聞 2003/10/21)アルコールでがん転移促進 免疫低下、マウスで確認
アルコールによって免疫細胞の働きが弱まり、がん転移が促進されるとする動物実験の結果を、近畿大医学部(大阪狭山市)の犬房春彦教授らが22日、札幌市で始まった日本癌(がん)治療学会で発表した。
人間でビール大瓶3本半または日本酒3合半に相当する量で転移は促進され、量が増えるほど転移数が増えた。
犬房教授らは、マウスを16匹ずつ3群に分け(1)人間ではビール3本半に相当する量(2)その倍量(3)4倍量──のアルコールを腹に注射。尾に人間の大腸がん細胞を注射した。
4週間後、肺転移したがんの塊を数えたところ、アルコールを投与しなかったマウスは平均8個。一方、最少量を投与したマウスは11個、倍量では19個、4倍量で25個だった。
がん細胞を壊すナチュラルキラー細胞の働きは、アルコール量が多くなるほど低下し、4倍量のマウスでは無投与の半分近くに落ちた。
犬房教授は「転移の経路となる血管へのアルコールの影響など、他の要因についても研究を進めたい」と話している。(共同通信 2003/10/22)ぜんそく予防にペット? 免疫強化と英学者発表
【ロンドン23日共同】「ペットと一緒に育った子供は健康で学校の病欠が少ない」「猫や犬と多く接した子供は従来の常識に反し、ぜんそくにかかりにくい」−。英ウォリック大学のマクニコラス博士が23日までに、こんな研究結果をロンドンの英王立研究所で発表した。
英紙タイムズによると、ペットが持つアレルギー誘発物質にさらされた子供は免疫機能が強化されるため、と専門家はみている。博士の発表はスウェーデン誌「アレルギーと臨床免疫学」などに掲載された最新の諸研究に基づく。子供2500人を追跡調査し「ぜんそくのほかアレルギー性鼻炎や花粉症の予防にもペットが有効」との結論を出した研究もあるという。
博士はペット飼育の健康への利点として、このほか(1)ストレス関連の病気になりにくく、特に情緒的に不安定な子供の支援に役立つ(2)乳がん患者の調査で、精神安定や体調回復に猫が有効−を指摘している。(共同通信 2003/10/24)カテキンの次は、テアニンがブームに?
太陽化学、睡眠の質を改善する効果を確認
「体脂肪を減らす」「アレルギー症状を軽くする」といった作用で話題の緑茶成分カテキンだが、緑茶のうま味成分であるアミノ酸の一種「テアニン」がこれから注目を集めそうだ。
10月25、26日に千葉大学で開催される日本生理人類学会第50回大会で、太陽化学(三重県四日市市)総合研究所主任研究員の小関誠氏は、国立精神・神経センター精神保健研究所と共同で行った、テアニンによる睡眠の質の改善効果を発表する。
テアニンは、脳に作用してリラックスの指標となるα(アルファー)波を引き出すことが、これまでの研究で確認されている。今回は、10人の健康な男性を対象にテアニン摂取の有無と、1. 寝つきの良さ、2. 眠りの深さ、3. 起きたときの疲労感──などを検討した。
対象者は、就寝1時間前に200mgのテアニンかプラセボ(偽薬)を、それぞれ6日間連続して摂取、睡眠と覚醒の状態を計測する機器(アクチグラフ)を装着して寝た。テアニンを摂取した場合は、入眠後の中途覚醒時間が、偽薬をのんだ場合より有意に減少することがわかった。起床時のそう快感が高く、実際に眠った時間よりも長く眠ったように感じていた。
また、「入眠感評価尺度」という評価法を用いて入眠の良し悪しを評価したところ、10人中7人で、テアニンをのんだ場合の方が良いという結果が出た。
すでに太陽化学は、テアニンを主成分とするサプリメント「テアニン粒」を商品化、子会社のサンフィールドが今年5月に通信販売を開始している。1粒にテアニン50mgを含み、300粒で5000円。
このほか、テアニンをメーンとする商品では、日清オイリオ(東京都中央区)の「ピュセラドリンク」(1本にテアニン200mg入り、1本、180円)、「気分やすらぎゼリー」(1本にテアニン200mg入り、180g、200円)などがある。ちなみに、200mgのテアニンを緑茶で摂取するには、せん茶を20杯飲まなくてはならない。
不眠の悩みを抱えているのは5人に1人という調査結果もあり、不眠解消をサポートする商品に対する消費者のニーズは高い。緑茶人気の追い風もあるだけに、テアニン配合商品の動きは見逃せない。(小山千穂)(日経BP MedWave 2003/10/24)C型肝炎に有望飲み薬 体内ウイルス量、急減
C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を阻害し、体内のウイルス量を急速に減らせる飲み薬を開発したと、製薬会社べーリンガーインゲルハイム(本社ドイツ)が27日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
C型肝炎患者に飲んでもらったところ、血液のウイルス量は100分の1−1000分の1以下になったという。安全性や効果が確認されれば、有望な治療薬になると期待される。
開発したのは、HCVが増殖する際に欠かせないNS3プロテアーゼと呼ばれる酵素に結合し、働けなくする物質。同酵素の立体構造に基づいて設計し、合成した。
液体に混ぜて飲み薬にして、日本人にも多いHCV1型の感染者8人で効果を試した。2日間に計4回服用したところ、全員のウイルス量がすぐ減り、24時間後にはウイルスが検出できなくなった人もいた。(共同通信 2003/10/27)磁気の刺激でうつ病が良くなった
薬の効かないうつ病患者に、頭の外側から磁気で脳を刺激したら、病状が大きく改善した。この研究を行ったのは、オーストラリアのメルボルンにあるモナシュ大学のポール・フィッツジェラルド博士で、磁気刺激は電気ショック療法に取って代わる治療法だという。
博士らは、数種類の抗うつ剤を試みても、一向に治らないつうつ病患者60人を対象に、実験を行った。60人全員に、磁気コイルを頭部に取りつけ、いつでも頭皮から磁気を照射できるようにした。そして、被験者を3つのグループに分けて、第1のグループには、頭の左側に高周波の磁力線を照射し、第2のグループには頭の右側に低周波の磁力線を与えた。第3のグループには、磁気を照射したようにみせけて、実際には何もしなかった。磁気照射は、毎日10回、週に5日間行った。
こうして、うつの病状の変化を、いろいろな観点からスコアをつけて記録したところ、実際に磁気を与た2つのグループの患者では、病状が明らかに改善したが、磁気を与えなかったグループでは病状に変化はなかった。(日経ヘルス 2003/10/27)“善玉”乳酸菌と多糖体 一緒に投与でがん抑制効果
朝日大の小川教授発見 免疫機能高める
人の腸内にも生きている乳酸菌「ラクトバシラス・カゼイ・サブスピーシス・カゼイ(LCC)」と、血液増量剤などに使われる多糖体「デキストラン」を合わせて投与すると、ほかの菌よりも体の免疫機能が高まり、がん細胞の増殖などを抑えることを、朝日大学歯学部(岐阜県瑞穂市)の小川知彦教授(50)=免疫学=が突き止めた。12月の日本機能性食品医用学会(大津市)で発表する。小川教授は乳酸菌やビフィズス菌など“善玉”の腸内細菌を中心に67種類の細菌を調べ、LCCだけがデキストランを分解して増殖することを発見。デキストランの投与でLCCを腸内で増やせることを意味し、この考え方に基づいてLCCなどと免疫機能との関係を人やマウスを使った実験で調べた。
この結果、LCCとデキストランを合わせた錠剤などが、がん細胞を殺すナチュラルキラー(NK)細胞の機能を通常の約2倍に活性化させることなどが実証された。LCCだけを投与した場合も通常の1.5倍ほどに活性化し、いずれも他の菌よりも活性化作用が高かった。
免疫機能はNK細胞による「細胞性免疫」と、リンパ球の一種から抗体を出して感染症ウイルスなどを攻撃する「体液性免疫」の2つに分かれるが、小川教授によると、LCCは双方に対し効果があったという。
LCCの免疫機能への働きかけの仕組みは不明だが、小川教授は「生きたLCCが免疫機能を活性化させる代謝物質を作り出している可能性が高い」としている。信州大大学院農学研究科の保井久子教授(58)=免疫学=の話 今後の研究で、細胞性免疫と体液性免疫に働きかける物質がそれぞれ分かれば、オーダーメード医療に大きく貢献できる。(中日新聞 2003/10/28)
赤ワインは肺にも良い=英医師グループ
心臓に良いことが既に知られている赤ワインは、肺にも良いとの報告を英国の医師グループが発表した。
報告によれば、赤ワインに含まれる成分が慢性気管支炎や肺気腫への抵抗力を高める。ただ、グラス1杯の赤ワインでは不十分という。
赤ワインの原料となるブドウの皮に含まれるレスベラトロルが、こうした疾病を引き起こす可能性のある有害化学物質を減らす作用を持つことが考えられるとしている。
世界保健機関(WHO)によると、全世界の慢性閉塞制肺疾患(COPD)による死者は毎年290万人と推定され、喫煙者がCOPDで死亡する割合は非喫煙者の10倍に達している。(ロイター通信 2003/10/28)レーザーを使ってニキビを治療
英国ロンドンのハマースミス病院の皮膚科医、アンソニー・チュー博士は10月24日に10代の若者の悩みであるニキビの治療に、レーザー光線の治療が有効だと発表した。
博士は、軽度ないし中程度のニキビをもっている人41人を対象に、うち31人にレーザーを照射し、10人には、比較のために照射したふりをして何もしなかった。
レーザーは、ニキビの中の赤血球をターゲットに、0.3ミリ秒という極短時間、1回だけ照射した。1人当たり、照射時間は10分ほどで終わり、痛みは全くなかった。
その結果、レーザーを当てたニキビには治療効果が出た。しかも、その効果が3カ月持続し、その間あらためて照射する必要はなかった。同博士は、「レーザーを当てることで、ニキビのなかで起きている炎症が抑まり、その結果、ニキビが隆起しなくなる。ニキビの薬剤やクリームは毎日つけなければならないが、レーザーは数カ月に1度でいい」と述べている。(日経ヘルス 2003/10/31)お茶でうがい インフルエンザ予防
成分カテキンに抗ウイルス作用
日本人に長く愛飲されているお茶。古来「養生の仙薬」と呼ばれてきたほど、病気予防などの働きがあることは経験的に知られてきた。専門家によると、冬場に流行するインフルエンザを抑える作用も動物実験で確認されている。お茶でうがいを励行すれば、インフルエンザにかかりにくくなるという。お茶の成分の中で様々な作用の主役と考えられているのが「カテキン」と呼ばれる物質。赤ワインに含まれ、動脈硬化などの予防に役立つ成分として有名になったポリフェノールの一種で、渋味成分の本体だ。
緑茶にはカテキンの一種であるエピガロカテキンガレートという物質が、紅茶には同じくテアフラビンなどの成分がそれぞれ含まれている。カテキンは湯飲み茶わん1杯のお茶の中に約100ミリグラムと、お茶に多いとされるビタミンCの数十倍多く含まれている。
お茶に含まれるカテキンの研究を続ける島村忠勝・昭和大学医学部教授は「カテキンはいくつもの異なった作用を併せ持つユニークな物質」と強調する。カテキンには(1)細菌を攻撃する抗菌作用(2)毒素を解毒する抗毒素作用(3)ウイルスを抑える抗ウイルス作用──などがあるという。
このうち抗ウイルス作用は様々な実験で明らかにされている。例えば、宮城県の養豚場でのブタを対象にした実験。ブタは人間同様にインフルエンザにかかる。11月から1月までの期間、緑茶から抽出したカテキン類を水に溶かし、普通のお茶の約4分の1の濃度にして豚舎天井のスプリンクラーからブタに直接噴霧した。
実験の狙いは緑茶成分がインフルエンザを抑える効果を持つかどうかの検証。生まれたばかりの子ブタは、母ブタから受け継いだインフルエンザ抗体を持つものの、抗体の数は年々減少していく。逆にインフルエンザに感染すると抗体が増える。この増減の具合を調べ、効果を検証しようというものだ。
その結果、緑茶成分を噴霧した子ブタは12月には抗体数がほぼゼロになり、インフルエンザへの感染が認められなかった。噴霧をやめると1カ月以内に抗体が増えた。
一方、比較対照のために水を噴霧しただけの近くの養豚場では、同時期に子ブタの抗体が増えており、この地域でブタのインフルエンザが流行していたと推測できる。
予防接種をして体内に抗体を作らなくても、鼻や口を通して緑茶成分を摂取すれば、その抗ウイルス作用でインフルエンザ予防効果が見込めることを示しているという。島村教授は「噴霧しただけで効果が見られたのがこの実験のおもしろいところ」と解説する。
お茶の抗ウイルス作用をうまく利用する方法がお茶を使ったうがいだ。お茶どころ静岡県の榛原町にある坂部小学校では、インフルエンザが猛威を振るう11月から2月くらいまで、緑茶うがいを励行している。体育の後、給食の前など日に3−5回行っている。お茶は水筒に詰めて生徒が持参したものだ。
インフルエンザが流行した1998年初め、生徒の欠席率は近隣の小学校と比べて明らかに低い数値となったという。うがいに使うお茶は、いわゆるお茶の木から作られるお茶ならば紅茶でもウーロン茶でもよいそうだ。
島村教授は「お茶を使ううがいはインフルエンザにかかった人がほかの人にうつすのを防ぐのにも有効」と話す。島村教授らの実験ではお茶は市販のうがい薬とは働き方が違う。市販薬がウイルスなどを殺菌してしまうのに対して、カテキン類はウイルスの増殖を抑える働きがあるという。
とはいえ、お茶でうがいをするだけでよいわけではない。規則正しい生活とバランスのとれた食事も欠かせない。すべての細菌やウイルスに効くわけではないし、万病を予防するわけでもないのだが、毎日、手軽に続けられる点はお茶ならではの長所といえよう。<お茶でうがいをするときのポイント>
・カテキンが含まれるお茶を使う(緑茶、紅茶、ほうじ茶、番茶、ウーロン茶など)
・お茶は熱くても冷たくてもよい(熱いお湯で入れるとカテキン類がよく抽出されるが、やけどの注意)
・薄いお茶でも可(2、3番せんじでもよい)
・砂糖やミルクは入れない(糖分があると効果が落ちる)(日本経済新聞 2003/11/01)緑茶は前立腺がんの予防に効果的
【パース(豪州)5日】当地紙で5日報道されたオーストラリアと中国の合同研究結果によると、緑茶を毎日飲めば、前立腺がんにかかる危険性が3分の2減少する。大量に飲む人や何年間にもわたって飲んでいる人にはさらに効果があるという。
研究は当地のカーティン大学と中国・杭州の浙江がん病院の共同で行われた。それによると、緑茶を毎日飲む男性は飲まない人に比べて、前立腺がんになる危険性が3分の1だった。研究は前立腺がんを患った中国人130人と前立腺がんになっていない中国人274人を比較して行われた。
緑茶の効果は飲む量と飲んでいる期間に応じて増加するが、少量しか飲まない人でも幾分かの効果はあるという。(AFP=時事通信 2003/11/05)100歳以上の長寿になるための遺伝子発見
血中コレステロールの分子のサイズが大きくなる遺伝子を持っていると、非常に長生きできることがわかった。ニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学クライド・シェヒター博士らの研究チームが「米国医師会雑誌(JAMA)」で報告した。
研究者らは、何世紀にもわたって隔絶した社会で生活している中部ヨーロッパの長生きのユダヤ人「アシュケナジム」(Ashkenazim)を研究対象に選んだ。アシュケナジムの老人213人と、その子どもですでに成人になっている216人を選び、血中コレステロールに関する遺伝子を調べた。
老人の平均年齢は98歳で半数以上が100歳以上。子どもの平均年齢は68歳。その結果、長寿老人では、まず、血中に善玉コレステロールと呼ばれる「HDL」(high density lipoproteins )が、一般の人たちよりも多く含まれていることがわかった。
そして、長寿老人とその子どもでは、ある遺伝子が突然変異を起こしていたこともわかった。この遺伝子は、血中コレステロールの分子のサイズを調節する酵素に関係しており、そのためにコレステロールの分子が大きくなっていたのだ。変異遺伝子の割合は、長寿老人で一般の人の3倍、子どもで2倍だった。(日経ヘルス 2003/11/05)ショウガ、緑茶が、ガンを防ぐ──米ガン研究学会
ショウガと緑茶が、マウスや人に対する実験で、ガン細胞の増殖を抑える効果があることが証明された、と10月末に米アリゾナ州で開かれた米ガン研究学会で報告された。
ショウガ(ginger)の研究を行ったのは、ミネソタ大学のジアン・ドン博士ら。マウスに人間の結腸ガンの細胞を植えつけてから、ショウガのエキス「6−ジンジェロ−ル」を与えた。すると、与えなかったマウスには平均13個あった腫瘍が、与えたマウスには4個しかできなかったという。
緑茶の研究を行ったのは、アリゾナガンセンターの研究チームで、118人のヘビースモーカーを2つのグループに分けた。1つのグループには、緑茶を毎日少なくとも4杯飲ませ、別のグループには、紅茶をやはり4杯飲ませて、これを4週間続けた。そこで、DNA損傷の頻度を見る「8−OHdG」と呼ばれる化学物質を測定した。すると、緑茶を飲んだグループでは、「8−OHdG」が、飲み始める前よりも、31%減少していたが、紅茶グループでは、変化はなかった。(日経ヘルス 2003/11/10)ダニ 香りでコロン! ジャスミンが大嫌い
かゆみやアレルギーの原因になるダニは、ジャスミンの香りが苦手なことが、家庭用品メーカー「花王」(本社・東京都)などの研究でわかった。「におい」を使った新たなダニ撃退法の開発につながりそうだ。
アロマセラピー(芳香療法)に使われる植物精油など、人間は不快に感じない身近なにおい物質約350種類をそれぞれ紙に染みこませ、上に置いたエサにダニ(体長約0.3ミリ)が寄ってくるか観察した。
その結果、ジャスミンの花のにおい物質「ジャスモン酸メチル」と、線香などに使われるビャクダンのにおい成分には90%以上のダニが寄りつかなかった。特にジャスモン酸メチルを染みこませた紙は4日後でも嫌がった。
研究チームは、ダニが好む枕カバーの成分も分析。ダニは「あか」そのものより皮脂成分が酸化してできる物質「ノナナール」のにおいに引き寄せられることも突き止めた。同社はこれらの成果をもとに、ダニを撃退する商品の開発に結びつけたいとしている。(読売新聞 2003/11/11)アフリカの民間療法が新薬開発の糸口に──バイオプロスペクティングの光と影
(WIRED NEWS 2003/11/12)途上国で消費する薬の25%は偽物
【ジュネーブ11日】世界保健機関(WHO)は11日、効果のない、有害な偽薬が増加しており、中には死をもたらす物もあると注意を促す声明を発表した。WHOは同日から東南アジアで偽薬取り締まりキャンペーンを開始した。声明によると、開発途上国で消費される薬の最高25%は偽物か水準以下の質のものだという。マラリア、結核、エイズなど生命にかかわる病気の薬にも往々にして偽物があると警告している。
声明によると、偽薬問題は先進国でも起きており、最もよく売れている偽物の1つはバイアグラ。偽のバイアグラはインターネットで簡単に買えると声明は指摘している。李鍾郁WHO事務局長は、低品質あるいは違法な薬との闘いがかつてなく重要になったと強調した。〔AFP=時事〕(時事通信 2003/11/12)天然ハーブが老化防ぐ
三菱電機は、天然ハーブから抽出した成分が人体に有害な活性酸素を抑える効果を持つことを、産業技術総合研究所との共同研究で、世界で初めて確認した。◆体内の有害な活性酸素抑制
三菱電機は発見を基に5件の特許を申請中で、来年にも抗酸化機能を備えたエアコンなどを製品化する方針だ。
天然ハーブには酸化を防ぐ「抗酸化作用」があることが知られ、食品の腐敗を防ぐスパイスなどに使われている。
だが、成分を空気中に揮発させても、活性酸素を抑えることを実証した例はなかったという。
活性酸素は喫煙や飲酒、激しい運動などで体内に発生する。殺菌効果がある反面、細胞内の遺伝子や血管の細胞を傷つけ、がんや動脈硬化を引き起こすなど、生活習慣病や老化の原因になるとされている。(読売新聞 2003/11/12)細菌汚染血液が逆流の恐れ、真空採血管で 厚労省指導へ
血液検査で使う「真空採血管」という容器が細菌に汚染され、採血時に患者の血管内に汚染血液が逆流して敗血症などを起こす恐れがある、として厚生労働省は12日、メーカーに対し、添付文書を改訂し、血液が逆流しない採血方法を病院などに徹底するよう指導する方針を決めた。採血管を取り外すまで、上腕部を圧迫するバンドを緩めないようにすれば、逆流しないという。同省は今後、段階的に滅菌製品に切り替えるよう指導していく方針だ。
真空採血管は血管に刺した注射針から陰圧で自然に血液が入る容器。同省などによると、欧米では全製品が滅菌処理されているが、日本では年間使用数約8億本のうち、3割が滅菌処理されていないという。
一方、今年10月に日本臨床化学会年会で発表された藤田保健衛生大短期大の勝田逸郎助教授らの研究では、約1000本の真空採血管のうち2割からセラチア菌やセレウス菌などが検出された。製造工程や保管中に、空気中の常在菌が付着したとみられる。(朝日新聞 2003/11/13)高コレステロール、「実は長生き」 富山医薬大教授、データ誤認の可能性指摘
富山医薬大和漢薬研究所の浜崎智仁教授=脂質栄養、動脈硬化=は15日、成人病予防に効果が高いとされるコレステロール摂取の制限に疑問を投げかける著書「コレステロールは高いほうが長生きする」(エール出版社・1500円)を出版した。高コレステロールと心筋梗塞(こうそく)の相関を示すデータに矛盾がある点を挙げ、コレステロール制限に過敏になり過ぎて、動脈硬化予防に効果が高いとされる魚介類を食べないデメリット の方が大きいと指摘している。
健康の目安となる血清コレステロール値は1デシリットル中、220ミリグラムを超えると高脂血症とされる。
しかし、浜崎教授が1万人から9万人を対象に5年から十数年にわたって調べた4つの研究で、血清コレステロール値と総死亡率の関係を調べた結果、正常値を上回る240から260ミリグラムの人が一番長生きしていることが分かった。さらに、血清コレステロール値の低い人は、高い人に比べてがんで死亡するケースが多いことも指摘している 。
高コレステロールが危険であるという説は、1997(平成9)年に行われた動脈硬化学会で出されたガイドラインの中のグラフに基づいていると指摘。しかし、グラフの基になったデータを調べると、被験者の中に体質遺伝が原因の家族性高コレステロール血症患者が、一般人口に占める比率の約20倍の割合で含まれているなど、正確性を欠くとしている。
浜崎教授は「血清コレステロール値が260ミリグラム以下の患者を治療しなかったら2000億円以上の医療費が削減される」と述べ、医療関係者の間で確信される「危険説」 に疑問を投げかけている。(富山新聞 2003/11/16)βカロチン、ビタミンC、E、亜鉛が高齢者の失明を防ぐ
老人性黄斑変性症は、網膜のほぼ中央にある黄斑部が変化して、見ようとするものの中心部が見えにくくなたり、ゆがんで見える。病状が次第に悪化して、最後は失明に至るケースも多い。
この眼の病気の予防に抗酸化物質作用の強いサプリメント(栄養補助食品)、すなわち、βカロチン、ビタミンC、E、それに亜鉛の大量療法が効果を持つという報告があった。ジョンズホプキンス大学(ボルチモア)での研究。「米眼科学会誌」に報告された。
研究によると、米国には55歳以上で黄斑変性症にかかる危険性が高い人は800万人いるが、もしこの人たち全員が、これらのサプリメントを使えば、少なくとも30万人が黄斑変性症にならずに済み、失明を避けることができるという。(日経ヘルス 2003/11/20)アガリクス茸の「がん予防効果」検証 米国立がん研究所が実験
金沢大学薬学部の太田富久教授が、ブラジル原産のキノコ「アガリクス」から肺がん予防効果がある成分を確認。この報告書にアメリカの国立がん研究所(NCI)が注目、52週間の再現性試験と追試を行った結果、アガリクスの低分子成分「ABMK―22」に含まれる「1SY―16」が肺がんだけでなく、大腸がんについても高い予防効果を発揮することがわかった。このため、NCIは緊急案件「RAPID PROGRAM」に選定、がん予防研究をスタートさせた。日本の研究成果が採用されたのは初めてという。
このほど、東京で発表された報告によると、太田教授は「ABMK―22」を経口投与し、がん増殖抑制作用の研究を開始。この研究データに着目したNCIのI・P・リー博士が人間のがんに対する予防効果の検証と安全性試験に着手した。
人間に例えれば、たばこを毎日2箱、80年間、喫煙した量の発がん物質を投与したマウスに対し、「ABMK―22」を経口投与、16週間後に肺がん発生率を調べた。通常なら100%の発がんになるが、大きな抑制効果があった。特に「1SY―16」では一層高い効果が見られたという。
「ABMK―22」が選定された「RAPID PROGRAM」はNCIに寄せられる素材や研究データの中でも有望で、早い製品化が期待される案件だけが選ばれるという。
「ABMK―22」はアガリクス茸(たけ)から抽出される低分子成分で、太田教授が99年、確認。分子量が小さいため、腸管からの吸収も優れているという。(毎日新聞 2003/11/28)長寿の秘けつ 運動・食事・禁煙
100歳を過ぎても元気に生きるには、毎日の運動、腹8分目、たばこを吸わない──こんな調査結果が、国立療養所中部病院(愛知県)などの研究でわかった。健康長寿には様々なコツがあり、調査結果は、生きの俗説としてよく言われる平凡なことだが、案外正しいのかもしれない。
健康・体力づくり事業財団が100歳以上(百寿者)の約2800人に聞き取りし、介助なしで自立した日常生活を送れる秘けつを探った。
百寿者でも元気な人から病気の人まで様々。生涯で全く喫煙しない人は一般に30%程度とされるが、元気な百寿者では53%と差があった。また、一般の高齢者では、80歳で喫煙率は40%程度とされる。百寿者の80歳時は24%だった。
70―80歳代に全く運動せずに、百寿に到達する人もいるが、うち健康な人は12%どまり。一方、散歩や草取り、体操など体を動かすのを毎日欠かさない場合、健康な人は17%いた。
40歳代以降に、食事で〈1〉腹8分目〈2〉塩分控えめ〈3〉海藻類、生野菜などを意識的に食べる──を心がけていた百寿者が、そうでない人の約1.4倍おり、中年以降の食生活にも健康長寿のカギがありそうだ。(読売新聞 2003/12/02)物覚えの鍵は「中期記憶」 老人性痴ほう改善の糸口に
老化に伴う記憶力低下は、脳の中で記憶を数時間だけ保つ「中期記憶」の障害が原因であることを東京都神経科学総合研究所の斉藤実研究員(行動生理学)がショウジョウバエの実験で突き止め、4日付の米科学誌ニューロンに発表した。
斉藤研究員は「ハエでは中期記憶にかかわる遺伝子が特定されており、ヒトにも非常によく似た遺伝子がある。今後老人性痴ほう改善の糸口が見つかるのではないか」と話している。
斉藤研究員は寿命が平均約40日のショウジョウバエで実験。2種類のにおいを一方は電気ショックを与えながらかがせ、もう一方は何もせずにかがせた。
生後10日までの若いハエが電気ショックと結び付いたにおいをショックがなくなった後も長時間にわたり嫌ったのに対し、生後20日以上のハエではそうした反応が鈍り、老化に伴う記憶力低下が確認できた。(共同通信 2003/12/04)アスピリンに胃がん抑制効果=香港大の研究チーム
【香港3日】香港大学のチームの研究によると、アスピリンを長期にわたって用いると、胃がんにかかる危険性が減少する可能性がある。同大医学部の研究チームは胃がん患者2831人のデータを検討し、アスピリンを長期間用い続ければ胃がんになる率が22%減少する可能性があるとの結果が出た。
しかし、研究者のベンジャミン・ウォン博士は、アスピリンががんの治療に使われると予想するのはまだ時期尚早だと語った。同博士は、この結果はアスピリンががんの危険性を抑制することを証明する第一歩に過ぎず、結果が正しいことを証明するためには臨床試験などさらに多くのテストが必要だと述べた。〔AFP=時事〕(時事通信 2003/12/04)ココアの新たな効用、杏林大と森永製菓が発見
毒性の強いピロリ菌を抑制する
冬の温か飲料の1つ、ココアの人気が徐々に高まっている。胃潰瘍(かいよう)や胃癌の原因になるピロリ菌を減らし、整腸作用もあることが明らかになり、健康増進効果のある飲料として消費者に認知が広まっているためだ。そのココアに、毒性の強いピロリ菌の活動を抑制する作用があることが新たにわかった。
ピロリ菌は、VacAと呼ばれるたんぱく質の毒素を出し、胃の細胞に空胞を作って、細胞を死滅させる。実は、ひと口にピロリ菌といってもいろいろな株があり、このVacAをたくさん作る株ほど、毒性が強いことがわかってきた。
杏林大学医学部の神谷茂教授は森永製菓と共同で、VacAをたくさん作り出す毒性の強いピロリ菌を研究。この毒性の強いピロリ菌にココアを0.06%の濃度で加えると、VacAを作る働きが抑えられることがわかった。
ちなみに0.06%という濃度は、通常のココアの飲用濃度である3.5%に比べると60分の1に相当する。「まだ研究の初期段階だが、ココアを飲むことで毒性の強いピロリ菌の活動を抑制する作用を期待できると考えてよいだろう」(神谷氏)。
この効用は、2003年12月2日に東京都内で開かれた報道関係者向けセミナー「ヘリコバクターピロリに対するカカオの効果 最新情報」で発表された。
これとは別に、ピロリ菌対策のヨーグルトとして人気の明治乳業「明治プロビオ LG21」の乳酸菌であるLG21乳酸菌が、ピロリ菌の活動を抑える新たなメカニズムも明らかになってきた。
ピロリ菌は、胃粘膜の上皮細胞に付着すると、ピロリ菌の細胞膜からタイプ4分泌装置という針のようなものを胃の上皮細胞に突き刺し、毒素を上皮細胞内に送り込むことが知られている。
このタイプ4分泌装置でピロリ菌が上皮細胞を突き刺すのを、LG21乳酸菌が抑制することがわかったのだ。東海大学医学部教授の古賀泰裕氏が明治乳業と共同で、このメカニズムを見い出し、2003年9月上旬にスウェーデン・ストックホルムで開かれた第16回欧州ヘリコバクター研究グループ国際ワークショップのサテライト・シンポジウムの招へい講演で発表したもの。
医療機関で行われているピロリ除菌は年々、除菌成功率が低下している。耐性菌が登場しているからだ。
医療機関ではピロリ菌を除去するために、胃酸の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬1種と、抗生物質2種の計3剤を併用している。3剤の一つであるクラリスロマイシンという抗生物質が効きやすい通常のピロリ菌であれば、除菌成功率は8割ほどと、かなり高い。
ところが、クラリスロマイシンに耐性がある(死滅しにくい)ピロリ菌株が胃に棲息(せいそく)している場合には、除菌成功率は4〜2割程度に下がることがわかってきた。
抗生物質は使えば使うほど耐性菌が出やすくなることはよく知られているが、ピロリ菌についても同じことが起こっているのだ。
医薬品だけに頼らず、ココアやヨーグルトといった身近な食品でピロリ菌に対抗していく動きは今後、より重要度を増していくだろう。(河田孝雄)(日経BP MedWave 2003/12/05)米国民「生野菜こわい」──A型肝炎集団感染で
ペンシルベニア州郊外にあるメキシコ料理店「チチズ」で、11月中旬、A型肝炎の集団感染が起き、客や従業員など3人が死亡し510人が発病した。このショッキングなニュースを聞いて、米国民はいま、野菜を生のまま食べることに非常に気を使っている。
というのは、A型肝炎食中毒としては、米史上最悪のこの集団感染の原因が、サラダなどに、生のままで使われたグリーンオニオン(春タマネギ、ネギに似ている)であると断定されたからだ。またこのグリ−ンオニオンが、メキシコから輸入されたものであることから、輸入野菜に対する警戒も強まっている。
CDC(米疾病予防管理センタ−)によると、バクテリアに汚染された不衛生な食品を食べて起きた病気は、米国で毎年約7800万件も起きており、死亡者5000人を出している。(日経ヘルス 2003/12/05)マイタケがインフルエンザに効果 ウイルス増殖10分の1に
富山医薬大の落合教授ら実験で解明
富山医薬大医学部の落合宏教授の研究グループは、マイタケにインフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があることを突き止めた。マイタケのエキスを用いた実験で、生体防御に重要な役割を果たすマクロファージを刺激した場合、増殖が10分の1に抑制された。 研究グループは4日、富山市で開幕した第16回日本バイオセラピィ学会で研究の成果を発表した。
研究はマイタケから抽出した多糖類とたんぱく質を主成分としたエキスを用いて行い、 富山医薬大と雪国マイタケ(新潟県六日町)の共同で進められてきた。
実験によると、細胞を培養した培地にマイタケエキスを直接加えても、インフルエンザウイルスの増殖は抑えられない。しかし、マイタケエキスでマクロファージを刺激した上で培地に加えた場合、ウイルスの増殖が抑えられた。さらには、マクロファージを刺激する時間が長いほど効果が高いことが分かった。
インフルエンザウイルスは8時間で100倍、1日で100万倍に増えることから、増殖が10分の1に抑えられると1日のウイルス増殖はマイタケエキスの効果で1000分の1となる。
これまでの研究で、マイタケには抗腫瘍(しゅよう)、血糖値降下などの効果があることが分かっている。東北地方で鍋料理にマイタケが使われていることなどから、落合教授は経験的に予防効果が認知されている点を指摘し、「実験により、マイタケを食べることがインフルエンザの予防につながる可能性が高い」としている。(富山新聞 2003/12/05)遠赤外線でがん予防!! 新陳代謝よくなり免疫力UP
遠赤外線。冬になるとよく耳にするこの物質、身体に良さそうだけど、一体どんな効果があるの? そもそも遠赤外線って何なの? 実は私たちの身体からも放射されている遠赤外線。その驚くべきパワーに迫った。波長が“ミソ”なの
遠赤外線は、光線の一種。太陽をはじめ、人体など熱を持つものから発せられている。目に見える光を可視光線といい、赤外線は可視光線(紫、藍、青、緑、黄、オレンジ、赤)の中で一番波長の長い赤色光よりも外側にあるため、赤外線と名づけられた。目には見えない。
赤外線にも近赤外線、中間赤外線、遠赤外線、超遠赤外線の4種類があり、なかでも遠赤外線は人間に最も有効な波長といわれる。その理由はなぜか。
「遠赤外線(5.6−25ミクロン)が身体にいいのは人体から出る遠赤外線(4−14ミクロン)の波長と重なり合うからです」と語るのは数年前からストレス蛋白と温熱の研究を続けている三重大学医学部の野口孝教授(56)。身体を温めること(温罨=おんあん=法)は健康管理に大変有効で、普通の方法で温める(40−42度)だけでも毛細血管が拡張して血流が良くなり、血液性状が安定する。
遠赤外線はこれに加え、身体の波長と遠赤外線の波長が共鳴し、振動することで細胞の動きが活発化し新陳代謝がよくなることが最大のセールスポイント。その結果、免疫力が向上し、がんや感染症の病気にかかりにくくなるという。
「現代人が抱える問題の1つに体温の低下が上げられます。エアコンの普及や運動不足で汗をかかなくなったことが原因。人間に本来備わっている自己免疫力は、体温37度前後がベストで、36.5度に落ちれば60%まで低下します。この低体温が生活習慣病など多くの病気を誘発します」と野口教授は指摘する。身体スッキリ遠赤浴
そこで、医療分野で注目を集めているのが「遠赤外線温熱療法」だ。現在、東海・北陸地方で唯一、この療法(遠赤浴)を行っている遠赤ねころびサロン「陽だまり」(三重県一志町)へ、体験レポに出掛けた。
遠赤浴とは、室温38−41度、床面44度に保たれた超低温サウナ室で約40分間ゴロンと寝転ぶことで、身体を芯(しん)から温め、発汗を促し、体内の老廃物や活性酸素を出し血行を良くするというもの。
甚平に着替え、部屋に入ってみると、低温だけあって一般的なサウナのような圧迫感はない。夏でもあまり汗をかかない記者は、10分たっても顔が汗ばむ程度だが、隣の男性は5分で玉のような汗を額に浮かべていた。
15分ほどたったところで、発汗促進と水分補給のためにイオン水を飲む。その10分後、全身からじわじわと汗が吹き出してきた。35分後には、サラサラとした汗が全身から流れ落ち、部屋を出ると気持ち良いすっきり感。身体が軽かった。
今年3月から2週間に1度遠赤浴に通っている青木勢津子さん(52歳・主婦=三重県嬉野町在住)は「真夏でも流れなかった汗が、今では普通に出るようになった。また、手首の使いすぎで2年前からできていたゼリー状のできものがなくなった」という。
この遠赤浴サロンを自ら設計施工した陽だまり代表の小竹弥吉さん(56歳・床暖房や健康住宅リフォームを手がける名匠の会代表)によれば「室内は人間の波長と合う4−14ミクロンの遠赤外線とマイナスイオンがピークで出ている状態」という。
がん細胞は43度以上で死滅することから、アメリカや韓国では、すでに遠赤外線が、がん治療に広く用いられているそうだ。そこで、小竹さんが開発したのが、遠赤シート(4万8000円)。身体から出る遠赤外線と共鳴して発熱する仕組み。電気毛布と違い、身体のしんが温まるから、外に出ても熱が逃げず温かいままなのが特長だ。グッズもあるよ!
もう1つ、快適な「睡眠」の観点から、「体を温める」ことにこだわった寝具や健康増進製品の製造・販売を行うユメロン黒川(福井県武生市)が運営する遠赤外線グッズのオンラインショップhttp://www.yumeron.comには「オーラストーン」入りの遠赤グッズがラインナップする。
代表取締役の黒川裕文さん(56)によれば、オーラストーンとは、遠赤外線の放射効率が極めて高く、人体に最も共振するといわれる9.8ミクロンの波長帯を有している天然石。オーラストーンの超微粒子を繊維に練りこんだ「遠赤外線アイマスク」(3500円)や、肩・ひざ用の「おやすみサポーター」(3000円・2枚入り)。
変わり種としては、はさみで好きな形にカットできる「遠赤外線不思議なフェルト」(1500円・30×50センチ)、「リストバンド」(900円)などがある。
本格的な寒さに備え、遠赤外線を利用し、あなたも上手に体内に熱を取り入れてみてはいかが。(中日スポーツ 2003/12/10)市販の魚、週340グラムまで 水銀問題で米食品局が勧告
【ワシントン11日共同】米食品医薬品局(FDA)は11日、メチル水銀による胎児や乳幼児への悪影響を避けるため、妊婦や授乳中の女性らに、マグロなどを含む一般の市販魚介類について、消費量を1週間に最高で12オンス(約340グラム)程度にとどめることが望ましいと勧告した。
メカジキやサメについては、これまで通り、食べないよう呼び掛けた。
米国内の市民団体などは、マグロについて「水銀濃度が高い」と指摘してきた。FDAは「マグロステーキや一部の缶詰マグロには比較的、水銀濃度が高い例がある」としながらも、特別扱いすることは避けた。
環境保護団体からは「マグロの消費量は非常に多く、この勧告では不十分だ」との指摘が出ている。
FDAの勧告は、妊娠中や妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性が対象。
母体や母乳経由で、魚の中のメチル水銀が胎児や乳幼児の発達に悪影響を及ぼすことを避けるため、サメ、サワラやアマダイの一種、メカジキの摂食を避けるよう勧告した。
それ以外の魚介類については「毎週12オンスまでなら(継続して)食べても安全だ」とした。(共同通信 2003/12/12)カゼを早く治すには、マスクを のどの痛みの持続時間が半減する
カゼを引いたとき、病院で抗生物質を処方されることがある。しかし、カゼの原因は、その9割が抗生物質の効かないウイルスによるもの。抗生物質は、細菌による2次感染対策に過ぎない。カゼのときに抗生物質をのんでも効果がないとする研究データが、国内外でいくつも出ている。
関西医科大学耳鼻咽喉科助教授の久保伸夫氏は、咽頭痛の症状が出てから3日以内の患者約40人を対象に臨床試験を実施。「抗生物質をのむ」「消炎鎮痛剤をのむ」「1日中マスクをする」といった対策法をランダムに組み合わせ、咽頭痛の持続時間を検討した。
その結果、マスクをした人は、何もしない人に比べて痛みの持続時間が半減した。一方、抗生物質や消炎鎮痛剤をのんだ人は、痛みの持続時間は何もしない場合とほとんど変わらなかった。「マスクで喉を保湿しておくと、薬よりものどの痛みを早く改善する」と久保助教授は話す。
また、12月6日号のBritish Medical Journalでは、抗生物質のペニシリンを小児の咽頭痛患者に投与しても、症状の持続時間、学校の出欠状況、咽頭痛の再発抑制に改善がみられないという研究結果を紹介している(BMJ;327,1324-1327,2003)。
抗生物質は、病気の原因菌を殺すと同時に、腸内の善玉菌にもダメージを与える。腸内細菌のバランスが崩れ免疫力の低下を招く“両刃の刃”だ。
抗生物質の副作用を最小限に抑えるには、「抗生物質と同時に、乳酸菌製剤をのむといい。1回にのむ乳酸菌製剤の量は、通常量の2倍くらいが適量だと思う」と、腸内細菌に詳しい東京大学名誉教授の光岡知足氏はアドバイスする。
なお、マスクによるカゼの改善効果は、健康雑誌「日経ヘルス」2004年1月号が詳報している。同誌は合わせて、カゼ・インフルエンザ対策のマスクを雑誌購読者の中から2000人にプレゼントする企画も実施中。マスクによるカゼの改善効果を実感してみたい人はご応募を。(小山千穂)(日経ヘルス 2003/12/12)発がん抑制に効果 答志島の「ヤマトタチバナの皮」
【三重県】鳥羽市沖に浮かぶ答志島に12日、県紀南果樹研究室の担当者らが訪れ、県の天然記念物になっているヤマトタチバナの古木を調べた。こうしたかんきつ類の果実に含まれている成分研究の一環。特にヤマトタチバナの皮には、発がん抑制の効果があるとされる成分が多いという。
県最南端の熊野市や御浜、紀宝町は、東海地方有数のミカン産地。そこで、地元の御浜町にある同研究室が中心となり、地域で栽培されているセミノールなど9品種のほか、野生のものが多いヤマトタチバナなど2品種の成分の分析を続けている。
同研究室によると、これまでの分析で、ヤマトタチバナの皮に、タンゲレチンと呼ばれる成分が多く含まれていることが分かってきたという。「発がん抑制効果が報告されており、温州(うんしゅう)ミカンの20倍近く」(同研究室)。
この日、市農林課職員の案内で、前川哲男・研究室長ら3人が、答志島桃取地区の山あいに自生している3本の古木を調査した。ちょうど今が果実を付けている時期で、その小さな実も持ち帰り、今後、皮や実などに分けて、分析機器にかけるという。
ヤマトタチバナは現在、ほとんど農作物として栽培されていないが、鳥羽市では、果実にユズのような良い香りがあることから、商品開発に向けての動きもある。(中日新聞 2003/12/14)ソバが血糖値を下げる
ソバ粉に、血糖値を下げる働きがあることがわかり、糖尿病患者の食事に加えたり、サプリメント(栄養補助食品)として利用できそうだという研究が、12月3日発行の雑誌「農業と食品化学」(Journal of Agricultural amd Food Chemistry)で発表された。
研究を行ったのは、カナダのマニトバ大学人間栄養科学部の助教授カーラ・テイラー博士。
博士らは、糖尿病にさせたラット40匹に、通常の食事の前に、ソバのエキスか偽薬を与えて、食事後の血糖値にどう影響するかを見た。その結果、ソバを与えたラットは、偽薬を与えたラットより、血糖値が12%から19%下がっていた。ソバに含まれるカイロイノシトール(chiro-inositol)が、血糖値を下げる働きをしたと研究者たちは見ている。
この物質は、ソバ以外の食品にはほとんど見つからないという。(日経ヘルス 2003/12/19)イビキは心臓病につながる=豪州の研究で判明
【メルボルン19日】イビキをかく人たちは心臓病にかかる可能性が大きいことが分かったとオーストラリアの研究者たちが19日発表した。メルボルンのアルフレッド病院の睡眠障害センターの医師たちは、睡眠時無呼吸症の研究をしているうちにイビキと心臓病に関係があることを発見した。40人の患者を対象に行った研究では、イビキを防止するために鼻孔に空気を送るマスクを着けた患者は鬱血性心不全のリスクが顕著に減少した。
研究を指導したマシュ―・ノートン準教授は、イビキは心臓病を引き起こす上で喫煙や糖尿病と同じくらい深刻な原因になっている可能性があると述べた。ノートン準教授は、イビキをかく人は通常、心臓病があり、イビキをかかないための治療をすれば心臓病が減少することが分かったと言っている。
ノートン準教授は、1週間に3回以上イビキをかく人は医師に相談すべきだと忠告している。〔AFP=時事〕(時事通信 2003/12/20)ニコチンパッチでお年寄りの記憶力がアップ!
禁煙グッズの1つとしておなじみのニコチンパッチを貼ると、お年寄りの記憶力が改善され、集中力がついたという報告があった。12月4日、「精神薬理学」(Psychopharcology)のオンライン版で報告された。
この研究を行ったのは、米デューク大学のヘイディ・ホワイト博士(老人学)らの研究チ−ムで、年を取って記憶力が衰えた62歳から90歳までの男女11人を対象にテストをした。
11人をニコチンパッチを4週間貼った人たちと、外見はニコチンパッチとよく似たパッチ(偽薬)をやはり4週間貼った2つのグループに分けて、記憶力と注意・集中力をテストした。
その結果、ニコチンパッチを貼ったお年寄りの記憶力や注意力が2倍アップした。しかし、偽薬組では変化はなかっった。その後、グループごとに反対のパッチを貼ったが、やはりニコチンパッチで記憶力が向上した。(日経ヘルス 2003/12/22)肥満防ぐ体内物質の働き解明、糖尿病など新薬にも期待
体内の栄養状態を検知している体内物質の一種が、筋肉中で脂肪の燃焼を促していることを、東京大学の酒井寿郎教授(代謝医学)らが動物実験で突き止めた。
肥満や糖尿病に効く新たな治療・予防薬につながる成果で、脂肪の多い食事をとった場合でも肥満度を抑え、血中の糖の濃度を制御する
スリンの効き目を改善することも確認した。
この体内物質は、「PPAR」(ペルオキシソーム増殖薬活性化受容体)と呼ばれ、3種類が知られている。酒井教授らは、このうち役割が不明だった「デルタ」という種類のPPARに着目、マウスに高脂肪の食事を与えて実験した。
その結果、デルタを働かせる薬を投与したマウスは、投与しないマウスの半分程度に、体重増加が抑えられた。また、インスリンが血糖値を下げる効果も、約2割高かった。また、デルタが働き出すと、筋肉中の脂肪分解に関連する遺伝子が働くことも分かった。
別のPPARを活性化する薬は、すでに糖尿病治療に使われている。しかし、インスリンの効き目を改善する一方で、脂肪細胞を増やし、体重の増加を招く副作用があった。酒井教授は「糖尿病や肥満治療の新しい標的がはっきりした。脂肪を燃焼して、糖の分解を促す薬を開発していきたい」と話している。(読売新聞 2003/12/25)
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